(3)喜びや意欲を持って取り組むために

(3)職員同士の信頼関係とともに、職員と子ども及び職員と保護者との信頼関係を形成していく中で、常に自己研鑽に努め、喜びや意欲を持って保育に当たること。

①信頼関係の中で育まれる職員の喜びや意欲
保育の質を高めるためには、職員の主体性や意欲が育つ環境をつくることが必要です。職員の意欲や主体性は、職員間や子ども・保護者との間に信頼関係が形成され、それがよりよいものとなっていく中で育まれます。
自らの保育や職員同士での協働によって、子どもが安心感や達成感を味わいながら保育所での生活を過ごし、成長していく姿を目にすること、またそれを通じて得られる喜びや充実感を保護者と共有することによって、それぞれの間の信頼関係が築かれていきます。そしてその信頼関係の中で培われる職員の意欲や主体性が、相互の学び合いや育ち合いを支え、実践への原動力となり、それがまた保育の質を高めていくという好循環をつくっていくのです。
保育所における様々な関係の中で、特に職員同士、職員と保護者、保護者同士の間の信頼関係の形成は重要であり、その信頼関係を基盤に、保育が安定して営まれます。職員は保護者の子どもへの愛情と健やかな育ちへの願いを丁寧に汲み取りながら、一人一人の子どもの保育に当たることが必要です。子どもの最善の利益のために、創意と工夫を惜しまない職員の意欲や情熱は、保育所と保護者との信頼関係を深め、職員と保護者が共に、子どもの育ちを喜び合うことに繋がります。こうした信頼関係が職員の意欲や主体性を育む条件の一つといえるでしょう。

②保護者との信頼関係
職員と保護者がお互いに信頼し、協力し合う関係になるためには、職員は保護者の意向を的確に把握する必要があります。この保護者の意向を把握することは、保護者の要求をすべて受け入れることではなく、保護者の我が子に対する思いや保育所に対する期待を把握し、尊重した上で、子どもの最善の利益を第一義にした「共に育て合う保育」を行うことです。
保育所が保護者との協力体制を築くためには、日頃から保育理念や保育方針、保育内容・方法等を様々な機会を通して情報提供するとともに、保育参観のほか保育参加、個別面談などを実施することも有効です。
なお、保育所における相談・助言に関する知識・技術の取得については、児童福祉法第48 条の3において、保育士の努力義務として規定されています。第6章に述べられている内容を踏まえ、保護者とのより良い関係を構築していくために、研修や自己研鑽による職員の専門性の向上が求められます。

③自己研鑽とそれを育てる仕組みとしての研修体制
自己研鑽とは、職場内での共通の目標の実現や達成のために、いま自分にみいだせないものや足りないものを主体的に探したり、あるいは課題を解決するために必要なことを努力したりすることです。
職員が保育に意欲や喜びを持って取り組むためには、職員や保護者の信頼関係の中で子どもの育ちへの願いや喜びを共有することができる環境が望ましく、その実現のために、組織としての目標を明確に定め、職員一人一人の意欲や努力を支え、促進させる仕組みが必要となります。ここに施設長の責務として研修体制構築の必要性が出てきます。
最終更新:2009年01月10日 23:16
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