(3)研修体制の確立と自己研鑽への援助・助言

①研修体制の確立と着実な実施
保育所が保育の質の向上を図っていくためには、組織の中で保育の質について定期的、継続的に検討を行い、課題を把握し、改善のために具体的に取り組めるような体制を構築することが必要です。施設長のリーダーシップのもと、研修に関する保育所としての基本的姿勢を明確にして、職務分担などに研修担当を位置付け、体系的・計画的に取り組むようにします。
また研修の基本的姿勢や在り方は、具体的な保育実践を積み重ねていく中で、深まり成熟していくものです。
そうした基本的姿勢を確立させながら、個人別の研修計画や施設全体の計画を作ることを目指し、研修の成果と課題に基づき、次の研修計画に反映させるようにすることが大切です。
また、組織の規模によっては、専門性の高い職員から経験の浅い職員まで、多くの職員がいることを生かし、職員間で学び合いを深めていくことができるような体制をつくることも一つの方法です。

②職員の意欲を高めるために
職員の自己研鑽については、職員一人一人の質の向上を図ることが保育所としての質の向上にもつながるため、施設長は、職員の意向も考慮しながら、職員の自己啓発の動機付けや助言(情報提供等)及び援助(時間等)に努めることが求められます。
職員が自らを高めようとする意欲は、子どもの成長の実感、保育の充実感や満足感、職員間の信頼関係の深まり、保育を学ぶ楽しさの体験、保護者からの感謝など、様々な経験を重ねる中で培われていきます。研修の機会はもちろん、毎日の業務の中で、適切な助言が得られ、課題解決の方法を学ぶことができるような仕組みは、職員の自己啓発の意欲向上につながります。職員個人の課題であっても、組織としての課題と重なるものも多いため、同僚と一緒に研究や検討を行うことも必要です。さらに、施設としての研修内容にふさわしいものを取り上げて、研修体系に取り込んで位置付けていきます。

③施設長や主任保育士など指導的立場の職員の姿勢
職員が自ら学びたいと思う気持ちは極めて貴重なものです。施設長や主任保育士をはじめリーダー的な立場の職員は、その意欲を大切にしながら、指導や助言をします。
また一人一人の職員が直面している問題、あるいは挑戦しようと臨んでいる課題などを把握し、その上で、問題や課題の内容と職員の力量の両方を踏まえ、適切な研修内容や手段を提供し、助言を行います。
日常業務の中で、経験の浅い職員は、中堅職員やベテラン職員の仕事を通じて学んでいることが多いものです。そのため、リーダー的立場の職員は何が望ましいモデルかについて自覚しておくことが大切です。経験年数の長短や、未熟さを指摘するような形ではなく、その立場と長所を尊重し理解しながら、どうすれば問題を解決できるか、どのような方法があるか、同僚として助言することが望ましいでしょう。また研修や会議といった公的な場以外でも、職員の悩みに耳を傾けたり、雑談や普段の付き合いの中で助言したりする機会を大切にしたいものです。
最終更新:2009年01月10日 23:24
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