VIPで人格破綻者だらけのギャルゲーを作らないか

シナリオイメージ

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hatan

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シナリオイメージ by 通るくん


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息も白くなり、草木も枯れ寒々しいこの季節。街がにわかに色づきはじめる。
「あと1週間か……」
そうクリスマスまであと1週間。俺の気持ちも心なしか浮き足だっている。
俺の通う学園には聖夜祭という、文字通りクリスマスを祝うお祭りがある。
その豪勢な飾りつけはちょっとしたもので、一般の見物客も大勢訪れるほどらしい。
俺もこの学園に入り期待に胸ふくらませたものだが……。
「相手がいないんじゃな……」
それでも突然の女の子との出会いがあるかもしれないと、無駄な期待を抱きながら今日まで来てしまった。
「せめて実行委員の相手が女の子だったらな」
今俺は聖夜祭の準備のため、実行委員の仕事をしている。というか押し付けられている。
実行委員はクラスから2名。通常なら女の子とのペアなのだがうちの教師が
「男同士の友情を深め合うのもいいじゃないか。うちは男2人のペアでいこう。そして熱い友情で結ばれた2人は……」
などというものだから、俺の相手は男になってしまったわけだ。
そんなことをぼーっと考えているうちに、だいぶ時間がたってしまっていた。そろそろ急がないと学園に遅刻する時間だ。
「少し近道するか」
イルミネーションで飾りつけられた商店街を避け、薄暗い裏路地に入る。
あまり雰囲気のいい場所でないので近づきたくはないのだが、こんな寒い朝なら不良もたむろしていないだろう。

「おい、そこの者! 走れ!」
突然、場違いのかわいらしい女の子の叫び声があがる。そして近づいてくる複数の足音。
振り向くとそこには、これまた場違いの和服を着た小さな女の子がいた。
懸命に小さな手足を動かし俺の方に走ってくる。その後ろには数人のいかにも堅気でなさそうな人達……。
「ええい、なにを呆けておる。走らぬか!」
事態を理解できない俺だが、女の子のあまりの勢いに釣られ走りだしていた。
「ほれ、急げ急げ。捕まったら東京湾に沈められるぞ」
ただごとではない。しかし俺が走る理由がみつからない。
「……なんで俺まで走らなくちゃいけないんだ?」
「知らぬのか? 旅は道ずれ、世は情けというではないか」
要はこの女の子、俺を厄介事に巻き込もうとしているわけだ……。
「あきらめよ。すでにあちらさんは、お主をわらわの仲間だと思うているぞ」
変に時代劇かかった口調で、もはや一蓮托生だとおっしゃる。
しかし女の子の短い足では大人の走るスピードには及ばず、どんどん差を縮められて行く。
「追いつかれるぞ。もっと速く」
「はぁはぁ……すでに精一杯走っておるわ。そういうときはな……こうするのだ!」
道端に置かれているポリバケツを蹴飛ばす女の子。散らばった中身のゴミに足を取られる男たち。
「なんでそんなに手慣れてるんだ……」
「ふふん、生きる知恵というやつよ。だがたいして時間かせぎにはならんぞ」
やけに肝がすわっている。どうみても10歳前後にしかみえないのだが、一体何者なんだ?
「しかし、いったい何をしでしかたんだ?」
「はぁはぁ……無駄口たたいてる暇があったら……はぁ……振り切る算段をせぬか」
かなりの距離を走ってきたのか、息があがってきているようだ。このままでは追いつかれるのも時間の問題だろう。
「こっちだ!」
俺は脇道に先に入り、女の子を呼び寄せる。
この先は空き地になっており、突き抜ければ学園のすぐ目の前だ。
「ここをぬければ……?!」
「はぁはぁ……どうした? どこにいけばよいのだ?」
俺達の前を白いビニールシートが塞いでいた。
「たわけ~! 行き止まりではないか」
「いや、ちょっと前までは空き地だったんだが……」
言い訳したところで事実が変わる訳はなく、俺達は男たちに追い詰められてしまった。
「……」
男たちは何を語るわけでもなく、うつろな目付きで俺達を見つめる。
そして懐から奇妙な形のナイフをとりだす。そこには明らかな殺意があった。
「おい、東京湾に沈められるってのは……マジか?」
自分の声が震えているのがわかる。生まれて初めて感じた殺意に体が凍りついていく。
話し合いも、逃げることさえも適わない。頭が白けていき、もはやなにも考えられなくなる。
「あきらめるでない! まだ詰んではおらん」
俺の消え入りそうな意識を、女の子の喝が呼び戻す。
その声にはまるであきらめが感じられない。俺の前にたち、しっかりと相手を見据えていた。
「……っ」
いったい俺はなにをしているんだ。
巻き込まれたとはいえ、女の子が襲われているのに自分の命ほしさにおびえるだけか?
漫画で恐れで仲間を見捨てる者をみて、俺はそうならないと思ったのは嘘か?
凍りかけた俺の頭が、体が、動きはじめる。
「くるぞ……」
「~~~~~~~~~~~ッ!」
叫び声にならない声をあげながら、一人の男が飛びかかってくる。
ドスッ!
にぶい音が辺りに響く。とっさに俺が出したカバンが身代わりとなり、それを受け止めていた。
奇妙なナイフの形が仇をなしたのか、カバンにひっかかりぬけずにいる。
「よいぞ、そのままにしておれ」
女の子は腰から小さな袋を取り出し、男の顔に中身をぶちまける。
粉末のようなものを浴びせられた男は、飛びのきのたうちまわる。
「どうだ、詰んでおらんだろう?」
「あ、ああ……」
俺自身が自分の動きに驚いていた。向けられた刃物を前に、もう一度やれといわれてもたぶん無理だろう。
「しかし……これは覚悟を決めねばいかぬか」
気丈にふるまっていた女の子の声が曇る。
足音がこちらにむかってくる。気が付けば男たちの数は10を越えていた。
もはや小手先の技でどうにかなる範囲を越えていた。
「おい、助けが必要か?」
突然、ありえない方向から声が聞こえる。
声がした頭上を見上げれば、不適に笑う一人の少女がいた。
不安定な建築用のパイプの上に仁王立ちになり、俺達を見下ろしていた。
「なんだぁ? いつからこの町は殺人集団の巣窟になったんだ?」
男たちのナイフをみとめて、そう毒づく。と、瞬間、少女が跳ねた。
男たちの集団めがけ、ダイブする。
「馬鹿かあやつは?!」
その自殺行為としか思えない行為。しかし空中で振り抜いた蹴りが、確実に二人の男の頭を捕らえていた。
鈍い衝撃音と共に倒れる男たち。そして少女は男たちの集団の真ん中に、静かに降り立った。
「もしかしてあれが伝説の拳王……凶砲皇孤?」
拳一つで渡り歩き、暴走族や暴力団、立ち向かう者はすべて葬ってきた我が学園の少女。
そして畏怖され、つけられた名が拳王。噂には聞けど、ただの作り話だと思っていた。
だがうちの学園の制服を着、あのような行為を魅せられては信じざるをえない。
「拳王。いいねぇ、その呼び名嫌いじゃない」
自分は拳王だと、そう応える。
「さあゴングはなったぞ。はじめようぜ!」
刃物など臆せぬとばかりに、男たちを挑発する。
うなり声をあげながら切りかかる男たち。左から右から後ろから。
しかしそこには既に少女の姿はない。

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