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150415 米大統領、キューバのテロ支援国家指定解除を承認 [朝日]

 オバマ米大統領は14日、キューバに対するテロ支援国家指定を解除することを承認し、議会に通告した。米ホワイトハウスが明らかにした。順調にいけば45日後以降、33年ぶりに解除される。その際には、キューバに対する経済援助禁止などの制裁も緩和される。

 オバマ政権は昨年12月、キューバとの国交正常化交渉を始めることを発表し、国務省がテロ支援国家の指定が解除できるか見直し作業に着手していた。同省は、①過去6カ月の間に国際テロを支援していない②将来もテロを支援しないと保証される、の条件を満たしたと判断。大統領に解除を勧告し、オバマ氏がこれを承認した。

 キューバがテロ支援国家に指定されたのは1982年。米国は、スペインからの分離独立を求める「バスク祖国と自由」(ETA)や左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)をかくまうなどしていたと認定し、武器の輸出・販売やキューバに対する経済支援などを禁止する制裁を科してきた。

 米国によるテロ支援国家指定は、ほかの国がキューバとの外交・経済関係を考える際に影響を与える。キューバは、米国との国交正常化交渉を進展させる前提として、指定の早期解除を強く求めていた。

 オバマ氏は11日にキューバのラウル・カストロ国家評議会議長と歴史的な会談をした際、「数日内に(解除の)判断をする」と伝えていた。

 テロ支援国家指定の解除は、大統領承認から45日後以降に発効する仕組みになっている。議会は45日の期間内に、解除に反対する法案を可決することもできる。ただ、米メディアの調査では、米国民の約6割がキューバとの国交正常化に賛成。上下両院で多数を占める共和党側も強く反対しづらい情勢だ。

 仮に反対法案が可決されても、大統領は拒否権を行使するとみられている。議会は上下両院で3分の2以上の票を集めることができれば、大統領の判断を覆せる。しかし、そこまで多くの票数を集めるのは困難とみられ、45日後以降に正式に解除される公算が大きい。

 キューバが解除されれば、米国がテロ支援国家として指定しているのは、イラン、シリア、スーダンの3カ国となる。北朝鮮は、ブッシュ前政権の08年に解除された。(ワシントン=奥寺淳)

■キューバ側「正しい判断だ」

 キューバ外務省は14日、オバマ米大統領がキューバをテロ支援国家指定から解除することを承認したことについて、「正しい判断だと認識している」と、声明を出した。キューバは「あらゆるテロ行為を否定しており、テロの奨励も資金援助もしていない」などとした。(ロサンゼルス=平山亜理)

     ◇

 《テロ支援国家》 米国務長官が、「テロ行為への支援を繰り返す国」として指定する。テロ支援国家として指定した国には、経済支援の制限や、武器の輸出・販売の禁止、金融制裁などを科している。

150414 クリントン氏「イッツ・ユア・タイム」 大統領選立候補 [朝日]

 来年11月の大統領選に向け、「本命」とされる民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が正式に名乗りをあげた。キャッチフレーズは「イッツ・ユア・タイム(あなたの番だ)」。米国民に行動を促し、中間層重視の経済政策を進める方針を訴える。正式指名は来年だが、共和党は早くもクリントン氏への攻撃姿勢を強めている。

150413 クリントン氏、オバマ路線継承方針 大統領選へ本格始動 [読売]

 「私も準備ができています。大統領選に立候補します」。クリントン氏は米東部時間の12日午後(日本時間13日未明)、この日立ち上げた自らの選挙用ウェブサイト上の動画で立候補を表明。同時にツイッターなどソーシャルメディアでも発信した。

 急がず、控えめに――。それが今回のクリントン陣営の戦術のようだ。

 2008年の大統領選では、早々に出馬表明しながら、後から参戦したオバマ大統領に人気を奪われ、民主党候補の指名争いに敗れた。今回は、経済人との対話や陣営の態勢固めに時間をかけ、前回より3カ月近く遅い表明となった。

 訴える内容にも変化が見られる。

 前回に出馬表明した際の動画は、ソファに腰かけ、医療保険制度など政策を次々と語る一方で、ブッシュ政権への批判を展開するなど、攻撃的な印象も強かった。

 2分18秒の今回の動画では、子育て中の母親や工場で働く男性、同性愛のカップル、定年退職する女性など庶民の日常の描写に大半を割き、クリントン氏の登場は残り50秒を過ぎてから。前回は「私は勝つためにここにいる」と強調したが、今回は「あなたの番だ。この旅に共に合流するよう願う」と「あなた」を主語に訴えた。

 有権者が重視する経済政策では「米国人は厳しい経済状態から復活しようと戦ってきたが、いまだにトップの人たちに有利な状況だ」と中間層の安定を重視する考えを強調。「どの米国人もチャンピオン(擁護者)を必要としている。私はその擁護者になりたい」と語りかけた。

 米史上初の女性大統領にと期待されるクリントン氏は、女性が社会で活躍する上で障害となる「ガラスの天井」を打破することにこだわってきた。自らが大統領になれば、米社会の「ガラスの天井」を打ち破る象徴になるとの思いも透ける。党内の指名選挙でオバマ氏に敗れた際も「高く硬い天井は今回は打ち砕けなかったが、(得票した)1800万のヒビを入れることができた」と強調。その後も、「まだ終わらぬ最大の仕事はガラスの天井を壊すこと」と訴え続けており、今回の選挙戦でも就職や昇進などに絡む性差別の問題に取り組む姿勢を強調していくとみられる。

 オバマ大統領は出馬表明前の11日、クリントン氏について「すばらしい大統領になるだろう」と、訪問先のパナマで語った。

■共和党は乱立、リード許す

 米議会の上下両院で過半数の議席を占める共和党は、8年ぶりの政権奪還を目指す。だが、候補者指名レースには多数が乱立する情勢で、圧倒的な知名度を誇るクリントン氏にリードを許している。

 米CNNが3月中旬の世論調査で、共和党で名前があがる主な人物とクリントン氏のどちらに投票するかを尋ねたところ、クリントン氏は共和党のどの人物に対しても、55%前後の支持を得て優位に立った。

 共和党内では、保守系草の根組織「ティーパーティー(茶会)」などが勢いを増す一方で、保守派と穏健派の分断も指摘される。保守派に支持されるランド・ポール、テッド・クルーズ両上院議員がすでに出馬表明したが、今後も表明が相次ぐ見通しだ。

 最有力とされる1人は、ブッシュ前大統領の弟で、穏健派のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事だ。大統領選は、まず党内の選挙で指名候補を1人に絞り、その後、両党の候補が本選挙で争う仕組みだが、ブッシュ氏は早くも本選挙を見据えた戦術を描く。

 12日には、クリントン氏に対抗するかのように動画を公開。自らの出馬への言及は避けながら、「我々は同盟国との関係を損ない、敵をつけあがらせるオバマ=クリントンの外交政策よりもうまくやる必要がある」とクリントン氏を批判した。

 12年の大統領選では、ヒスパニック系有権者の支持を得られなかったことが、共和党の敗因の一つとされたが、ブッシュ氏は、ヒスパニック系の取り込みにも余念がない。ブッシュ氏の妻はメキシコ出身で、自身も流暢(りゅうちょう)なスペイン語を話す。党内では否定的な意見が強い移民受け入れの拡大にも寛容だ。2月の保守系団体の会合ではヤジを浴びつつも「我々が(民主党に)勝つためには、ラティーノ(ヒスパニック)や若者らの支持を取り付けなければならない」と訴えた。

 一方、中道保守のウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事も最近支持を伸ばし、世論調査によってはブッシュ氏を上回る。知名度はブッシュ氏に及ばないが、州知事として、民主党の支持基盤である労働組合と対決する姿勢が保守派から評価される。保守層が重視する「中絶反対」なども熱心に訴える。

 ただ、党内の幅広い支持を得ようとするあまり、移民問題などでは態度が二転三転している、と指摘される。外交・安全保障分野での経験不足も課題だ。

 大統領選の前哨戦で劣勢に立つ共和党側は、クリントン氏の「アキレス腱(けん)」を狙う。国務長官時代に、公務に私用のメールアドレスを使っていた問題や、クリントン一家が設立した財団がイスラム組織ハマスと関連が深いカタールなどから献金を受けていた問題などだ。

 クリントン氏の67歳という年齢は、共和党のどの顔ぶれよりも高い。共和党からは、予備選・党員集会での指名獲得競争から本選に至る長丁場の大統領選をクリントン氏が乗り切れるのか、との指摘も出ている。

 ポール氏は米報道番組のインタビューで献金問題に触れ、「彼女のメッセージが誠実だとは思えない」と批判した。

 米国で同じ党が政権を3期続けたのは、大統領任期が2期に制限された1951年以来、共和党のレーガン政権からブッシュ政権にかけた1度だけ。「どの党もホワイトハウスに12年間しがみつくのは難しい」。夫のクリントン元大統領は最近、雑誌にこう語った。(ワシントン=佐藤武嗣)

150412 米大統領、キューバのテロ支援国家解除「数日内に決断」 [朝日]

 オバマ米大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長が11日午後(日本時間12日未明)、中米パナマで、1961年の国交断絶以来、両国の首脳として初めて会談した。両首脳は早期に大使館を再開させ、国交正常化を進めることを確認。オバマ氏は「歴史的な会談だ。両国はいま未来に向かって歩み始めている」と語った。

 会談は、10、11両日にパナマで開かれた米州サミットの合間に、国際会議場の個室で実現した。両首脳は小テーブルを挟んで隣り合わせに座り、約1時間話し合った。米政府高官によると、緊張感はなく、率直に話ができる雰囲気だったという。

 米政府高官によると、オバマ氏はキューバに対するテロ支援国家指定の解除を数日内に決断する考えを、カストロ氏に伝えた。キューバは関係改善の前提として同指定の早期の解除を求めていた。一方、カストロ氏は、米国の対キューバ経済制裁の解除も要請した。両首脳は、双方の大使館再開を早期に実現させるよう、担当者に直接指示したという。

 代表取材の記者団に公開された会談冒頭、オバマ氏は、首脳会談の歴史的意義を強調。国交断絶から50年以上も両国の政策はうまく機能しなかったと指摘したうえで、「今こそ新しいことに挑む時。キューバ政府や市民に直接関与していくことが重要だというのが私の信念だ」とカストロ氏に語りかけた。

 カストロ氏はその後、立ち上がってオバマ氏と握手。オバマ氏の考えに賛同を示し、「人権や報道の自由などあらゆるテーマを話し合っていく」と語った。米国と社会主義体制のキューバの立場の違いについても「我々はとても辛抱強くなる必要がある」と述べ、現在は合意できない問題でも、将来的には解決できるとの見通しを示した。

 会談終了後、オバマ氏は現地で記者会見し、過激派組織「イスラム国」(IS)や核兵器開発が疑われたイランと異なり、キューバは米国にとっての脅威ではないと指摘。「冷戦は終わっているのだ」と強調した。対立を続けてきたキューバと米国との「雪解け」は、反米的なベネズエラなど中南米の国々の外交姿勢にも影響を及ぼすとみられる。

 両国は1月から、外交団を相互に派遣して国交正常化交渉を進めている。米国は、キューバへの渡航制限の緩和や、米国からキューバへの送金上限額を2千ドルに引き上げるなどの措置を実施。キューバも国内の政治犯を釈放した。キューバ国内の人権問題や、米国による対キューバ制裁解除などが正常化への課題だ。(パナマ市=奥寺淳、田村剛)


141105 オバマ民主が惨敗、米中間選挙 共和が両院を支配 [東京]

 【ワシントン共同】オバマ米政権の残り任期2年余りの行方を左右する中間選挙の上下両院選が4日(日本時間5日)開票された。米主要メディアによると、野党共和党が順調に議席を上積みし、与党民主党は両院で敗北した。共和党は下院の多数派を維持した上で、8年ぶりに上院を奪還した。選挙結果は2016年の次期大統領選にも影響する。
 共和党は10年に下院を民主党から奪った後、オバマ政権の主要政策に激しく抵抗。「チェンジ(変革)」の約束を破ったとしてオバマ大統領の人気が低迷し、最後まで民主党への逆風が続いた。民主党惨敗でオバマ政権のレームダック(死に体)化が進むのは必至だ。

140225 米陸軍45万人規模、戦後最小に 国防予算方針を発表 [東京]

 【ワシントン共同】ヘーゲル米国防長官は24日、2015会計年度(14年10月~15年9月)の国防予算方針を発表し、現役の米陸軍兵力を現在の約52万人から、第2次大戦後最小となる44万~45万人規模に削減する方針を表明した。実行されれば、米国が同大戦に参戦する前の1940年以来の低水準。アジア太平洋地域重視の政策を継続する考えも明らかにした。
 ブッシュ前政権が始めたイラクとアフガニスタンの「二つの戦争」からの決別と厳しい財政事情が背景。中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル問題を念頭に、アジアへの対応では力を抜かない姿勢を鮮明にした。

131017 米議会、債務上限引き上げ・暫定予算案を可決 [読売]

 【ワシントン=安江邦彦】米議会上下両院は16日夜(日本時間17日午前)、2014年2月までの米政府の債務上限(借金の限度額)引き上げと、米政府機能を再開するための14年1月までの暫定予算を盛り込んだ法案をそれぞれ賛成多数で可決した。

 オバマ大統領は「直ちに署名する」と表明しており、米国債の債務不履行(デフォルト)危機が当面回避されるとともに、一部停止が続いていた米政府の機能も再開に向かう。

 採決は上院が81対18、下院が285対144。可決した法案は、〈1〉14年2月7日まで追加の借り入れを認めることで、債務上限引き上げ〈2〉14年1月15日までの暫定予算を編成し政府を動かす〈3〉医療保険改革(オバマケア)で保険料の政府補助を受ける世帯への所得確認の厳格化――を柱とした。

 上院民主党のハリー・リード院内総務は、上院共和党との打開策合意後、「両党派の合意は簡単ではなかったが、危機を防ぐために互いの相違を脇に置いた」と述べた。米財務省が米国債のデフォルトを回避する期限とした17日が迫る中、民主・共和両党が短期間の債務上限引き上げなど最低限の内容でようやく折り合った実情を明かした。

131002 米政府職員、80万人自宅待機 予算不成立、影響広がる [朝日]

 【ワシントン=行方史郎、五十嵐大介】2014会計年度(13年10月~14年9月)の暫定予算が成立せず、連邦政府の一部閉鎖が始まった米国では1日、約80万人の職員が自宅待機に入った。全ての国立公園が閉鎖され、政府機関の一部ホームページが閲覧できなくなるなど、影響が広がった。
 米航空宇宙局(NASA)では全米約1万8千人の職員の97%が自宅待機となった。ワシントンにあるNASA本部では、出勤した職員が午前10時ごろには帰宅し始めた。会計部門で働く男性職員(55)は「国会議員は予算や法律を通すために選ばれたのに、まったく馬鹿げている」。
 宇宙飛行士らが滞在する国際宇宙ステーションの運営は維持されるが、ウェブサイトは閉鎖。世界中から書き込みや反応のあるブログやツイッターも更新されなくなった。宇宙の天文台とも言われるハッブル宇宙望遠鏡は観測を続けるものの、受信したデータの解析は中断された。
 米疾病対策センター(CDC)では冬に流行する季節性インフルエンザの監視業務を一時的に中止。病気の流行などを知らせるサイトには「情報は最新ではないかもしれない」とのただし書きがついた。米海洋大気局(NOAA)でも、暮らしに直結する天気予報を除いては、ほぼ業務を停止した。
 スミソニアン協会が運営する19の博物館・美術館のほかワシントンにある国立動物園も休園となり、約4200人いる同協会職員の8割以上が自宅待機になった。博物館や美術館が立ち並ぶ一帯はワシントンの観光名所で、いつもは観光バスが列をつくるが、この日は閑散としていた。
 一方、ワシントン記念塔の近くにある第2次世界大戦記念碑では、退役軍人ら約200人が、閉鎖のために設置された柵をどけて中に入り、管理する国立公園局の職員や警察官も黙認するという一幕があった。
 米議会の上下両院は2日再開するが、予算をめぐって妥協する兆しはない。
 オバマ大統領は1日、ホワイトハウスでの演説で「共和党は自分たちがやりたいことのために身代金を要求した」と述べ、オバマ政権が導入した医療保険改革の実施を阻止するため、予算を犠牲にしたと野党共和党を批判。「政府閉鎖を終わらせるため、議会は予算を通すべきだ」と訴えた。

130912 米、最富裕層が国民収入の19% 格差、歴史的水準に [東京]

 【ニューヨーク共同】貧富の格差が拡大する米国で、上位1%の最富裕層の収入が2012年には国民全体の19%を超し、大恐慌前年の1928年以来最大の割合となったことが11日までに判明した。上位10%の収入は全体の48・2%を占めた。AP通信が米カリフォルニア大バークリー校などの分析として報じた。
 投資による利得に課税する資本利得税の増税を前に、最富裕層が駆け込みで株式などを売却したことが一因。12年は最富裕層の収入が20%増加したのに対し、国民の99%は収入が1%しか増えず、格差が一層鮮明になった。

130423 ボストン爆破、テロ容疑者を訴追 「国際組織は関与せず」、死刑も [東京]

 【ニューヨーク共同】米ボストン・マラソンのゴール付近で爆弾が2回爆発し、3人が死亡した連続爆破テロで、米司法当局は22日、大量破壊を行うための武器を使用した疑いなどで、チェチェン系のジョハル・ツァルナエフ容疑者(19)を訴追した。司法省によると、最高刑は死刑。
 CNNテレビによると、米政府筋は22日、ジョハル容疑者が捜査当局に対し、死亡した兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者(26)が事件を企て、国際テロ組織は関与していないと供述していると明らかにした。当局はさらに背後関係や動機を調べる。

130416 ボストン・マラソンで爆発 3人死亡17人重体 [東京]

15日、ボストン・マラソンのゴール付近で起きた爆発の瞬間=米東部マサチューセッツ州ボストンで(Dan Lampariello氏提供、ロイター・共同)

 【ワシントン=斉場保伸】十五日午後二時五十分ごろ(日本時間十六日午前三時五十分ごろ)、米東部マサチューセッツ州ボストンで開かれた世界有数のマラソン大会「ボストン・マラソン」のゴール地点付近で相次ぎ二回の爆発が起きた。米メディアによると三人が死亡、百四十人以上がけがをして病院に運ばれた。うち十七人が重体という。連邦捜査局(FBI)など警察当局はテロ事件とみて捜査を開始した。
 ボストン地元紙は、死亡者の一人は八歳の男の子と伝えた。実行委によると、大会には二万三千三百二十六人が参加。日本人の参加者二百三十八人のうち、百七十九人が完走したとみられている。日本大使館と在ボストン総領事館は、爆発に日本人が巻き込まれていないか、安否の確認を進めている。
 オバマ大統領は緊急記者会見し、「犠牲者の家族に心から哀悼の意を表する。国民の安全のために必要に応じて警戒レベルを引き上げる。誰が何のために犯行に及んだかは分からないが、必ず見つけ出す」と、徹底捜査の方針を強調した。
 首都ワシントンのホワイトハウス周辺や、ニューヨークの公共の施設などでは、テロに対する警戒態勢を強めている。
 調べでは最初の爆発はゴール直前の道路脇で発生。約十秒後、約四十メートル手前で二回目の爆発が起きた。爆発は優勝ランナーがゴールした三時間後だったが、後続の市民ランナーが走っていた。ほかにも二つの爆発物が見つかったとの情報がある。
 現場はマサチューセッツ工科大や図書館が集まる市街中心部。この日、ボストンは「愛国記念日」で休日となっており、沿道には大勢の人が応援に集まっていた。
(東京新聞)

130302 米、歳出強制削減を発動 大統領と議会の会談決裂 [東京]

 【ワシントン共同】オバマ米政権は1日、国防費を中心に財政支出を幅広くカットする歳出強制削減を発動、軍事活動の縮小や空港での要員削減など影響が広範囲に及ぶ恐れが出てきた。大統領は同日、発動回避を目指し議会与野党トップと会談したが決裂した。強制削減が長引けば、世界経済の波乱要因となる可能性もある。
 ただ、政府職員の一時休職など具体的な動きが出てくるまで数週間以上かかる見通し。株価など1日の米金融市場への影響は限定的だった。
 強制削減が完全に実施されると、今年9月末までの2013会計年度だけで850億ドル(約7兆9千億円)の歳出がカットされる。

130101 米上院で法案通過、「財政の崖」ぎりぎりで実質回避 [朝日]

 【ワシントン=山川一基】2012年末から13年初頭にかけて米国で減税の期限切れと政府支出の強制削減がほぼ同時に訪れる「財政の崖」への対応で、米与野党幹部は31日夜(日本時間1日昼)、「崖」の回避案に合意した。上院は1月1日未明(同午後)、関連法案を賛成89反対9の賛成多数で可決した。

 下院は1日昼(日本時間2日未明)に採決する予定。法案は成立し、崖からの転落がぎりぎりで実質的に避けられる見通しとなった。

 ホワイトハウスと米与野党幹部は、中・低所得者にブッシュ政権以来の減税を継続する一方、単身で年収40万ドル(約3400万円)、夫婦で年収45万ドル(約3900万円)以上の世帯には減税を打ち切ることで合意。1月から始まる政府支出の強制削減措置については、2カ月間延期することで合意した。

121117 「財政の崖」年内回避で合意 米大統領、初の与野党協議 [朝日]

 【ワシントン=山川一基】オバマ米大統領と米与野党の幹部が16日、米経済に深刻な影響を与えかねない「財政の崖」をめぐって大統領選後、初めて協議した。互いに歩み寄り、年末までに「崖」を回避する方法を打ち出すことで合意した。
 共和党のベイナー下院議長、マコネル上院院内総務、民主党のリード、ペロシ上下院内総務がホワイトハウスを訪ね、約1時間、オバマ氏と話し合った。
 会談の冒頭でオバマ大統領は「我々は協力し、妥協しなければならない」と呼びかけた。ベイナー氏は会談後、記者団に対し「非常に建設的な会合だった。私は税制改革と歳出改革を説明したが、大統領の基本方針とは矛盾のないものだと思う」と話した。
 年内に米議会が法改正できなければ、年明けから全国民が実質増税となり、政府支出の強制削減が始まって、米国が景気後退入りする恐れがある。リード氏は「(両党の関係は)よい状態にあるように思え、年末まで待つ必要はなさそうだ」と楽観的だった。ペロシ氏は「クリスマス前に債務削減目標の交渉期限を設定するべきだ」と訴えた。
 個人向け所得税減税の期限切れと政府支出の強制削減がほぼ同時に訪れる「崖」について、オバマ氏や民主党は富裕層に対しては減税を打ち切り、債務削減や景気対策に使いたい考え。共和党は富裕層を含めた全国民の減税を延長し、歳出を削ることを主張している。16日の協議は両党の交渉の実質的なキックオフ。来週の感謝祭休暇も返上して非公式な協議を続け、幹部らは月内にもまた大統領と会談する予定だ。

121107 米大統領にオバマ氏 ロムニー氏振り切り再選 [東京]

 【ワシントン=竹内洋一】米大統領選は六日、各地で投票が行われ、民主党のバラク・オバマ大統領(51)が、共和党のミット・ロムニー候補(65)を下して再選を果たした。最大の争点だった景気・雇用政策をめぐり、オバマ氏の路線が信任された。ロムニー氏はオバマ氏の経済運営は失敗だとして自由な企業活動による景気回復を訴えたが、及ばなかった。
 オバマ氏は、短文投稿サイト「ツイッター」で支持者に謝意を伝えた。事実上の勝利宣言。
 米メディアの開票速報によると、オバマ氏は地盤州を順当に制したほか、激戦七州のうち中西部のオハイオ、アイオワ、ウィスコンシン三州と東部ニューハンプシャー州を制し、各州に割り振られた大統領選挙人(計五百三十八人)の過半数の二百七十に達した。
 オバマ氏は選挙戦で一期目に五百五十万人の雇用を創出したと成果を強調。失業率は選挙の一カ月前に三年半ぶりに8%を切った。経済に果たす政府の役割を重視し「公平な社会」の実現を主張。富裕層増税による財政再建などを掲げた。
 一方、ロムニー氏は「自由競争こそが米国社会を強くする」として減税と規制緩和を主張。一期四年間で千二百万人の新規雇用創出を公約したほか、企業経営に成功した経済運営の手腕も訴えた。
 開票結果では、共和党が地盤とする南部や中西部で勝利を重ねたが、最大の焦点だったオハイオ州で敗れ、逆転はならなかった。激戦州のうち、南部フロリダ、バージニア州は大接戦になり、なお当落が判明していない。
 選挙戦は、当初劣勢だったロムニー氏は十月の最初の候補者討論会で圧勝したことを契機に激しく追い上げたが、オバマ氏は投票直前に米東部を襲ったハリケーンへの対応を国民に好感され、上り調子で投票日を迎えた。
 オバマ大統領はバイデン副大統領(69)とともに来年一月二十日に新たな四年間の任期をスタートさせる。
■「変革」に期待つなぐ
 オバマ米大統領が国民の「変革」に対する「希望」をつなぎ留めた。四年前はフィーバーを巻き起こして大勝。今回も最終盤に勢いに乗り、逃げ切った。ただ、今後も景気・雇用の足踏みが続けば、二期目にも影を落とすことになる。
 十月の失業率は7・9%。オバマ氏が就任した二〇〇九年一月と同じ水準だ。リーマン・ショックの余波からようやく抜けだし、景気は本格的に上向きになると期待するか。それとも四年間のオバマ路線に効果はないと見切りを付けるか。これが最大の争点だった。
 だからこそ、共和党では会社経営に成功した実績を持つロムニー氏が候補に選ばれた。国民に景気・雇用への不満が募っていたことで、当初はさほど強力とはみられていなかった挑戦者に選挙戦終盤で一時は追い上げられた。国民は結局、オバマ氏の経済運営に信任を与え、二期目での本格回復に期待を託すことにした。
 ただ、両候補が「公平」と「自由」という決定的に違う二つの社会像をめぐって激しく争っただけに、社会の分断が顕在化した。就任時は「国民の統合」を呼び掛けたオバマ氏も選挙が近づくほどに、自ら党派対立をあおる言動が目立つようになっていた。
 米議会では一〇年十一月の中間選挙で共和党が下院の多数を握る「ねじれ」になって以降、法律成立は年間百三十本と史上最低水準に落ち込んでいる。オバマ氏が今後、下院の多数を維持すると予想される共和党との対話に乗り出さなければ、二期目の本格的な景気回復はおぼつかない。 (ワシントン・竹内洋一)

120920 「税金払わぬ人は考慮しない」 ロムニー氏、失言相次ぐ [朝日]

 11月の米大統領選の共和党候補・ロムニー前マサチューセッツ州知事が、低所得者を相手にしないかのような発言をし、波紋を呼んでいる。パレスチナについても「和平に関心がない」と語るなど失言が続いており、支持率でも、民主党のオバマ大統領に少しずつ引き離され始めている。
 「どんなことがあっても(オバマ)大統領に投票する人が47%いる。彼らのことを気に掛けるのは私の仕事ではない」。ロムニー氏が今年5月、フロリダ州で行った非公開の資金集めの会合で、演説を隠し撮りした映像が流出した。
 米メディアによると、民主党のカーター元大統領の孫、ジェームズ・カーター氏(35)がインターネット上に映像の一部が掲載されているのを発見。投稿者を説得し、報道機関への提供を仲介したという。
 ロムニー氏はこの中で「彼らは政府が自分たちの面倒を見る責任があると信じている。所得税を支払っていない人たちだ」とも発言していた。
 「47%」は米国民の中で所得税を納めていない人の割合とほぼ同率で、ロムニー氏は、こうした人たちを念頭に発言したようだ。これに対し、オバマ氏は18日のテレビ番組で、「私が大統領として学んだことの一つは、国全体を代表しているということだ」と、ロムニー氏を暗に批判。身内の共和党の上院議員からも「ロムニー氏に同意しない。我々は、すべての有権者を代表している」などと突き放す声が出ている。
 ロムニー氏は同じ演説の中で「パレスチナは(イスラエルとの)和平に何の関心もない。和平への道はほとんど達成不可能だ」などとも発言。パレスチナ側の反発を招いている。
 ロムニー氏は、イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱する動画に反発した中東のデモにからみ、事実誤認の情報を元にオバマ氏を批判。7月末にイスラエルを訪問した際も「エルサレムはイスラエルの首都」と発言し、パレスチナ側が猛反発した。日本についても、「我々は日本ではない。10年、あるいは1世紀の間、景気後退や経済的苦境に陥る国にはならない」などと事実に基づかない発言をしたことがある。
 政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が公表している全米規模の各種支持率調査の平均値は、両党の党大会までは並んでいたが、現在ではオバマ氏が2.9ポイントリードしている。(ワシントン=伊藤宏)
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