【種別】
紅世の徒”、通称

【初出】
I巻

【解説】
紅世の王”。真名は“狩人”(かりうど)。の色は薄い白。
宝具コレクターにして、集めた多くの宝具と自身の智謀でフレイムヘイズを幾人も屠った、狡猾なるフレイムヘイズ殺し。近代では五指に入る、強大な“王”であった。

人化した姿は、なよなよとした白いスーツの美青年。本性の姿は白い鳥。コロコロと表情を変えたり、奇妙に韻の浮いた声で話したりした。
通称は、「命名を趣味にする連中からもらった」とのこと。その当時は人間と交流があったようで、宝具のアルチザン(職人的芸術家)に興味を持っていた(ただし、それ以外の人間やその文化には無関心だった)。また、トリノにはなじみの武器収蔵庫もあった。

“徒”固有の能力として『獲物の性質』を見抜く力を持ち、この力で手にした宝具の能力や使い方を即座に看破することも可能であった。
この能力以外にも、恋人である“燐子”『可愛いマリアンヌ』を始め、宝具や自在法すら使うことが可能な、高度な意思総体を持つ“燐子”を数多く率いていた。
生み出した“燐子”の数は、日本で初めて作り出したニーナの時点で6000体に迫り、一体一体の力がヴィルヘルミナ曰く「一手駒としては破格」だった。“燐子”の数がそれほどに膨れあがったのは、マリアンヌをより完全な存在とするための、試行錯誤の結果であった。

また、それら多数の宝具や“燐子”を統制し使いこなす技量を持ち、封絶自在式も本人曰く「とっても上品なデザイン」であり、漫画版ではシャナの封絶と比べて緻密さ、密度、規模いずれも圧倒していることが確認できた。

1864年には、南北戦争の裏で勃発していた『内乱』の戦場であるアメリカ大陸に自ら赴き、“燐子ローレッタに搭乗してフレイムヘイズを殺す宝具を製作するために討ち手を憎む人間を探していたが、遂にその条件に合致した少年ビリー・ホーキンと出会った。
その二ヵ月後、古い友人である[宝石の一味]の頭目“瓊樹の万葉コヨーテの助力を得て、ビリーの仇である『氷霧の削ぎ手』ノーマン・パーセル率いる部隊[パドゥーカ]をビリーと共に待ち伏せて遭遇。その戦いの中でビリーと思いを縒り合わせて銀の拳銃型宝具を創り出し、ノーマンを爆死させた。そして、致命傷を負ったビリーの最期を見届けた。

現代では、愛するマリアンヌに『転生の自在式』を使い、他者の力に頼らなくても存在していける独立した存在にしてずっと一緒に生きることを願い、そのために必要な“存在の力”を、御崎市を秘法『都喰らい』に巻き込むことで確保することにした。市内に無数のトーチを作り、現れたフレイムヘイズは皆殺しにして、その計画を進行させた。
しかし、『炎髪灼眼の討ち手』が『都喰らい』成就寸前に御崎市に現れたことで彼の計画は狂い始めた。

トリガーハッピー』による爆発で『都喰らい』の準備が崩れることをおそれて常套手段の決め手が使えず、また『都喰らい』のために自分がトーチを使おうとしていることを悠二やシャナに看破され、坂井悠二の作戦でトーチを消費され続けたために、彼らと戦わざるを得なくなった。
ダンスパーティー』で“燐子”の軍団に自爆戦法を取らせることで、「『ダンスパーティー』は戦闘のための物」とシャナや悠二たちに錯覚させ、さらに悠二を人質に取って『トリガーハッピー』の能力を明かしシャナに伝えさせることで、本当の切り札である『ダンスパーティー』からシャナの目をそらさせ、同時にビル屋上で戦うことで「『ダンスパーティー』を鳴らしてもおかしくない状況」を作り上げ、シャナと戦う振りをしつつ『都喰らい』を進めていた。

しかし、フレイムヘイズとの長年の戦歴から、彼が勝てると踏んで取った戦法は『変わり者』のシャナにはほとんど通じないという誤算、隠蔽のために護衛にして戦力である“燐子”達を自爆させながら戦うしかないという状況、『都喰らい』のために市内全域のトーチの爆破の鼓動の一斉制御・加速という緻密かつ大規模な作業と戦闘の同時進行、といった数々の要因から、自分の策で作り出した状況に追い詰められてしまう。
マリアンヌがフリアグネを助け、「ふたりの願い」を叶えるために自分をフリアグネに爆破させたことにより、なんとかシャナを追い詰めるものの、悠二の異常に鋭敏な感覚に『都喰らい』のための狙いと仕掛けを看破され、シャナの攻撃で『ダンスパーティー』を破壊されたことで望みが潰え、挙句の果てに怒りと悲しみの中で撃った宝具『トリガーハッピー』の能力により、アラストールが目覚めても『』が破壊されなかったことで、顕現したアラストールに討滅された。

本来なら、宝具が万全なら[仮装舞踏会]将帥(“千変”除く)やサブラクにも比肩する実力者で、フレイムヘイズに対してはカムシンでも苦戦するほどの強者であったのだが、成就寸前の『都喰らい』のために行動を大きく制限されたこと、長年の戦歴から『フレイムヘイズ』に対して油断と思い込みがあり、シャナが偶然ながらまさにそこを突ける存在であったこと、異常に鋭敏な感覚を持つ悠二が戦場にいたことなど、様々な運と相性の悪さから敗れた。

彼が所持していた宝具は他の“徒”と比べ格段に多いため、本編と外伝に登場したものを列挙した。


討滅以後もなお、短編集巻末の『狩人のフリアグネ なんでも質問箱』にてマリアンヌと活躍していた。むしろ、死んだ後の方が活き活きしており、登場数は本編より多かった。アニメ本編DVD、劇場版初回特典DVD、アニメ第2期DVDでも「フリアグネとマリアンヌのなぜなにシャナ」で単独枠を確保。マリアンヌとの愛の巣は着実に拡大していた。
そしてシリーズ最終巻であるSIII巻では、自身が主役の中編の掲載に加え、『なんでも質問箱』といとうのいぢ画の後書きの両方で、大トリを完全に持っていった。


【アニメ版】
原作では悠二が提案しシャナが実行したトーチの浪費を、ラミーにやられている。その現場を押さえようとした結果、マージョリー・ドーとの遭遇戦が発生した。
最後は狂気に陥り、主を守るためマリアンヌが目の前で覚悟の自爆をしたことにも気づかず、彼にしか見えない腕の中の彼女を撫で続け、『トリガーハッピー』を撃とうとするもマージョリー・ドーに邪魔をされ、最後はシャナに討滅された。
それが不評だったのか、劇場版ではより原作に近い展開になっていた。
DVDでの『なぜなにシャナ』は、彼が登場しない第2期や第3期でも健在だった。

【由来・元ネタ考察】
名前の元ネタはエノク書のデーモン「フリアグネ(Friagne)」と思われる。第五天の天使といわれ、火星の日に東で支配するという。
真名の「狩人」が持つ本質は、フレイムヘイズ殺しや宝具コレクターとして表れているが、それらは本来、“紅世”にないものである。
推測するに、彼の真名は「“紅世”における強大な狩猟者である」という意味だと思われる。余分な修飾もなく、ただ一言「狩人」の言葉で表される存在であったならば、近代五指に入るという実力も頷ける。

キャラクターとしての元ネタは、「教○テレビ番組の『司会のお姉さんと相方の人形』」である。

【コメント】
☆アニメ第2期でも、メアの『ゲマインデ』の中でマリアンヌと共に登場した。
☆「様」付きでよばれ、いとうのいぢさんに愛された。
☆宝具集めが嵩じて宝具作りにいかないのが、コレクターたる所以だったんだろうな。
ソラトが大人になったようなキャラだったな。
☆[巌楹院]とも絡んでいたら面白そうだったのにな。
☆[革正団]のサラカエルや[仮装舞踏会]の巡回士マモンと同じく、美青年の姿をした“王”だったな。
☆悠二を“ミステス”にし、御崎市をひどく荒らし歪ませて『大命』完遂の地に選ばせるなど、その後の様々な事件の発端を作った。
☆番外編『しんでれらのしゃな』では、招待客の一人として登場している。
☆番外編『かぐやひめのしゃな』では、12話の浦島太郎で浦島太郎として登場している。
☆番外編『おじょうさまのしゃな』には登場しなかった。
☆番外編『さんじゅうしのしゃな』では、幕間0で登場している。

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最終更新:2024年04月24日 06:51