韓国人の血中水銀濃度、先進国より高い
魚介類やコメの摂取が原因
魚介類を多く食べる食習慣が、体内の水銀濃度に影響を与えることが分かった。環境部が11日に発表した「有害物質に関する実態調査」の結果によると、韓国国民の水銀の血中濃度は1リットル当たり平均3.80マイクログラムで、ドイツの調査委員会の勧告基準(同15マイクログラム)よりは低かったものの、米国(同0.82マイクログラム)やドイツ(同0.58マイクログラム)に比べ高い結果となった。
これは環境部が、昨年8月から今年4月までの8カ月間、18歳以上の成人男女約2300人を対象に行った調査によるもので、このうち5%は水銀の血中濃度が勧告基準を超えていた。特に沿岸地域の住民たちの水銀の体内濃度(1リットル当たり3.95マイクログラム)は、そのほかの地域(同3.04マイクログラム)よりも高い結果となった。
環境部の関係者は「血中の水銀濃度が高いのは魚介類の摂取が主な原因で、米国の環境当局は魚介類の摂取を1週間当たり170グラム(切り身3切れ程度)に制限している。食品の水銀汚染のルートを把握するため、4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)を中心に魚介類の水銀濃度の調査を進めている」と話している。
水銀を長期間にわたって摂取した場合、中枢神経系や腎臓に異変が生じたり言語障害を誘発することもある、と専門家らは説明している。
一方、カドミウムの血中濃度も1リットル当たり1.02マイクログラムに達し、世界保健機関(WHO)の勧告基準(同5マイクログラム)よりは低かったものの、米国やドイツなどの先進国に比べ高い数値となった。環境部はこれについて、「主にコメを主食とするアジア人の血中のカドミウム濃度が高くなっている。また、大気汚染や土壌汚染が深刻な地域であるほど血中のカドミウム濃度が高い」と説明した。カドミウムには発がん性があり、長期間摂取した場合は特に肺に致命的な影響をもたらす。
また、マンガンの血中濃度は1リットル当たり平均1.18マイクログラムで、WHOの参考基準(同2マイクログラム)よりは低かったものの、これを超える人が11%に達しており、その原因についての正確な分析が必要であることが分かった。マンガンは除草剤や殺菌剤、乾電池、化学肥料などに含まれており、黄砂による細かいほこりの中からも検出されている。人体に欠かせない金属(1日の推奨摂取量3‐5ミリグラム)だが、長期間大量に摂取した場合、腎臓系統に影響を与えるとされている。
なお、鉛や水銀、カドミウムなど重金属の血中濃度は、生活環境とは関係なく、喫煙者が非喫煙者に比べ高い結果となった。
キム・ナミン記者
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