■酒場にて


「散々な目に遭った。ホント散々。男としてのプライドをズタズタにされたわ。」
「何があったの、レイブン。」
「やめとけ、頭領。どうせろくでもない話にきまってる。」
「カロルが優しい青年に育ってホントに嬉しいよ。それに比べてユーリ!あんたは年長者を敬う心を持つべき!」
「敬ってるじゃないか、十分。」
「どこが!?」
「ああもう、余計に拗れるからユーリは黙ってて!レイブンも!怒鳴らないでよ、唾飛んだじゃないか。きったないなぁ。」
「あ…………すいません。」
「やーい怒られてやんの。」
「ユーリ。」
「すいませんでした。」
「で、レイブン。何があったの?」
「あ、はい。では不肖ながらこのわたくし、レi」
「早くしてよ。」
「つい先程、えっとぉ、そのぉ、ひさしぶりに馴染みのオンナノコと会いまして。」
「馴染み?幼馴染み?」
「違うよ、頭領。この場合の馴染みはセフレって意味だ。」
「ちょっと純情なカロル青年の前でセフレなんて言葉を使わないでよ!何だか響きがいかがわしい!汚らわしい!不潔!」
「馴染みだろうがセフレだろうがヤリ友だろうが何でもいいよ。で?続きは?」
「嫌だ!俺の可愛いカロルの口から、ヤリ友なんて言葉、聞きたくない!」
「おっさんも聞きたくない!」
「――煩いよ。」
「「すいませんでした。」」
「続き。」
「はっ!彼女とは今から2、3年程前になりますか。仕事帰りに立ち寄った酒場で、悪質な客に絡まれていた彼女を、」
「興味ない。簡潔に。」
「はっ!ひさしぶりだし、ちょっとヤろうよという話になりまして、」
「うーわ、何その「ちょっと一杯飲んでいこうよ」なノリ。」
「見損なったよ、レイブン。」
「ひどい!簡潔にって言うからご希望通りにしたのにこれだよ!」
「おねえさん、同じのもう一杯。」
「僕も。あとチーズの盛り合わせをください。」
「あ、オリーブもお願い。」
「聞いてよ!」
「聞いてるよ。泣くなよ。」
「レイブン、」
「カロル……、」
「続き。」
「あー……はいはい。続きね続き。その後、程好く酔った彼女を連れて、宿にしけこんだわけですよ。だけど俺も年だし?長旅で疲れてたし?頑張ってはみたけど勃たなかったのよ悲しいことに!」
「うわぁ、彼女が可哀想。そこは男の意地で勃たせろよ。勃たせるだろ、普通。勃て!勃つんだおっさん!」
「無茶言わないで。もう若くないのよ、俺。」
「擦れば勃つでしょ。」
「擦っても勃たなかったんだよ、」
「咥えてもらうとか。」
「……試したけど駄目だった。ていうか、カロル、お前さんの口からそんな言葉聞きたくない。勘弁して。」
「で、どうなったんだ?」
「彼女が、もうおじいさんだもんね、って。」
「あー……。」
「まー……。」
「何納得してんの!?ここは「そんなことないよレイブン」って慰めるところでしょっ!?」
「事実だろ。」
「事実だね。」
「ひどい!」
「彼女は機嫌悪くしちゃった?」
「……それはないよ。ただ、苦笑いはしてた。」
「ちなみにさ、彼女何歳?」
「たしか、20代後半、」
「「ロリコン。」」
「ひどい!」
「それで、男としてのプライドをズタズタにされたっていうのは、おじいさん扱いされたからなのか?」
「それもある。」
「他にもあるの?」
「レイブンもこうして枯れ井戸のようになっていくのかしら、と言われました。」
「あー……。」
「まー……。」
「だから!納得しないでくれない!?」
「事実じゃんか。」
「事実だもんね。」
「これだから若い奴らは!勃たないことなんてないんでしょ。勃たなかったときの、あの虚しさを、部屋に流れる気まずい空気を知らないんでしょ。キィ羨ましい!」
「俺はともかく、頭領は、そうだろうな。」
「僕?」
「若いからねぇ。」
「ちょっと扱けばすぐに勃ちそうだよな。」
「絶倫?」
「しかも、デカイときた!」
「やめてよ、ふたりとも。」
「純情そうな奴に限って、やたらしつこかったりするんだよ。」
「ガンガン腰振るし。」
「ふたりとも、」
「要求はえげつないし!」
「変わった体位ばかりとりたがるし!」
「濃いし!」
「長いし!」
「切れ悪いし!」
「ふたりとも。」


「黙れ。」


「「すいませんでした。」」
「調子に乗り過ぎました、ごめんなさい。」
「反省してます、ごめんなさい。」
「まあ、いいよ。」
「カロル……。」
「ごめんね。こんなえげつないおっさんたちでごめんね。」
「下ネタ大好きなおっさんたちでごめんね。」
「だからいいって。身をもって知ってもらうのが一番だと思うし。」
「は?」
「え?」
「2階行こうか。」
「ちょっと落ち着いて話し合おうじゃないか、カロル。」
「そうだぜ、頭領。短気は損気って良く言うじゃないか。」
「目が怖いよ、カロルくん!」
「笑顔が怖いよ、カロル先生!」
「煩いなぁ。」


「雌豚は雌豚らしく、大人しく穴拡げてればいいんだよ。」


「……せめてそこは足と言って!!」
「突っ込むところはそこなのユーリ!?」
「あと、俺、雄ですから!一応!」
「それも違う!!」



■酒場の二階(宿)にて


「じゃあ、僕は寝るから。おやすみ、ユーリ。」
「え、」
「え、じゃないよ。寝ると言ったら寝るんだよ。」
「ええ、」
「ええ、じゃないよ。もしかして勃ってるの?なら、そこでひとりでマスでもかいててよ。」
「カロル、(ドキ……ン★)」
「おやすみ、ユーリ。床汚したら、ちゃんと掃除しておくんだよ。あと、ちゃんと換気してね。イカ臭いの嫌いなんだよ。じゃあまた明日。」
「また……明日……(ドキドキドキドキドキドキドキドk)」



fin.


 夏野サマから誕生日に賜ったブツでございますよ!
 ななななななんだこのかわいい野郎ども三人組は……!

 私一人で楽しむのもアレだったので、やっぱり萌えは皆で共有しなきゃね、と掲載許可を頂きました☆
 もうカロル先生が総攻め過ぎて挙動不審なさとうがお送り致しました!
 夏野サマ本当にどうもありがとうございました!そして今年、私何にもお返し出来ずすみませんでした。。。
(201011221)









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最終更新:2010年12月21日 22:01