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  卵巣がん治療法(上皮性腫瘍の場合・・卵巣がんの90%以上)

 病期により治療の方法が異なります。治療法としては手術療法,化学療法,放射線療法があります。それぞれを単独または組み合わせて行います。

卵巣癌手術療法
目的は,卵巣癌であると診断し,病期を決定し,進行癌である場合はできる限り腫瘍を取り除くことです。

  1. 試験開腹術
進行癌で後療法の効果を期待し、診断のための生検のみにとどめ閉腹する術式です

  2. 根治手術
標準術式は確立されていませんが、一般的には     

1.片側の卵巣,卵管だけを切除する場合と両側の卵管、子宮を含めて切除する方法がある。

2.大網(たいもう)切除
大網とは胃から垂れ下がって、大小腸をおおっている大きな網のような脂肪組織です。大網は卵巣がんの転移が最もよくおこる組織であり、切除しても実害はありません

3.後腹膜リンパ節郭清(かくせい)
後腹膜リンパ節は卵巣がんの転移がおこりやすい部位のひとつです。転移が疑われるリンパ節を採取して検査して切除します。リンパ節とリンパ管を系統的にすべて切除することをリンパ節郭清といいます

4.腸管などの合併切除
腹腔内の転移をできるだけ切除するために、大腸、小腸、脾臓などをがんと一緒に切除することもあります
  

  3.セカンドルック手術
初回手術完全摘出症例の化学療法打ち切りの判定を目的にした、臨床的に自
他覚症状のまったくないものに対する再開腹手術です。現在はCT等で判断して開腹手術はあまり行われていない。

 4.第2次腫瘍縮小手術
初回手術で取り切れなかった物、試験開腹症例に対する化学療法奏効症例に対し、可及的腫瘍摘出を目的とした再開腹手術です。効果的ではないということで余り行われていないようです。

☆卵巣癌放射線療法

過去には使われたが、現在は化学治療がが主流で、副作用の強い放射線療法は脳に転移した腫瘍以外あまり使われない。


☆卵巣癌化学療法

 欧米における大規模な比較試験の結果、それまでの標準であったプラチナ製剤を主とした化学療法CP(シクロホスファミド+シスプラチン)ないしCJ(シクロホスファミド+カルボプラチン)に比較し、明らかにTJ(タキソール175-180mg/m2とカルボプラチンAUC=5-6)併用療法が有効であることが確認され、現在はこのTJ療法を3~4週間隔で6サイクル施行が標準化学療法とみなされている。
現在の標準化学療法TJ療法の大きな問題点は、強い骨髄抑制と末梢神経障害(手足のしびれ)である。この問題解決に向けTJとDJ(タキソテール75mg/m2+カルボプラチンAUC=5)の比較試験がヨーロッパで検討された。その結果、両者の有効性はほぼ同等であるが、毒性に相違が有る。
即ち、末梢神経障害は明らかにDJで軽度ではあるが、骨髄抑制はDJでより高度に出現する。
その他の副作用でも有意な相違がみられる。

標準化学療法はTJである
   ○タキソール+カルボプラチン(TJ法)
週に一回点滴したら3週間休薬する。これを6クール点滴するマンスリー法
が標準になっている。
副作用 ・・ 強い骨髄抑制と末梢神経障害(手足のしびれ)である

△タキソテール+カルボプラチン(DJ法)
投与法はタキソールと同じ。
副作用・・骨髄抑制は高度に出現するが、末梢神経障害は明らかに軽度である、その他の副作用も軽度であるが、癌抑制の効果に差異は無いのて
標準化学療法として検討されている。

投与方法の改善も試みられている。その中で有力な方法が
腹腔内投与とTJの分割毎週投与法である。
☆腹腔内投与
全生存期間の中央値が、16ヶ月程度延長(日経)したとの画期的な報告があります。タキソールが出来た時の生存期間の延長よりも格段に大きいく驚異的な数字である。しかし日本ではシスプラチン以外は、腹腔内投与は認められていませんが、適応の報告が多く寄せられています。しかし副作用場強いとの報告もあります。

ウィークリータキソール :TCやTJより少量のタキソールを1週間に1回
☆ウィークリーTJ :タキソールを1週間に1回、カルボプラチンを3週間に1回3週連続投与、1週休薬する、ウィークリー法である。ウィークリーの方が抗腫瘍効果が高く、副作用のコントロールもし易すく、通院でも投与できるとの報告もあ。しかし、国はタキソールはマンスリー投与でしか承認していませんので、地域によっては使えないこともある。
その他、ウィークリー法はその他の抗がん剤でも盛んに利用されている。

☆TJ法の抗がん剤の三分の一を分割投与するとか、いろいろと試されている。
  ★1c、2c、3期は、腹腔内化学療法+全身投与を組み合わせたほうが生存率を改善する。NCI誌によると、プラチナベースの治療薬とタキサンベースの治療薬を用いた多剤併用療法を腹腔に直接注入する(腹腔内化学療法)方法により、中央値5.5年生存に役立つことが報告されている。

  ☆クロノテラピー.:がん細胞と正常細胞の活動時間の差を利用して、抗がん剤をがんが増殖する夜間に投与する治療法。化学療法のレジメンは変えずに投与時間帯のみを夜間に設定することで、正常細胞への影響を少なく、またがん細胞への効果を強くすることを目的に行われます。
その他夜間投与のほうが副作用が少ないと言う報告もある。
その他2剤だけでなく3剤の利用も考えられる。

  ☆ 上皮性卵巣癌のうち漿液性腺癌や類内膜腺癌は上記の多剤併用療法が有効ですが、粘液性腺癌や明細胞腺癌に対しては効果的ではありません。とくに進行性の明細胞腺癌ではこれまでの化学療法では効果があがりにくく、最近開発された塩酸イリノテカン(CPT-11)とマイトマイシンやシスプラチンを組み合わせた治療が試みられていますが、あまり効果的とはいえないようです。

☆胚細胞性腫瘍では白金製剤が上皮性卵巣癌よりも有効があります。
・BEP(シスプラチン+エトポシド+ブレオマイシン4週毎)
・PVB(シスプラチン+ビンブラスチン+ブレオマイシン4週毎)
などの多剤併用療法が広く行われています。  
(参考 BEP療法を標準的治療としている。日本婦人科腫瘍学会卵巣がん治療ガイド
ラインより)

■卵巣がんに奏功する抗がん剤・・・・単剤で使うこともある

プラチナ製剤(白金製剤)・・・・シスプラチン(P)・カルボプラチン(C)・エトポシド・ネダプラチン・ランダ

タキサン製剤・・・バクリタキセル(タキソール)(T)・・・ドセタキセル(タキソテール)(D)

イリノテカン(I)・・カンプト注・・トポテシン

 ■卵巣がんに奏功する抗がん剤の組み合わせ
TP パクリタキセル(タキソール)+シスプラチン
TJ パクリタキセル(タキソール)+カルボプラチン
CP  シクロホスファミド+シスプラチン
CC シクロホスファミド+カルボプラチン
シクロホスファミド+ドキソルビシン+シスプラチン
CAPシクロホスファミド+アドリアマイシン+シスプラチン

卵巣がん治療のガイドライン作成

日本婦人科腫瘍学会(理事長:植木大阪医大教授)は、卵巣がん治療の標準化を目指した初の指針「卵巣がんの治療ガイドライン」を作成しました。(h16//11

医療機関の間での治療レベルの格差縮小や、病気について患者と医師が相互に理解を深めるのに活用します。指針では、手術による卵巣の全摘出と抗がん剤の併用を基本としていますが、10~20代に多い卵巣がんの一種「胚(はい)細胞腫瘍」については、片側の卵巣を温存することを推薦しています。

胚細胞腫瘍では、患者や家族へのインフォームド・コンセント経て、片側の卵巣などを温存する手術を「推薦」しています。抗がん剤の使い方も上皮性卵巣腫瘍とは異なっています。病巣の拡大を見落とす恐れがあることなどから、内視鏡手術については実施しないことを求めています。

卵巣がんの9割以上を占める上皮性卵巣腫瘍については、二つある卵巣や子宮などを摘出し、抗がん剤を使用することを基本としています。抗がん剤は、プラチナ製剤のカルボプラチンとタキサン製剤のパクリタキセルの併用を「強く推薦」しています。

 卵巣がんは、食生活の欧米化などにより、患者が急増しており、年間約6000人が発病しますが、早期発見が難しく5年生存率は約30%と治療が困難ながんの一つとされている