無名草子さん :2007/11/16(金) 20:28:16
米本昌平・市野川容孝ほか『優生学と人間社会』(講談社現代新書)を推薦。
「社会」分野として、この主題は重要だと思うので。冷静に論を進めているところがすばらしい。
ナチス=優生学=悪の学問という短絡的な連想を退け、
近代合理主義や福祉国家と結託した善意に満ちた優生学という側面を実証的に明らかにしている。
ある面では進歩主義やフェミニズムとも結託し、宗教や保守主義が歯止めとして機能した面もあり、
一筋縄ではいかない倫理的な難問を突きつけてくる。
よくある、フーコーの理論あたりを持ち出してきて
それに丸投げしてしまうような安易な議論をしていないのも評価高い。
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