新生人工言語論

人工言語の定義

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lideldmiir

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人工言語とは主に少人数の人間が比較的短期間で意図的に作った言語のことである。対して、英語や日本語のようにある民族によって長い時間をかけて非意図的に作られた言語を自然言語という。いずれも人間の言葉である点で共通している。

一方、『言語学大辞典第6巻』「自然言語と人工言語」の定義によれば、 「自然言語は、人間の各集団の間に自然発生的に形成されたもの」とあり、 「人工言語は、自然言語のもつ曖昧性(ambiguity)をとり除き、ある分野に限定して、その分野での必要と使用目的に合うように人工的に設計した言語」とある。

『言語学大辞典』の定義に従うと、人工言語はあまりに多義的である。数学用に作られた言語も人工言語に含まれ、コンピュータ言語も人工言語に含まれる。無論、国際補助語も人工言語に含まれる。しかし本論では理数的な目的で作られた言語は対象に含めず、人文的な目的で作られた言語のみを対象とする。

したがって本論で人工言語という場合、数学やコンピュータや記号論理学などの言語は含まない。厳密に言えば、これらを含んだものを広義の人工言語と称し、それを除いたものを狭義の人工言語と称する。本論では基本的に狭義の人工言語を無標とする。

人工言語の一般的な英訳はartificial languageだが、これも同じく理数系か人文系かを区別できない状況である。そこで最近ではartificial languageを特にplanned languageやconstructed langageと呼ぶようになった。尤も、plannedのほうは「言語案でしかなく実際には使われない」という問題を暗示するため、敏感な人はこの言葉を嫌う。constructedのほうはそういったニュアンスがないので、こちらの方が使われる。人工言語はconstructed languageを略したconlangという名で呼ばれる傾向にある。また、人工言語の作成者はconlangerと呼ばれる。
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