【種別】
組織

【初出】
IV巻

【解説】
この世に渡り来た“紅世の徒”が作った組織。世界最大の規模を誇り、他の大集団とは頭一つ二つ抜きん出ている、現代まで残っている数少ない大集団。桁外れの規模の兵力、一騎当千の実力を持った錚々たる顔ぶれの将帥らを数多く揃えている。

その本分は、こちらの世界に在る“徒”達の互助共生を主眼とし、個々では対処しきれない事柄を集団の力によって対処するという、“徒”の組織としては珍しくないものだった。実際には、『大命』と称する極秘目標を掲げているが、構成員の多くはその存在を知らなかった。

平時は、フレイムヘイズでいう外界宿のような役割を果たしていた。ただしこちらは、組織に人間を関与させてはいない。
通常束ねることが困難な存在である“徒”の組織であるため、その統制原則は実力と畏怖による。この世に渡ってきたばかりの“徒”に、この世で生きていくための訓令を与えることもしていた。

久遠の陥穽』に放逐された『盟主創造神祭礼の蛇”に代わり組織を取り仕切るのは、『将軍』シュドナイ、『巫女』ヘカテー、『参謀』ベルペオルの三柱の強大なる“”『三柱臣』である。
下層の活動員としては、本拠地の管理防衛に当たる『禁衛員』、戦闘を担当する『巡回士』、種々の情報収集を行う『捜索猟兵』、さらにそれらとの連絡・折衝を任務とする『布告官』が存在するが、その中にも色々と階級があるようだ。
更に下層には雑兵と呼ばれる“徒”もいる模様。

本拠地として、『天道宮』と同じように外の世界から隔離・隠蔽された移動要塞『星黎殿』が使われている。
『星黎殿』の管理と守護は、ベルペオルの副官“嵐蹄”フェコルーが一手に任されていた。

三千余年前、封界『大縛鎖』を創造しようとした時代には組織などではなく、“祭礼の蛇”と『三柱臣』の他には数十の取り巻きが「ただ居た」だけであり、そのため『大縛鎖』創造の儀式を利用される形で、フレイムヘイズ達の作戦によって“祭礼の蛇”の放逐を許してしまった。
以降の三千年、『三柱臣』は“祭礼の蛇”をこの世へ帰還させること、そして『大命』実現のために尽力し続け、多勢の力を知ったベルペオルは組織を作ることになった。
そして、“祭礼の蛇”の放逐から現代まで、自ら「武力闘争」と呼ばれる程の戦いを仕掛けることは一切しなかったが、それは来たる日の大攻勢のために戦力を温存するための、ベルペオルの差配だった。

本編の数百年前、フレイムヘイズ陣営と『とむらいの鐘』の戦いである『大戦』に[とむらいの鐘]側の支援勢力として参戦した。
本来武力闘争を避けてきたベルペオルであったが、『教授』が『大命詩篇』の一部を無許可で持ち出し、それが“棺の織手アシズの手に落ちてしまったため、その始末が参戦理由であった。
そのため戦場においても積極的攻勢には出ず、大命詩編が破壊されたことを確認すると壊滅した[とむらいの鐘]の残兵を収容して撤収した。


『盟主』の帰還が近く迫った頃から、『将軍』シュドナイが積極的に、世界各地の重要な外界宿への襲撃・殲滅を開始した。
ベルペオルからの依頼をサブラクが果たしたことで、『盟主』“祭礼の蛇”が坂井悠二を代行体として帰還。『盟主』の謁見にて、『大命』が構成員に布告された。それとほぼ同時期に起こった上海会戦での『傀輪会』殲滅によって、フレイムヘイズたちとの事実上の『開戦』状態に突入した。
[仮装舞踏会]は、半年をかけた極秘活動により戦力的・戦況的にも圧倒的に優位な状況を作り上げ、ユーラシア大陸中央部に蟠踞した。
そして、“祭礼の蛇”の本体をこの世に呼び戻すため『久遠の陥穽』に向かった『盟主』たちが帰還するまで、一騎当千の“王”たちが率いる空前の規模の大軍勢でフレイムヘイズ兵団に攻撃を仕掛け、本拠地『星黎殿』を守り抜く構えであった。

敵の東西防衛戦に圧力をかけることと『星黎殿』の秘匿性により、一方的な侵攻戦になると思われたが、『神門』創造の際の歪みとフィレスの広範囲の索敵能力により本拠地の位置を特定され、フレイムヘイズ兵団による予想外の奇襲侵攻を受けてしまった。
この事態に、外界宿征討軍総司令官デカラビアは要塞直衛軍司令官に役職を変更して、西方からハボリムが来援するまでの時間を稼いだ。結果、デカラビアは討滅されたが、ハボリム率いる西部方面軍が戦場に到着し、勢いに乗りかけたフレイムヘイズ兵団に猛撃を加え、一転して追い詰めた。
その直後、『久遠の陥穽』から還幸した“祭礼の蛇”が二度にわたる大命宣布を行い、それによってフレイムヘイズ兵団は壊乱し、[仮装舞踏会]の完勝となった。
以後、[仮装舞踏会]の包囲網内で、シュドナイ率いる掃討軍が散り散りとなった残敵の殲滅戦を行った。最終的には主力の多くは取り逃がすも、この戦いにより、フレイムヘイズ兵団の討ち手の八割を滅ぼし、兵団の重鎮であるザムエル、『大地の四神』の一人たるセンターヒルも討ち取った。

“祭礼の蛇”の神体を安定させた後、『星黎殿』ごと御崎市へ移動し、そこで『大命』最終段階である新世界『無何有鏡』の創造を開始した。
介入してきたシャナ一派と『大地の三神』に対処しつつ“祭礼の蛇”の神威召喚祭基礼創』を進めた。途中、シャナによる『無何有鏡』の理の改変があったが、それは“徒”や“祭礼の蛇”にも受け入れられるものであったため、そのまま創造を続け、ついに新世界『無何有鏡』を創造した。
そして、ベルペオルは一旦組織を解散させ、新世界『無何有鏡』に渡って十年の後に動静を見定め再度の集合を期していた。

しかし、新世界での混沌期を経て[マカベアの兄弟]の結成もあって、一年後の春の時点で構成員たちは早々に集結を始めている。
二年弱の時点で集結はほぼ完了しており、『星黎殿』の修復と改装も完了した。

【[仮装舞踏会]構成員一覧】(○は“徒”、☆は“王”、◎は神、-は“徒”ではない存在。黒塗りは消滅)

盟主
 ◎“祭礼の蛇
 -坂井悠二(代行体)
 -『暴君』 “

三柱臣
 ★“頂の座”ヘカテー
 ☆“逆理の裁者”ベルペオル
 ★“千変”シュドナイ

近衛員
 ★“嵐蹄”フェコルー
 ★“哮呼の狻猊”プルソン
 ★“駝鼓の乱囃”ウアル

巡回士
 ★“千征令”オルゴン
 ●“吼号呀”ビフロンス
 ○→☆“獰暴の鞍”オロバス
 ☆“驀地祲”リベザル
 ★“冀求の金掌”マモン
 ★“呻の連環”パイモン
 ☆“化転の藩障”バルマ

捜索猟兵
 ●“琉眼”ウィネ
 ●“聚散の丁”ザロービ
 ○“蠱溺の盃”ピルソイン
 ☆“煬煽”ハボリム
 ○→☆“朧光の衣”レライエ
 ☆“翻移の面紗”オセ

布告官
 ○“翠翔”ストラス
 ★“淼渺吏”デカラビア

『不明』
 ★“道司”ガープ
 ●“放弾倆”ファレグ
 ★“匣迅駕”バティン
 ☆“駒跳の羚羊”ブファル
 ☆“珠帷の剔抉”エギュン

『協力者・食客』
 ★“探耽求究”ダンタリオン
 ★“壊刃”サブラク
 ●“笑謔の聘”ロフォカレ
 ○“屍拾い”ラミー

【由来・元ネタ】
フランス語で「bal masqué」。「bal」が「舞踏会」、「masqué」が「仮面(マスク)」を意味するので、「仮面舞踏会」。「masqué」が動詞「masquer」となると、「視界を遮る、事実・意見を隠す」となる。
[仮装舞踏会]を意味するフランス語は「bal costumé」。「仮装」を、「costumé」でなく、あえて「masqué」としたところにこだわりが感じられる。
よく間違えられるがバルマス家ではない。
よく間違えるが仮面舞踏会でもない。
[仮装舞踏会]という名称は、大命という名の仮装で本来個々が持つ欲望を固めた“祭礼の蛇”のための神楽舞いという意味。

【コメント】
アニメ版から登場していた。
☆ヘカテーは、自分のことを棚に上げてシュドナイを責めていると思った。もっとも、V巻の時間軸では不真面目、その後は真面目だったがな。(追記)VIII巻では、『三柱臣』みんなが真面目に活動していた。
☆↑ヘカテーは普段は遊んでるけど、『大命』が降りたら真面目に働いてるんじゃないか?
☆間違っても仮面舞踏会じゃないし、仮面ライダーでもなかった。
☆VIII巻で『三柱臣』が同時に活動を始めたが、これはX巻の中世の『大戦』以来、数百年ぶりの事らしかった。
☆XVII巻では、ほとんど一方の主役だった。
☆番外編『しんでれらのしゃな』では、『三柱臣』が王家の三重臣として登場している。
☆番外編『かぐやひめのしゃな』では、『三柱臣』が天人軍師と天人巫女と天人将軍として登場している。
☆番外編『おじょうさまのしゃな』では、バルマス家として登場した。
☆番外編『さんじゅうしのしゃな』では、『三柱臣』が三銃士として登場している。
☆とりあえず黒塗りしてみた。サブラクは消滅で良いのか『大命』達成後にひょっこり出てくるのかわからないが・・・ていうか意外と結構消滅してるしな。
ドラマディスクアニメと別キャストの方)付属の「キャラクター相関図 VI巻現在」では、ガープ巡回士と記載されていた。
☆『星黎殿』攻防戦での一時期を除き、常にイニシアチブをとり続け、組織の目的たる『大命』を成就した。
☆[]や[狂気の城]や『色盗人』とも敵対してそうだな。
☆[宝石の一味]の“瓊樹の万葉コヨーテフックストンサーイイナンナフリアグネや“燐子マリアンヌニーナオオナムチウコバク海魔ラハブカシャとも絡んでいたら面白そうだったのにな。
☆公式ガイドブック完結編『灼眼のシャナノ全テ 完』が出ても役職不明が、まだ何人か残ったな。

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最終更新:2023年07月22日 21:19