【種別】
自在法

【初出】
ゲーム版

【解説】
“戯睡郷”メア固有の自在法。 夢の世界を作り出して周囲の者の意識を取り込み、取り込んだ者の意識を“戯睡郷”メアの作った夢の舞台で遊ばせる。
夢の世界での出来事は現実では刹那のことであり、夢の世界でどれだけ長い時を過ごしても、術が解かれた時点で発動した瞬間の現実に回帰する。その際にはメアを除いた者は夢の世界での記憶が消えるため、通常メア以外の者はこの自在法が発動したことにすら気付けない。
無くても問題ないが、宝具パパゲーナ』を自在法を使う上での集中力を高める触媒として使っており、その際は『パパゲーナ』の周りに細かく小さく自在式が渦巻く。
『ゲマインデ』を仕掛けられた側は、最初封絶と錯覚するが、その時点で対象は夢の世界に捕らわれている。これは夢の舞台が始まると同時に封絶が張られるからである。

夢の世界は、メアもしくは取り込んだ者の記憶から再現される。『ゲマインデ』で作り出した夢を本当の現実のように見せるには、一人の夢だけでは限界がある(範囲が『自分が知っているものしかない』世界に限られてしまう)ので、この現実味の薄い不自然さを補うために、対象者とは別の人物を夢に取り込むこともできる。
『ゲマインデ』の中で現れるメアは基本的に無敵であり、どれだけダメージを負っても復活できるし、本来メアには使えない高度な自在法を再現する事も可能。
しかし、夢の中で相手を殺傷したとしても現実には何も影響しない。
加えて、夢に取り込まれた者が現実でない事に気づき、「これは夢である」と意識してしまうと『ゲマインデ』は崩壊する上、現実のメアにダメージが及んでしまう。
また、メア以上の存在、つまり力ある“紅世の徒”やフレイムヘイズなどは心の中を覗く(=意識内部へ干渉する)ことが出来ず、それらの意識を主体にした夢を構築したり、夢の世界であることを誤魔化すために意識を曖昧にする事もできない。

この大きな欠陥を持ち、現実への干渉力が無いも同然の自在法を、メアは苦心の末に二つの有用な使い方を編み出している。

一つは敵を『ゲマインデ』に取り込んで夢の舞台で戦わせ、その実力や能力を見極めるという使い方である。
敵を倒す事は出来ずとも、相手の能力や攻撃手段、実力などの情報を集めることで、現実での逃亡の手助けにすることは可能で、夢であることを見破られると多大なダメージを受けるリスクはあるものの、そこそこは役に立つ手段であった。
しかし、メアがどう足掻いても逃げることすら出来ない強敵に対しては、この手法は何の意味も無くなる。

そしてもう一つは“ミステス”を乗っ取るという使い方である。
『ゲマインデ』は“紅世の徒”以下の存在への意識に干渉することができるため、“徒”としての存在の優位性からトーチなどに対しては意識に干渉し乗っ取ることが可能である。
トーチの意識に干渉するだけなら“徒”ならほとんどが容易く行える事で、「触れる必要が無く、離れた場所から行える」「発動後は一瞬で乗っ取る事が出来る」だけなら特筆性は無いが、この自在法特有の能力として、『戦闘用宝具を蔵した』“ミステス”に施されていることの多い、『戒禁』を破り、ミステスを乗っ取る力として使用出来る。
メア曰く、「『戒禁』を敵として作り変えて、同じく取り込んだものに壊させて自滅を呼ぶ『共に見る滅びの夢』」。
対象は夢の中でいつも通りの日常を過ごすが、『敵』として作り変えられ意識内部に現れた『戒禁』を自ら破壊していくこととなり、『戒禁』を解除してしまった時点でメアに乗っ取られる。
なお、メアの浸食を受ける“ミステス”は、『ゲマインデ』に捕らわれている間、夢の中の日常で不自然な疲労を感じる。

ゲーム本編では、『零時迷子』とのその“ミステス”である坂井悠二は戦闘用ではなかったので、敵の姿をした『戒禁』を破壊させるためにシャナを夢に引き込んだ。
また、『戒禁』を『敵の姿』に変化させる媒介として、フレイムへイズの外に洩れ出る気配を用い、消えようのない敵の傷跡・力の軌跡から姿や力を再現した。
現れる『敵』は、当人達の記憶から抽出され、組み替えられているので互いに初見の反応となっている。
夢を補うための記憶の媒介として、吉田一美を対象として、意識を夢の世界に引き込んだ。
これにより、お互いの知らないものを見せ合わせることで、夢の世界に違和感を抱かせないよう調整していた。
また、万が一にも片方の「坂井悠二の夢」から引き剥がされたとしても、「吉田一美の夢」が片方に残る限り『ゲマインデ』が解けなくなるので、保険の意味合いもある。

悠二の分析力によって彼の夢から引き剥がされたメアは、保険である吉田一美の夢に移り、彼女が目覚めることがないよう深く眠らせておき、追ってきたシャナと悠二を相手に戦闘を行ったが、それも“ミステス”(悠二)の内部に隠れ潜む本体が『戒禁』を破るための時間稼ぎであった。
最終的には失敗したが、一時的にせよ『戒禁』の解除はかなりの段階まで進んでいたようだ。

前述の通り、『ゲマインデ』が解けると、夢の中の出来事はほぼ忘れられてしまう。
ただし、強く心に刻み込まれた感情に関する記憶の断片がほんの僅かに残存することもある。
『ジャグル』では、サブラクにメアの素顔の記憶が残った。本編では“祭礼の蛇”坂井悠二が御崎市への帰郷の途中で、夏に電車に乗ったような記憶を思いだしているが、それは『ゲマインデ』内で電車に乗って海に向かった際のものである。

アニメ版
第2期冒頭でまず悠二単独に対して使用され、その後に悠二とシャナと吉田一美に対して使用された。
ゲームとの大きな違いは、この自在法が『戒禁』を破るための自在法ではないということである。悠二が『戒禁』持ちだという情報も、サブラクからメアに渡っていなかった。
出現するかつて戦った敵も、『戒禁』を組み替えた物ではなく、記憶から作り出された単なる夢でしかなかった。
そのため、メアは『戒禁』に引っかかり、あっさりと討滅されてしまった。また、記憶の組み替えが無く、夢の中のことは『ゲマインデ』が崩壊しメアが討滅されても記憶に残った。

アニメ版『ゲマインデ』の本来の使い道は、対象者の夢の中で、対象者の記憶から作り出した過去の敵と戦わせ殺傷することである。夢の中で受けた傷は現実に反映し、夢の中で死亡した者は現実に死亡する。
対象者の記憶を自分の戦力とするため、存在の小さなメアであっても強力な敵を相手に出来る(DVD一巻付属冊子より)。

“ミステス”への寄生は原作同様に『ゲマインデ』によって行われるとされるが、『戒禁』の掛かっていない(と思っていた)“ミステス”を乗っ取るのに時間が掛かったり、シャナをわざわざ夢に引き込んだりした理由は不明。
また、『ゲマインデ』発動のためには宝具『パパゲーナ』が必要とされた。

【由来・元ネタ】
名前の元ネタは、ドイツ語で『Gemeinde(共同体・コミュニティ)』と思われる。
これは地縁に基づいた集落共同体などを指し、外部に対して閉鎖的であることも少なくない。

【コメント】
☆封絶の変種は、他にティリエルの『揺りかごの園』や“天目一個”が自身の周囲にのみ張り巡らせていた変種があった。
☆ゲーム版で登場する『敵』のうち、シュドナイはシャナと交戦していないはずだが、なぜか登場している。
☆↑悠二が御崎大橋で出会った時の記憶を触媒に使ったのでは?
☆悠二は直接戦ってないが、その後マージョリーが戦ってる。あの戦いを悠二が見ていたとすれば、強さもある程度模倣できるだろうしな。
☆第2期1話、夢の中でソラトに斬られた悠二の傷は、現実に反映されなかったなど、DVD一巻付属冊子の表記が間違っていた。
☆外伝『ジャグル』では劉陽の『巴字奔瀑』によってあっさりと見破られた。
☆↑↑DVD冊子は原作よりの部分があるから、冊子の設定を作中で無視したのではないかと思われる。
ノースエアや『棺の織手ティスや『儀装の駆り手カムシンや『万条の仕手ヴィルヘルミナ・カルメルザムエル・デマンティウスマージョリー・ドーや『極光の射手カール・ベルワルドキアラ・トスカナや『輝爍の撒き手レベッカ・リードフリーダーや『理法の裁ち手ヤマベフランソワアナベルグニティカウコバク相手にも使用してほしかったな。

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最終更新:2023年08月31日 00:56