(メカギャル文庫)フロム'C' 冒頭立ち読み版
いつもはかたく三つ編みにされている髪が解かれている。ウェーブのかかった黒髪は動きに合わせて乱れている。時々、その髪が赤く薄い唇にくっついて、その度に細く白い指がそれを払う。
僕は自分に跨っている彼女、大橋真美をぼんやりと見ていた。クラスメイトの大橋は絵に描いたような真面目な優等生で、担任の大のお気に入りだ。今時あり得ないくらいの野暮ったいぶかぶかの制服、二つのかたい三つ編み、太い銀縁の眼鏡。おまけにクラスで口をきくのは授業の時くらい。誰とも雑談をしているのを見たことがないし、同じクラス委員の僕だって必要最低限の会話しかしたことがない。その口調は真面目そのもの、しかも同級生なのに敬語で喋るから余計に親しみにくい。
それがさっきまでの僕が抱いていた大橋のイメージだった。だから大橋に家に誘われた時も何か用事があるのだと当然のように考えていた。きっと担任から頼まれた書類か何かを渡されるのだろう。そんな風に思っていた。
でも、大橋は僕を家に上げて部屋に招いた後、急に髪を解き始めた。大橋の趣味なのか、アロマテラピーとかいうやつなのか、部屋には甘い香りが漂っていた。その香りを吸い込むと妙に心地良くなったから、効果があるのは確かだ。が、その香りを嗅いだら、心地の良さと共に変な切迫感のようなものに襲われた。早い話が下半身、つまり僕のペニスが急に元気になってしまったのだ。
髪を解いて眼鏡を外した大橋が、当たり前のような顔をしてショーツを取る。気付いたら僕はベッドに押し倒されていた。
しかもここが僕の家のすぐ近くなんだから、変な話だ。なんと大橋の家は僕と同じマンションにあった。しかも同じ階層だ。なのに僕はここに来るまで、大橋が同じマンションに住んでいるということを全く知らなかった。
いくら大型マンションだからって、同じ学校で同じ時間くらいに登校しているはずなのに、一度も会わないなんてあり得ない。エレベーターは数基設置されているけれど、エレベーターホールは一つしかない。なのに見かけたことがただの一度もないのだ。
しかも大橋の家は僕の家の隣の隣だった。間に一軒、別の家族の家を挟んでいるだけなのだ。これで一度も会わないなんて偶然にしては出来すぎている気がする。
「有田くん。もしかして、気持ち良くない?」
それまで腰をくねらせていた大橋が急に不安そうな顔になって言う。僕は微かに笑って首を振った。大橋がこんな風に砕けた口調で話しかけてくれることも驚きだが、それを隠して無難に返答する。
「ううん。凄く気持ちいいよ」
でもほら。男ってあんまり態度に出ないっていうか。そんな言葉を付け足して僕は照れくささを装う。
僕、有田冬司は大橋と同じとまではいかなくても、学校では優等生のフリをしている。その理由は有田、といえばかなりの大企業で、しかも僕がそこの会長の御曹司、だからだ。自分では大したことだと思ってはいないけど、他人はそうは思わないらしい。だから正体が割れているところでは僕は大人しく優等生を演じることにしている。
でも実は外ではけっこう遊んでいる。自慢じゃないけど自由に出来る小遣いは、クラスメイトたちのそれとは桁が二つ以上違うし、性的なことにももちろん興味がある。おまけに僕の容姿はかなり整っている部類に入る。だから実は女性とベッドインするのは慣れている方だ。
「良かった……」
大橋がほっとしたような顔をする。どうやら僕の反応がかなり気に掛かるらしい。安堵の表情は本物に見える。
「もっと気持ちよくしてあげるから」
一転して艶やかな笑みを浮かべ、大橋が制服の上から左の胸に右手を伸ばす。そしてスカート越しに股間に添えた手が何かを弄くる。……位置的に多分、クリトリスを弄っているのだろう。
大橋の艶やかな表情にどきりとしつつも、僕はじっとその様子を観察していた。制服の上からでもはっきり判るほどに乳首は勃起している。これが夏服のブラウスなら話も判らなくもない。でも今は冬だ。ブレザーの上からでも大橋の乳首はぽっちりと浮いて見える。相当に昂奮しているのか、それとも乳首がかなり大きい方なのだろうか。好みとしては乳輪が大きすぎるのはタイプじゃないんだけど。
そんなことを考えていると、急にペニスが膣壁に締め付けられた。思わず呻きが漏れる。しかもまるで僕の性感帯を探るかのように、付け根から先端に向かって波打つようなゆっくりとした動きが加わっている。
一体、どんな訓練をしたらここまで膣を動かせるのだろう。そういえば挿入の時もそうだった。僕のがちがちに勃起したペニスが晒され、大橋が跨って腰を落とした時、膣は驚くほどに緩かった。なのに大橋が艶っぽく笑って胸を弄って腰をくねらせた途端、ペニスにぴったりとフィットするように膣壁がいきなり絡みついてきたのだ。
「あん! ああぁんっ!」
可愛い声で喘いではいるんだけど、僕は大橋の喘ぎ方にも疑問を覚えていた。最初は可愛い声だなあ、と思ったものの、その声はやけに単調で、しかも僕のことをちらちらと伺っているのだ。僕は気付かないフリをしているけど、どう考えても演技だということが判る。
まあ、僕がリードしている場面で演技だと判ったらちょっと落ち込むけど、大橋から誘ってきたんだからこれもありかな。そんなことを思いつつ、僕はスカートの中に手を入れようとした。けど、大橋がその手をさりげなく退ける。
これで三度目。僕は心の中でカウントした。大橋は僕から触ろうとすると何故かこんな風に拒んでみせるのだ。
「触られるのは嫌い?」
三度目なら訊いても違和感はないだろう。そう考えて僕はそう訊ねてみた。すると大橋の喘ぎ声がぴたっと止まる。
「え、あの!」
突然の質問に驚いたのか、大橋が困惑した顔で口ごもる。かなり予想外の質問だったみたいだ。でもセックスの最中に相手の身体に触るのは自然だと思う。そんな風に返してもいいんだけど、僕は別の答えをチョイスした。
僕は自分に跨っている彼女、大橋真美をぼんやりと見ていた。クラスメイトの大橋は絵に描いたような真面目な優等生で、担任の大のお気に入りだ。今時あり得ないくらいの野暮ったいぶかぶかの制服、二つのかたい三つ編み、太い銀縁の眼鏡。おまけにクラスで口をきくのは授業の時くらい。誰とも雑談をしているのを見たことがないし、同じクラス委員の僕だって必要最低限の会話しかしたことがない。その口調は真面目そのもの、しかも同級生なのに敬語で喋るから余計に親しみにくい。
それがさっきまでの僕が抱いていた大橋のイメージだった。だから大橋に家に誘われた時も何か用事があるのだと当然のように考えていた。きっと担任から頼まれた書類か何かを渡されるのだろう。そんな風に思っていた。
でも、大橋は僕を家に上げて部屋に招いた後、急に髪を解き始めた。大橋の趣味なのか、アロマテラピーとかいうやつなのか、部屋には甘い香りが漂っていた。その香りを吸い込むと妙に心地良くなったから、効果があるのは確かだ。が、その香りを嗅いだら、心地の良さと共に変な切迫感のようなものに襲われた。早い話が下半身、つまり僕のペニスが急に元気になってしまったのだ。
髪を解いて眼鏡を外した大橋が、当たり前のような顔をしてショーツを取る。気付いたら僕はベッドに押し倒されていた。
しかもここが僕の家のすぐ近くなんだから、変な話だ。なんと大橋の家は僕と同じマンションにあった。しかも同じ階層だ。なのに僕はここに来るまで、大橋が同じマンションに住んでいるということを全く知らなかった。
いくら大型マンションだからって、同じ学校で同じ時間くらいに登校しているはずなのに、一度も会わないなんてあり得ない。エレベーターは数基設置されているけれど、エレベーターホールは一つしかない。なのに見かけたことがただの一度もないのだ。
しかも大橋の家は僕の家の隣の隣だった。間に一軒、別の家族の家を挟んでいるだけなのだ。これで一度も会わないなんて偶然にしては出来すぎている気がする。
「有田くん。もしかして、気持ち良くない?」
それまで腰をくねらせていた大橋が急に不安そうな顔になって言う。僕は微かに笑って首を振った。大橋がこんな風に砕けた口調で話しかけてくれることも驚きだが、それを隠して無難に返答する。
「ううん。凄く気持ちいいよ」
でもほら。男ってあんまり態度に出ないっていうか。そんな言葉を付け足して僕は照れくささを装う。
僕、有田冬司は大橋と同じとまではいかなくても、学校では優等生のフリをしている。その理由は有田、といえばかなりの大企業で、しかも僕がそこの会長の御曹司、だからだ。自分では大したことだと思ってはいないけど、他人はそうは思わないらしい。だから正体が割れているところでは僕は大人しく優等生を演じることにしている。
でも実は外ではけっこう遊んでいる。自慢じゃないけど自由に出来る小遣いは、クラスメイトたちのそれとは桁が二つ以上違うし、性的なことにももちろん興味がある。おまけに僕の容姿はかなり整っている部類に入る。だから実は女性とベッドインするのは慣れている方だ。
「良かった……」
大橋がほっとしたような顔をする。どうやら僕の反応がかなり気に掛かるらしい。安堵の表情は本物に見える。
「もっと気持ちよくしてあげるから」
一転して艶やかな笑みを浮かべ、大橋が制服の上から左の胸に右手を伸ばす。そしてスカート越しに股間に添えた手が何かを弄くる。……位置的に多分、クリトリスを弄っているのだろう。
大橋の艶やかな表情にどきりとしつつも、僕はじっとその様子を観察していた。制服の上からでもはっきり判るほどに乳首は勃起している。これが夏服のブラウスなら話も判らなくもない。でも今は冬だ。ブレザーの上からでも大橋の乳首はぽっちりと浮いて見える。相当に昂奮しているのか、それとも乳首がかなり大きい方なのだろうか。好みとしては乳輪が大きすぎるのはタイプじゃないんだけど。
そんなことを考えていると、急にペニスが膣壁に締め付けられた。思わず呻きが漏れる。しかもまるで僕の性感帯を探るかのように、付け根から先端に向かって波打つようなゆっくりとした動きが加わっている。
一体、どんな訓練をしたらここまで膣を動かせるのだろう。そういえば挿入の時もそうだった。僕のがちがちに勃起したペニスが晒され、大橋が跨って腰を落とした時、膣は驚くほどに緩かった。なのに大橋が艶っぽく笑って胸を弄って腰をくねらせた途端、ペニスにぴったりとフィットするように膣壁がいきなり絡みついてきたのだ。
「あん! ああぁんっ!」
可愛い声で喘いではいるんだけど、僕は大橋の喘ぎ方にも疑問を覚えていた。最初は可愛い声だなあ、と思ったものの、その声はやけに単調で、しかも僕のことをちらちらと伺っているのだ。僕は気付かないフリをしているけど、どう考えても演技だということが判る。
まあ、僕がリードしている場面で演技だと判ったらちょっと落ち込むけど、大橋から誘ってきたんだからこれもありかな。そんなことを思いつつ、僕はスカートの中に手を入れようとした。けど、大橋がその手をさりげなく退ける。
これで三度目。僕は心の中でカウントした。大橋は僕から触ろうとすると何故かこんな風に拒んでみせるのだ。
「触られるのは嫌い?」
三度目なら訊いても違和感はないだろう。そう考えて僕はそう訊ねてみた。すると大橋の喘ぎ声がぴたっと止まる。
「え、あの!」
突然の質問に驚いたのか、大橋が困惑した顔で口ごもる。かなり予想外の質問だったみたいだ。でもセックスの最中に相手の身体に触るのは自然だと思う。そんな風に返してもいいんだけど、僕は別の答えをチョイスした。