◆Lesson10「左手でご飯を食べよう」

 

 

 
君は右利きかな?もしも左利きだったら左右逆に考えてね。僕は右利きです。従って右手の方が左手よりも意のままに動かすことができる。食事も文字を書くのもボールを投げるのもみんな右手だ。


さて、ドラムを叩く場合はどうだろう・・・。やっぱり右手の方が得意だな。アクセントや最初の一つ目の音を出す時なんかは右手から入ってしまうことが多い。しかし、ドラマーとして向上したいと思った時からそれじゃダメなんだということに気が付いた。

 

 それまでも「左手もちゃんと使えるようにしないと」と思ってそれなりのトレーニングはしてきたつもりだけどそれはやっぱり「それなり」でしかなかったんだ。結局いつまで経っても右手を追い越すことはできない。追い越せなくても追いつく、までもかなり遠いと思っていた。

 

 それで色々と考えた。その結果、「右手と同じことを左手にしてもらおう」ということに行き着いた。それ以来、左手で色々なことをするようになったよ。食事はもちろん、ドアの開け閉めから日常生活のありとあらゆることを左手でやってみた。もちろん、上手にできるわけがない。それでも日常生活を送る上で「これもドラムがうまくなることに繋がるんだ」という喜びに変えることができた。今となってはほとんどのことが左手でもできるよ。でもこれは人前じゃやらないよ。人に見せるものじゃなくて自分の為にやってることだからね。

 

 この左手の話をあるベーシストにしたら、「それは日本のレスリング界の父、八田先生と同じ発想だ」と言われた。なんでも八田先生はレスリングでも左右どちらでも使えることができるようにと選手に左手での食事を義務付けたという。その他にありとあらゆるユニークな選手育成方法を編み出し、その結果日本のレスリングのレベルを大きく躍進させることに繋がったんだって。僕以外でもこんな発想をする人がいたなんて驚きだけどやっぱり間違いではなかったと確信したよ。

 

 こういう日常生活の何気ない行動様式もドラミングに繋げることで日々向上していくことができる。できることは無限にあるってことさ。漫然とビールばっかり飲んでる暇なんか無いよ!

 

◆Lesson11 「リハーサルスタジオでの留意点」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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最終更新:2013年03月09日 16:14