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110417 原子炉冷温停止まで6~9カ月 東電が見通し [朝日]

 深刻な放射能漏れを起こしている福島第一原子力発電所について、東京電力は17日、事故収束への工程表を示し、原子炉を安全な状態で停止するのに6~9カ月かかる、との見通しを明らかにした。東電が事故の収束の見通しを示したのは初めて。また工程表の中で、2号機の格納容器の破損や、4号機の燃料プールを支える建屋の壁の損傷による強度不足などを認め、対策を講じる方針を示した。

 工程表によると、第1段階(ステップ1)で、確実に原子炉を冷却し、放射性物質の放出を減少に向かわせるのに3カ月程度かかる、とした。第2段階(ステップ2)では、原子炉を100度未満の安定状態に保つ「冷温停止」にし、放射性物質の漏出を大幅に抑えるのに3~6カ月程度かかる、との目標を示した。

 原子炉や建屋などの現状も明らかになった。1~3号機の原子炉は、異常な温度上昇を起こさない程度にしか冷やせておらず、再び水素爆発する危険性が消えていない。2号機は格納容器が損傷、高濃度の放射能汚染水を漏出している、とした。大気中に放射性物質を放出している4号機の使用済み燃料プールは、爆発や地震で強度が十分に保たれていないとの認識を示した。

 この実態をふまえ、ステップ1では水素爆発を起こさせないため、原子炉格納容器に窒素封入を続け、さらに格納容器内を水で満たして安定的に冷やす。2号機は格納容器の破損部分の周囲をセメントで固めて漏れないようにする。ステップ2では水を循環させて原子炉を冷やす装置を稼働させ、100度未満の冷温停止状態の保持をめざす。

 4号機の燃料プールは、ステップ1で底の空間部分にコンクリート製の支柱を造る。ステップ2では、放水車で水を入れつつ、水を循環させる冷却装置を復旧させる。中期的な課題として、燃料を取り出して保管することも盛り込んだ。

 大気や海への放射性物質の漏出対策は、ステップ1で高濃度の放射能汚染水をためるタンクなどを確保。ステップ2で、原子炉建屋をテント状のシートで覆う計画を示した。中期的には、原子炉建屋の周囲にコンクリートの建物を造るという。住民にわかりやすく迅速に放射線量を知らせるシステムも拡充する。

 勝俣恒久会長は「計画は100%できるというものではない。とにかく事態を収束させるためにやれることから行い、原子炉の冷却を達成したい」と話した。(坪谷英紀)

110411 20キロ圏外に「計画的避難区域」 葛尾や浪江・飯舘 [朝日]

 枝野幸男官房長官は11日午後の記者会見で、福島第一原発から20キロ圏外の一部地域を新たに「計画的避難区域」に指定し、1カ月程度かけて住民を域外に避難させると発表した。原発事故の影響で住民が受け続ける、累積の放射線量が高くなるのを避けるためだ。

 枝野氏は、福島第一原発北部にある福島県葛尾村、浪江町、飯舘村と、南相馬市の一部と川俣町の一部が対象になると表明した。南相馬市と川俣町については、今後、政権が対象市町村や県と調整したうえで具体的な地域を確定し、原子力災害対策特別措置法に基づいて菅直人首相が避難を指示する。枝野氏は会見で「すぐに避難行動をお願いするものではない」と述べ、落ち着いて準備をするよう呼びかけた。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は、緊急時は一般の人も年間20~100ミリシーベルトの放射線を浴びる場合は対策が必要と勧告。菅政権は原子力安全委員会の助言を踏まえ、事故発生から1年間の放射線積算量が20ミリシーベルトに達すると予想される地域についても、避難対象に加える必要があると判断した。

 現在は第一原発から同心円状に、半径20キロ圏に「避難指示」を出し、同20~30キロ圏に「屋内退避指示」を出した上で自主避難を要請している。新たな対応は、同心円状ではなく、これまでに測定された放射線量や、風向きや地形の影響を考慮して、飯舘村など20キロ、30キロ圏外の市町村も含めた。

 また枝野氏は、原発から20~30キロ圏のうち、今回計画的避難区域の対象にならない地域を、これまでの「屋内退避指示」から「緊急時避難準備区域」に切り替える方針も発表した。広野町、楢葉町、川内村、田村市の一部、南相馬市の一部が対象だ。ただし30キロ圏内でも、田村、南相馬両市の一部地域、いわき市については全体について、避難準備区域の指定から外れ、屋内退避指示も解除される見通しだ。

 避難準備区域内の住民に対しては、放射性物質が大量放出されるなどの緊急時に備えて、屋内に退避したり、圏外に避難したりできるよう常に準備しておくよう要請する。子どもや妊婦、入院患者は立ち入らないよう求め、保育所や幼稚園、小中学校、高校は休園、休校となる。自主的な避難も引き続き求める。

 枝野氏は会見で「避難指示に基づいて避難しているみなさん同様、政府の支援、補償の対象になる」と述べ、自主避難する住民らに補償する考えを示した。

     ◇

 〈計画的避難区域〉指定された地域の住民は、約1カ月かけて別の場所へ計画的に避難することになる。市町村、県、国が連携して避難計画をつくる。福島第一原発から半径20キロ圏より外側の地域で、累積放射線量が事故発生から1年間で20ミリシーベルトに達する恐れのある地域が指定される。原子力災害対策特別措置法に基づく措置。

 〈緊急時避難準備区域〉緊急の場合に屋内退避や避難ができるよう、前もって準備をしておく必要がある区域。子供や妊婦、要介護者、入院患者などは立ち入らないよう求められる。区域内の保育所、幼稚園、小中学校、高校は休園、休校となる。現在屋内退避の指示が出ている福島第一原発から20~30キロ圏内のうち、新たに設ける計画的避難区域に含まれない地域が指定される。

110409 大気の放射線量、各地で微減傾向続く [朝日]

 大気中の放射線量は9日午前中も各地で微減傾向が続いた。午前8時現在で、福島県内は福島市で毎時1.96マイクロシーベルト(前日は2.10)、郡山市1.86マイクロシーベルト(同1.98)、飯舘村5.55マイクロシーベルト(同5.95)と下がった。

 ほかの地域でも、茨城県北茨城市で0.376マイクロシーベルト(同0.401)、東京都新宿区は0.0838マイクロシーベルト(同0.0853)だった。

 上空からちりとともに落下した放射性物質の文部科学省調査では、この3日ほどで、沖縄や島根など西日本の5県で微量が検出された。原子力安全委員会は「米国などでも観測されており、問題になる量ではない」としている。

110409 傾く家…液状化の浦安 住民「ローンあと30年分」 [朝日]

 市域の4分の3が液状化した千葉県浦安市の今川地区に住む会社員(44)の家は傾いており「いると気持ち悪くなってくる」。玄関ドアが閉まらず、室内のドアは「自動ドア」のように勝手に閉まる。下水道が使えず、一家4人は友人宅やホテルの風呂を使う。

 損害保険会社の鑑定人は「傾いてますね。1度から2度」と言った。県建築士事務所協会支部の無料相談では「500万~800万円。住みながら直せばもっとかかる」と言われた。

 会社員は「多重債務者になってしまう」と頭を抱える。5年前に購入し、市内の賃貸マンションから住み替えた。「治安はいいし知人もできた。家族のためにがんばった」。上の子どもは小学校に入ったばかり。ローンはあと30年分、3500万円近く残る。「埋め立て地と知っていて住んだ私たちの自己責任なのか。行政側に責任はないのか」

 浦安市は、液状化した地区の戸建て約9030戸を対象に、家屋の被害調査の最中だ。被災者生活再建支援法に基づく公的支援は、市の調査に基づく罹災(りさい)証明書がもととなる。

 千葉市美浜区も液状化で355棟が全半壊した。磯辺地区の会社員西村広行さん(45)宅は約9センチ陥没。母さき子さん(74)は室内にいると気分が悪くなるという。3月末に調査した施工業者は「傾きは1度未満。水平に戻すだけで1千万円かかる」と言われた。

 9年前に建て替え、住宅ローンが15年以上残る。建物自体は壊れておらず、西村さんは「公的支援の対象にならないのではないか」と心配する。

 市内の約2900ヘクタールで液状化が起きた香取市では、住宅がほぼ水平に沈む「垂直沈下」の被害がかなり出た。上下水道が破損するなどの支障が出ているが、外観上は全壊扱いになるほど傾いていない。はっきりした基準もないといい、市の担当者を悩ませている。

110408 大規模余震、なお警戒必要 地殻のバランス崩れたまま [朝日]

 宮城県沖で起きた7日深夜のマグニチュード(M)7.1の地震について、政府の地震調査委員会は8日、臨時会を開いて東日本大震災を引き起こした3月11日の本震(M9)の余震と認定、「今後も、規模の大きな余震が発生する恐れがある」と注意を促した。

 今回の地震は、巨大地震となりやすいプレート(岩板)境界の海溝型地震の本震と異なり、海のプレートの内部で起きた。エネルギーは本震(最大震度7)の約700分の1に過ぎないが、陸から近かったため、最大の震度6強を記録した。

 M5以上の余震は7日までに460回以上起きており、M7以上の余震は4回目。M7は「震源近くは震度6弱~6強の可能性がある」地震だ。気象庁が6日に発表したM7以上の余震が起きる確率は3日以内に10%まで減ったが、専門家は「少なくとも半年はM7級の余震の覚悟が必要」と指摘する。

 地震調査委によると、本震によって地殻内の力のバランスが崩れており、様々な余震が続いている。梅田康弘京都大名誉教授は「本震のマグニチュードから1引いたM8ぐらいの余震もあり得る」と指摘する。

 国土地理院の観測では、現在も東北から首都圏にかけて、大地震のあとに起きる「余効変動」と呼ばれる現象が続き、地殻変動が依然として激しいことを示している。

 余震域の外も気が抜けない。本震以降、東日本を中心に次々に地震が起きている。3月12日には長野県北部でM6.7(最大震度6強)、秋田沖でM6.4(同4)、同15日夜には静岡県東部でM6.4(同6強)の地震があった。島崎邦彦東京大名誉教授は「大震災の影響で各地で地震活動が活発化しており、これからも誘発地震は続く」と見ている。

110406 高濃度放射能汚染水、海への流出止まる 福島第一2号機 [朝日]

 東日本大震災で被災した東京電力福島第一原発2号機の取水口近くで高濃度の放射能汚染水が流出していた問題で、東電は6日早朝、工事によって流出が止まったと発表した。ただ、汚染水のたまった建屋や坑道などには地震で多くの亀裂があるとみられ、別の場所から漏れ出る恐れがある。東電は汚染水が外洋に広がるのを抑えるため、1~4号機の取水口付近をカーテン状の布で覆う工事を週内にも始める。

 流れ出ていたのは、2号機の原子炉の水を冷やすための海水の取水口近くにある作業用の穴(ピット)付近。2日朝、ピットの周囲に亀裂が見つかり、毎時1千ミリシーベルトを超える高濃度の汚染水が海に流れ出ていた。破損した燃料から漏れ出た大量の放射性物質を含んだ水が、タービン建屋や坑道を伝ってきたとみられる。

 当初は、流出ルートが特定できず、水を止める作業が難航した。5日午後3時、地上からピットの下にある砂利の層まで穴をあけ、砂利をガラス状に固める薬剤を注入する作業を開始。のべ52人の作業員が一晩かけて約1万2千リットル近くを注入したところ、6日午前5時38分に海への流出が止まったのが確認された。

     ◇

 福島第一原発では1、2、3号機のタービン建屋周辺に高濃度の放射能汚染水が推定で約6万トンたまっているとみられる。原子炉内への注水や燃料プールへの放水作業などで増える可能性もある。原子炉を冷却するシステムを復旧させるには、タービン建屋内での作業が欠かせないが、現状では放射線が高すぎて、作業が難しい。東京電力では敷地内のタンクや施設を利用して、水の「玉突き移送」を計画している。ただ高濃度の汚染水は敷地内で管理し続ける必要がある。

 タービン建屋の汚染水は最終的には建屋内にある復水器という装置に入れる予定だ。1~3号機合わせて7500トン。ただ、すでに水が入っているため、別のタンクに移す必要がある。

 移す先は各号機の建屋の横にある復水貯蔵タンク(容量2千~2500トン)。すでにこのタンクにあった水を圧力抑制室用貯水タンク(容量7千トン)に移し替える作業は終わった。現在は、復水器の水を復水貯蔵タンクに移す作業が進められている。

 敷地内には廃水を処理する集中廃棄物処理施設(容量3万トン)があり、ここにも汚染水はためられる。低濃度の放射能汚染水は、この処理施設にある水を放出している。

 このほか仮設タンクを設置して合計2万トン弱の容量を5月までに確保する予定。また、静岡市から提供された大型浮体式構造物(メガフロート)に1万トン、米軍が提供する台船(バージ船)に1隻あたり1千~1200トンが収容可能だ。

     ◇

 〈放射能汚染水〉 福島第一原発では2号機のタービン建屋地下や外の坑道に高濃度の放射能汚染水がたまっている。これを移す場所を確保するため、もともとあった汚染度の低い水を海へ放流している。東電は「低レベル」と呼んでいるが、あくまで相対的な汚染度の違いで、高低の基準が法で定められているわけではない。原子炉等規制法が定める海水での濃度の基準に比べると100倍程度の濃度で、この水1万トンに含まれる放射能の量は、高濃度汚染水10リットル程度に含まれる量と同じ水準になる計算だ。

110404 東電、低濃度放射能汚染水の放出開始 福島第一原発 [朝日]

 東京電力は4日午後7時すぎ、福島第一原子力発電所内にある比較的汚染度の低い水を海に放出し始めた。原発の地下などにたまって問題になっている高濃度の放射能汚染水の保管場所を確保するなどのため。数日かけて計1万1500トンを放出する。今回の事故で汚染された水を意図的に放出するのは初めて。

110403 放射性物質流出防止には数カ月 政権見通し [朝日]

 菅政権は3日、東京電力福島第一原子力発電所の事故対応をめぐり、放射性物質が漏れ出るのを食い止めるには数カ月かかるとの見通しを示した。1~3号機の原子炉に対する冷却作業は一進一退を繰り返している。政権はこれまで収束の見通しを示してこなかったが、国民の関心に答えるべき時期に来ていると判断した。

 日米連携の日本側統括役となり、政権中枢の原発対応を担っている細野豪志首相補佐官は同日、記者団に「いつまでも放射能を原発から出し続けることは許されない。その状況はできるだけ早く解消しなければならず、そのメドは少なくとも数カ月」と語った。

 また、枝野幸男官房長官は同日の記者会見で「(原子炉を)冷却すると同時に(放射能が)飛散しないようにすることの一般的なやり方について、月単位の時間はかかる」と指摘した。一方で「普通に考えられるやり方で進んでいけばそういうことかなと理解しているが、もっと短縮できるやり方はないか、模索もしている」と述べた。

 原発をめぐっては、菅直人首相も1日の会見で「長期戦を覚悟」と語った。収束のメドを示したのは、場当たり的な対応を繰り返すのではなく、腰を据えた取り組みをするしかない、との考えを示したともいえる。

 福島第一原発では現在、原子炉内の燃料を冷やすために炉内に消火用の配管などを使って大量の水を注入している。その水は高濃度の放射能汚染水となって、何らかの経路で建屋内や海に流れ出ていると見られている。

 東電が一刻も早く進めたいのが、通常使っている原子炉の冷却システムを復旧させることだ。これが復旧すれば、炉内に十分な水を循環させることができ、炉内の水を100度未満にして安全な状態になる「冷温停止」状態にできる。これで原子炉や使用済み燃料プールの水を循環させて燃料を冷やす仕組みを「完全」につくったことになる。

 この状態になれば、炉やプールの状態が安定するので、水蒸気爆発などで放射性物質が外部に出る恐れもなくなる。外部からの注水も終えることができる。

 細野氏ら政権側が示した「数カ月」というメドも、冷温停止状態にたどり着く時期とみられる。

 しかし、道のりは険しい。まずタービン建屋の地下にたまっている水を回収する必要がある。現在、作業を進めているが1週間はかかる見通しだ。

 その上で、建屋内の放射線量をはかり、作業員が作業できる状態かどうかを確認する作業が必要だ。汚染された建屋内の壁や機器をきれいにして作業員が大量被曝(ひばく)しないようにもしなければならない。地震や津波で配管や弁、ポンプは大幅に損傷を受けているとみられ、作業にも相当の時間がかかる。

 東電は3日夕の記者会見で「今のところ、冷却装置の復旧見通しの時期的なメドはたっていない」と答えるにとどめた。

 その間も、原子炉や燃料プールへの注水は続き高濃度の汚染水が海に流れ続け、汚染が広がることになる。漏れたルートは一部で特定されつつあるものの、完全には突き止められておらず、漏れを止めることができない状況が続いている。海への汚染を減らすために、注水量を減らすことで対応するほかない状況だ。

 原発の復旧作業については、東電は3日、2号機の取水口付近にある作業用の穴(ピット)の亀裂から放射能汚染水の流出を食い止めるため、水を含むと膨張する化学物質のポリマーを投入した。しかし午後6時の時点で汚染水の流出は止まっていない。

110326 福島の全農家に作付けの延期を要請 原発事故で県 [朝日]

 東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故を受け、福島県災害対策本部は25日、県内の全農家に田植えや種まきなどの農作業を当面延期するよう求めた。県内各地で土壌汚染の恐れがあるためだ。国と協力して土壌の分析を進め、農地が安全かどうかを判断したうえで作付けの指示を出す。

 農協(JA)などの組織を通じて農家に伝える。また、25日から県のホームページなどで県内の全農家に作付けの延期を呼びかけ始めた。農家が被る損失は、国や東京電力に補償を求める方針だ。

 福島県内では4月以降に田植え作業が本格化するが、県はできるだけ遅らせることを要請した。また、大豆やソバなどの畑作物も種まき時期を遅らせること、花類も露地栽培について作付け準備を遅らせることを求めている。畑を耕す作業は放射性物質が広がる恐れがあるため、取り組まないことも求めた。

 政府は福島県に対し、葉物野菜などの摂取制限や出荷停止を指示している。農家には出荷できない野菜がたまっているが、県は焼却処分などをすると放射性物質が拡散する恐れがあるとして、そのまま保管するよう求めた。

 福島県で栽培が盛んな桃や梨などの果樹は病害虫防除などの管理をしないと翌年以降の収穫に影響するため、樹木の管理は例年通り取り組むことを認めた。

 福島県はコメ生産が全国4位と盛んで、農業産出額は全国11位の農業県。しかし、放射能漏れ事故の影響で、原発から半径20キロ圏内は避難指示が出ており、農作業に手がつけられないままだ。20キロ圏外でも県内各地で葉物野菜から放射性物質の検出が相次ぎ、農家から「作付けはどうすればよいのか」との声が相次いでいた。(中川透、村上晃一)

110324 都が乳児のいる家庭に水配布へ 水道水から放射性ヨウ素 [朝日]

 東京都は23日、金町浄水場(葛飾区)の水道水から1キロあたり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。乳児の飲み水についての国の基準の2倍を超えるため、同浄水場から給水している東京23区と多摩地域の5市を対象に、乳児に水道水を与えるのを控えるよう呼びかけている。

 金町浄水場は利根川水系の江戸川から取水している。同じ利根川水系から取水している千葉県も同日、全域に同様の呼びかけを始めた。

 都の対象は23区の全域と武蔵野、三鷹、町田、多摩、稲城の5市で計約489万世帯。都は「基準は長期にわたって飲み続けた場合の健康への影響を考慮して設定されており、代わりの飲み水が確保できない時に一時的に飲むのならば差し支えない」と冷静な対応を求めている。都によると、対象地区に1歳未満の乳児は8万人おり、粉ミルク用の緊急対応として、放射性物質検出前に詰めた水道水550ミリリットル入りのペットボトルを乳児1人につき3本、計24万本配布する。24日にも各区・市役所などで配り始める。

 厚生労働省によると、母親が飲んでも母乳や胎児への影響はなく、入浴など生活用水としての利用にも問題はないという。

 東日本大震災を受け、都は21日の降雨の影響を調べるため、22日午前9時に同浄水場からサンプルを採取。23日午前11時ごろ、基準を超える値を検出したと報告を受けた。同日午前9時のサンプルでも190ベクレルを検出した。都は「21日の雨で大気中の放射性物質が溶け込んだため、濃度が上がったのではないか」とみている。サンプル採取から発表まで24時間以上かかったことについては「最大限早く対応した。発表が遅れたとは考えていない」としている。

 放射性ヨウ素が体内に入ると甲状腺がんなどの原因になることがある。原子力安全委員会は飲料水について、1キロあたり300ベクレルという基準を定めているが、子どもは放射性ヨウ素が甲状腺にたまりやすいため、厚労省は牛乳や乳製品については1キロあたり100ベクレルという基準を設定。同省は21日、この値を水道水にも当てはめ、乳児に与えないよう全国に通知していた。

 都は原発事故後、放射性物質の除去効果が期待できるとして浄水に使う粉末活性炭の量を通常の3倍にしていたが、今回の検出結果を受けて通常の4倍に増やした。

 農林水産省は製造や流通、市場の各団体に対し、「食品加工などの際に都の水道水を使うことは問題がない」として、冷静な対応を求める文書を23日に出した。

110323 30キロ圏外の一部、内部被曝の可能性 極端な例で試算 [朝日]

 原子力安全委員会は23日、福島第一原子力発電所の被災に伴う住民の被曝(ひばく)量や放射性物質が降る範囲を、SPEEDI(スピーディ=緊急時迅速放射能影響予測)システムで試算、結果を初めて公表した。原発から北西と南の方向に放射性ヨウ素が飛散し、最も影響を受けるケースだと、30キロ圏外でも12日間で100ミリシーベルトを上回る甲状腺の内部被曝を起こす可能性がある、との結果が出ていた。

 委員会は、原発の被災後、12日午前6時から24日午前0時までずっと屋外で過ごしたという最も厳しい条件で、各地のモニタリングのデータなどを元にヨウ素の放出量を仮定、ヨウ素の影響をもっとも受ける1歳児の甲状腺の内部被曝量を試算した。

 試算によると、一日中外にいた場合、内部被曝が12日間で100ミリシーベルトに達する可能性がある地域には、原発の北西にある福島県南相馬市や飯舘村、川俣町のほか、南に位置するいわき市などの一部が含まれていた。100ミリシーベルトは、安定ヨウ素剤を飲むかどうかの判断の一つ、という。ただ、屋内にいた場合は、この4分の1から10分の1程度に減るという。

 班目(まだらめ)春樹委員長らは「非常に厳しい条件を想定した。ただちに対策を取る必要はない」と話した。

 SPEEDIは、原発の位置や放出された放射性物質の種類、量や高さ、地形などを元に気象データを踏まえて計算。安全委は16日から試算用に情報を収集し、20日から陸向きの風になったため、試算をしたとしている。

 原発から放出される物質や放出量などの情報を把握することが困難で、予測システムという使い方ではなく、モニタリングから逆算して使う形になったという。班目委員長は「実際にシステムを使うには地表の放射性物質は除き、空中を飛ぶ物質を調べないといけない。推定が困難だった」と話した。

 各地で放射性物質が検出されるようになった後も同委員会は公表してこなかった。一方、米国やフランス、オーストラリアなど海外機関は独自に拡散予測をインターネットで公開。情報の透明性に批判が集まっていた。

110323 首相、摂取制限を指示 福島産ホウレンソウなど12品目 [朝日]

 菅直人首相は23日、福島県産のホウレンソウや小松菜、キャベツ、ブロッコリーなどから食品衛生法の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたとして、当分の間、摂取制限を住民に呼びかけるよう福島県知事に指示した。原子力災害対策特別措置法に基づく初めての措置だ。これらに加え、同県産のカブや茨城県産のパセリと原乳(搾りたての牛の乳)についても当分の間、出荷を控えるよう両県知事に指示した。

 いずれも、東京電力福島第一原子力発電所の事故による影響と認定した。暫定規制値を超えたのは放射性セシウムと放射性ヨウ素で、検出された両県産の野菜は12品目。21日の出荷停止指示に続く措置だが、今回の首相指示は摂取制限まで踏み込み、極めて異例だ。ただ、JAはすでに福島県産のすべての露地野菜の出荷を自粛している。

 枝野幸男官房長官は23日午前の記者会見で首相指示を明らかにした上で「現時点で一時的に食用に供されたとしても健康に害を与えるものではない。しかし、こうした状況が今後長期にわたって継続することが残念ながら想定され、念のために早い段階から出荷を差し控えていただき、かつできるだけ摂取しないようにしてもらうことが望ましい」と語った。

 さらに、枝野氏は「(放射線量が)最大値を示した野菜を約10日間食べても、1年間の自然放射線量のほぼ2分の1にとどまるので、ただちに健康に被害が出ないことはもとより、将来にわたって健康に影響を与えるような放射線量は受けない」と強調した。ただし、セシウムだけでなく、ヨウ素の放射線量も加えると、1年間の自然放射線量の3分の2に及ぶ。厚生労働省は「さらに食べ続けると、一般の人が問題ないとされる放射線量を超える可能性がある」と摂取制限にまで踏み込んだ理由を説明した。

 これに先立ち、厚労省は23日未明、福島県周辺の野菜や原乳などに対する緊急時モニタリング検査の結果を公表した。最も高い値が検出されたのは福島第一原発から約60キロ離れた福島県本宮市の茎立菜(くきたちな)で、規制値の164倍にあたる1キログラムあたり8万2千ベクレルの放射性セシウムが検出された。このほか、田村市のホウレンソウが80倍、川俣町の信夫冬菜(しのぶふゆな)が56倍、西郷村の山東(さんとう)菜で48倍、飯舘村のブロッコリーで27.8倍など計25サンプルで放射性セシウムの規制値を超えた。

 放射性ヨウ素は、福島県川俣町の信夫冬菜から11倍、田村市のホウレンソウからは9.5倍など計21サンプルで規制値を上回った。

 茨城県では、水戸市などで放牧されていた牛の原乳から規制値の5.7倍の放射性ヨウ素が、鉾田(ほこた)市や行方市のハウス栽培のパセリからも最高で6倍の放射性ヨウ素が、それぞれ検出された。

 放射性ヨウ素は8日程度で放射線量が半分になるが、放射性セシウムは数十年にわたり放射線を出し続け、土壌などへの影響も大きい。

110323 首都圏、放射性降下物増える 東京で前日比10倍も [朝日]

 文部科学省は22日、福島第一原発事故の影響を受け、上空からちりなどとともに落ちた放射性物質の測定結果を発表した。首都圏などを中心に増加傾向を示した。東京都新宿区で1平方メートルあたり5300ベクレルのセシウム137、3万2千ベクレルのヨウ素131を検出、前日に比べ、いずれも約10倍の濃度に上がった。健康に影響を与える値ではないが、長期に及ぶ監視が必要になる。

 放射性降下物の測定は、文科省が21日午前9時から22日午前9時にかけて全国で行い、分析した。

 東京都の値は、前日のセシウム560ベクレル、ヨウ素2900ベクレルから急上昇した。22日発表のセシウムの値は、放射線管理区域の基準値4万ベクレルの8分の1、ヨウ素の値は、5分の4にあたる。

 この他の自治体のセシウムの値も、さいたま市が1600ベクレル(前日790ベクレル)、甲府市が400ベクレル(同不検出)、宇都宮市が440ベクレル(同250ベクレル)と、軒並み上昇した。

 前日に、最も高い値を記録した茨城県ひたちなか市では、やや下がったものの、セシウム1万2千ベクレル、ヨウ素8万5千ベクレルと、依然、高い値を記録している。福島や宮城は震災の影響で計測できていない。

 東日本は22日も、雨や雪が降ったところが多く、大気中に漂うちりとともに、放射性物質が落下したとみられる。ヨウ素の半減期は8日間と短いが、セシウムの半減期は30年で、地面に降りた後も長期間放射線を出し続ける。土壌や水、農作物への放射能汚染につながりかねないため、今後も監視を続ける必要がある。

110321 水道水から基準値3倍超す放射性ヨウ素 福島・飯舘村 [朝日]

 厚生労働省は21日、福島県飯舘村の簡易水道水から、規制値の3倍を超える1キロあたり965ベクレルの放射性ヨウ素を検出した、と発表した。この検査結果を受け、水道水を使う住民に飲用を控えるよう住民に広報することを求めた。同村は21日朝から村内に給水車を出す。同村は、福島第一原発から約30キロ付近で、一部は屋内退避区域に入っている。

 同省によると、検出されたのは、同村の簡易水道水。ヨウ素の飲料水の摂取制限の規制値は1キロあたり300ベクレル。厚労省の担当者は「一時的な飲用であれば直ちに健康には影響しない」と話している。

 福島県川俣町の水道水からも、17日に規制値を上回る308ベクレルが検出されていた。

110322 死者・不明者2万1千人超 警察庁 [朝日]

 東日本大震災による死者は22日、警察庁の集計で8928人となった。警察が届け出を受けた行方不明者は1万2千人以上にのぼっている。

 同庁の同日午前9時現在のまとめでは、16都県の約2100カ所に約31万9千人の避難者がいる。福島県の同日午前8時の発表では、福島第一原子力発電所の周辺住民ら少なくとも約2万3千人が同県外に出て、近接県や首都圏などに避難している。

 一方、被災地の小中学校では、学校を再開したり、避難している生徒らを対象に短縮授業を開いたりするところも出始めた。

 また、東北道では22日午前、大型車に限って、埼玉から青森までの全線で通行止めが解除された。

 警察庁によると、全半壊した建物の合計は、10都県で約2万戸。岩手県内では約1万1千戸の全壊が確認されている。

110315 福島原発4号機火災、燃料漏れ出す恐れも [朝日]

 東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の2号機で15日午前6時14分ごろ、爆発音があった。経済産業省原子力安全・保安院に東京電力が報告した。格納容器につながる圧力抑制室が損傷した可能性があり、放射性物質の閉じこめ機能が失われた可能性がある。一方、地震前から停止中の4号機の原子炉建屋も損傷し、火災が発生した。建屋に保管中の使用済み燃料の冷却ができなくなった可能性があり、燃料が損傷して漏れ出す可能性が出てきた。鎮火したが、付近の放射線量は急上昇した。消火には米軍も協力した。

 東電は、注水作業に直接関わらない作業員や社員を、原発の外に退避させることを明らかにした。第一原発全体で50人の作業員が残るという。

 保安院によると、圧力抑制室(サプレッションプール)は格納容器の下部にあり、冷却水が張られた設備。原子炉圧力容器内の蒸気を送り込んで冷やし、水に戻して圧力容器内の圧力上昇を抑える。緊急炉心冷却システム(ECCS)の水源にもなる。

 2号機は爆発音がした後、圧力抑制室の気圧が通常の3気圧から、大気圧とほぼ同じ1気圧まで急低下した。このため、穴が開き、外気と通じるようになった可能性が高いという。圧力抑制室内にある、放射性物質が高い濃度で含まれる水や蒸気が外気に漏れ出した可能性がある。

 2号機では14日になって炉心を冷やす水を循環させる仕組みが働かなくなった。原子炉内の水位が下がり、燃料棒全体がすべて露出。14日夕に2時間20分間、さらに14日深夜から6時間半にわたり空だき状態が続き、炉心溶融が否定できない状態になっていた。爆発音の後、水位はやや回復したが、燃料の一部が露出した状態が続いている。

 爆発音の原因は不明で、1、3号機と同様に原子炉内で発生した水素が爆発した可能性もある。また、溶けた燃料が下部の水に落ち、水蒸気爆発を起こした可能性も否定できないという。

 ただし、圧力抑制室と通じる格納容器の圧力には変化がなく、大きく破損していない可能性も残るという。圧力抑制室が破損していたとしても、破損部分が上部であれば、これまでに実施した蒸気の放出と同様の状態にとどまる。下部が破損していると、放射性物質を含む水が漏れ出すおそれがある。

     ◇

 〈シーベルト〉放射線を浴びた時の人体への影響を表す単位。放射線にはいくつもの種類があり、人に対する影響度は違う。それを共通の尺度で測るための単位だ。人は世界平均で、普段の生活でも年間2.4ミリシーベルトの放射線を浴びている。1時間あたりに直すと0.274マイクロシーベルトだ。胸部のCTスキャンの1回の放射線量は6.9ミリシーベルト。一度に大量の放射線を浴びた方が体へのダメージは大きい。放射線業務に従事する人の年間上限は50ミリシーベルト。宇宙飛行士の若田光一さんは2009年に4カ月半国際宇宙ステーションに滞在した際、約90ミリシーベルトの線量を受けたと見積もられている。

110317 食品の放射線量、暫定基準を策定 厚労省 [日経]

 厚生労働省は17日、食品の販売や加工などを禁止する放射線量の暫定的な基準値を初めて策定した。国の原子力安全委員会が原子力災害用に定めた「飲食物摂取制限に関する指標」を採用し、生産者などは基準値を上回る食品の販売や加工などが食品衛生法に基づき禁止される。

 同省は「周辺の農作物などが汚染されたという報告はないが、基準値がないと出荷の是非などの判断ができない」と説明している。正式な基準値は国の食品安全委員会に諮問して決定する方針。

 基準値は半減期が約8日の放射性ヨウ素の場合、飲料水や牛乳、乳製品は1キログラム当たり300ベクレル、乳児用調製粉乳は同100ベクレル。根菜や芋類を除く野菜類は同2千ベクレル。半減期が約30年の放射性セシウムは牛乳などが同200ベクレル、野菜類や穀類、肉、卵、魚などが同500ベクレルとした。

110315 福島原発2号機で爆発音 高濃度の放射性物質漏れた恐れ [朝日]

 東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の2号機で15日午前6時14分ごろ、爆発音があった。経済産業省原子力安全・保安院に、東京電力が報告した。格納容器につながる圧力抑制室(サプレッションプール)が損傷した可能性があり、濃度の高い放射性物質が外部に漏れ出たおそれがある。2号機周辺の放射線量にも一時、上昇が見られた。

 東電は、注水作業に直接関わらない作業員や社員を、原発の外に退避させることを明らかにした。第一原発全体で50人の作業員が残るという。

 経済産業省原子力安全・保安院によれば、圧力抑制室は格納容器の下部にあり、冷却水が張られた設備。原子炉圧力容器内の蒸気を送り込んで冷やし、水に戻すことで、圧力容器内の圧力上昇を抑える。また、緊急炉心冷却システム(ECCS)の水源にもなる。

 爆発後、圧力抑制室の気圧が通常の3気圧から、大気圧とほぼ同じ1気圧まで急激に低くなった。このため、穴が開き、外気と通じるようになった可能性が高いという。圧力抑制室内にある、放射性物質が高い濃度で含まれる水や蒸気が外気に漏れ出した可能性がある。

 2号機の西南西にあるモニタリングポストの放射線量は15日午前6時に毎時73.2マイクロシーベルトだったが、爆発音の後の午前6時50分に毎時583.7マイクロシーベルト、さらに午前7時には毎時965.5マイクロシーベルトまで上昇。正門前では午前8時31分に毎時8217マイクロシーベルトまで上昇。その後、下がっている。

 午前8時31分現在の第一原発正門での風向きは北東から南西に向け1.5メートル。

 保安院はこれまで、原発から半径20キロ圏内の住民に避難を指示していた。

110315 福島・茨城で放射線の値が上昇 福島原発爆発が原因か [朝日]

 福島第一原発の事故で飛散したとみられる放射性物質が15日午前、風に乗って全国各地で観測されている。福島県いわき市では通常の400倍ほどの放射線量を観測。また、茨城県北茨城市や神奈川県横須賀市などでも通常よりも高い値を観測している。ただ、各県はすぐに健康に影響を与えるものではないとしている。

 いわき市では、15日午前4時に1時間あたり23.7マイクロシーベルトを測定。この値の線量を1日浴び続けた場合の人の被曝量は胃のX線検査で受ける量に相当。県生活環境部は「ただちに健康に影響を及ぼすものではない。冷静な対応をお願いする」と呼びかけた。

 茨城県北茨城市では午前0時20分から上昇。午前5時50分には5.5マイクロシーベルトに達した。値は上昇と下降を繰り返している。15日午前中は北東の風が吹いており、原発の南西側に向かって風が吹いている。県は14日起きた福島第一原発などの爆発で放出された放射性物質が風で運ばれてきたとみている。

 神奈川県横須賀市では同日午前5時48分、0.2マイクロシーベルトを観測。早朝より上昇している。市では「今後上昇する可能性もある」という。

110312 陸前高田「ほぼ壊滅」 東日本大震災 [岩手新聞]

 東北、関東の東日本に甚大な被害をもたらした国内史上最大の地震は、12日も強い余震が頻発した。被災地の警察本部がまとめた死者は計511人、行方不明計771人に上る大震災となった。陸前高田市など津波により壊滅的な被害が出た地域が相次ぎ、死者・行方不明者は計千数百人となるのは確実。警察庁によると、岩手、福島など5県で計約21万人が避難した。

 枝野幸男官房長官は12日午前の緊急災害対策本部で「千人以上が命を落としたとみられる。内閣、国力を挙げ救難に取り組む」と述べた。

 福島第1原発は放射性物質が漏えい、第2原発は冷却機能を喪失しており、政府は両原発に「原子力緊急事態宣言」を出し第1原発は半径10キロ、第2原発は3キロ以内の住民に避難を指示。福島県双葉町などの住民計約8万人が避難を始めた。第1原発1号機は正門近くの放射線量が通常の70倍以上に急増。第2原発は、非常時に炉心を冷やすプールの水が100度を超えた。

 長野県栄村では12日未明、震度6強の地震があった。新潟県中越も6弱、群馬県北部と新潟県上越で5強を観測。気象庁は「大地震に誘発された可能性は否定できない」としている。

 青森県八戸市災害対策本部によると、岩手県・野田湾で12日朝、4メートルの津波を観測。岩手県警によると、陸前高田市では市役所3階まで津波が達し、市街地にはわずかな建物しか残っていない。宮古市の沿岸部と山田町のほぼ全域も水没した。陸上自衛隊によると、宮城県女川町は大津波で町全体が冠水、壊滅状態となった。枝野官房長官は記者会見で、被災地の中で岩手県住田町、大槌町と連絡が取れていないと明らかにした。

 JR東日本は東北、山形、秋田の各新幹線を12日も終日運休。東北など9自動車道が全面通行止めとなった。