【種別】
紅世の徒”、通称

【初出】
XV巻

【解説】
真名は “吠狗首”(はいこうしゅ)、の色は灰色。
外見は真円の目を持つ二足歩行の黒い犬の姿で、しゃべり方は句点が多くたどたどしい。
革正団]の一員であり、サラカエルに従っていた。サラカエルとは[革正団]以前から、200年来の主従関係。そのため、しばしば彼を「お頭」と呼んでは「同志」と訂正されていた。
物覚えが悪く、いつも手帳を持ち歩いてさまざまなことを書き付けていた。意外と達筆で、自分が消滅しても書いた内容が消えないよう、筆記にはサラカエルに教わった暗号を使っていた。

黒妖犬という“燐子”を多数生み出し、操ることができる。黒妖犬が自壊するほどの高音を放つ自在法金切り声』なる切り札もあるにはあるが、基本的に本体も“燐子”も弱い。

1901年にサラカエルが討滅された後、オベリスク格納筒の自爆からハリエットを守り、サラカエルに託された彼の全てが記された本を持ってアメリカの同志の下に向かった。
その際、ハリエットとサラカエルの意思を守る約束をしていた。

現代も彼の“燐子”たる黒妖犬の存在は凍結状態で確認されているが、彼自身の生存は長らく不明だった。

最終巻で、1920年代に[百鬼夜行]に依頼して欧州各地を飛び回り、不器用な口舌で“徒”たちに『人間との関係性』を強く意識させたことが明かされた。
御崎市決戦終盤で新世界『無何有鏡』が創造された後の御崎市に姿を現し、他の“徒”達と一緒に『天梯』を通って新世界『無何有鏡』へ旅立った。

新世界へ渡り来た後、[百鬼夜行]と再会し、彼らに依頼して移動を手伝ってもらいながら、“徒”と人間の共存に向けた活動を続けている。
その活動は早くも効果を表し始めており、新世界へ渡り来てから二年弱の間に、簡単な言葉で二、三の古参の“徒”組織に提言して人間社会への接し方を罰則まで付けて厳守させる傾向に導いている。
その事を[仮装舞踏会]の布告官ストラスからの報告で聞いたベルペオルは、驚きを顔に出していた。なお、古参の“徒”たちからは[革正団]の思想的な首魁の一人と思われている。

新世界へ渡り来てから二年の間に坂井悠二と出会い、話しをしたようだ。新世界が創造されてから数年後の外伝『ローカス』では、かくれんぼのつもりで養育係のヴィルヘルミナ・カルメルの手から逃れて豪華客船ロード・オブ・ザ・シーズの通気口に隠れていた『両界の嗣子ユストゥスと偶然遭遇し、自身の御披露目の式典で何を言えばいいのかわからないユストゥスに、焦ることなくゆっくりとこれから先のことを皆で考えていけばいいと、助言を行った。その直後に遭遇した『鬼功の繰り手サーレと『極光の射手キアラ・トスカナにユストゥスを預けると、その場を去っていった。

【由来・元ネタ】
いわゆるヘルハウンド(ブラックドッグ)のマン島での呼び名モーザ・ドゥーグ(mauthe doog)と思われる。
マン島西岸のピール城に住んでいた悪霊。子牛ほどの大きさで、口から炎を吐くという。

【コメント】
☆たぶん、こいつ以外の昔の部下はサラカエルの思想に付き合いきれず、逃げたんだろうな…。
☆元々、思想に合わなきゃ部下にもならないだろうな。
☆“燐子”が生きているなら、ドゥーグも生きていると思っていた。
フリアグネの死後も存在していたニーナの例もある。消費する“存在の力”の量が少ない、もしくは無ければドゥーグが死んでいたとしても“燐子”が現存することはありえるはずだ。
☆↑それにしたって限度はある。フリアグネ曰く3日程度しか持たない筈。
☆喋り方が似ている[仮装舞踏会]の巡回士ビフロンス並みに物覚えが悪いみたいだな。
☆最終巻の"人間を食えない理"は[革正団]のおかげだな。
アニメ第3期では姿だけ登場した。
☆↑せっかく姿は出したのだが、最終話までに台詞はもらえなかった。チャンスは一度だけありそうな気がしたが、省略されそうな予感があった。
☆アニメでは[革正団]関連がごっそり削られてるので、再登場はともかく台詞は厳しいのではなかろうかと推測されていた。
☆アニメ第3期の23話に一瞬だけ再登場するも、一言も話すことなく他の“徒”たちに紛れて新世界へ旅立っていった・・・・。
☆番外編『おじょうさまのしゃな』では、招待客の一人として登場している。
☆番外編『さんじゅうしのしゃな』では、序幕で観客の一人として登場している。

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最終更新:2024年02月08日 15:03