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0815 原発被災「非常に重大」9割 中越沖被災地アンケート [朝日]

2007年08月15日09時54分

 新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発が受けた被害について、被災住民の8割が「非常に重大なこと」と受け止めていることが、民間調査会社による現地調査でわかった。以前は原発に賛成だったのに反対に変わった人も3割おり、安全が確認されるまで再開すべきでないとした人が6割を占めた。トラブルが相次いだ原発への不信の大きさを裏付けた形だ。

 サーベイリサーチセンター(東京都荒川区)などが7月28日から8月3日にかけ、被害が大きかった柏崎市中心部で500人を訪ね、アンケートした。原発を襲った想定外の揺れについて82%、地震後に起きた放射能漏れについて81%、変圧器の火災について76%が「非常に重要なこと」と受け止めていた。

 原発の問題点を複数回答で尋ねたところ、「下に活断層があること」「トラブルが多すぎること」をそれぞれ63%、「東京電力の報告・情報伝達が遅すぎること」を62%が挙げた。

 安全性について「事故後も信頼は変わらない」と答えたのは9%に過ぎなかった。原発への賛否では「賛成だったが、反対する気持ちに変わった」が34%、「賛成に変わりない」は21%。以前から反対の人は39%で、地震を境に賛否が逆転した形になっている。

 複数回答で原発の被災へのとらえ方を聞くと、安全性に疑問を持ち「廃止すべきだ」としたのが27%、「確認されるまで稼働すべきではない」が60%だった。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0814/TKY200708140326.html

0810 原子力白書を閣議報告、中越沖地震で「安全機能は維持」 [読売]

 政府の原子力安全委員会(鈴木篤之委員長)は10日、2006年版の原子力安全白書を閣議に報告した。

 先月16日に起きた新潟県中越沖地震の直撃を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所でトラブルが続出したことから「中越沖地震に関する見解と今後の対応」を添付した。

 原発の設備が地震で被害を受けたことを「重要な教訓」と認めつつ、運転中の原子炉はすべて自動停止しており、重要な安全機能は維持されたとの見解を示している。変圧器火災で自前の消防隊が機能しなかった反省から、休日や夜間でも火災に対応できる体制が必要としている。

 白書は、北陸電力志賀原発の臨界事故隠しに代表される原発の事故・トラブルの隠ぺいやデータ改ざんを特集、電力会社やメーカーに透明性の向上を求めている。白書は先月下旬発表の予定だったが、中越沖地震が起きたため延期されていた。

(2007年8月10日12時41分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070810i204.htm

0809 柏崎刈羽原発、IAEAの調査終わる [朝日]

2007年08月09日18時33分

 新潟県中越沖地震で被害を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所で9日、国際原子力機関(IAEA)の調査団の4日間の調査が終わった。フィリップ・ジャメ調査団長は、原発の耐震性などについて「今回は情報と教訓を集めた。まだ結論を出す段階ではない」と明言を避けた。

 調査団は地震工学などの専門家計6人。初日は東電側から説明を受けた後、火災を起こした3号機の変圧器など外観を視察。2日目からは専門分野ごとに班に分かれ、原子炉格納容器内などを1日6~8時間かけて調べた。破損した天井クレーンの復旧にめどがたたないため、圧力容器内は確認できなかった。

 同行した経済産業省原子力安全・保安院の担当者によると、調査団は(1)6号機使用済み核燃料貯蔵プールの水があふれ、放射性物質を含んだ水が海に流れ出た経緯(2)停電時を想定した原子炉を冷却するための非常用ディーゼル発電機の状態――に関心を示したという。

 調査団は10日、都内で、保安院と意見を交換。翌11日に帰国する予定。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0809/TKY200708090315.html

0808 原発の耐震性検証へ 国の調査委が柏崎刈羽原発視察 [朝日]

2007年08月08日18時31分

 新潟県中越沖地震の原発への影響を調べる調査対策委員会(委員長=班目(まだらめ)春樹・東京大教授)のメンバーが8日、東京電力柏崎刈羽原発を視察した。今後の検討課題などを話し合い、耐震性に関して建設時の国の審査が妥当だったかについて検証することを決めた。

 8日は火災が起きた3号機の変圧器や、天井クレーンが破損したり使用済み燃料プールの水が飛び散ったりした6号機の原子炉建屋などを見て回った。

 会議では、電力会社の自衛消防隊だけでなく自治体消防も充実すべきだとの意見が出た。今後は災害時の情報連絡体制や、原子炉など耐震安全上重要な機器の健全性について検証し、議論することなどを決めた。

 会議終了後、班目委員長は記者団に対し「見た目では重要機器に損傷はなかった。しかし、本当に健全性が保たれているかは詳細に見てみないとわからない。現段階では運転再開について語る状況にない」と述べた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0808/TKY200708080302.html

0807 泊原発3号機建設現場でまた不審火 7月以来5件目 [朝日]

2007年08月07日12時33分

 7日午前7時50分ごろ、北海道電力が建設を進めている泊原発3号機(北海道泊村)から約1キロ離れた作業員宿舎の仮設トイレで、予備のトイレットペーパーに焦げた跡があるのを作業員が発見した。3号機の建設現場では、原子炉建屋内で放火とみられるボヤが7月に4件続いており、道警は関連を調べている。

 北電の発表や道警の調べでは、和式トイレの便器の前に3本積まれたトイレットペーパーのうちの1本の左端が、約5センチ焦げていた。午前8時から作業員の朝礼が予定されており、発見時はトイレが混雑する時間帯だったという。

 3号機の建設現場のボヤでは、壁に張ったビニールシートやゴミ箱の布、床板などが燃えており、溶接機の電源コードが切断されているのも見つかっている。北電は、4件目が起きた7月24日以降、屋内の建設作業を中止。監視員や監視カメラを増やし、単独行動を禁止するなどした上で、2日に工事を再開したばかりだった。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0807/TKY200708070201.html

0806 柏崎原発の被災、東電が中央制御室の被害を過小報告 [読売]

 中越沖地震で東京電力の柏崎刈羽原発が被災した問題で、国の原子力安全委員会が現地調査した際に、東電が中央制御室内の被害の様子を実態より小さく報告していたことが6日、わかった。

 東電は、この過小報告に関する事実関係の確認と原因の調査を始めた。

 同委員会は地震3日後の7月19日、東邦夫委員長代理(元京大教授)と早田邦久委員(元日本原子力研究所理事)を現地に派遣し、原発の被災状況を調査した。

 その際、両委員は同原発6、7号機を集中制御する中央制御室を訪問し、地震の被害について尋ねた。応対した職員は「棚からマニュアル類が落ちただけ」と説明。制御室内はきれいに片付いており、被害はないように見えたという。

 ところが実際には、蛍光灯86本がカバーごと落下したほか、天井の板の一部が脱落し、避難路を示す非常灯もずれる被害などが出ていた。けが人はおらず、原発の制御にも影響はなかったが、東電は今月3日になってこの事実を詳しく公表。両委員は報道された内容を見て、初めて制御室内に被害があったことを知った。

 東電によると、当日、両委員に被災状況を説明したのは同原発ナンバー2のユニット所長。この時点では、ユニット所長は照明の落下などの被害を承知していなかったという。「決して隠したわけではなく、発電所内の情報共有が不十分だったのが原因」(広報部)としている。

(2007年8月6日23時50分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070806it13.htm

0806 柏崎原発で作業員に放射能の水かかる、3週間たって公表 [読売]

 新潟県中越沖地震発生時に柏崎刈羽原子力発電所の使用済み核燃料プールの水があふれた問題で、東京電力は6日、当時、1号機のプールの近くにいた作業員2人が放射能を帯びたプールの水を浴びていたと発表した。

 水で足元をぬらした作業員も1号機と6号機に数人いたという。

 東電は「全員、健康への影響はない」としている。公表が3週間後と遅れたことについて、東電は「協力(下請け)企業を通してのヒアリングに時間がかかった」と釈明している。

 東電によると、1号機で水を浴びた2人は下請け企業の男性作業員。プール脇のフロアで作業中、水が上半身や下半身にかかった。2人とも防水服と頭部を覆うマスクを着用していたという。水は床を伝って、少し離れた場所にいた数人の靴や靴下をぬらし、肌に触れた人もいたという。

 6号機でも、水で靴をぬらした作業員が数人いた。

 水を浴びた2人を含め全員が管理区域退出時の検査で、放射能が安全基準値(1平方センチあたり4ベクレル)を下回ったという。その後、体調を崩したり、病院で診察を受けたりした作業員はいないという。

 東電は地震発生時の作業員の動向について、7月26日から聞き取りを実施。発生時に放射線管理区域内にいたのは817人で、大半が下請け企業の作業員だった。うち52人は原子炉建屋内にいた。

(2007年8月6日23時52分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070806it14.htm

0801 柏崎刈羽原発の不具合1263件 修繕はほとんど進まず [朝日]

2007年08月01日23時01分
 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所は1日、地震発生から11日間で、天井クレーンの破損など1263件に及ぶ原発内の不具合を確認したと発表した。同原発はふだんから、不具合の件数を毎月公表しているが、今回の11日間だけで、過去最多だった03年4月(805件)の1.5倍に上った。東電によると、修繕はほとんど進んでいないという。

 地震発生の7月16日から26日までに確認された施設の損傷やトラブル、職員の不的確な行為などを集計・分類した。地震で多発したため、前倒しして発表した。

 内訳は「最も危険度が高く、法律や安全協定に反する不具合」が3号機の変圧器火災や6号機の天井クレーンの破損など10件▽「危険度が高く、社外に大きな影響を及ぼす不具合」が固体廃棄物貯蔵庫内で低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶数百本が倒れたことなど33件。

 「周辺自治体に限定的な影響のある不具合」がタービン建屋のパネルが外れるなど21件▽「軽微な不具合」が軽油タンクの地盤沈下や建屋内の亀裂など491件▽「日常の修繕で対応できる不具合」が706件▽分類対象外2件となっている。

 一方、同原発はこの日、6号機原子炉建屋地下1階付近の非管理区域のケーブル用通路に約3トン分の水たまりができていたと新たに発表した。放射性物質は確認されていないという。

 浸水の経路は不明だが、東電は通路のつなぎ目を覆うゴムが劣化したため、地下水が浸水してきたとみている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0801/TKY200708010436.html

0731 原発被害の調査対策委が初会合 中越沖地震 [朝日]

2007年07月31日20時42分
 新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発が想定外の揺れに見舞われた問題で、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)に設置された調査対策委員会(委員長=班目(まだらめ)春樹・東京大教授)が31日、初会合を開いた。8日の現地調査を手始めに、消防体制や耐震設計の妥当性、機器の安全評価から風評被害対策まで幅広く検証する。班目委員長は「必要なら他の原発にも耐震補強を求める」と述べた。

 委員になった地元の品田宏夫・刈羽村長は会合で「一部にチェルノブイリ原発級の事故が起きたと、とられている。大丈夫だと、原子力安全・保安院に断言してほしい」と安全宣言を求めた。

 県の斎田英司・危機管理監は「電力は首都圏、リスクは地元では浮かばれない。今後不安が増したりしたら、容認派も反対に回るだろう」と述べた。安心の担保のために、原発推進の経済産業省から保安院を分離することも求めた。

 また、同原発の周辺海域の断層について、設置許可後に旧通産省地質調査所が東電と異なる判断をしていた点について、「原子力安全委員会や保安院が何も指示を出さなかったのは極めて遺憾だ」と批判した。

 柏崎市の若山正樹・副市長は「地元の納得が得られるまでは再開しないでほしい」と求めた。

 このほか、「従来の原発トラブルと違い、周囲のライフラインや通信手段も地震で壊れたなかで起きたことが検証課題になる」との指摘も出た。

 班目委員長は会合終了後、「機器や配管に残った変形やひずみの安全評価や耐震補強が検証の大きな柱だが、風評被害対策にも広報や情報伝達体制の問題として取り組んでいきたい」と語った。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0731/TKY200707310485.html

0731 原発で最大揺れ2058ガル 柏崎刈羽3号機 [朝日]

2007年07月31日00時03分
 新潟県中越沖地震に見舞われた柏崎刈羽原発について、東京電力は30日、本震の揺れをきちんと記録できた33台の地震計のデータ解析結果を公表し、3号機で2058ガル(ガルは加速度の単位で、1ガルは1秒間に秒速1センチの加速)の揺れが観測されていたことを明らかにした。原発で確認された地震の揺れとしては国内最大で、世界でも最大ではないかという。1号機で建設時に想定した6.8倍の揺れが確認されるなど、地震想定の甘さがはっきりした。

 公表したのは97台ある地震計のデータのうち、回路異常で記録がない1台を除く96台の最大加速度値と、33台の波形データ。残り63台はデータ上書きで最大加速度値以外の本震波形データが失われており、うち9台は最大加速度値も上限1000ガルで振り切れていた。

 波形データから東西方向に最大2058ガルの揺れがあったとわかったのは、3号機のタービン建屋1階にあるタービンを載せる台上の地震計。設計時の想定834ガルの2.5倍だった。

 1号機タービン建屋1階では想定(274ガル)の6.8倍、1862ガルの揺れがあった。地震直後に公表された原子炉建屋最下階(地下5階)では680ガルが最大。タービン建屋は約40メートル上にあり、揺れがより大きかった。

 地震波の周期ごとの分析では、1~7全号機でほとんどすべての周期帯で想定を超えた(グラフは3号機原子炉建屋基礎上でのデータ)。2~5号機では、放射能漏れなどにつながる原子炉圧力容器や燃料集合体、主要配管など重要機器の損傷を招きかねない周期帯(周期0.1~0.5秒程度)でも超えていた。

 破損した6号機の天井クレーンに最も近い地震計では上下方向に重力加速度980ガルを上回る1541ガルを記録。最大の揺れを受けて一瞬、浮いた可能性があるが、落下止めが効き大事には至らなかったという。

 東電原子力設備管理部の森下日出喜部長は「地震の想定が甘かったと言われても仕方ない」と話し、経済産業省原子力安全・保安院の森山善範・原子力発電安全審査課長は「今後、耐震補強工事が必要か、検討したい」と述べた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0730/TKY200707300400.html

0730 東電が新潟県や柏崎市に義援金7千万円 [朝日]

2007年07月30日18時33分
 東京電力は30日、新潟県中越沖地震で被災した新潟県などの自治体に総額7000万円の義援金を贈った。内訳は新潟県に3000万円、柏崎市に2000万円、刈羽村に2000万円。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0730/TKY200707300342.html

0729 原発中枢部「変形も」、保安院が徹底検査要求 柏崎刈羽 [朝日]

2007年07月29日16時40分

 新潟県中越沖地震でトラブルが相次いで見つかっている東京電力柏崎刈羽原発で、経済産業省原子力安全・保安院は原子炉の主要機器も想定外の揺れで肉眼で確認できないわずかな変形やひずみが生じた恐れがあると判断、東電に対して点検の徹底と、再稼働が可能かどうか安全評価の実施を求め、その内容を精査する方針を固めた。31日から始まる同省の調査対策委員会で具体策の検討に入る。

 原発の建物や機器は耐震上の重要度に応じてABCの3クラスに分けて設計している。Aは想定する最大の地震動に耐えられることが条件。最重要機器の原子炉圧力容器や制御棒などは「As」とし、想定よりさらに大きい地震動にも耐えられる設計になっている。

 今回の地震では、全7基で地震動の強さを示す加速度値が想定を上回り、最大680ガル(設計値は273ガル)を1号機で記録した。6号機では原子炉建屋の天井クレーンが破損したほか、3号機横の変圧器では火災も起きた。

 天井クレーンは建築基準法で定める一般建築物の強さの1.5~1.8倍のB、変圧器は一般建築物並みのCに区分されている。Aの点検はこれからだが、保安院は、炉内の機器や配管部分などで、目に見えない変形やねじれが生じている恐れがあるとみている。

 このため、保安院は東電に対し、まず詳細な点検を求める。その後の安全評価では、地震計データをもとに対象範囲を決めて、建屋や機器、配管にどの程度の力がかかり、その力にちゃんと耐えられていたかどうかを分析するよう求めることにした。保安院は対策委を通じ、安全評価の妥当性や、再稼働に向けた具体策を検討していく。

 東電は全7基でクレーンの点検を始めたが、原子炉の点検作業を始めるのは、秋以降にずれ込む見通しだ。05年8月の宮城県沖地震では、東北電力女川原発1号機が想定をわずかに超える地震動を観測、運転再開まで2年近く費やしている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0728/TKY200707280448.html

0726 放射線管理区域に雨水30トン 地震ですき間 柏崎原発 [朝日]

2007年07月26日21時26分

 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所は26日、新たにタービン建屋内部など4カ所に外部から水が計約30トン流れ込んでいることを確認した。地震で建屋の壁にすき間が生じたところに、25日夜から26日にかけて降った雨水が入り込んだとみられる。4カ所とも放射線管理区域で、本来はつながってはならない施設外部と直結していた。

 東電は、いずれの雨水からも放射能は観測されていないとしている。

 東電によると、雨漏りが見つかったのは、1号機のタービン建屋地下2階の低圧復水ポンプ室(雨水約12トン)▽3号機タービン建屋地下1階南側通路(同約0.12トン)▽固体廃棄物貯蔵庫地下1階(同約17トン)▽補助建屋地下1階(同約0.47トン)という。

 東電の調査では、1号機と3号機のタービン建屋内の雨漏りは、地震の揺れで建屋内部と外部の地中をつなぐ電線や配管の引き込み口にすき間ができて、そこから雨水が漏れてきたとみられる。タービン建屋には、原子炉でつくられた蒸気が循環する配管がある。

 一方、低レベル放射性廃棄物を貯蔵する固体廃棄物貯蔵庫と、管理区域内で使った作業服を洗浄する補助建屋の雨漏りについては、原因がわかっていない。固体廃棄物貯蔵庫では現在、13メートル四方の部屋の床面から約10センチの深さまで水がたまっている。補助建屋では幅約2メートルの通路で、長さ約21メートルにわたって深さ約1センチの水たまりができているという。

 東電は現在、たまった水の除去作業を進めており、「管理区域内なので、適切に処理したい」と話している。

 今回の雨水の流入で放射線管理区域と外部の直結が判明したことについて、東電は「管理区域内は低圧になっており、空気や放射性物質などが外部に漏れることはない」と説明している。

 新潟地方気象台によると、原発周辺は25日夜から26日朝にかけ、梅雨前線の影響でまとまった雨が降った。柏崎市では降り始めから26日午後2時までに48ミリの雨を観測した。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0726/TKY200707260449.html

0726 全原発に化学消防車 東電は24時間消火専門班を配置 [朝日]

2007年07月26日22時57分

 新潟県中越沖地震で変圧器火災が起きた東京電力柏崎刈羽原発で消火活動に手間取ったことを受け、原発を持つ電力会社10社と再処理工場を持つ日本原燃の原子力関連11社は26日、原発計55基がある全17発電所に化学消防車を1台ずつ配備することなど、防火体制の強化策をまとめ、国に報告した。東電は消火専門の班を24時間3交代制で配置する。

 今回、地元消防との専用線が置かれていた事務棟が被災し、緊急時対策室のドアが開かずに連絡が取れなかった。このため、東電は09年度までに対策室の耐震補強工事をし、耐震性が高く設計されている原発の中央制御室にも専用回線を置く。

 電力各社はいずれも、各発電所に油火災に対応できる化学消防車を配備し、中央制御室に消防との専用回線を設ける。さらに、常駐、もしくは発電所近くで待機する10人以上で自衛消防団をすぐに組織できるようにする。また、今回、国への報告が遅れる原因となった放射性物質を含む水の検出が速やかにできるように、人員を配置するとしている。

 報告を受けた経済産業省原子力安全・保安院は「指示に沿った対策が盛り込まれ、一定の評価をしている」という。31日に初会合が開かれる調査対策委員会にワーキンググループを作り、3カ月をメドに消防体制の整備などを検討し、各社の計画に反映させるという。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0726/TKY200707260472.html

0725 柏崎刈羽原発再開「早くて来秋」 調査委員長が見通し [朝日]

2007年07月25日23時16分

 新潟県中越沖地震で想定外の揺れを受けて停止中の東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について、経済産業省が今月にも設置する調査対策委員会で委員長に就任予定の班目(まだらめ)春樹・東大教授が25日、「1基の運転再開だけでも来秋までかかる。全7基が再開するには2年ぐらいは必要だ」との見通しを明らかにした。

 同原発は、6号機で原子炉建屋の天井クレーンの破損が見つかり、原子炉のふたを開けて中を点検できない状況だ。残る6基は、原子炉建屋のクレーンの点検に至っておらず、全機器の状況を調べるにはかなりの時間がかかるという。海域の断層調査にも相当の期間をとられる見込みだ。

 班目教授は、東海地震で想定される揺れの2~3倍に当たる1000ガル(加速度の単位)に耐えられる補強工事が必要になる可能性も示した。現行の耐震設計の妥当性の検討なども踏まえると、運転再開は容易ではないとしている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200707250511.html

0725 柏崎原発、放射能漏出の恐れ13件も…5件は詳細不明 [読売]

 新潟県中越沖地震で被害を受けた東京電力の柏崎刈羽原子力発電所で、放射性物質の放出につながりかねないトラブルが、実際の漏出2件のほかに13件あり、そのうち5件では詳細が依然としてつかめていないことが25日、東電のまとめでわかった。

 13件のうち、排気ダクトのずれや消火配管の破損による水の大量流れ込みなど6件は、同日現在、復旧作業に取りかかれていない。

 原子炉建屋内などの空気を吸い出して主排気筒に接続するダクトのずれが五つの建屋で見つかった。稼働中に被害を受ければ、放射能を帯びたガスの漏出が懸念される部分だが、高所にあるため余震発生の危険から足場を組んで直接点検ができず、今回の地震による放射能の有無など詳しい状況は確認できていない。

 また、1号機では、消火系配管の損傷で複合建屋地下5階の放射線管理区域を含む部分に最大2000トンの水が流れ込み滞留した。放射性物質の量は検出できないほどわずかだが、これほど大量の水は想定外で、排気ダクトのずれ5件とともに、復旧の見通しは立っていない。

 現実の放射能漏れは、これまでに2件確認された。地震の揺れで6号機の使用済み燃料プールからあふれた水の一部が非管理区域に漏れだし、最終的に微量の放射性物質が海に流出。7号機の排気筒からは、原子炉の緊急停止後の操作手順ミスで、微量の放射性物質が放出された。ただ、原発敷地内や放水口周辺に設置された監視装置では検出されておらず、いずれも人体に影響ない濃度に薄まっていたとみられる。

 使用済み燃料プールからの水漏れは全7基で発生し、24日までに4か所で除去が完了した。

 東電によると、主な目視による点検は終わり、より細かな部分の点検を現在進めている。同原発には約1200人の社員が常駐しているが、地震で自宅が被災した社員も少なくなく、「現在は600~700人程度しか出勤できない状態」(東電広報)という。

 同原発では、これまでに、この13件や漏出の2件を含む計64件のトラブルが確認されている。64件中には、24日になって新たに見つかった6号機原子炉建屋のクレーン損傷もあるうえ、原子炉の炉心部分の調査は手つかずの状態で、被害の全容はつかめていない。

(2007年7月25日15時17分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070725it07.htm

0725 原発地質調査、手引き見直し 柏崎の事故受け29年ぶり [朝日]

2007年07月25日17時47分

 新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発を想定外の地震動が襲った事態を受け、国の原子力安全委員会(鈴木篤之委員長)は、原発周辺の地質や地盤に関する安全審査の手引を、最新の研究成果を反映させて29年ぶりに見直すことにした。先に原発の耐震指針が改定されたが、原発の構造物を乗せる地質や地盤の「素性」を調べるための手引の改定は積み残しとなっていた。

 今回の地震では「断層の調査や評価が不十分だった」との指摘が相次いだ。地質調査の専門家らからは、海底断層の調査などについて、最新の手法や知見を反映させるため、早期の手引改定を求める声もあった。

 原発の耐震性は、影響が出そうな活断層を見つけ、想定される最大規模の地震でも大丈夫な設計だと確かめるのが基本だ。手引は、電力会社が申請する原発の設計計画について、原発周辺の特に地質と地盤の安全審査の道筋を示している。例えば、敷地中心から少なくとも半径30キロ以内の陸地で航空写真や地表の踏査などで調べるよう具体的に求めている。

 昨年9月に改定された原発の耐震指針を補完する、いわば安全審査の手順書。手引ができたのは旧指針と同じ78年。指針が5年近い激論の末に改定され、並行して進めようとしていた手引の見直しまで及ばなかった。

 今回の地震では、東電が同原発を建設するため79、80年に実施した海底調査で見つけた4本の断層のうち、1本が動いた可能性が指摘されている。東電はこの断層を地震につながる活断層ではないと判断していたが、地震後、この断層が動いた可能性を認め、調査などへの疑問が噴出した。

 また、改定された新耐震指針で安全性を調べ直すため、東電は今春まで地質調査をしたが、海底断層の実地調査が入っておらず、「おざなり調査」との批判も出た。甘利経済産業相も24日の記者会見で「海の部分の把握の状況が甘かったということなら、国の確認の対応が不十分だったと思う」と述べている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200707250370.html

0724 柏崎刈羽1号機、原発建屋浸水2千トン 配線口にすき間 [朝日]

2007年07月24日06時08分

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発1号機の原子炉建屋近くの地中に埋設された消火用配管が破裂し、建屋地下の電気ケーブル引き込み口に生じたすき間から水が建屋内に入り、約2000トンが放射性物質がある放射線管理区域に流れ込んでいたことが23日、わかった。外部と遮断された構造に設計されている管理区域が建屋外部とつながったことについて、東電は「引き込み口にすき間ができることは想定外。管理区域内は減圧状態で、空気などは漏れず、放射性物質の外部漏出はない」としている。


1号機地下の放射線管理区域に水が入った状況
 東電によると、地震発生時、1号機周辺の地盤が約20~30センチ沈下した。建屋地下1階の放射線管理区域内に地中から引き込まれていた電気ケーブルが押し下げられ、地下1階のケーブル引き込み口にすき間ができた。破裂した消火用配管から漏れだした水が、そこから建屋内に流れ込んだ。1号機は固い地盤の上に造られていたが、周囲は砂層だったため地盤沈下が起きたとみている。

 水は排水管を通って地下5階に流入した。管理区域内に入ったことで、水は放射性物質を含んだ。放射線管理区域の地下5階には排水管の水を一時的にためておく廃水タンクが設置されているが、大量の水が一気に流れ込んだことで床にあふれ出た。

 地下5階にたまった水は、平均的な25メートルプールの5杯分に当たる約2000トンに上ると見られる。この階には、1号機管理区域内から出た放射性物質を含んだ廃水を濾過(ろか)装置に送るモーターなどが設置されている。

 水は高さ48センチに達しており、タンクやモーターもかなりの被害を受けたとみられる。東電によると、水の放射能汚染の程度は低いという。今後の対応について、「現在はすき間はふさいだ。このような事態は想定していなかったので、どのような排水方法があるか検討したい」としているが、復旧時期の見通しは立っていない。

 同原発では、3号機周辺でも地盤沈下が起こり、電線ケーブルが破損して変圧器に火災が起きる原因になっていた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0723/TKY200707230652.html

0724 原発関連被害は7千億円、風評で1千億円以上 県が試算 [朝日]

2007年07月24日11時17分

 新潟県中越沖地震で、新潟県は、県内の推計被害額を約1兆5千億円とする試算結果を発表した。火災や放射性物質漏出が発生した東電柏崎刈羽原発の全面停止に伴う被害を約7千億円としたうえ、放射性物質漏出などに伴う農業などの風評被害を約1千億~2千億円とした。

 県の試算によると、道路や港湾などのインフラ関係が700億円▽電気、水道、ガスなどのライフライン関係が100億円▽住宅や宅地などの建築物関係が2千億円▽漁港施設や県産品への農林水産関係で400億円▽観光業などの打撃についての商工関係が3千億円――となっている。

 最大の被害は約7千億円の「原発関連被害」で、昨年度の東電の売り上げから推計した。原発そのものの被害は調査中で、今回の試算には含めていない。

 同原発に絡んでは、県内の観光団体などから、海水浴場などへの風評被害が広がっているとの訴えが出ている。

 泉田裕彦知事は「多大な公共インフラが打撃を受けたというよりは、典型的な地方中堅都市で、個人生活を直撃するような地震だった。柏崎刈羽原発が絡んで、大きな被害をもたらした」と特徴づけている。

 地震発生から約1週間で被害の全体像が明らかになっていないため、県の被害試算は今後、変動する可能性がある。04年の中越地震の推計額は約3兆円だったが、確認されている被害額は約1兆6千億円だった。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0724/TKY200707240150.html

0724 天井クレーンが破損 原子炉点検、大幅に遅れ 6号機 [朝日]

2007年07月24日21時27分

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所は24日、新潟県中越沖地震で被災した6号機原子炉建屋の天井クレーンが破損しているのを確認した。原子炉の真上にあり、炉の格納容器や圧力容器のふたをつり上げるための大型装置で、修復の見通しはたたないという。炉内部の容器の傷や装置の状態はふたを開けて目視で確認する必要があり、地震被害の点検が大幅に遅れることは確実だ。


破損した6号機天井クレーンの車輪とモーターの接合部。中央の丸い部分が破断面=東電柏崎刈羽原発提供
破損した天井クレーンのモーターと車輪の結合部
原子炉建屋天井クレーンの破損箇所
 今回の地震で、原子炉建屋内の設備破損が確認されたのは初めて。東電によると、同クレーンは年に1度、定期的に点検している。地震前の点検では異常がなかったため、地震の揺れで破損したとみられる。地震発生時、クレーンは原子炉の真上にあったという。

 東電は残る1~5、7号機の天井クレーンの点検を急いでいる。

 東電によると、装置は鉄製で、長さ約35メートルの棒状、重さ約310トン。中央部に可動式のクレーンがついており、原子炉内の点検や核燃料を交換する際、格納容器や圧力容器のふたをつり上げるために使用される。

 両端にモーターと車輪が付いており、レール上を移動する仕組み。今回はモーターと車輪をつなぐ鉄製の車軸の接合部が両側とも破損し、モーターの動力が車輪に伝わらなくなったという。

 破損の詳しい原因などは不明だが、クレーンの本体は両端がレールに支えられているため、車軸が破損しても、落下する可能性はないという。

 東電は8月半ばにも、原子炉格納容器のふたを開けて、中にある圧力容器や制御棒装置、再循環ポンプなどに地震の影響で傷がないかなどを目視で確認することを検討している。

 ただ、天井クレーンは高所に設置されているため、余震の恐れが続くと足場の設置などが難しく、修復作業は難航も予想される。修復のめどがたたない限り、作業日程の大幅な変更は避けられない見通しだ。

 一方、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は24日、「国際的な安全管理に関する教訓を得るには重要」と政府の調査団受け入れ決定を歓迎するとともに数週間以内に専門家チームを派遣する方向で政府と調整する考えを示した。だが、チームが来ても、炉内を確認できない可能性がある。

 天井クレーンは、国の耐震設計上の重要度はA~CのうちのBクラスで、一般建築物の1.8倍の地震力に耐えることが求められている。過去の地震によるBクラス重要機器の損傷としては、00年に福島第一原発6号機でタービン関連の配管が破損した例がある。

 東電によると、製造時には想定していなかった事態で、同型装置を使う他の原子炉への影響は不明という。

 事態を重く見る経済産業省原子力安全・保安院は、原子炉等規制法に基づき、東電に調査結果の報告を求めている。

 ■原子炉建屋内の設備損傷は初めて

 天井クレーンは核燃料を入れた輸送用容器をつり下げるため、国の耐震設計上はA~CのうちのBクラスと位置付けられている。国の耐震指針でCクラスは一般建築物並みの耐震力で良いとされているが、落下すると燃料破損の恐れがあるクレーンは一般建築物の1.8倍の地震力に耐えることが求められている。

 今回の地震で、原子炉建屋内の設備損傷が確認されたのは初めて。過去の地震によるBクラス重要機器の損傷としては、00年に福島第一原発6号機でタービン関連の配管が破損した例がある。

 経済産業省原子力安全・保安院では事態を重くみて、原子炉等規制法に基づいて東電に調査結果の報告を求めている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0724/TKY200707240557.html

0724 原発の耐震審査「不十分だった」と甘利経産相 [朝日]

2007年07月24日12時39分

 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発の直下に活断層が走っている可能性がある問題で甘利経済産業相は24日、「海の部分の調査が甘かったということなら、国の確認の対応が不十分であったと思う」と述べ、東電が原発建設前に報告した調査に対する国の耐震審査が不十分だったとの認識を示した。

 また経産省は、今回の地震による火災や水漏れを調査するため、専門家からなる調査・対策委員会を総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の中に設置することを決めた。専門家に加え、新潟県の担当者も委員に加わるよう、この日経産省を訪れた泉田裕彦知事に求めた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0724/TKY200707240242.html

0722 IAEAの柏崎刈羽原発調査 政府「余裕ない」と断る [朝日]

2007年07月22日02時45分

 新潟県中越沖地震で、火災などトラブルが多発している東京電力柏崎刈羽原発に国際原子力機関(IAEA)が調査に入る意向を示したことに対し、政府が調査団の受け入れを当面見送る意向をIAEAに伝えていたことが21日、わかった。被害が甚大で受け入れる余裕がないとしている。

 IAEAのエルバラダイ事務局長は18日、地震による原発被害の情報を共有する目的で、調査団を同原発に派遣する用意があると表明。自力で原発事故に対応できない場合に支援する「原子力事故援助条約」に基づいて、調査団を送る考えを日本側に示していた。

 しかし日本側は、事態の収拾や調査は自力で可能とし、今は現場が混乱しているため調査団を受け入れる余裕がないとして、IAEAに現時点では調査団の受け入れを見送ることを伝えた。

 ただし、「原発が経験したかつてない大きな地震に見舞われた貴重な事例として、情報を世界に発信することが必要だ」(経済産業省原子力安全・保安院)として、秋以降に国際会議を開き、現地視察の受け入れなどを検討したいとしている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0722/TKY200707210365.html

0721 他の原発5基も変圧器損傷 油漏れも 柏崎刈羽 [朝日]

2007年07月21日15時08分

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発3号機の変圧器で火災が発生した問題で、他の原子炉5基の変圧器でも油漏れや土台がずれるなどのトラブルが相次いでいたことが明らかになった。地震による地盤沈下の影響で消火設備も損傷していることから消火能力は大幅に低下した状態で、一部の変圧器では油漏れが続いている。依然として余震の恐れもあり、火災の危険性が今も残っている。


各原子炉の主な変圧器被害
 変圧器の内部は、電気を流す銅帯が通っており、絶縁のために大量の油が注入されている。県などによると、3号機の火災は、変圧器周辺の地盤が沈下し、銅帯と、本来直接触れることのない周りの金属とが接触したためショートし、変圧器内の絶縁油に引火して発生した可能性が高いという。

 1号機では、変圧器が土台からずれたり、配線の接合部にずれがみられたりした。1、2、4、7号機では変圧器周辺に設置した油の流出を防ぐ堤が沈み込んだり傾いたりした。1、2、3、6号機は油漏れの改修措置が終わっていない。全7基の原子炉のうち、5号機以外で変圧器関連の異常が見つかっている。

 東電によると、放射性物質にかかわらない被害計52件のうち、変圧器関連は12件。東電との安全協定に基づいて地震発生直後の17日に立ち入り調査した県は「3号機だけで火災が起きたのはたまたまだ」と指摘する。

 変圧器で被害が相次いだ原因として、変圧器などの付帯設備は、国の指針で地下の安定した岩盤との固定を求められている原子炉の建屋より、基準が緩いことが挙げられる。

 制御棒や原子炉格納容器が求められている耐震性は最も高い「ASクラス」だが、変圧器は最も低い「Cクラス」。東電も「所内のすべての変圧器は土の上に立っているだけ」といい、「変圧器やダクトなど周辺設備で被害が出ており、揺れに弱かったと感じている」と認める。

 ASクラスは、その地域で発生する可能性のある最大級の地震や、マグニチュード6・5の直下型地震を想定してつくられている。Cクラスは、一般の建物と同じ建築基準法に基づいている。

 東電によると、油が漏れた場合でも、周囲に空気が少ないなどの理由で直ちに火災につながるものではないとしている。

 県によると、地盤沈下など地震の影響で、構内ほぼすべての消火設備が損傷を受けたという。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0721/TKY200707210218.html

■原発07Ⅰ より続く


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