コウガンザイ（抗癌剤） - 化合物、混合物、薬品、薬品原料の辞書(Wiki)

悪性腫瘍の治療に用いられる薬剤。

抗生物質は、菌とヒトの代謝系の違いに注目して、菌にのみ有効な代謝系を攻撃することで退治する。
抗癌剤も、同様に悪性腫瘍の細胞と、正常細胞の違いに注目して作られることが多い。
しかし、正常細胞と悪性腫瘍は、もともと同じヒトに由来するので、細菌とヒトの細胞ほどの違いがない場合が多い。また、遺伝子改変が原因となって出来るので、ある悪性腫瘍で劇的な効果をあげた薬剤が別の悪性腫瘍に同じ様に効くかどうかは、なんともいえない。これが、悪性腫瘍の特効薬をなかなか作り出せない要因となっている。

現在の抗癌剤の働きとして一般的なのは、悪性腫瘍の代謝速度は正常細胞よりも非常に早い事に注目し、細胞毒を少量ずつ投与することで、悪性腫瘍が先に消滅する事を狙って投与されるものである。また、化合物によって蓄積しやすい臓器や組織があるので、どこに出来たかをみて、その部位に良く集積する薬剤が選択される。

正常細胞の中でも代謝速度の早い組織などは、抗癌剤の投与によってダメージを受ける。これが、脱毛や、白血球低下などの副作用の原因となっている。（む）