【種別】
儀式・秘法(自在法?)

【初出】
V巻

【解説】
紅世真正の魔神たる“天壌の劫火”アラストールのみ行使を許された『神威召喚』と呼ばれる儀式に類する秘法。
他の“紅世の徒”一体を生贄に捧げることで、『天罰神』たるアラストールの神威を召喚する。

この世ではフレイムヘイズと契約している都合から、『炎髪灼眼の討ち手』だけが使用可能。
召喚主から生贄である“徒”を捧げる祭壇、魔神を迎える紅の世界たる紅蓮の帳を展開し、そこに捕えた“徒”から伸びる黒、存在の影法師を召喚主の祝詞と共に取り込み、神を喚ぶ供物にして動力源たる『心臓(コル)』に変換。魔神の神威を召喚する。

これを行って顕現したアラストールは、この世の“存在の力”を介さずに、通常の“紅世の王”としての力をはるかに上回る、権能に沿った絶大な力を行使できる。
通常、フレイムヘイズ側の“紅世の王”が顕現する場合、契約でこの世に縛られていることと、その使命から“存在の力”を他から取り入れることが出来ないため、暴走という形をもって僅かながらの顕現を終えた後、力が枯渇し、消えゆく運命しかない。しかし、この方法で顕現した場合は、アラストールは外部の力はおろか、自らの“存在の力”も消耗させずに顕現する事ができる。

しかしこの方法は結果的に神として顕現するアラストールに契約者のが耐えられず破壊されるので、この方法をとる者はいないと思われていた。
しかし、中世の『大戦』終盤にて先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールは、この方法を[とむらいの鐘]の“凶界卵”ジャリを生贄に捧げて実行し、死亡した。
その気になればアラストールは、『炎髪灼眼の討ち手』の威名に相応しくない、程度の低い人間であっても契約しては即座に『天破壌砕』の使用を強要させて爆死させ、次の『炎髪灼眼』と契約してはまた『天破壌砕』を使わせるという、まさに人間を「討滅の道具」として扱う戦い方も可能らしい。

討ち手側の“紅世の王”(アラストールも含む)は、このような『神威召喚』の応用により、人間の運命という名の器の失われた空白に召喚され、フレイムヘイズを生み出している。

【祝詞】
天破壌砕の前には召喚主による祝詞がある。以下が判明分である。
荒振る身の掃い世と定め奉る、紅蓮の紘に在る罪事の蔭
其が身の罪と言う罪、刈り断ちて身が気吹き血潮と成せ
“天破壌砕”

本来の神威召喚はこの後も召喚主による祝詞が続くようだが、マティルダはアラストール召喚後、代わりに「私は他の誰も愛さない」を歌っていたため、途中で祝詞も終了している。

アニメ版
アニメ第一期版の“天破壌砕”は設定が異なり、莫大な“存在の力”を消費することで、アラストールを顕現させる秘法になっている。原作との大きな違いとしては
  • この世の“存在の力”の消費が必要(しかも莫大な量)
  • 神として“天壌の劫火”を喚びその権能を発揮させる『神威召喚』ではない
  • 紅蓮の帳が張られず、祝詞もない

がある。“徒”を生贄に捧げることも無かったが、アニメ『灼眼のシャナノ全テ』によると、アニメ版においても本来は生贄が必要であるが、第一期最終話においては生贄である“徒”を省いた不完全な“天破壌砕”であったとのこと。
原作との共通点は使用するとアラストールが顕現することぐらいで、その顕現も原作とは異なった顕現であるため、ほぼ別物である。
この“天破壌砕”が使われた後、アニメ版シャナは生還に成功したが、それには『』の大きさだけでなく、必要な生贄を省いたこと、“存在の泉”の莫大な力を顕現に使ったことも生還に関わっているため、アニメ版設定の“天破壌砕”であっても、今後使った後の命の保障は出来ないとのことである。

【コメント】
☆通常のフレイムヘイズ内の“王”が目覚める時と違って、神として顕現したアラストールに耐えられなかったマティルダは、器が砕け散り爆死するのではなく、負荷により消失している。これはアラストールの全存在を器に納めること(I巻のシャナと同じこと)は出来たが神としての力に耐えられなかった、もしくは“冥奥の環アシズの『再召喚』の自在法のように、器の中から顕現するのではなく、器を媒介にその場所に神威を発揮した状態で再び召喚されたということだと思われる。『神威召喚』という名称から考えれば、後者の仮説のほうが妥当かな?
創造神祭礼の蛇”の神威召喚は、名称が最終巻まで判明せず、最終巻にて“祭礼の蛇”の神威召喚の名称が“祭基礼創”と判明した。
☆なお、導きの神“覚の嘯吟”の神意召還の名称は“嘯飛吟声”と判明した。
☆[巌楹院]のゴグマゴーグや[仮装舞踏会]の盟主創造神祭礼の蛇伏羲や『三柱臣』のヘカテー相手にも使用していたら面白そうだったのにな。

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最終更新:2023年07月04日 04:42