【種別】
自在法

【初出】
XIII巻

【解説】
仮装舞踏会]の禁衛員“嵐蹄”フェコルーの使用していた防御系自在法。彼が『偉大なる嵐の支配者』と呼ばれる理由と思われる。
臙脂色に色付く半透明の微細な粒子を数多生み出し、それを自在に流動・循環・凝固させ、粒子の嵐を形成した。

生み出された粒子はその細かさに反して、見た目の数十倍または数百倍という超重量を持ち、密度と流動の速度を上げることで、範囲内全域を吹き荒れる粒子の暴嵐を形成するという、鉄壁の防御陣。
圧倒的な「防御」によって攻撃をも行う、攻防一体の強力な自在法であった。
強力無比な防御系自在法として共に名が挙がる『幕瘴壁』との比較では、防御の硬さの面で優れているとのこと。「大きな盾のごり押し」と例えられた。

粒子の質量と速度によって、滝の落水で打たれて鑢がけされるかの如き強烈な打撃の濁流を、『マグネシア』の嵐の内部に留まろうとする者に常時与え続け、しかも粒子はぶつかったところにこびり付き、焼き払われても消滅することなく、その質量で飛行の枷となり続けた。
さらに粒子を凝固させて作り出された、トラックをも軽く一敷きする程の大きさの大質量の立方体も、粒子の暴嵐と共に猛烈なスピードで大量に放たれていた。
この嵐の内部に留まる者は、粒子の暴風による常時続く打撃によるダメージと、こびりつく粒子の質量、そして高速で舞う大量の巨大立方体による圧倒的な質量のごり押しにより、遂には押し戻されてしまった。
また、嵐を展開しなくとも、凝固させた粒子の立方体を飛ばすことによる直接的な攻撃も可能であった。
生成できる物体の大きさはかなりのもので、フェコルーが粒子を巨大な球状に凝固させた時、彼が上空にいたにも関わらず、御崎高校の校庭を押し潰し、校舎すらも半壊してしまった。

嵐の内部にいれば外部から業火に包まれても一切の影響を受けず、自分を中心に粒子を凝固させれば防壁の機能を果たすと共に、凝固させた粒子を球状に膨れ上がらせることで、生成の勢いで周囲のものを弾き飛ばし押し潰すこともできた。
その「防御」は、シャナマージョリーの全力のを『万条の仕手ヴィルヘルミナが融合・増幅・循環させた炎の溶鉱炉の破壊力すらをも軽く上回ってなお有り余るほどの圧倒的破壊力と防御力を持ち、さらにフェコルーはそれをほんの一拍で生み出すことが出来た。
大規模な展開も恐ろしく早く、ほんの一瞬で『星黎殿』を包む『秘匿の聖室』の内側を覆い尽くすことができた。
このように広範囲に薄く展開した状態でも、カムシンの大威力の攻撃『ラーの礫』やレベッカの爆破攻撃に小揺るぎもしない強度を誇った。
さらに、フェコルーが瀕死状態からの展開でも、ゾフィーが全力を注ぎ込んだ落雷蹴りを、嵐の表面を乱しもせず容易に弾くほどであった。

無風の「安全地帯」を作り出すことで味方も共に防御することができるが、その影響範囲の広さ故に、乱戦において仲間の位置を把握せずに使うと味方をも巻き込む危険があるという欠点も持っていた。

仮装舞踏会]下位構成員に対して姿を隠しているフェコルーが、“嵐蹄”として彼らの前に姿を見せなければならなくなった時は、自らの身体をこの自在法によって生成した臙脂色の直方体で覆っていた。

アニメ版
原作と比べて、以下の違いがあった。
  • 最初に登場した立方体がやたら巨大
  • 通常展開時の粒子の数が少なく、数mほどの立方体も飛んでいなかった(帯のように粒子が集まって流れる程度)
  • 粒子自体の性質が異なった(粒子というより小さな立方体、臙脂色でない、こびり付かないなど)
  • そもそも防御用の自在法でなく、立方体で防御も可能、程度の自在法になっていた
  • アニメ第3期では“天目一個”が自在法無効という特性ではなく、『贄殿遮那』で『マグネシア』を切り裂いていた(原作の設定では『贄殿遮那』で『マグネシア』を切り裂くのは不可能だと思われる)

【由来・元ネタ】
プラトンが著書『イオン』で言及した「マグネシアの石(magnesia lithos)」=磁石のこと。マグネシア半島は、ギリシア共和国テッサリア地方の南東部に位置する県。
「マグネシア」は、マグネット・マグネシウム・マンガンなどの語源ともなった(異説有り)。
酸化マグネシウムの通称「マグネシア」は、マグネシア地方で産出されたためと言われる。

性質は、悪魔フェコル(=フェコルー)の能力が由来と思われる。
フェコルーの【由来・元ネタ】の項参照。

【コメント】
☆瞬間的な攻撃力がトップクラスのゾフィーの蹴りさえ通じないとなると、あの化け物トーチ以外にこの防御を抜ける攻撃力の持ち主はいないんじゃないか?
☆↑シャナの『断罪』や[とむらいの鐘]の『右翼メリヒムの『虹天剣』あたりなら「技の性質上」ぶち抜けると思うが、そのぐらいだろうな。
☆[とむらいの鐘]の『左翼イルヤンカの『幕瘴壁』や捜索猟兵レライエの『ニムロデの綺羅』と比べて、どれが一番強力だったかな。
☆総合的防御力でなら、間違いなく『マグネシア』だな。
☆風を操れるフィレスなら、嵐の中にむりやり無風地帯を作り出せるかもしれない。
☆働きまくった後とはいえサイズも存在も強大なデカラビアを一撃で倒した落雷蹴りを瀕死の状態から余裕で防ぐ。相手からしたらふざけんなって言いたくなる防御力だよな。
☆フェコルーとサブラクは、作者も殺しあぐねてあんな最期になったんじゃないかと思ってる。
☆数少ない相性の悪そうな自在法は、豪雨の大結界『トラロカン』だろうか。元々範囲系自在法を消去する上に、その効果が効かないとしても、降りしきる雨で粒子が固まって泥になってしまいそうだ。
☆普通なら宝具オレイカルコス』だけでチートなはずなのだが、この自在法は『オレイカルコス』の存在すら霞ませる超級のチート。作中、通常の手段で破られることはついになかった。
☆御崎高校の時、フェコルーはヘカテーに害が及ぶことをシュドナイに知られた場合を非常に恐れていたことから、狂乱状態のシュドナイはこの自在法すらぶち抜いてしまうのではなかろうか?
☆『棺の織手ティスノースエアや『儀装の駆り手カムシンザムエル・デマンティウスピエトロ・モンテベルディアレックスドゥニ相手に使用していたら面白そうだったのにな。

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最終更新:2024年01月21日 17:35