-----001 『マコト、話があるんだけど』 「どうしたの?」 ・・・・ 『おまえ・・・女なのか?』 「え!?な、な、何言ってんのケンジ」 『母ちゃんが、お前の母ちゃんに会って、言ってたんだよ、三人姉妹のお姉ちゃんだって』 「・・・・・・・・・・うん、そうだよ」 『どうして隠してたの?』 「だって・・・・女の子だってバレたら、ケンジたちと遊べなくなると思って」 「だって前ケンジ女は敵だって言ってたしじゃぁ私が女だってばれたら嫌われちゃうのかなって思ったら 言えなくなっちゃって・・・ぐす・・・・ぐす・・」 『おい・・・泣くなよ・・・』(困ったな・・・) 「・・・えぐ・・・ぐす・・・」 『でもマコトは俺たちの友達だから』 「え?だってケンジ、女は敵だって・・」 『マコトはマコトだから特別なの!』 「ありがとうケンジ。でもこのことは2人には内緒にしてて」 『わかったよ、内緒にする。そんで、これからも俺たちは友達だ!』 『おーい、ケンジ、マコト、何やってんだよ、こっちこいよ』 『あーごめんごめん、行くわー』 『ほらマコト』 「うん!」 -----002 ケ「ただいまー。ほらマコトも来いよ」 マ『お、お邪魔します……』 ケ「何緊張してんだよー」 マ『し、してないよ』 姉「あ、ケンジ。友達連れてきたの?」 ケ「げっ、姉ちゃん!」 姉「わーかわいいかわいい!」 マ『え、あ……』 ケ「何抱きついてんだよ! 姉ちゃんは向こう行ってろっての!」 姉「なによー、別にいいじゃないの。ねー?」 マ『あ、あの……』 ケ「うっせー!! いいから向こう行け!!!」 ケ「ったく、ホント馬鹿だ。あの姉貴」 マ『………』 ケ「ん? どしたマコト?」 マ『いや……ケンジのお姉ちゃん美人だね』 ケ「はぁ!? どこが!? あんなの全然ダメダメだろ!!」 マ『……そかな』 ケ「あったりまえだろー。ま、いいや。それよりゲームやろうぜ! アレ持ってきたんだろ?」 マ『うん』 ケ「うっしゃー、指おかしくなってもやめねーぞ!!」 マ『(……はぁ)』 姉「あら、もう帰るの?」 マ『あ、はい。どうもお邪魔しました』 ケ「おい、もう出てくんなっての! いい加減人の迷惑……」 姉「あ・ん・た・は、母さんの手伝いでもしてきなさい」 ケ「な、なんで!?」 姉「なんでも」 ケ「く……覚えてろよメス豚(超小声)」 マ『またなケンジ』 ケ「おー……ブツブツ」 姉「んふふ、ケンジ君てば学習能力ないんだからぁ」 マ『じゃあオレもこの辺で……』 姉「ねーねーマコトちゃん」 マ『は、はい』 姉「ちゃんでいいのよね?」 マ『………』 姉「やっぱりー。あの馬鹿なんでわかんないのかしらねー、こんなにかわいいのに」 マ『ぅ……ぅぅ』 姉「へ?」 マ『ぅぅ……ひっ……』 姉「ちょ、どうしたの!? お腹でも痛い!?」 マ『……言わないで』 姉「え、なになに? お姉さんなんでも聞いてあげるから!」 マ『ケンジには……言わないで……ぅぅ。いっしょに遊べなく……なるから』 姉「あ……」 マ『言わないで……お願い』 姉「……うん。言わない。女同士の秘密!」 マ『……はい』 ケ「姉ちゃーん、風呂沸いたって……って、あんたはまた性懲りもなく抱きつくなっての!」 -----003 「なぁマコト、お前チョコもらった?」 『な……なんだよ突然』 「ばっか、今日バレンタインだっただろ!! どーなんだよー」 『そ、そういうケンジは?』 「お……俺か!? ば、ばか、もらったに決まってんだろ」 『うそ!?』 「……そこまで驚かなくてもいいじゃねえかよ」 『誰に!? いくつ!?』 「………」 『?』 「……2個」 『2個!?』 「……姉貴と母ちゃん」 『あ……そっか。あはは』 「てめー笑いやがったな! お前こそいくつもらったんだよ?」 『8個』 「げ……マジかよ」 『そっかそっかーケンジは2個かー』 「くそぅ、勝者の余裕か!」 『じゃ、ケンジにはコレあげるよ』 「は? なんでお前が俺によこすんだよ?」 『え? ほ、ほら8個ももらっても食いきれないだろ!?』 「てめー……ま、いいや。それなら今食っちまおうぜ」 『おう』 「………」 『………』 「………」 『……ケンジ?』 「やっぱ返す」 『え、チョコ好きだろ?』 「悪ぃじゃん、お前にやったチョコなんだろ?」 『あ……』 「男なら責任もって食えよ」 『そ、そうだよな』 「まぁ、それでも食いきれなかったら手伝ってやってもいいけどさ」 『……うん』 「ほら、向こう行こうぜ。あいつら俺たち忘れて始めちまいそうだしよ」 『うん』 『……ケンジのバカ』 -----004 ミンミンミーン(セミの鳴き声) 『今日も暑いな・・・』 「今日の気温は35℃って天気予報で言ってたよ・・・」 『マコト、いまいくらお金持ってる?』 「(ガサゴソ・・・)うんとね、40円。」 『俺は60円か・・・』 『おい、マコト!その金さ、ちょっと貸せよ。いいこと思いついた。』 「うんいいよ。でもいいことって何??」 『ついてくればわかるって!よしいくぞ!』 「ああ、ケンジ待ってよぉ〜」 ―駄菓子屋到着― 『おじさーん!ラムネ一本ください!』 あいよ、ケンちゃん。100円ね。 『おじさん、ありがとう。マコト、神社の大きな木の下で涼まりながらこのラムネ飲もうぜ!』 「うん。(・・・でもケンジ、どうやって半分ずつにするのかなぁ・・・)」 『神社まで競争だぞ!よーいドン!!』 「ああん、ケンジ速いよぉーー」 『神社に到着っと♪ また俺の勝ちだな、マコト。』 「はぁはぁ・・・ケンジ速すぎだよ・・・」 『俺が勝ったから先に貰うぞ』 「ん?何を??」 『ラムネだよ!ラ・ム・ネ!』 『じゃあ、開けるからな。』 ブシュゥゥゥーーー 『う、うわー、ラムネが顔にかかっちまった。』 「あはは、ケンジのドジ〜」 『うるせー!先に貰うぞ。』 『ゴクゴクゴク・・・ぷはぁっーー、やっぱうめぇなラムネは。残り半分はマコトの分な』 「ありがと・・・」 「・・・」 『マコトどうした?飲まねえのか?』 「ううん、そういうわけじゃなくて・・・」 『ははん、お前さ俺の口が汚いと思ってるんだろ?こう見えても朝晩必ずハミガキしてんだぞ!』 『(・・・まあ、かあちゃんに叱られるのが怖いからだけどさ)』 「そんなんじゃないよ!」 『じゃあ、なんだよ!』 「いや・・・回し飲みって初めてだから緊張しちゃって・・・」 『バカだなあマコトは。男同士だし気にすんなよ。早く飲まない俺が飲んじゃうぞ〜』 「わ、わかったから。いただきます。」 「ゴク・・・ラムネはおいしいね。」 『だろ?つか、マコトちびちび飲むなよ!男なら男らしくグイグイ飲めよな!』 「うん。ゴクゴク・・・」 『(やっぱもう一口飲んどきゃよかったな・・・)』 『おい、マコト!あれ見ろ!あれUFOじゃね?』 「えぇー、ケンジどこ?どこだよ??」 『(フヒヒ・・・)』 サッ 『マコト騙されてやんの〜。ラムネもう一口もらうからな〜』 「もぅーケンジのばかぁーーー!」 『わりぃわりぃ、一口くらいいいだろ。ほら返すよマコト。』 「プンプン、もうケンジには騙されないからな!!」 ゴクゴク・・・・ 「ぷはぁー、おいしかったー。ごちそうさま。」 『よし、公園に行ってブランコにでも乗ろうぜ!』 「ケンジ待ってよぉー、空きびんゴミ箱に捨てるから。」 『へへっ、また競争だからなー!先に行ってるぞー!』 「ケンジのいじわるー!!」 「(今日は初めてケンジと間接キスしちゃった・・・ケンジのばかぁ!・・・二回もドキドキさせやがって・・・」 -----005 空き地にて。(ケンジとマコトが友達になった日) 〔お前誰だよ。ここは俺らの空き地なんだからどっかいけよ〕 「え・・・・・」 〔これから野球すんだからどっかいけっていってんだよ〕 「・・・・・・ごめん」 『どしたー?』 〔なんかよそもんがいるんだよ。ケンジどうにかしてくれ。〕 『何?お前一人なの?』 「うん」 『じゃあ一緒に野球しようぜ』 「え?」 『野球しようぜホラ早くこっちこいよ』 〔でもケンジそいつよそもんだぜ?〕 『野球は人数がいた方が面白いだろー別にいいじゃん』 「でも・・・・」 『いいから早くこいって』 「うん・・・・」 『んじゃあ始めようぜー。あ、お前名前なんていうの?』 「マコト・・・」 『マコトかよろしくな!』 「う、うん・・・」 野球を始めるケンジ達、当然マコトはミスってばっか。 〔なんだよーお前のせいで負けてんじゃん!〕 「ごめん・・・」 『野球できないのか?』 「うん・・・ごめん・・・」 『早くいえよ!じゃあ野球やめて秘密基地行こうぜー』 〔でもあそこは俺たちだけの場所じゃん。よそもんは連れていけないって。〕 『うるせーなーじゃあ友達になればいいんだろ?な?マコト』 「え・・・・」 『今日から友達。いいだろ?』 「うん・・・」 『よし決定!じゃあ行こうぜー』 〜秘密基地〜 『すごいだろ?ここが俺たちの基地だぜ』 「すごいね・・・・」 『ジュースとかもいっぱいあるぜ飲む?』 「うん。あ、でもコップは?」 『ラッパ飲みに決まってんじゃん。ホラ』 「え、でも・・・・やっぱりいらない」 『なんだそりゃ。男ならラッパ飲みくらいできなきゃもてないぞ』 「えぇ?いやあt・・・」 〔ケンジ〜!!蛇が出た!!〕 『何!!ドコだ!』 〔でかい!アナコンダだ!!〕 『よし!マコト!武器をもて!怪物を退治しにいくぞ!』 「え、いや・・・・」 『ホラ早く!』 皆でアオダイショウを棒で叩く 『クソ!こいつなかなかしぶといな!』 〔うわぁ!攻撃してきた!〕 『噛まれたら毒で死ぬぞ!気をつけろ!』 「キャア!」 蛇がマコトに襲い掛かる。 『アブねぇ!』 ケンジが蛇を蹴り飛ばす。 〔おぉ!さすがケンジ!〕 『大丈夫か?』 「う、うん・・・ありがとう・・・」 『全く男なら変な叫び声出すなよな』 「うんごめん・・・」 『ハァ疲れた。山の主も倒したし、今日はもう帰るか。』 〔バイバ〜イ〕 『ばいば〜い。あれ?お前家どこ?」 「あた・・・僕はあっちの方。ちょっと遠い。」 『ふ〜ん。じゃあ途中まで一緒だな。帰ろうぜ。』 「うん。」 帰り道の途中ケンジは青虫を見つけてマコトに突きつける 『ほら!青虫だ!見ろよ、でかいぜ!』 「イ、イヤアァアア!」 『うわぁ!びっくりしたな。なんだよ。』 「虫嫌いなんだよ・・・・」 『なんだそりゃ、お前だせぇな』 「うぅ・・・ぐすん。」 『お、おい!泣くなよ!』 「だって・・・・」 『だってじゃないって!こんどガム買ってやるから!泣くな。わかったか?』 「うん・・・・・」 『じゃあな、明日もこいよ。絶対だぞ』 「うん。バイバイ」