【初出】
XVI巻
【解説】
東アジア一帯の
外界宿を束ねる秘密結社。朱の団龍を紋章としており、その理由は「復明滅清」=明朝を奉じて清朝に抗する秘密結社を母体としている為である。
欧州の
ドレル・パーティーとは異なり、
フレイムヘイズではなく人間の構成員が組織の主導権を握っていた。
項辛をはじめとした最高幹部は『大老』と呼ばれる。
中国のフレイムヘイズがスーツに自身の
炎色をした帯を締め、武具を
神器とするのは、中国のフレイムヘイズの規則。『傀輪会』は、この手の決まり事を守らせて権威を保っていた。
現代の『
大戦』の前哨戦で、混乱を極める欧州外界宿への不信から、独断で東アジアのほぼ全てのフレイムヘイズ(
虞軒、
季重、
笵勲など)を集結させた総力軍を結成。
シュドナイ率いる[
仮装舞踏会]の軍勢を誘き出し、上海総本部にて準備万端で待ち構え会戦に挑むも、一晩すらもたずに総員殲滅という大完敗を喫した。
これによって上海総本部は壊滅し、『大老』達こそ逃げ延びたものの、貴重な戦力であった歴戦の討ち手達を根こそぎ失う大失態となった。
この敗北によって、東アジアの配備は独立管区である日本を除いて完全にがら空きという非常事態に陥ることになる。さらに、集団戦闘に長けるという貴重な特性を持った中国の屈強なるフレイムヘイズ達が皆殲滅されてしまったことで、実戦部隊にも甚大に過ぎる被害を与えた。
『傀輪会』の大敗と[仮装舞踏会]の宣戦布告という極限の非常事態に陥ったことで、フレイムヘイズ陣営は身内同士で争っている余裕も完全になくなり、
ゾフィー・サバリッシュにより混乱していた世界全体の外界宿とフレイムヘイズの指揮権は完全に掌握された。
また、この独断による大失態から、『傀輪会』には現代の『大戦』への協力による名誉挽回と、戦後のための功績の確保が責務となって課されており、現代の『大戦』の多くの場面で積極的に協力・活動している。
上海会戦の大完敗の恥を雪がんとする『大老』たちは、『凪』作戦の主な推進力となった。
『引潮』作戦では、
マージョリーに同行している
佐藤の為に、
董命などの日本語を話せる構成員たちを選抜して『
天道宮』に派遣した。
シャナたちが新世界『
無何有鏡』へ旅立ってから二ヵ月後の四月、
真南川に沈んだ『
真宰社』の残骸を『傀輪会』の息がかかった業者が回収し始めたようだ。
【由来・元ネタ】
「傀」は大きいこと、あやしいこと、を意味する。「大きくあやしい異能を持った討ち手たちを「輪」のように支える集まり」という意味だと思われる。
「傀」には操り人形(傀儡)の意味もあるが、これは“
徒”の感性に近くなるので、おそらく違うだろう。
最終更新:2024年02月25日 02:44