【種別】
紅世の徒”、通称

【初出】
外伝『ヴァージャー』

【解説】
紅世の王”。真名は“皁彦士”(そうげんし)。の色は代赭色。
巨大な百足の姿をしていた。古代より永きに渡って世界中を荒らし、強力なフレイムヘイズを幾人も倒してきた強力な“王”。
自らの巨体の有利不利を知り尽くし、小細工は使わず、大太刀型宝具贄殿遮那』でも貫くことは困難な非常に頑強な自らの体を武器にした直接攻撃と、全身の至るところから放たれる強力な炎を併せて戦っていた。
また、普通の百足と同程度の大きさの百足型の“燐子”を無数使役しており、まともな知性や戦闘力も持たない代わりに微弱すぎて気配の察知が困難なそれらを見張りとして配置・利用するとともに、森から動けない自身の代わりに“存在の力”を刈り取らせていた。

かつて古代日本のとある山を住処としており、フレイムヘイズに敗北し追われて以降、世界を放浪していた。数千年前には、イルヤンカたちと共に『大縛鎖』創造の儀式に招かれており、創造神祭礼の蛇伏羲が『久遠の陥穽』に放逐された際には、逆上したヘカテーシュドナイと共にフレイムヘイズを追い散らしていた。

後に宿敵であったフレイムヘイズ『理法の裁ち手ヤマベとの幾度かの交戦を経て、ついにこれを討ち果たすが、不可思議な虚脱に陥った。
しかし、それまで軽くあしらってきた『戈伏の衝き手』クレメンス・ロットと『荊扉の編み手』セシリア・ロドリーゴとの四度目の交戦で、二人が予想外に腕を上げていたことで、二人を新たな好敵手として認めて生き甲斐を取り戻した。

『ヴァージャー』の一年前、クレメンスを倒した際に、彼がフレイムヘイズとして契約した後にオーストリアの森の村に残した遺品をセシリアに見せないよう探して壊すことを頼まれるが、何故か探しはしたものの壊さずにおり、遺品を捜そうとやって来るセシリアを阻むために森に陣取っていた。以来、セシリアの救護要請を受けて外界宿から四度に渡って派遣された五人の討ち手(内、四度目の二人は腕利きの討ち手であった)を屠ってきた。

ピエトロからの依頼でオオナムチ討滅に現れた『贄殿遮那』のフレイムヘイズと激突。その際、彼女を足止めに利用して遺品が入っている木箱を取ろうとしたセシリアに対して、自分でも理由がわからぬまま逆上して殺害した。
セシリアが死んでも消えずに在り続けていた遺品を見て、それがセシリアだけにではなく、彼らと自分が長く共に在り、結び合わされた証であることに気付き、同時に箱を壊さなかった理由と逆上した理由を悟った。
その証を守るために再びシャナと激突し、討滅された。

【由来・元ネタ】
日本神話において、国作りを成し遂げたとされる神・大国主神(オオクニヌシノカミ)の別名、大穴牟遅神(オオナムチノカミ)。

「彦士」はこの二文字で「才徳(才能・智恵・道徳に適う行い)のある男」を意味する。そして「皁」だが、この字は「黒い外皮を持つ団栗状の実」、転じて「黒いこと・黒衣」を意味する。
彼の通名・オオナムチ=大国主神は、日本で大黒天と混同されて信仰されている神であり、この神は黒い身体をしていると言われる。よってこの「皁」は大黒天のことを表すといえる。
そう解釈すると真名全体で「才徳のある黒き男神」という意味だと思われる。

【コメント】
アニメシリーズには未登場。
☆クレメンスの発言から、ヤマベとはライバルだったと以前から推測されていた。
☆XX巻でのカムシンの回想に出て来た、『大縛鎖』の建造時に招待された『黒金の大百足』は彼のことである。
☆[とむらいの鐘]の『両翼』の左イルヤンカと並び存在を伝えられるほどの“王”であったが、契約間もないシャナに討滅されてしまった。
☆[巌楹院]のゴグマゴーグや[とむらいの鐘]の“棺の織手アシズや『九垓天秤ジャリフワワニヌルタソカルウルリクムミチェルノボーグモレクや『両翼』のメリヒムイルヤンカやウルリクムミの副官のアルラウネや[宝石の一味]の“瓊樹の万葉コヨーテフックストンサーイイナンナや[革正団]のサラカエルドゥーグハリー・スミスハリエット・スミスや[仮装舞踏会]の盟主創造神祭礼の蛇伏羲や『三柱臣』のベルペオルシュドナイヘカテー布告官デカラビアストラス捜索猟兵ハボリムウィネザロービレライエ巡回士オルゴンリベザルオロバス禁衛員フェコルーウアルとも絡んでいたら面白そうだったのにな。
☆番外編『おじょうさまのしゃな』では、招待客の一人として登場している。
☆番外編『さんじゅうしのしゃな』では、侍従長のオオナムチ・ラ・シェネーとして登場している。

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最終更新:2023年12月26日 04:46