「韓中をさすらい、やっと自分の国を見つけた」
ユニバーサルバレエ団の芸術監督に就任、ユ・ビョンホンさん
- 写真提供=ユニバーサルバレエ団
ユニバーサルバレエ団の芸術監督に就任した中国朝鮮族のユ・ビョンホンさん(47)は、今の気持ちを「空を飛んでいるような気持ち」と表現した。
韓中が国交を結ぶ前の1989年、「知人訪問」目的で初めて韓国に来た後、92年まで3年間、同バレエ団のステージで踊った。就労ビザはなかったため、違法だった。だから、主役級として活躍しても、当時の公演プログラムに「ユ・ビョンホン」の名はない。
ユさんは「一度中国に帰ったが、99年からバレエマスター(コーチ)としてユニバーサルバレエ団に再び携わりました。中国国籍のまま韓国で暮らすのは依然として不便でしたが、今やっと自分の国を見つけたような気がします」と話す。
ユさんの両親は釜山生まれで、40年代初めに中国に移住した。ユさんは88年に北京舞踊大学バレエ指導者課程を卒業、95年に北京舞踊大学教授、97年から国立の中国中央バレエ団バレエマスターなどを歴任。中国中央バレエ団が今もラブコールを送っているほど優秀なバレエ指導者だ。「天安門事件(89年)により中国でバレエができなくなったとき、ユニバーサルバレエ団が温かく迎え入れてくれたのがありがたかったから、韓国を選びました」と語った。
ユさんは韓国バレエの強みとして「情」を挙げる。身体的な条件は中国や西洋のダンサーのほうが優れているが、心からにじみ出る感情の細やかな表現は韓国のダンサーが一番だという。「ユニバーサルバレエ団の団員が持つ芸術的な資産をさらに発展させるのがわたしの任務。その(責任の)重さはずっしりと感じます」と言った。
ユさんは大学時代、バレエダンサーの友人と共に酒を飲むと、どちらのほうが長くピルエット(片足を軸にして回転し、元の向きに戻る動作)ができるか、よく賭けをした。ユさんは「一度も負けたことはありません。今でも7-8回は回る自信があります」と笑う。
「この間、うちのバレエ団の男性ダンサーたちに言ったんです。“ピルエットで10回転できたらわたしが100万ウォン(約6万7000円)あげる”って。でも、まだ誰も成功していません。賞金が100万ウォンじゃ少ないんですかね?」
朴敦圭(パク・トンギュ)記者
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