【種別】
概念、現象

【初出】
I巻

【解説】
物理的な意味の炎ではなく、事象への干渉=在り得ないことの現れであり、“存在の力”の片鱗が視覚化されたものである。一部の“存在の力”は炎以外の形で見える。
紅世の徒”の炎は、それぞれ特有の色を帯びている。
この世で顕現している身体は“存在の力”で形作っている関係上、傷ついた時や不安定な顕現の時は、血を流すように炎が洩れ出るように見える。

炎の色の見分けは『達意の言』を介した曖昧な解釈による。基本同色の“徒”はいないが、その死後に同色が現れるかは『達意の言』の解釈による。(例:カムシンの最初の宿敵だった“徒”と“笑謔の聘”の常磐色)
二人で同じ色の炎を表していた“愛染の兄妹”は無二の例とのこと。

燐子”は、基本的に作り主の“徒”と同じ色である。
フレイムヘイズの炎の色は、契約した“”が持つ炎の色である。
トーチが顕現させる炎の色は、元になった人間を喰らった“徒”の炎の色に準ずる(喰らう際には変換時に色が決定する模様)。
トーチは、作り物の身体を維持する“存在の力”が灯火のように身体の内部に見えるが、その炎の色は顕現させる炎とは異なる模様。

“王”や“徒”の判明している炎の色を、「JIS慣用色名」と「日本の伝統色・和色大辞典」を基本に例示する。


【白~灰白色系】
“狩人”フリアグネ(薄い白) ”(銀色) “髄の楼閣”ガヴィダ(乳白色) “憚懾の筦”テスカトリポカ(象牙色) “覚の嘨吟”シャヘル(純白)
“朧光の衣”レライエ”(灰白色) “剡展翅”セムルヴ(銀鼠) “無比の斬決”トンサーイ(フォッグ) “賢哲の鑑”白澤(生成色)

【暗灰色~黒系】
祭礼の蛇”(黒) “甲鉄竜”イルヤンカ(鈍色) “天凍の倶”ニヌルタ(黝) “穿徹の洞”アナベルグ(鉛色) “羿鱗”ニティカ(鼠色) “吠狗首”ドゥーグ(灰色)
“吾鱗の泰盾”ジルニトラ(薄墨色) “盤曲の台”ゴグマゴーグ(憲房色) “狙伺の疾霆”フックス(グレイ) “利鋭の暗流”ノート(消炭色)

【赤系】
“天壌の劫火”アラストール(紅蓮) “夢幻の冠帯”ティアマトー(桜) “壊刃”サブラク(茜) “嵐蹄”フェコルー(臙脂) “架綻の片”アルラウネ(薄桃)
“虺蜴の帥”ウァラク(丹色) “戯睡郷”メア(朱鷺色) “奉の錦旆”帝鴻(紅梅色) “驀地祲”リベザル(弁柄色) “糜砕の裂眥”バラル(桃色)
“清漂の鈴”チャルチウィトリクエ(珊瑚色) ““哮呼の狻猊”プルソン(鉛丹色) “深隠の柎”ギュウキ(唐紅) “鬼道の魁主”ヴォーダン(薔薇色)
“闊遠の謡”カリオペ(東雲色) “訓議の天牛”ザガン(ワインレッド) “祛邪の刻屈”オオヤマクイ(今様色) “秘説の領域”ラツィエル(薄紅色)

【茶褐色系】
“不抜の尖嶺”ベヘモット(褐色) “彩飄”フィレス(琥珀) “纏玩”ウコバク(爛れた赤銅) “闇の雫”チェルノボーグ(枯草色) “凶界卵”ジャリ(亜麻色)
“焚塵の関”ソカル(黄土) “戎君”フワワ(焦茶) “聚散の丁”ザロービ(飴色) “吼号牙”ビフロンス(樺色) “駆掠の礫”カシャ(アイボリー)
“皁彦士”オオナムチ(代赭色) 上海会戦に参戦した“徒”(薄香色) “応化の伎芸”ブリギッド(鳶色) “駝鼓の乱囃”ウアル(桧皮色)
“呻の連環”パイモン(洗朱色) “紊鎚毀”カルン(茶鼠色) “潜逵の衝鋒”ダーイン(雄黄色) “珠帷の剔抉”エギュン(生壁色)
“匣迅駕”バティン(土器色) “叢倚の領袖”ジェヴォーナ(胡桃色) ““弄巧の摽”フィフィネラ(涅色)
“至知の月輪”ケリドウェン(茶色) “生阜の抱擁”ケレス(朽葉色) “長柯の腕”ルグ(狐色)

【橙~黄系】
“愛染自”ソラト&“愛染他”ティリエル(山吹) “逆理の裁者”ベルペオル(金) “虚の色森”ハルファス(薄いオレンジ) “大擁炉”モレク(黄) “獰暴の鞍”オロバス(橙)
“冀求の金掌”マモン(黄檗色) 故崖窟]の『テッセラ』の使用者と契約していた“王”(菜花色) “環回の角”ハーゲンティ(支子色)
“駒跳の羚羊”ブファル(杏色) “遍照の暈”ウィツィロポチトリ(金糸雀色) “突軼の戟”窮奇(鬱金色) “紀律の按拍”ダジボーグ(雌黄)

【緑系】
“屍拾い”ラミー/“螺旋の風琴”リャナンシー (深緑) “千征令”オルゴン(錆びた青銅のように不気味な緑青色) “探耽求究”ダンタリオン(馬鹿のように白けた緑)
“啓導の籟”ケツアルコアトル(青磁色) “澳汨肢”ラハブ(腐った藻のような暗い緑色) “征遼の睟”サラカエル(碧玉色) “欺蔽の套子”クエレブレ(柳色)
“淼渺吏”デカラビア(鉄色) “爛班の炉”シャフレワル(鴨羽色) “翻移の面紗"オセ(浅緑色) “輿隷の御者”パラ(白緑)
“凜乎の湧沸”スリュム(錆浅黄色) “截の猛狼”ガルー(木賊色) 曠野の手綱”名乗らず(若草色) “笑謔の聘”ロフォカレ(常磐色)
“化転の藩障”バルマ(若苗色) “気焔の脅嚇”ギヴォイチス(苔色) “攵申”ギータ(錆浅葱色) “頒叉咬”ケレブス(老竹色)

【青系】
“蹂躙の爪牙”マルコシアス(群青) “頂の座”ヘカテー(明るすぎる水色) “道司”ガープ(浅葱)
“翠翔”ストラス(縹) “棺の織手”アシズ(青) “巌凱”ウルリクムミ(濃紺)
“觜距の鎧仗”カイム(空色) “瘴煙の鉦”相柳(露草色) “殊寵の鼓”トラロック(瑠璃色) “勘破の眼睛”フェイ(セレスト)
“放弾倆”ファレグ(藍錆色) “瓊樹の万葉”コヨーテ(ナイルブルー) “珠漣の清韻”センティア(マリンブルー)

【紫系】
“千変”シュドナイ(濁った紫) “琉眼”ウィネ(藤色) “絢の羂挂””ギゾー(菫色) “煬煽”ハボリム(楝色)
“蠱溺の盃”ピルソイン(菖蒲色) “坤典の隧”ゼミナ(竜胆色) “絶佳の望蜀”イナンナ(マゼンダ) “布置の霊泉”グローガッハ(紫苑色)

【特殊】
“虹の翼”メリヒム(虹の七色)
“破暁の先駆”ウートレンニャヤ&“夕暮の後塵”ヴェチェールニャヤ(オーロラ)
“払の雷剣”タケミカヅチ(眩い紫電)
“異験の技工”ヨフィエル(茶色統・感情で変色)
“踉蹌の梢”バロメッツ(極彩色)

アニメ版
作画の都合からか多少(もしくは全く)異なる色に彩色されているキャラクターもいるが、設定上は原作からの変更はなかった。
フリアグネ:薄い白→青白、マージョリー(マルコシアス):群青→紫、シュドナイ:濁った紫→青緑といった具合にである。このうちマージョリーとシュドナイについてはアニメ第3期ではそれぞれ青と紫に変更されており、原作準拠となっている。
また、ベルペオルは第21話では紫だったが、第24話では本来の色(金)に近い色だった。
メリヒムの虹の七色は、七色が次々と移り変わるように描かれた。
トーチの炎は喰らった“徒”に関係なく、青白く描かれていた。
また、本来色の指定されていない“存在の力”の色は、大抵フリアグネの炎の色と同じ色であった。

【コメント】
☆結構似た色があるのに、よく「あの炎の色は…」とか言えたよな。
☆新米フレイムヘイズは、外界宿で色の見分け方からみっちり仕込まれる…とかかな?
☆アニメ版でマージョリーが紫になったのは『トーガ』を群青で描いたためで、炎まで群青にすると『トーガ』が見にくくなってしまうからじゃないかと思う。またマージョリーと戦う場面が多いシュドナイは色の対比がはっきりするように青緑にしたのではないかと思う。それならばいっそマージョリーを青緑にしたら、シュドナイは原作通りでよかったと思うのだがな。
☆薄い白って普通の白とどう違って見えるんだろう?
☆水にゆるく溶かした白い絵の具みたいなカンジじゃないかな。
☆炎の色に関しては自在法達意の言』に、なんかそういう辞書的な働きさせてるんじゃなかろうか。
☆[]のギータケレブスの色も加えてくれてありがとう。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年11月11日 12:51