【初出】
V巻
【解説】
『
天道宮』と『
星黎殿』の周囲を覆い、外界から隠蔽する球状中空の泡状の異界。
強力な隠蔽の力が働いており、『秘匿の聖室』自体及び内部の存在の
気配を完全に隠し不可視にするだけでなく、あらゆる気配察知や探査の
自在法でも、『秘匿の聖室』により隠蔽が行われていることすら察知することは出来ない。
ある程度の防御力や自己
修復能力を備え、『秘匿の聖室』は普段は完全に不可視だが、攻撃を受けて砕けた破片や、損傷を修復中は隠蔽の力が弱まり、うっすらとガラスのように視認ができる。
『物体の移動』を司る力を持ち、
フレイムヘイズ『
万条の仕手』
ヴィルヘルミナが工事で上下水道や電気などのライフラインを調える際に外界の施設と繋げたり、城砦と要塞を移動させているのも『秘匿の聖室』の力によるものである。
また、爽やかな風を内部に送ることも出来る。
内外の気配を完全に遮断するため、
ヘカテーの能力を阻害することとなり、“
祭礼の蛇”から託宣を受け取る際には、引き篭もりのヘカテーも『星黎殿』の外に出ていた。隠蔽の力は
宝具『
トリヴィア』を使うことで“
徒”も纏うことが可能で、隠蔽の力を纏えばいかに強大な“
王”であろうと気配を悟られることはない。
『天道宮』を捜索していた
ウィネは、気配を遮断していたヴィルヘルミナが完全に探知できなくなる領域として、間接的にその所在を突き止めた。
また、『
五月蝿る風』や
フィレスの広範囲を警戒する風の自在法などの、きわめて効果範囲が広い索敵手段を使われると、『秘匿の聖室』が展開している空間から気配が全く感知できなくなることで、逆にその存在を推定されてしまう。
今のところ、『秘匿の聖室』を突き抜けて内部の存在を直接察知してみせたのは、
ソラトの『
欲望の嗅覚』だけである。
作中では実際に行われていないが、
シャナの探査系
自在法『
審判』なら、『秘匿の聖室』内部を正確に見通せるとのこと(『灼眼のシャナノ全テ 完』より)。
『星黎殿』攻防戦で、『
儀装の駆り手』
カムシンとヴィルヘルミナによって『秘匿の聖室』が半壊し隠蔽の力が弱まった為に、
フレイムヘイズ兵団が大敗した後は帰還した“
祭礼の蛇”神体の姿と気配を隠蔽することを優先させたことで、移動中の『星黎殿』の姿が露呈することになった。
【由来・元ネタ】
ラテン語の建築用語「crypta」。地下に作られた礼拝堂や墓地のこと。
最終更新:2023年12月29日 21:34