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*シナリオイメージ1-7 「で……なんで俺がお前の従兄妹なんだ?」 「仕方なかろう! ああする他、わらわにはなかったのだ。今はまだ家に戻るわけにはいかんのだ」 公園に取り残された俺たちは、警察の事情聴取を受けることになった。 その中で自分の身元を聞かれるやいなや出た言葉が…… 「わ、わらわは真友の従兄妹だ。二人で公園で遊んでたところを、突然襲われたのだ」 「だいたいわらわがそう答えなければ、真友だって危なかったのだぞ?」 「ん? なんでだ?」 俺にはやましいことなど一つもないのだが。 「真友の家は逆方向であろう。それにこんな時間にこんな場所で、わらわと一緒にいたと知ったらいらぬ疑いをかけられかねんぞ」 考えてなかった……。確かにそんなことになったら、今頃両親を呼び出されていたかもしれない。 「それはそれとしてだ。ここを根城にするのも難しくなったのう」 ふむ……と、腕を組みながら自分の寝床を見下ろす宮磨。そこには一つのダンボールハウスがあった。 「この寒いのに、こんなところに寝泊まりしてたのか……」 「確かに少し寒いがな。慣れればこれもなかなか乙なものだぞ?」 「いや……遠慮する」 「そうか? まあ、真友には帰る家もあるだろうし、これの世話になることはないかのう」 そうは言ってもこのまま宮磨を放っておくこともできない。退けたとはいえ、またいつあの黒い男に襲われるかわかったものではない。 「俺のアパートに……くるか?」 その言葉にきょとんとなる宮磨。そして突然笑い出した。 「ぷっ……はははっ! なんだそれは? 口説き文句のつもりか?」 「なっ、俺はお前を心配してだな……。そんなにいうならもう言わん。橋の下で暮らしてろ」 「怒ったのか? すまんすまん。あまりに似合わないことを言うものだからな。ほれ、このとおりだ」 両手を合わせ、ぺこりとおじぎをする宮磨。しかしまだその顔は笑っている。 「笑いたきゃ笑え。もう二度と言わん」 「ああっ、そんなへそを曲げるでない。ほれ、いい男が台無しだぞ。真友のことは信用しておる」 俺を無理矢理屈ませ、顔を自分のほうに向けようとする。 「わらわは本当に感謝しておるのだぞ。今日は本当に世話になりっぱなしだ。真友、ありがとう」 真っ正面からそんなことを言われては許すしかない。俺はなんだか気恥ずかしくて、そっぽを向いてしまう。 「ほら、荷物があるんだったら持つぞ。中に何が入ってるんだ?」 「おおっ、持ってくれるのか。それは助かるのう。それではこれを頼むぞ」 どしり、と俺の腕に渡される長方形の物体。稲草の臭いがするそれは…… 「た、畳? なんで畳が……」 「一畳あればどこでも寝れるといっての、生活必需品だからのう。あとはわらわが持てるから道案内を頼むぞ」 畳を抱えながら家路を急ぐ。その脇には小さな女の子。どこからどうみても怪しい奴だった。 変質者には切り刻まれ、晩飯は食い逃し、傷ついた体で畳を運ぶ。今日は散々なことばかり続く。 だがまあ、この小さな背中を守れたのなら、そんなことはどうでもいいか……。 俺たちの帰りを待っていたのは、荒れ果てた部屋だった。 「なんだ、物取りにでもあったのか?」 そうだった……あの子の存在をすっかり忘れていた。 俺たちの声を聞きつけてか、奥の部屋からぴょこりと白い髪が姿を現す。 「すまん。待っただろう? ちょっと色々あって遅くなった」 色々ありすぎて説明する気力も失せていた。散らかった部屋の片付けは明日することにしよう。 「真友、この子は誰なのだ? おぬしの妹か?」 「いや……なんて説明していいのか……」
*シナリオイメージ1-7 「で……なんで俺がお前の従兄妹なんだ?」 「仕方なかろう! ああする他、わらわにはなかったのだ。今はまだ家に戻るわけにはいかんのだ」 公園に取り残された俺たちは、警察の事情聴取を受けることになった。 その中で自分の身元を聞かれるやいなや出た言葉が…… 「わ、わらわは真友の従兄妹だ。二人で公園で遊んでたところを、突然襲われたのだ」 「だいたいわらわがそう答えなければ、真友だって危なかったのだぞ?」 「ん? なんでだ?」 俺にはやましいことなど一つもないのだが。 「真友の家は逆方向であろう。それにこんな時間にこんな場所で、わらわと一緒にいたと知ったらいらぬ疑いをかけられかねんぞ」 考えてなかった……。確かにそんなことになったら、今頃両親を呼び出されていたかもしれない。 「それはそれとしてだ。ここを根城にするのも難しくなったのう」 ふむ……と、腕を組みながら自分の寝床を見下ろす宮磨。そこには一つのダンボールハウスがあった。 「この寒いのに、こんなところに寝泊まりしてたのか……」 「確かに少し寒いがな。慣れればこれもなかなか乙なものだぞ?」 「いや……遠慮する」 「そうか? まあ、真友には帰る家もあるだろうし、これの世話になることはないかのう」 そうは言ってもこのまま宮磨を放っておくこともできない。退けたとはいえ、またいつあの黒い男に襲われるかわかったものではない。 「俺のアパートに……くるか?」 その言葉にきょとんとなる宮磨。そして突然笑い出した。 「ぷっ……はははっ! なんだそれは? 口説き文句のつもりか?」 「なっ、俺はお前を心配してだな……。そんなにいうならもう言わん。橋の下で暮らしてろ」 「怒ったのか? すまんすまん。あまりに似合わないことを言うものだからな。ほれ、このとおりだ」 両手を合わせ、ぺこりとおじぎをする宮磨。しかしまだその顔は笑っている。 「笑いたきゃ笑え。もう二度と言わん」 「ああっ、そんなへそを曲げるでない。ほれ、いい男が台無しだぞ。真友のことは信用しておる」 俺を無理矢理屈ませ、顔を自分のほうに向けようとする。 「わらわは本当に感謝しておるのだぞ。今日は本当に世話になりっぱなしだ。真友、ありがとう」 真っ正面からそんなことを言われては許すしかない。俺はなんだか気恥ずかしくて、そっぽを向いてしまう。 「ほら、荷物があるんだったら持つぞ。中に何が入ってるんだ?」 「おおっ、持ってくれるのか。それは助かるのう。それではこれを頼むぞ」 どしり、と俺の腕に渡される長方形の物体。稲草の臭いがするそれは…… 「た、畳? なんで畳が……」 「一畳あればどこでも寝れるといっての、生活必需品だからのう。あとはわらわが持てるから道案内を頼むぞ」 畳を抱えながら家路を急ぐ。その脇には小さな女の子。どこからどうみても怪しい奴だった。 変質者には切り刻まれ、晩飯は食い逃し、傷ついた体で畳を運ぶ。今日は散々なことばかり続く。 だがまあ、この小さな背中を守れたのなら、そんなことはどうでもいいか……。 俺たちの帰りを待っていたのは、荒れ果てた部屋だった。 「なんだ、物取りにでもあったのか?」 そうだった……あの子の存在をすっかり忘れていた。 俺たちの声を聞きつけてか、奥の部屋からぴょこりと白い髪が姿を現す。 「すまん。待っただろう? ちょっと色々あって遅くなった」 色々ありすぎて説明する気力も失せていた。散らかった部屋の片付けは明日することにしよう。 「真友、この子は誰なのだ? おぬしの妹か?」 「いや……なんて説明していいのか……」 続きマダー

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