-----061 〜少し大人になったと思ってください〜 『お、マコト、それなんだ?』 「あ・・・図書館で借りてきて・・・」 『へえ、お前本とか読むのか。ちょい見してみ』 「いいよ、ほら」 『赤川・・・次郎・・・?うわ。字ばっか。ほんとにこんなん読んでんのかよ』 「読むと結構おもしろいんだよ」 『マジかよ。でもマコト、お前最近サッカーにも顔出さねえし、いまんとこ俺がうまい事言って仲間にはごまかしてるけどさあ・・・』 「え・・・・・・」 『本読むなとは俺も言わねえよ、たまには前みたく皆でさ・・・』 「ごめん・・・ケンジ・・・もうできないよ」 『お、おいおい。マジになんなよ。冗談だ、冗談』 「・・・・・・ごめん」 『(ど、どうしちまったんだマコト・・・)』 -----062 放課後の空き地のサッカーの後 『あーあっちー疲れたなー、あのシュート絶対ゴールだってな』 「うん・・・あれ入ってたら勝ってたのにな』 『あっちー、くっそくやしーな!』 「また明日勝てばいいよ」 『あーもう!暑い!脱ぐ!』 「え・・・おいばか!いきなりなんで脱ぐんだよ!」 『え?お前も汗かいてんじゃん。脱げよ気持ちいいぞ』 「いい・・・・・・」 『おい大丈夫か?顔真っ赤だぞ?暑いんじゃないのか?』 「いいから・・・服さ・・・・・」 -----063 『まことってすげえ内股だな』 「気のせいだよ」 『お前、ガッコの帰り女とばっかいるから女っぽくなるんだよ』 「そんなに女の子っぽいかな…」 『すっげえ女くせー、きもちわりぃからやめろよー』 「…そだね、気持ち悪いよな」 -----064 『あーあマコトが女の子だったらよかったのになぁ』 「え・・・?」 『あ、いや深い意味はなくてさ、なんとなーくそう思っただけ』 「・・・・オ・・・オレ・・・」 『そしたら多分告白してただろーなw』 「う・・うんあのケンジ」 『あん?』 「オレが・・・ほんとに女の子だったらどうする?」 『困る』 「・・え?」 『今更女の子とか言われたって男のマコトとの時間が長すぎてもうどう接していいかわかんねーよw』 「だよね・・・ケンジ」 『うん?』 「ずっと・・・友達でいてね」 『あぁずっと友達だ』 -----065 『おい、あれ俳優の○○じゃね?」 「あ、本当だ○○だよ」 『すっげーオレ、初めて芸能人見ちゃったよ』 「……格好いいなあ」 『なんだよ、マコト、見とれちゃって。おまえ○○のファンだったのか?』 「……ま、まあね(ちょっとケンジに似てるところが)」 『じゃ、サインでも貰いに行くか。あ、でも書くもの持ってねえしなぁ」 「……うん(ケンジも将来あんな風になるのかなぁ)」 『マコト? おーいマコトぉ、しっかりしろー』 「……うん」←うわの空 『ちぇっ、マコトのやつ、のぼせやがって(……あれ? なんか胸が痛い)』 -----066 《あ〜ぁ。ケンジ強くボール蹴りすぎだよ》 『わりーわりー』 《おい!何か今日のケンジおかしいぞ、  マコトがいないと調子悪いかァ?》 『あー…気のせい!よしゃ!反撃行くぞー』 《あー。またかよーー》 『わり!やっぱ俺 今日は帰るわ。またなー (うー全然調子でねぇ。アイツの風邪早く治らないかなァ。家……どこだろ…)』 -----067 『テレビで大型新人芸能人発表って言ってたよ。すごく可愛いんだってさ』 「へー。どんな人なんだろうね」 『うちの学校でもその話題で持ちきりなんだよ。ドラマによく子役で出てるら しいんだけど、俺、あんまりテレビを観ないからさ。歳は俺たちと同じくらい なんだって』 「そ、そう・・・ケンジが好きなミカちゃんはどうなったの?」 『・・・!と、とにかく!学校が終わったら、俺んちで一緒に観ないか?』 「え?あ・・・行きたいんだけど・・・塾に行かなくちゃ行けないからやめておくよ」 『・・・そうか・・・残念だな。じゃあ今度どんな娘か報告してやるよ』 「う、うん・・・じゃあね」 学校から帰って、ケンジ、テレビをつける 「お!もう始まってんのか。早いな〜」 司会:「それでは澤木マコトちゃん、どうぞー!」 (舞台にマコトが現れる) 『え・・・?これ、マコトじゃねえか。しかも女の服・・・なんで・・・?』 姉:「あんた、まだ気が付かないの?」 『え?あ・・・』 どこか浮かない顔の画面の中のマコトを見続けるケンジ ----数日後・いつもの空地--- 黒山の人だかり A:「なあ、サインくれよー」 B:「テレビで観るよりずっと可愛いねー」 C:「澤木さん!握手してください!」 A:「お前ら、俺のマコちゃんに気安く近づくんじゃねえ!」 公園の入り口で人だかりを発見するケンジ 「あ・・・ケンジ・・・」 『・・・!』 何も言わずに駆け出すケンジ 「ケンジ・・・」 -----068 「今日はケンジにオレの妹を紹介するよ」 『へー、お前兄弟いたんだ?見せろ、見せろ』 「うん、呼んでくる。だからちょっとだけこの部屋で待っててくれ」 「はじめまして。妹のマコです。」 『あ、ども。ケンジです』 「いっつもおにいちゃんから、ケンジさんの話聞かされてんですぉ」 『あいつおしゃべりだからな〜。しかしホントそっくりだな。』 「あ、よく言われます」 『なんか声までおんなじ〜。しかも同じとこケガしてるし』 「え、えぇぇ?どこ?」 『ほらそのスカートの先んとこ。マコトも、おとついそこ切ったんだよな』 「あ、あはは。(ヤベッ)」 『並んだら見分けつかないかも?…そうだマコトは?』 「えーと、・・・トイレかな?呼んでくるね」 「(チョト息荒い)おまたせ。どう?妹、可愛かったろ?」 『うん、すげー可愛い。』 「スカートも可愛かった?」 『?え、ああ、そうかな?それよりお前さ・・・』 「何だよ、人の顔じーと見て」 『あ、ゴメン(カーッ)。なんか今日、俺ヘンだ。少しドキドキして…』 「ほんと?大丈夫?(フフ)」 『ごめん今日は帰る。また妹見に来るよ』 -----069 『なあ、マコトの家は昨日の夕ご飯なんだった?』 「ん………と、赤飯…」 『ん?なんかいい事あったんか?』 「…いや…、ちょっと…」 『どうしたんだ?顔赤いぞ?』 「あっ…ごめん…」 『変なヤツ〜』 「ごめん……」 -----070 野球のバッティングフォームがめちゃくちゃなマコト 『お前フォームが全然ダメなんだよ』 「・・・ごめん・・」 『手はこう!んでここまで振りかぶる!』 ケンジがマコトの手をつかんで教える 「ちょ、ちょっとケンジ君・・・」 『お前尻だしすぎなんだよもっと入れろ!』 ケンジがマコトの尻が押す 「あ・・・イヤ・・・」 『な、なんだよいきなり・・・』 「もういい・・・早く離して・・・」 『・・・お・・おう・・・』 (マコトの尻・・・なんか変な感じがしたな・・・)