【初出】
XXI巻
【解説】
『
大地の四神』の一人で、『四神』としての呼称は『
波濤の先に踊る女』。他者のことも『四神』独自の呼称で呼んでいる。
『滄波の振り手』(そうはのふりて)の
称号を持つ、“清漂の鈴”
チャルチウィトリクエのフレイムヘイズ。
炎の色は珊瑚色。
神器は波形輪郭をした石のメダル型の“
テオトル”。
年齢をつかめない麗容な女性で、まとめた黒髪を後ろに垂らし、丈長のワンピースの上に、不思議な模様が描かれた上掛けを羽織っている。
嬉しくとも悲しくとも、とにかく何かがある度に目を潤わせて泣いている。また異常なまでに人から気を遣われる性質で、彼女が旅をすると毎度、彼女を気にかけ世話してくれる人が集まって行列ができてしまう。
SIII巻『ソロー』においては、「遠く近くに生死の悲鳴を耳に拾い続けた海女」と表現されている。
イーストエッジや
サウスバレイと並んで世界最強クラスと言われるほどのフレイムヘイズであり、戦闘では水を自在に操る
自在法『
セドナの舞』を使い、“徒”の保持する“
存在の力”を水に変換・還元する。大津波で相手を飲み込み捕える他、水で形作った魚類、鳥類、哺乳類(いずれもインディアンと馴染み深い生き物)による直接攻撃なども行える。
水の波で相手を捕らえて身動きをとれなくした後に、まず“
紅世”に帰る様に説得を試みるという、非常に珍しい戦法を基本としている。
この水は相手の
炎弾や
自在法の“存在の力”をも水へと変換して封じるため、水から出る術のない“
徒”はやむなく“紅世”に帰ることを余儀なくされ、それでも帰らぬ者には何らかの攻撃で討滅したり、捉えたまま水を津波のように流す。
津波のような大規模な技の使い手だが肉弾戦の技量も尋常ではなく、突進してきたオロバスを片足であしらい、名も無き“徒”を次々と蹴りで粉砕すると同時に水の武器へと変換。その武器でさらに敵を討ち得た水をまた武器として敵を滅すという、体術と自在法が直結した澱みない舞踏を披露している。
19世紀後半に勃発した、アメリカ大陸を巡る『
内乱』を引き起こした『大地の四神』の一人として、南北アメリカ大陸の主要四都市にある
外界宿の一つの管理者を務めてきた。 しかし外界宿の管理者としては、他の三人とは異なり有能ではなかったようだ。
現代での[
仮装舞踏会]との全面戦争に際しては、悲嘆に暮れるばかりであった。
しかし
フレイムヘイズ兵団が[仮装舞踏会]に大敗した後、その戦いで命を落とした
センターヒルの遺志に従い参戦を決定し、センターヒルに後事を託された
シャナの決意を聞き、彼女と共に行くことを決めた。
御崎市決戦では、
真南川の川面を歩いて、北方から侵攻した。そして、御崎市の
封絶外にいた“徒”を追い散らしながら前進。井之上原田鉄橋にて
オロバスと
レライエ率いる北部守備隊との交戦に入った。
その後に後背から遅れ来た膨大極まる数の外来の“徒”による攻撃を受け、従来の説得戦法もままならずにその対処にかかり切りとなっていたところ、オロバスとレライエの奇襲を危うくかわし、直接の交戦に移った。流入してきた無数の“徒”をまったく寄せ付けない強さを見せつけながらも、前進しないまま彼らを虐殺し続けた。
新世界『
無何有鏡』の完成に伴って戦火が収まってからは一旦河川敷に集まり、他の二人と共にフレイムヘイズとしては最初に『
天梯』を通って新世界へ旅立った。
最終更新:2023年09月12日 05:04