careerdesign @Wiki アウトロー(漂流者)の公務員生活


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アウトロー(漂流者)の公務員生活

2004年08月06日

アウトロー(漂流者)の公務員生活


日記の金曜日枠の打診をいただき、過去の皆さんの日記を読みました。非常にプレッシャーを感じています(^^;
しかし、今更自分を誤魔化すこともできないので、取り敢えず思うまま、投稿しながら考えていきたいと思っています。
連載回数も最低回数(4回)で終わるのか、延びるのか解りませんが、よろしくお付き合いください。

自己紹介が遅れました。
キャリア・デザインの中では新参者のM市のtakaです。
少々毒気があると思いますが、よろしくお願いします。

では自己紹介も兼ねて、最初は公務員生活スタート編(の前?)からですm(_ _)m

真面目に自治を考えて公務員になられた方からは怒られそうな話になりますので、お許しください(最初に謝っちゃいます…^^v)。

公務員試験を受けたのは昭和63年の夏。そうです、バブル絶頂期でした。当然、大学の友人達も公務員を目指している者は皆無でした(^^;;;
自分自身もSEの会社に内定が決まっており(現在は上場され、日本でも有数の大手になってしまった…少々、後悔?)、金融機関もあり、公務員は全く眼中にありませんでした。
ところがある日実家へ戻ると、親父が「どうや、公務員試験ぐらい受けておけよ」の一言。
「そんなん興味無いし…」とは言ったものの、自由にさせてもらってる親の話だし、一つくらいは親孝行をするのも悪くないか?という軽い気持ちで受検。
当然、市役所の仕事なんてなぁ~んにも知らない(爆)
試験は軽いノリで受けたお陰で?プレッシャーも無く合格通知が届きました。
そこで家族会議開催!!!
海の物とも山の物とも解らないIT関連企業(当時の時代はね…笑)に行くよりも、堅い?公務員を薦める親(><)
一方、そんな親に反発しながらも、親父の仕事の関係上、子ども時代に何度か転校を経験した苦い思い出が頭をよぎった私。
「う~ん、公務員なら転勤も無いな!俺の子どもには自分が味わった淋しさを味合わせたくない」という思いに行きつき、というより、たったそれだけの理由で公務員の道を選びました。

仕事に興味があった訳ではない、安定に興味があった分けでもない、ただ転勤(これも安定になるのかな?)が無い。これだけで判断して人口5万人規模の一地方小都市の公務員になりました。
これが、僕の公務員となった理由です。

当時の(いや、今も?)僕を知る友人達は異口同音に「お前が公務員なんて務まるはずないやん!」と。自分自身も「そうだな、半年持てばいいかぁ!」なんて言うほど、堅苦しい社会が大嫌いな人間でした。とにかく人に縛られることが大嫌いな人間でしたし、「人は人、自分は自分」という身勝手な人間でした(これまた、今も?)ので、公務員が務まるわけがない!とう友人達の言葉に納得しながら一緒に酒を飲んで馬鹿騒ぎをしていました。

こんな時限爆弾の様な人間を採用してしまったM市(あらあら…)
次回は、この時限爆弾が入って1週間程度で引き起こした事件を綴りたいと思います。

でも、皆さん本当に公務員を目指して、自治を真剣に考えて今の仕事に就かれましたか?
これも、2:6:2では…?


2004年08月13日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(2)


世の中はお盆。今朝も通勤が非常にスムーズ。
毎日こんなに楽に通勤できればいいのになぁ~と思いつつも、ふむっ?世の中は休みか!とハタと気付いた自分に笑えました。
最初の日記から、数名の方からご感想をいただきました。ありがとうございました。本当に嬉しかったです!(^^)!
さて、先週の予告どおりに今回は役所に入って一週間程度の時期に起きた(起こしてしまった?)騒動を。
(今までも他のMLで流したことがありますので、ご存じの方は適当にお読みください)

平成元年4月、新たなる気持ち(多分…記憶にはないが)で公務員生活をスタートした僕は、教育委員会社会教育課(現:市民まちづくり推進室と青少年課に分離)に配属になりました。
担当したのは、青少年健全育成(自分が健全育成されなきゃ…笑)、子ども会、ジュニアリーダー、補導委員会、中央公民館行事、地区公民館活動、婦人会だったと思います。
前任者から引継を受け、この様な団体の4月総会ラッシュに目を回しました(参加される市民の方々は、本当にご苦労様です)。
引継の中に「市民と共に青少年関係の研修に参加しなければならないのでバス(路線バスではありません)を管財課(現:財産管理課)へ出向き、予約をとらなければならない。その調整日が毎月10日だから、10日朝に管財課へ行き、バスを確保してください」と引継がありました。

4月10日の朝、先輩からの指示通りに右も左も分からぬまま8時20分位に管財課へ行き、コンサートの予約の様にドキドキしながら調整会開始時間を待ちました(当時はまだ可愛かった…?)。
8時半になり、何名かの職員が自分の仕事に必要な日程を管財課の担当者に話し、そこで重ならないかを確認しながらバスを予約していきました。
自分の番になり、他との重なりもなく無事?に予約が取れました。
役所に入ったばかりですから、こんな仕事でも嬉しいモノです。「良かった。予約できた!」と意気揚々と課へ戻り係長に報告。「ご苦労さん!」の一言に満足感を覚えましたp(^^)q

バスの予約も終わり、参加いただく市民の方々に案内状を作り、発送作業を終えた頃(数日後)、管財課から一本の電話が…
「5月○日のバスの件、あれ変更してもらうから」(管財課)
「えっ、もう案内を出しちゃいましたけど…」(やまぐち)
「悪いね、その日議員さんの視察が入っちゃってさぁ~、バスを使いたいってことなんだよ。頼むね。」(管財課)
ガチャン!と電話は一方的に切られました。

えっ、うそっ?…と、周りを見ても係長も課長もいない。。。
人一倍責任感の強い僕???は、瞬時に席を立って、足は管財課へ(冷静な判断は今も足らない…反省)。

「ちょっと待ってくださいよ~、案内出しちゃいましたし…」やまぐち
「無理だよ、議員なんだし!そんな事もわからんのか!」管財課
…徐々に双方の口調が荒くなってくる。
「役所は誰の為に仕事をしてるのですか?市民をないがしろにするほど、議員は偉いのですか!!!」やまぐち
(相手はいつの間にか、管財課長に代わっていた(^^;)
管財課長にしてみれば、入ったばかりの若造の態度に激怒されたのでしょう。
「お前、入って何年目や!なにを偉そうに!!!」と。
こうなると僕の自制機能は働きません…
「入って10年やろうが20年やろうが、仕事をする上で、年数が関係あるのですか!」云々…(><)

結局、見かねた管財課の職員が社会教育課へ電話をしたのでしょう、僕の課長が飛んでみえてその場を収めていただきました(申し訳ない…)。

入ってばかりでこんな騒動を引き起こしてしまった私。
たかだか400人程度(現在、370名)の組織、管理職のネットワーク?を通じて、瞬時に社会教育課にはとんでもない職員が入った。との噂が(事実ですが)が流れました。

この事件?がその後の僕の漂流を決定づけた?のか、現在の総合政策課へ異動してくるまでに、社会教育→都市計画(用地買収)→県へ出向→企画開発課(開発指導)→商工観光課→総合政策課(12年目に配属)と大抵は3年~5年で異動する中で、2年に一回のペースで配属転換(途中異動有り…)を味わう羽目に…。

次回は、僕のその後の仕事に取り組む姿勢を決定づけてくれた会議での出来事をお伝えします。

行楽・里帰りされてみえる皆様、お帰りは十分気を付けて帰ってくださいね!


2004年08月20日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(3)


明日はいよいよ高浜市で待ちに待ったシンポジウムが開催されますね。盛会に終わることを祈念いたします。

さて、個人的には…
来週にISO9001:2000の更新審査を控えた美濃加茂市から、本日もアウトローの公務員生活を送ります(大丈夫かなぁ…笑)。
今回は、先週お伝えしました様に、僕の仕事に取り組む姿勢を叩き直してくれた出来事をお伝えします。

前回「4月総会ラッシュに目を回しました」とお伝えしたとおり、4月は総会の嵐でした。
右も左もわからぬまま、前年の資料を見ながらワープロを打ち(大学ではPCを使っていたのですが、当時の職場はワープロ全盛期でした…苦笑)、資料を作成し、前任者からの引継メモと3年分の資料を読み、一夜漬けで会議に臨む。という甘いスタンスで、いくつかの総会を乗り切っていました。
無難にいくつかの総会を終えてきた結果?少々の自身と大きな慢心が産まれていた4月の終わりにその事件(僕にとっては事件!)は起こりました。

その会議は補導委員会。これまで通り、適当に3年分の資料を読んで、自分なりに頭に叩き込ん(だつもり…)で、総会に臨みました。
当日の議題も無事終了した頃、ある補導員の方から議事とは関係ない質問が入りました。
質問の内容は、過去3年間の資料には全く無い質問でした。
言葉を繋ぎながら、過去の資料をめくる私に、質問者から厳しい視線が…、益々焦る自分は、答えがしどろもどろ…(><)
結局、質問には答えられずに、後日、調べてご返事をさせていただきます。と収めるしか方法がありませんでした。

かすかな自信がついた頃でしたので、それなりのショックを受けて会議の片付けをしていると、その方が教育長のところへ…「美濃加茂市はどういう職員を採用しとるんや!こんな質問にも答えられない様な職員を採用しとるとは何事だ!」
答えられなかった…なんていう先程のレベルのショックの比ではありませんでした。正に自分の中に激震が走りました。

正直、恥ずかしさもありました(ぶっちゃけます)が、それよりも、教育長に対して非常に申し訳なく思いました。
何や、そんな事か?って思われた方もあるかと思いますが、人とのコミュニケーションというか義理人情を重んじる僕としては、自分の(ミスの)為に上司が頭を下げる。という姿を見るのは本当に辛い出来事でした。
自分の勉強不足で、トップが市民からクレームを言われる結果となってしまった。自分が仕事を舐めてかからずに、もっとしっかりと勉強しておけば教育長が怒られる事はなかったのに…と。
本当に悔やみました…

そうなんですよね。自分が行っている仕事ってのは、市長なり教育長に代わって行っている。という基本中の基本がまだ解っていなかったのです。
業務の中で自分が発する言葉は、市としての言葉であり、市長なり教育長の代わりに話している。という事を(この日記は僕の言葉ですよ…笑)。

学生気分の抜けない4月の終わりに起きたこの事件(失態)が、僕に仕事の厳しさを教えてくれると共に取り組む姿勢を叩き直してくれた!と言っても過言ではありません。
今こうして日記を綴っていると、あの夜の風景(場面)が鮮明に蘇ってきます。16年経った今でも、自分の中に刻み込まれた事件を紹介させていただきました。

さて、次回は婦人会の解散とジュニアリーダーの創設について書いてみたいと思います(あくまで予定)。
本日もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。


2004年08月27日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(4)


台風がまたまた九州・沖縄方面に向かっていますね。台風の進行方面の皆様、十分お気を付けください。

さて、美濃加茂は今週火曜日から本日までISO9001の更新審査を受けています。
ということで、担当者の私もバタバタしています。
日記は来週に継続させていただきたいと思いますのでお許しくださいm(__)m

ISOって聞くと環境の14001を思い浮かべられる方が大半だと思います。14001は環境という切り口でPDCAを回すのですが、9001は組織活動全体でPDCAが回っているか?というものです。
そんなん、当たり前やん!と思われますよね(笑)
そうなんです。当たり前の事を当たり前の様に、でも、しっかりとやりましょう!って話です。
行政というもの殆どの活動が法律等により決まっています。
決められたとおり、決められたことを粛々と進める。こんな文化が育ってきたのは皆さんも周知の通りです。
予算が確定し(あえて、事業が確定し…とは言いません)、消化するだけ。という行政運営を進めてきた自治体にとって、改革なんて名ばかりで、全く進む要素はなかったのです。
裏話?ですが、予算は余ることなく使い切れば次年度の予算が確保でき、余らせばカット。さらに議会で説明を求められる…
本来なら成果を出すのにコストが抑えられたのであれば誉められるべきなのに、旧来の自治体は逆だったのです。
そんな行政に民間発想のISO9001をぶち込む。

これには、大きなお役所文化が立ちはだかります。
その中身は、今後の日記でお伝えできれば…と思っています。

さて、じゃあ審査は何をするの?
以下は本日の財政係の審査の指摘された内容をお伝えしますね。
お役所の方は分かりやすいのでは?と思います。

「仕事には目的があります。その目的を果たすためにお金(予算)を配分して成果を出してくださいね!ってのが財政の仕事のはずです。単に、執行率(予算に対して、実際に使った金額の割合)が95%だったから良かったね!って話ではないはずです。
大切なのは費用対効果です。あなた方(財政)は仕事の目的が達成目指すべき姿になるように、お金という資源を配分しているはずですよね。
それにも関わらず、数字の帳尻合わせだけの様な、いくら払いました。だからOKですね。という仕事は本来の財政課の仕事ですか?
効果があるところに資源(この場合は予算)を投入する仕事が財政の仕事であり、その成果を確認もせずに、予算査定という仕事をしてみえるのでは、PDCAのC(Check)とA(Action)が全く回りません。
今一度、目的にあった形で、予算が使われているか?その結果成果は出たか?という目線を入れて、PDCAをしっかりと回して予算編成に向かってください。」

民間企業であれば、徹底したコスト削減と成果を得られるところへの投資は絶対のことです。しかし、行政はまだまだ甘い。
そんな体質を今回の審査でも指摘されました。

今日はISOの審査の一部をご紹介しました。


2004年09月03日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(5)


前回の日誌でISO9001の内容を一部紹介しましたところ多数の反響をいただき、皆様の関心の高さを実感しました。
今回の日誌の中では紹介できませんが、今後も折を見てお伝えできればと思っていますのでよろしくお願いします。

あと、本日の投稿が遅れまして申し訳ありませんでした。
先々週のISO9001:2000の更新審査につづき、今週は行政評価(行政の活動が本当に有効であったかを、データなどを分析し、評価して次年度以降の計画につなげる活動)の市長ヒアリングが続いていまして遅くなりました。申し訳ありませんでした。

では…

婦人会の解散!

地域コミュニティの低下、男女共同参画が叫ばれる昨今ですが、或る意味、時代に逆行する様な行動に出たのは以下の事が背景にありました。

当時の婦人会活動は、市の婦人会と各地域(美濃加茂の場合は8地区)の婦人会と二重構成になっていました。
担当として、各地区の婦人会にも出向くのですが、どうも参加状況が芳しくない…
最初の一年(平成元年)は訳も分からず、年間活動計画に沿って事務を行いましたが、どうしても自分の中でしっくりこない。そこで、各地区の婦人会の方々に「なぜ参加が少ないの?」って聞いて回りました。
皆さんの意見は「暇(時間)がない」「会議や総会ばかり出席を求められる」「何かと言うと、婦人会だからって招集がかかる…」など婦人会に参加してみえる方々が本来行いたい活動ではなく「行政の手先として使われている!」という思いが噴出してきました。

勘のいい方なら既にお気づきかと思うのですが、地域コミュニティや婦人パワー(失礼…)の活用といった本来の目的ではなく、その当時の婦人会は県などから降りてくる活動や市が意見を聞く場などの下請け組織になっていたのです。

立ち上げ当時の経緯は知りませんが、本当に住民が望んで作られた外郭団体だったのか?って事です(役所が都合のいいように住民を巻き込んで作られてきた団体って他にも結構あると思います…)。

そこで、「そんなに皆さんに迷惑を掛けているのであれば、解散しましょうよ。ボランティア活動なのに、無理強いまでして行っていただいて負担になっていては意味無いですよね」と切り出したのがスタートです。

ところが、色々な方がみえまして。とは言いましても敵?は市民ではなく、内(行政)でしたが…

まず庁内での調整?
役所にとって使い勝手のいい組織を潰すと言うことは、自らの活動に制限が加わります。
目的がすり替わって?認識されていた婦人会の解散には正論(地域コミュニティや婦人パワーの活用)ぶって反論されましたが、「皆さん本当に婦人会の活動に目を向けていますか?」「その成果は?」と突っ込み続けました。

一方、県からも、言語道断「何を考えとる!」とお叱りが…

本来であれば、組織は存続し、改めるべき点を明確にして、婦人会の再生を図るのがベストだと思いましたが、僕は敢えてスクラップを実施しました(ただし妥協点として連合婦人会を作り、下請け?は存続しましたが…)。
それは以下の考えに因るものです。

本当に必要な組織、住民が望む組織であれば必ず復活する!って事です。

結果、地域活動を全てスクラップして内外から様々な非難も浴びましたが、しばらくすると「私たちはこういう活動がしたい!」という自主的なご婦人方の活動が芽生える形となりました。
名前は婦人会というネーミングを使いませんでしたが、ご婦人方が自分達で考えられた地域活動を行っていただく組織が出来てきました。
そこで、ようやく行政の出番です。サポートできる面があればサポートしますよ!って事です。

最近では行政の財政的な面もあり、不必要な団体の廃止や押し付け?補助金のカットなどが、これ又、行政の都合のいいように当たり前に行われる時代になりましたが、当時はまだバブル期。拡大行政の時期です。「何やっとるんや!」と言われるのがオチでした。

今回の日記は、賛否両論ある内容だと思いますが、当時の若造はこんな行動に出てしまいました。。。

今なら多少は受け入れてもらえるかなぁ?なんて日記を書きながら自分を慰めていますが。。。

本日は以上です。


2004年09月10日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(6)~ISO9001編


公務員生活を波乱の幕開け(自分の立ち回りが悪いだけですが)でスタートし、その後も自分の中で納得出来ないことについては徹底的に議論し、NOはNOと言い続けた自分は、使い勝手の悪い職員として様々な部署を点々とします。そうこうしている間に、美濃加茂市に異動希望調査(今流?でいえばFA制度)が出来ました。
とは言いましても、制度発足当時は、本人の意向はさほど考慮されていない(組合の追跡調査による)様な制度。いわゆるガス抜き的でしたが、それでも旧来の役所体質に納得できなかった自分は、人事や財政への異動希望を出し続けました。
異動希望を出し続けて3年目か4年目です。平成12年の春に機構改革により総合政策課という部署が出来ました。
この部署は、名前のとおり役所の業務を総合的に考え、市の政策を打ち出していく部署です。

さて…ここから第二の公務員生活がスタートします。
それまでは現課から人事や財政など官房系に対して「それは間違っている」と言い続けてきた人間が、逆の立場になったのです。しかし、この時の自分は、この仕事の難しさに全く気付いていませんでした…

平成12年に総合政策課へ異動し、最初の1年目は国勢調査の仕事を経由し平成13年から現部署(政策推進係)に配置転換され、ISO9000S(シリーズ)に出会います。
と言うことで、皆様もお待ちかねの(待ってない?)ISO9001(ISO9000Sの要求事項が9001です)の基礎講座と共に美濃加茂市がISO9001にどう取り組んでいるかを、本日からお伝えします。

ISO9000とはInternational Organization for Standardization:国際標準化機構により定められた品質マネジメントシステムに関する一連の国際規格です。
その中で認証の要求事項を示すものがISO9001になります。

ISOの歴史は1987年のEU統合を背景として生まれたものです。もっとさかのぼれば第二次世界大戦中、米国軍の軍事兵器を組み立てるにあたり部品調達の規格統一のため。という話も残っていますが…
ISO9000が誕生した当時の日本は、品質管理という面において世界一の自負があった為に導入には消極的でした。しかし貿易でもっている日本企業は欧米との取引においての「ビジネスパスポート」という捉え方により認証取得を進めました。

ISO9000は組織として最低レベル?の活動しか定義していません(言い切ると、取り組んでみえる方々からご批判をいただくかもしれませんが…)。
品質管理において世界のトップを君臨している?日本企業はISO9000よりも優れたシステムを持っているところが多くあります。

しかし基本の基本はどうなっているのでしょうか?
優れたシステムが、その狙い通りに機能しない時は、実はもっとシンプルな根底部分、ベース部分に原因がある場合が多くあります。
その部分をしっかりと固めましょう。という意味でISOに取り組んでもいいのではないかと思います。

どんな事でもP(計画)、D(実行)、C(チェック)、A(改善)→P…と行っていきましょう!っていう基本中の基本です。

また従来(94年版)は、とにかく決められたとおりに動くためのマニュアル作りが優先されていました。
これは欧米社会の考えが背景にあり、マニュアルをつくる人(管理者)と、そのマニュアルにより動く人(従業員)が明確に分けられている。という文化にもよります。

そこに2000年版の大改訂によりISO9000に「顧客満足」の視点が大きく入ってきました。

日本人が得意とするTQM的要素が多く取り入れ、継続的な改善や顧客満足という視点がかなり増えました。2000年版の改訂により「経営者の責任」に関する要求事項は5割ほど増えていて、継続的改善や顧客満足について経営者自身が重視しなければならない要求事項になってきました。
94年版での工程管理重視から、お客様のニーズやウォンツを探り、それに応えていく。さらに提供後まで全てにおいて責任がある。という主旨に変わってきました。

いかがでしょうか?本日はISO9000の概略をお伝えしました。

行政が取り組むべきか、否か?本日の内容だけでは判断できないと思いますが、今後もISO9000についてご紹介をしていきたいと思いますので、皆様からのご質問、ご感想がいただければ嬉しいです。


2004年09月17日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(7)~ISO9001編


プロ野球の合併問題が話題に上っていますが、ユーザーというかファンが知りたいのは、なぜ合併なのか?なぜ買収に名乗りを上げている企業がいるのに、消えゆく近鉄が有利にビジネスとしてでも答えないのか?だと思います。
個人的に大嫌いなナベツネさんの退陣(まぁ院政でしょうが)により、或る特定の人のオモチャであったプロ野球が我々ファンのところへ戻ってくることを期待します。

でもこれって我々行政にも当てはまるような気がします。
長野県政がガラス張り行政を掲げて頑張っていますが、行政とは本来国民のものであり、地域住民のものであるはず。
なのに何故ブラックボックスとなってしまってるのか?
政策の決定する過程も不明、決まったことに対する説明も不十分…こんな行政運営を続けていては、国民にそっぽ向けられても何も文句を言えませんよね。

特に我々の様な末端の住民との接点は、政治不信が顕著に現れるところです。
また一部の不祥事、それが国の官僚であれ、役場の職員であれ、国民の目は「ほら、公務員は!」という様に十把一絡げになります。
国家公務員も地方公務員も再度、再度、日本国憲法第15条を読み直してください。

「全ての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」

本当に貴方は、全体の奉仕者として働いていますか?ある特定の利権絡み、権力絡み、個人的出世の為という様な判断基準で動いていませんか?
これまで身分の保障・年功序列で守られてきたのは国民の信頼があったからですよ。全体奉仕者として頑張ってくれる!と期待されていたからですよ。

貴方は日本国民でありながら、法の番人としての公務員でありながら、日本国憲法に反していませんか?
再度胸に手をあてて問い直してみてください。

思うことがあり、前置きが長くなりました m(__)m

さてISO9000は8つの品質マネジメントシステムの原則に基づいています。
1顧客重視
2リーダーシップ
3全職員の参加
4プロセスアプローチ
5システムアプローチ
6継続的改善
7事実に基づく意思決定
8供給者との互恵関係
以上の8つです。
この中で顧客重視は、様々な規格要求事項に入っています。
トップの責任としての5.2(ISOの規格要求番号)、経営判断を下すマネジメントレビューへの情報提供としての5.6.2、人・モノ・金・情報の経営資源配分の6.1、顧客の要求事項を汲み計画に盛り込む7.2、結果を測定する時も顧客満足としてどうなのか?を問う8.2.1、データを分析するときにも顧客の目線や要求事項に沿っているかと言うことを筆頭に要求しているデータの分析としての8.4という形で、様々な経営判断の場面に顧客という観点が盛り込まれています。

我々自治体は、活動の原点として公共福祉や生命・財産の維持といった安全の保証にあると思います。
民間組織が民間企業のために作ったISO規格ではありますが、我々行政ほどISOの主旨に乗っ取った経営が可能だと思います(単なる利潤追求ではない!という観点から)。

我々は国民の現在及び将来にわたってのニーズを理解し、その要求を満たすだけではなく、国民の期待以上(ウォンツ)に答える必要があると思います。
国民の信託により納税の義務が成り立つとしたならば、我々は誠実に応える必要があります。

ISOは経営判断の様々な場面に顧客重視の要求事項を盛り込む事によって、組織は何の為に、誰の為に動いているのか?を徹底して考えさせてくれます。

最後に…
自治体がISO認証を入札参加の条件として利用しているという馬鹿げた展開をしている自治体がありますが、こんな利用を進めれば進めるほどISOは商業ベースとしてしか活用されずに、ISOの精神は消えてしまいます。
馬鹿げた基準は今すぐ撤廃していただくと共に、入札の条件とするのであれば、行政自らが認証し、ISOの良さを納得した上で入札の条件などに活用されることを、一個人として訴えます。


2004年09月24日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(8)~ISO9001編


先日、名古屋で開催された市民フォーラム21・NPOセンターによる「指定管理者制度研究会」に参加してきました。
研究会は、当初の予測人数を大きく上回ったため別のビルに変更されたほど盛況でしたが、参加者の大半がNPO関係者の方々であり、NPOの皆さんの関心の高さを感じました。
研究会に先立ち、名古屋大学の後房雄教授の講演があったのですが、以下の言葉が印象に残りました。
『集めた税をどう使うかを決定するのは行政しかできない。しかし決定した事を実施するのは民間でもOK。一番得意なところがやればいい。米国でも行政は数人だけ、議員だけのところもある。あと(執行)は全て民間という行政もある。』(文責:やまぐち)
赤字体質に喘ぐ国家を含めた日本行政。歴代の内閣が声高らかに行革をうたい、推進してきたにも関わらず日本は700兆円を超える借金を抱える国家になってしまいましたよね。

大きな政府から小さな政府へ…これまでの行政に逆行する行革ではありますが、指定管理者制度の導入は赤字体質に喘ぐ国家を救う方策になるかもしれませんね(万能薬ではありませんが…)。
国が無理矢理?進めようとしている市町村合併についても、机上の理論ほど現実には機能しない様です。
小さな自治体は体力が無いから大きな自治体と合併する。小さな自治体を集合させてある程度の規模の自治体を構成する。という一見正しい様に思える(正しい面もありますが…)手法ですが、地方独自の文化やコミュニティを崩壊させる恐れは多分にあります。
そんな中、今回の後先生のお話は、小さな自治体でも運営が可能と成り得る可能性を示しているのでは?と思いました。
きっと埼玉県志木市が目指している自治体は、この様な姿を先取りした取り組みなのですね。

さてISO9001では前回もお伝えしました8つの品質マネジメント原則があります。
その中に「供給者との互恵関係」があります。
これは取引先と組織はお互いに(良い仕事をする上で)依存していて、お互いに貢献できるように努力しましょう!というコトです。一歩間違えば癒着(笑)とも取れそうな一文ですが、ISOが求めているのはそういうコトではなく、双方の価値的創造能力を高めましょう!というコトです。
お客様に良いサービスを提供するというコトは、我々も受注先もエンドユーザーのコトを考えて活動をしましょう!というコトです。

実際には供給者の公正な選定、協議などのコミュニケーションの重要性、仕様書や変更などの正しい情報の提供、納品の確かな検証などが要求事項に入っていますが、我々行政では契約規則や会計、財務などで法定化されている部分が多分にあります。そこへ今回の法改正により導入される「指定管理者制度」。

ISOの基本原則の一つである「供給者と共に価値的創造能力を高める」為にも「指定管理者制度」の本旨を理解し「法改正がなされたから仕方無く、直営か委託かを考える…」なんていう実施だけは避けて行きたいと思います。

「供給者との互恵関係」の原則。
NPOや民間企業と、より地域や社会に貢献できる相互関係を築く上では、正にそのものズバリと言っても過言ではありません。

我々地方自治体が今後の街づくりという地域経営を考える上で、主体となるであろうNPOや民間企業とのパートナーシップやガバナンスの原則をこれ(基本原則)に充てはめるコトができます。


2004年10月01日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(9)~ISO9001編


美濃加茂市は現在7つの町村と合併協議を進めています。
全国で国の主導により多くの合併が進められていますが、殆どの自治体が好きで合併するわけではないと思います。
勿論、合併により組織力(経済力?)を強固にし、地域に根ざした街づくりを進められるという教科書通りの合併もありますが…

今朝(昨日の夕刊で速報)の新聞に、当市の合併先の教育委員会で4年間にわたって時間外の不正支給が行われていたことが報道されました。

これは合併協議を進めている我々は非常に大きなショックを与えると共に住民意向調査に大きな影響を与えることとなるでしょう。

ISOは民間組織により作られた基準ですが、「経営者の責任」の要求事項の中(5.1経営者のコミットメント)で、一番先に法令・規制要求事項を満たすこと(法令遵守)がうたわれています。
BSE、雪印、三菱ふそう等、コンプライアンスが何かと話題に上っていますが、我々公務員は、これら組織以上に法令遵守を徹底しなければならないのは当然です。
またこの様な不祥事が発覚しますと、これは組織にとって大きなダメージを与えます。組織のリスクマネジメントも問われます。

また資源の運用管理の「人的資源」の要求事項の中(6.2.2力量、認識及び教育訓練)では、「文化及び社会生活を営む態度」や「社会に対する組織の影響」を教育及び訓練の計画に考慮するとよい。とされています。

世界的信頼とまでは行きませんが(ISO9001を認証している組織はこれくらいの自覚が必要)、住民の信頼を裏切るような行為を行う組織は民間であれ、行政(警察の不祥事も次から次へと出てきますが…)であれ、現在の社会では認められないことです。
組織の存在自体が問われます。

と、当市も「これくらい…」という事も無いように、しっかりとしなければ…と思いました。

最後になりますが、個人的には今回の様な組織ぐるみの犯罪(公金横領?所得税の脱税?)が行われていて、なぜ該当者がクビにならないか不思議です。
民間であれば会社のお金を不正に受け取った事が発覚した時点で即、解雇ですよね(処分は教育長を二ヶ月間減給十分の一の懲戒処分、関係する十人を訓告や厳重注意)。
公務員の非常識、甘さはこんな場面でも出ていると思います。

もっと、もっと襟を正さなければ…と感じました。


2004年10月08日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(10)~ISO9001編


前回の日記で、合併先の不祥事を自らの戒めとしてご紹介しましたが、どうしても処分などに疑問を持ったので、その自治体の町長宛にメールを送りました。
まぁ、自分自身がこの町の住民である。という点も踏まえてのメールでしたが、先日、町長からご返事をいただけました。

返事をいただいたこと自体は大変に嬉しく思いましたし、町長の姿勢を高く評価しました(おこがましいですが…)。
しかしコメントの中に気になるフレーズがありました。
事件に対するお詫びと経緯説明の中で、職員の処分については「何度も教育委員会で議論を重ねた結果であり、町長としては、今はただそれを謙虚に受け止めさせていただきたい。」と。

これを読んで、ふむっ?と思われた方もあると思います。
不祥事は教育委員会が組織ぐるみで行った事件であり、そこでいくら議論を重ねようが、自ら最大の決定(処分)を下す訳がありません。
法律上は教育委員会は別組織でありますが、我々と同様に小さな自治体であれば、職員は町の行政職員として採用し、教育委員会へ出向という形で配属されています。
また予算を単独で組む訳でもありませんよね。
当然、町長として管轄すべく範疇にあります。
それなのにこのコメント…
では、教育委員会が減俸も無し、注意も必要ない!と決定したら、それにも従ったのか?ってことです。
今回の様な場合は、部下との対話を重視している場合では無い。ということです。
行政機関のトップとして確かな判断と確固たる姿勢を見せることが、本来の仕えるべき町民に対する町長としての態度ではないのかと思いました。

ISO9001では、トップマネジメントの部分が強く言われています。
これは9001自体が品質マネジメントシステムであることから当然と言えば当然ですが、組織をまとめ上げるには、トップが確固たるビジョンを掲げ、姿勢をみせて、組織を引っ張ることが必要だからです。
規格要求事項第5項の5.1経営者のコミットメントには以下が含まれます。

5経営者の責任
トップマネジメントは、品質マネジメントシステムの構築及び実施、並びにその有効性を継続的に改善することに対するコミットメントの証拠を次の事項に因って示すこと。
a) 法令・規則要求事項を満たすのは当然のこととして、顧客要求事項を満たすことの重要性を組織内に周知する。
b) 品質方針を設定する。
c) 品質目標が設定されることを確実にする。
d) マネジメントレビューを実施する。
e) 資源が使用できることを確実にする。

この中で今回の事件に必要なのは、a)の法令・規則の遵守であることは言うまでもなく、顧客要求事項を満たすことにも関係します。ISOの中でいう顧客要求事項とは8.2.1顧客満足で把握することが要求されていますが、顧客が表現しない部分も含まれます。法的遵守はいちいち住民が要求しませんが、当たり前に遵守して欲しいと願っている(信じている)ことです。
またe)の資源には、人的資源(つまり職員)が含まれますので、教育・訓練などが要求されていますし、コンプライアンスがない職員は、資源として使用できるとは言えません。

今回は以上です。


2004年10月15日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(11)~ISO9001編


今日は久しぶりに少し真面目にISOについてお伝えしてみようと思います。

9001にしても14001にしてもISOを進める中で重要なエンジンとなるのが内部監査活動です。
ISOの認証には外部から審査員が入り、認証範囲全ての部署をくまなく審査します(これも内向きの行政にとってはかなりの刺激になります…爆)が、内部でも自らお互いにチェックし合う活動が求められます。
外部審査(第三者監査)は主にISOの規格に対して組織活動が適合しているかを確認するので「適合性の監査」と言われます。
一方、内部監査は組織の有効性を高めるために行われる監査という位置付けがあり「有効性の監査」とも言われます。

自分の部署を監査できないことがISOでは決められていますので、当市の場合は監査員がそれまでに所属したことが無い部署の監査を行います(規格要求は現在の部署を意味していますので、本来は過去までは問われません)。
監査員自身が業務に携わった経験があり、よく熟知している部署を監査する方が、より深い内容の監査ができるのでは?とも思われるでしょうが、自分が経験している部署だと、どうしても限界を作ってしまいます。つまり、これ以上突っ込むと無理だろうな?というのが分かってしまい?本当に組織にとって有効な改善案などが実施出来ずに終わることがあるからです。
それでも行政評価と同じで、第三者評価を入れないと手前味噌の監査となるのでは?と思われますよね。
だからISOは審査員による第三者監査の強み、第二者監査となる顧客からの情報(クレーム、要望など)、そして内部監査活動を規格要求で規定しています。
行政評価で学識経験者や地域住民を入れて、数値化などにより客観性を持った評価を行いますが、ISOでは外部からの審査員により行われる訳です。審査員は大半を民間企業のマネジメントを審査していますから、我々自治体の様な曖昧かつ客観性の無い仕事をしていることについては大変厳しく指摘がなされます。監査の内容については、おいおいこの日記の中でも紹介できればと思っています。

中央大学教授の久米均氏が「品質管理と標準化全国大会」の講演で発表された“監査条件の強み”は以下のとおりです。
●監査形式と優位性の比較
1.監査対象に対する知識…第三者監査:×、第二者監査:△、内部監査:○
2.監査のための情報収集力…第三者監査:×、第二者監査:△、内部監査:○
3.監査の柔軟性…第三者監査:×、第二者監査:△、内部監査:○
4.監査のタイミング…第三者監査:×、第二者監査:△、内部監査:○
5.品質保証能力の評価…第三者監査:―、第二者監査:○、内部監査×
6.監査の客観性…第三者監査:○、第二者監査:△、内部監査:×
7.監査の強制力…第三者監査:○、第二者監査:○、内部監査:×

つまり、監査には審査員などによる監査である第三者監査やお客様などのチェックである第二者監査、そして内部監査と、それぞれ監査形式によって優位性が違っています。
ISOはこれらをバランス良く使うことで、強制力と共に柔軟性をもった監査活動を展開し、組織の継続的改善を図る仕組みとなっています。

どんな改革ツールにも強みと弱みがあります。
要はどう使いこなすか?またどう組織に浸透させるか?この辺りがポイントとなると思いますが、内部監査を有効に機能させる仕掛けの一つは来週お伝えできればと思っています。

本日は以上です。


2004年10月22日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(12)~ISO9001編


内部監査を有効に機能させるには?

ISOに取り組みだした頃、市長の口癖に「いつまで監査で指摘を受けているのだ!」と(内部監査の意義からは)やや方向のずれた様な発言がありました。
しかしこれは組織の成熟度により徐々に変化するもので、仕方が無い面があります。
ISO9001というシステムを導入した頃は、どうしてもマニュアル化が主体となり、決められたことをまず実施する!に視点が集まります。これは監査員の質問内容の変化でも測ることができます。
例えば…
1.課目標について
「どういう目標か?課又は係のメンバーは目標を知っているか?」→「総合計画のプロジェクト目標との整合性は?市民ニーズとの整合性は?」→「現状はどうか?目標に向かいどう対処・改善するか?」
2.内部コミュニケーション
「決められたとおりに記録がとってあるか?」→「庁議、市長からの伝達事項は伝わっているか?」→「市民のクレームは、どのように共有化し対応しているか?」
3.業務手順書(約1300本のフローチャート)
「現実に行っている仕事との整合性は?手順が違ってないか?」→「業務の根拠は?各制度・基準との整合性はとれているか?」→「誰のために行っているのか?改善できたことは何か?やり方を見直せないか?」
4.力量の把握(教育・訓練)
「必要な研修に参加できているか?」→「職場内での必要とされる能力は?」→「教育訓練の有効性をどう確認しているか?評価は?」
質問の内容が、組織の成熟度と共に変化していることがお分かりいただけると思います。

これにより市長からのコミットメント(指示)も変化してきます。
当初は指摘が多いことは標準化が遅れている事を示しているため「いつまで…」というお叱りが多くありましたが、成熟が進むにつれて「(指摘ではなく)改善へのアドバイスは無いのか?」に変化してきます。
行政は「監査」だの「指摘」だのの表現には敏感であり、どうしてもマイナスのイメージが拭えません。
隠したり、本音を語らないなどの、隠ぺい体質になってしまいます。これはある程度仕方がない事だと思いますが…
しかしISOの内部監査は有効性を高めるものです。継続的改善に寄与しなければなりません。

内部監査を分析した結果、組織としての成熟度がかなり上がってきたことが確認できた段階で、このマイナスイメージを払拭すべく対策として以下の手段を取りました。

まずは分析結果の公表方法を変えます。
従来は指摘事項の数を課毎に整理していたものを、指摘事項をX座標に、自らの改善件数をY軸座標にとり、パフォーマンスの向上度が高い課ほど右上にくるグラフに課毎にプロットする方法に変えます。
a,指摘もなく自ら新たな改善もしない課は左下のエリアに入ります。ここは成熟しているとも言えますが、半年間(半年毎に監査)全く進化がなされなかった課でもある訳です。
b,指摘件数が多く、自らの改善が少ない課は右下のエリアに入ります。これは監査員の指摘に対処することによりパフォーマンスは上がります。でもそれだけです。
c,指摘は少ないけれど、自らの改善が多い課は左上のエリアに入ります。自らの改善は認めますが、監査員との共同作業でのパフォーマンス向上が現れない為に左上にプロットされます。
d,監査員の指摘も多く、自らの改善も多い課が右上のエリアに入ることにしました。指摘が多いと言うことは指摘事項の対処により監査時点から組織力は上がります。と同時に自らの改善も多いということなので、Wでパフォーマンスの向上が図れる訳です。
この様にプロットすことにより、指摘は悪である!のイメージを払拭し、監査員も監査を受ける側も積極的に活動しましょう!という仕掛けです。
それだけではまだまだイメージは変えられないので、ISOには反しますが内部監査活動を「KAIZEN assist活動」、内部監査員を「KAIZEN Assistant」とネーミング変更をしました。
これにより「監査」ではなく「自分が担当する課の改善に寄与するんだ!」という意識の下でメンバーに活動していただき、監査を受ける側と積極的に改善の手段を考える場としたいと思っています。
この成果はまだ確証できていませんが、しばらく様子を見てみようと思っています。


2004年10月29日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(13)~ISO9001編


連日新潟県の震災が報道されています。
その中でも一昨日は人間の生命力の奇跡に日本中が感動したことと思います。

一方、新潟の陰に隠れて全く報道がなされませんが、先般の台風による災害が日本中でその傷跡を深く残しています。

別の研究会の中では、兵庫県洲本市が床上2100件、床下1000以上、京都府舞鶴市は死者6人、負傷者14人、全壊39、半壊27、一部700軒、床上879、床下1500余りとメンバーからメールが入っています。

我が岐阜県でも飛騨地方や美濃地方山間部で大災害となっています。名古屋から富山への高山本線が飛騨地方で未だに復旧の目処がたっていません。美濃加茂市と隣接する美濃市、関市でも大きな傷跡を残しています。

ところが新潟の報道が中心であるため近隣で居ながら全くこの様な情報が入ってきません。隣の街でありながら、ニュースにならないために大したことないだろう!と。
これだけ情報技術が進んだ近代国家でありながら、結局のところ報道に頼っているだけ…という現実を思い知らされました。

美濃加茂市も昭和43年に死者7名を出す8.17災害、昭和58年には死者1名、床上浸水1,565世帯を出した9.28災害を経験しています。

災害は他人事ではない。今年ほど日本中が思い知らされた年はないでしょうね。備えあれば憂いなし!と言いますが、備えていても起こりえる災害。こんな時に我々自治体の真の存在価値が問われるのだと、再度痛感しました。

さて、先日、宮城県大和町議員(会派)の方々が視察にみえました。
これまで多くの自治体関係者に視察いただき勉強させていただきましたが、皆さんが一番興味を持たれるのが「市民の声」システムです。

これは市役所、出先機関の入り口に設置してある応対アンケートの自由欄にいただいた意見を全て掲載するものです。ご指摘、ご質問、お叱りに対して、美濃加茂市としてどう対応したか、どう考えているかを関係課長が責任をもってお答えするシステムです。
システムと偉そうに言っても、お金も無いのでエクセルで打ち込んだデータをhtmlで保存し、それをHPにアップしているだけの手作りです(本来であれば、データベース化して札幌市のコールセンターではありませんが、頑張ってみようと思いますが、まだまだです…)。

お客様からの意見は様々です。
想像していただければお分かりかと思いますが、アンケートを記入される方は、サービスに対して感激された場合か、何か一言伝えたい、怒りのやり場を探している方。になります。
やはり大半はクレームが中心となります。
当然、中には突拍子もないご意見もありますが、その意見に対しても全て回答を付けて公表しています。
http://www.city.minokamo.gifu.jp/upfile/hp/1/20030321143933/anke-toIKEN.html

このシステム(公表)に向けては庁内でかなりの抵抗がありました(ぶっちゃけ!)。システムを導入する時点で様々な意見が噴出しました。
「こんなどうしようもない意見にも回答を返すのか?」「こんなん説明の方法が無い…」各課長から出る言葉はやらない(やりたくない?)言い訳ばかり…こんな時ですよね、役人は言い訳のプロである。と関心するのは (^ ^;;;

「そうですよね、こんな意見は無いですよね…。でも、それも答えを返しましょうよ。公開しましょうよ。良いか、悪いかの判断は読まれた方、市民やお客様がするものです」と係三人でそれぞれを受け持ち、庁内を説いて回りました。
僕の性格ですから、時にはプチッと回線が切れて激怒したこともありましたが…(毎度のことか…^^;)

この(導入)根拠はISOです。ISOでは「顧客満足」を高らかに掲げ、「説明責任」も求められています。「お客様とのコミュニケーション」をどう行っているか。それが次のプランニング(計画)にインプットできるシステムとして機能しているか?を客観的事実を示して審査を受けます。
またクレーム対応に対する対処(是正措置)や不具合(サービス提供の方法についても)の再発を防ぐ事(予防措置)も審査の対象です。

まぁ、審査が有ろうが無かろうが、今の時代、説明を果たしていくというのは当たり前の事ですし、これに抵抗をしているようでは、まだまだ組織として未熟と判断できます。

この様に導入当時は色々ありましたが、今は当たり前の行為として、各課長が取り組んでみえます。
導入当初は、事務局から「入力してくださいよぉ~」とお願いしなければ、なかなか回答をいただけなかったものが、最近は何も言わなくても入力をしてくれます。
自らの名前でお応えするという事で、課長の自覚も変わってきた様に感じます。行動が自覚を与え、それが責任感につながってくれれば…と思っています。

システム(仕組み)を強制的に入れながらも、その対応(フォロー)を一人ひとり、サボることなく行う事が重要であり(正直、途中で投げ出したくなったりもしました…恥)、事務局として確固たる信念を持って取り組むことが、この様な改革を仕掛けるには重要になります。

僕自身、様々な体験と失敗を繰り返し、このことに気付かせてもらいました。

本日は以上です。
被災地の皆様、頑張ってください!

美濃加茂市はやっと来週職員会で募って近隣市へ復旧ボランティアに行ってきます。
被災地の皆様、遅くなってご免なさい。


2004年11月05日

アウトロー(漂流者)の公務員生活(14)~ISO9001編


明日から小千谷市へ3日間、職員会で有志を募ってお手伝いに伺う予定にしていましたら、昨日ボランティアセンターからお断りの連絡が。。。
実際に十分ボランティアが足りているのであればご迷惑にもなりますので、控えなければと思っていますが、小千谷市の職員と直接話すと、民家だけではなく学校の復旧活動などもあり、人では足りていない…と。
救援物資と同じでボランティアも充足率が自治体で違ったり、避難場所で違ったりと、ボランティアセンターと行政間の連絡が旨く取れていない様に感じました。
これは誰の責任でもありませんが、災害時の情報収集・発信はこの時期にきても混乱するものである。という教訓を教えてくれました。
今現在は十日町と連絡を取っています。

では、本日の内容へ

この日記の中で名古屋大学の後教授による指定管理者制度について以前もご紹介したことがありますが、本日はその第二回研究会で伺った話をお伝えできればと思います。

ISOの直接の内容は少し休憩しますが、ISOでは「供給者との互恵関係」が8つの基本原則の8番目に出てきますが、指定管理者制度を運用するときは、正にこれに該当すると思います。

また資源を有効に活用することも必要な事です。この辺りから考えても指定管理者制度は勉強する必要があると思っています。

指定管理者制度は、今まで行政が行っていた公共施設の管理・運営を民間やNPOの強みを活かして管理してもらおう!という発想ですが、改正には大きく4つのポイントがあります。
1.公の施設が全て対象となる(但し、個別法で規定されるものは除く)…これについては各省庁から対象となる旨も伝えられており、今後も動向を確認する必要があります。
2.範囲がこれまでの規定を外れ、民間でもNPOでも参入ができることとなった
3.権限の移譲が行われた(単なる管理委託ではなく、貸し出しなどの行政処分の判断を含む)
4.利用料金制度(売り上げは自分の収入となる…民であれば当たり前であり、何を今更…という感覚です。はい。)
今更ながらの話ですが餅屋は餅屋に任せよう!という当たり前の話に、国を含めて我々自治体がやっと気付いたという事です。同じサービスが支払った税金から提供されるなら、何も行政が直接提供しなくても、住民にとってはその方がいいでしょ!という当たり前の事ですね…
では、研究会の中で印象に残った点をご紹介します。

講師はヤマハ株式会社 静岡企画推進室 次長 ゼネラルマネージャーの桧森隆一氏です。(文責:やまぐち)
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指定管理者制度を導入するにおいて、公共施設の運営は利潤の追求ではないから、民間ではできない。という主張がある。
じゃあ、民間に任せるとサービスを切り捨てるのか?料金アップにつながるのか?…

ここで本当に値上げが可能か検証してみる。
公共ホールには大きく二つの収入がある。一つは自主事業の入場料であり、もう一つは貸し館