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140701 集団的自衛権行使容認の閣議決定を読み解く [朝日]

 1日の閣議決定は、憲法の解釈変更で、戦後一貫して禁じてきた海外での武力行使に道を開くものだ。他国への攻撃であっても、三つの要件を満たせば、自衛隊が反撃する集団的自衛権の行使を認める。国連の国際平和維持活動(PKO)などで武器を使いやすくする。自衛隊は活動範囲が広がる半面、危険にさらされる場面も確実に増える。

特集:集団的自衛権
 集団的自衛権を行使できるようにするため、これまで日本が攻撃された場合のみに限ってきた自衛権発動の3要件を変更する。

 新3要件は①我が国に限らず、密接な関係の他国が攻撃された場合でも、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある②(危険を排除する)ほかの適当な手段がない③必要最小限度の実力行使にとどまる。これらを満たせば、その国と一緒に自衛隊が反撃できるとした。

 具体的に想定するのは朝鮮半島有事だ。安倍首相はこの日の会見で、海外在住の日本国民が避難民として米国艦船に乗り込み、その船を守って戦おうとする自衛隊のイラストをパネルにして示した。日本国民を守るため、米軍と協調行動することなどを考えている。

 また、国連安保理決議に基づく多国籍軍などへの補給など「後方支援」を拡大する。他国の武力行使と一体化しないように設けた「戦闘地域」と「非戦闘地域」の線引きをなくし、非戦闘地域に限ってきた自衛隊の活動場所を広げる。

 PKO活動に従事する自衛隊が武器を使いやすくする。今までは、自分や共に行動する要員の身を守る時だけ武器を使えた。今後は離れた場所で他国のPKO要員らが武装勢力に襲われた時でも、駆けつけて武器を使い反撃できる。

 政府は閣議決定を反映した法改正の検討チームを設置。自衛隊法などの改正案を国会に提出する。

140702 政府、集団的自衛権行使へ閣議決定 憲法解釈を変更 [朝日]

 安倍内閣は1日夕の臨時閣議で、他国への攻撃に自衛隊が反撃する集団的自衛権の行使を認めるために、憲法解釈を変える閣議決定をした。歴代内閣は長年、憲法9条の解釈で集団的自衛権の行使を禁じてきた。安倍晋三首相は、その積み重ねを崩し、憲法の柱である平和主義を根本から覆す解釈改憲を行った。1日は自衛隊発足から60年。第2次世界大戦での多くの犠牲と反省の上に立ち、平和国家の歩みを続け、「専守防衛」に徹してきた日本が、直接攻撃されていなくても他国の戦争に加わることができる国に大きく転換した日となった。

 首相は1日の記者会見で「現行の憲法解釈の基本的考え方は何ら変わることはない」と述べた。一方で、歴代内閣が集団的自衛権の行使を禁じる根拠とした憲法9条との整合性については詳しく語らなかった。

 首相は当初、憲法改正手続きを定めた憲法96条を改正することで、憲法を変えるハードルを下げようとした。しかし、改正の機運は盛り上がらず、憲法解釈の見直しに方針転換した。

 今回の閣議決定は、海外での武力行使を禁じた憲法9条の趣旨の根幹を読み替える解釈改憲だ。政府は1954年の自衛隊発足以来、自国を守る個別的自衛権の武力行使に限って認めてきた。しかし、閣議決定された政府見解では、日本が武力を使う条件となる「新3要件」を満たせば、個別的、集団的自衛権と集団安全保障の3種類の武力行使が憲法上可能とした。

 首相は記者会見で「いままでの3要件とほとんど同じ。憲法の規範性をなんら変更するものではなく、新3要件は憲法上の明確な歯止めとなっている」と強調した。

 しかし、これまでの政府の3要件には「我が国に対する急迫不正の侵害があること」という条件があり、日本は個別的自衛権しか認められないとされてきた。新3要件は「他国に対する武力攻撃」を含んでおり、集団的自衛権を明確に認めた点で全く異なる。さらに首相が「歯止め」と言う新3要件は抽象的な文言で、ときの政権がいかようにも判断できる余地を残している。

 首相は「日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく」とした。だが、集団的自衛権行使の本質は、他国の戦争に日本が加わることだ。(円満亮太)

■危うい「すべて首相の意向」

 「日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守る」。1日に首相官邸で開かれた記者会見。そう語る安倍晋三首相は傍らに、自らの指示で作らせた母子らが乗った米艦のパネルを置いた。集団的自衛権の議論に入る直前の5月15日の記者会見と同じものだ。

 自らの信じる結論に突き進む。「安倍さんを見ていると、正直、強引だなと思うことはある」。閣僚からもこんな感想が出るほど、今の首相は止められない。

 昨年末の特定秘密保護法。なりふり構わぬ法案審議に批判が集まり、首相は「丁寧に説明すべきだった」と謝罪した。5月の会見でも「与党協議は期限ありきではない」と熟議を約束。そこから50日も経たないうちの閣議決定である。

 「これは総理の悲願だから」。首相官邸の高官や自民党幹部から連日こんな言葉を聞く。集団的自衛権がなぜ必要か。なぜいまか。すべてが「首相の意向」で退けられ、疑問を差し挟む余地はない。一昨年の衆院選と昨年の参院選でねじれ国会を終わらせた首相の力は、政府・与党内で強い。

 しかし、いずれの選挙でも、集団的自衛権は公約の中心にはなかった。参院選ではむしろ憲法改正を説き何より経済政策への支持で今日の政権安定を得た。

 そうして獲得した権力をまるで白紙委任されたように使い妥協しない。歴代内閣が禁じたことを「できるようにした」のに「憲法解釈の基本は変えていない」と言う。その矛盾に、首相は向き合おうともしない。(冨名腰隆)

     ◇

 〈武力行使の新3要件〉 ①我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、②これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない時に、③必要最小限度の実力を行使すること――という内容。

     ◇

〈閣議決定のポイント〉

▼密接な関係の他国に武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、集団的自衛権を含む「自衛のための措置」を可能に

▼自衛隊の国連平和維持活動(PKO)などで、自衛隊が武器を使える場面を拡大

▼自衛隊が他国軍に後方支援する場所を「非戦闘地域」に限る制約は撤廃

140521 自衛隊機の夜間飛行差し止め命令 厚木基地騒音訴訟で [東京]

 第4次厚木騒音訴訟の判決で、「差止め 勝訴」などと書かれた垂れ幕を掲げる弁護士と喜ぶ原告団ら=21日午後2時6分、横浜地裁前
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 米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県)の騒音被害をめぐり、周辺住民約7千人が国に夜間・早朝の飛行差し止めなどを求めた第4次厚木基地騒音訴訟の判決で、横浜地裁の佐村浩之裁判長は21日、自衛隊機の夜間飛行差し止めを命じた。
 全国の基地騒音訴訟で飛行差し止めの判断が示されるのは初めて。
 住民側はこれまでの騒音訴訟で退けられてきた民事上の飛行差し止め請求に加え、行政訴訟でも、飛行を差し止め、米軍機の滑走路使用を認めないよう求めていた。
 原告は基地がある大和市、綾瀬市のほか東京都町田市など計8市の住民。
(共同)

140309 集団的自衛権 行使容認へ与党の議論深めよ(3月9日付・読売社説)


 集団的自衛権の行使の容認を実現するため、まずは与党内で大いに議論し、共通理解と合意を形成することが大切だ。

 安倍首相が自民党の石破幹事長らに対し、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更の閣議決定に向けて自民、公明両党内の調整を本格化するよう指示した。

 自民党は月内に総務懇談会や、全議員対象の勉強会を開く。4月に予定される政府の有識者会議の報告後には、解釈変更に関する与党協議が始まる見通しだ。

 首相や石破氏らは解釈変更に前向きだが、自民党の一部には消極論もある。公明党は、より慎重だ。漆原良夫国会対策委員長は「首相の考えは『国民の声を聴く』という一番大切な部分が欠落しており、賛成できない」と主張する。

 公明党には閣議決定の見送り論があるが、最初から結論の先送りを図るのはおかしい。日本の安全保障環境が悪化する中、いかに平和と繁栄を維持するか。この観点から前向きな議論をすべきだ。

 政府が、過去の見解との論理的整合性を取り、閣議決定などの手続きをきちんと踏んで、解釈を見直すことに何ら問題はない。

 ただ、一部の独断で解釈を変更するかのような誤解を招かないためには、与党内での徹底した議論が欠かせない。それが、解釈変更の必要性や正当性への国民の理解を広げることにつながろう。

 首相や石破氏は、積極的に論議を主導してもらいたい。

 有識者会議の北岡伸一座長代理は、集団的自衛権の行使に必要な5条件を示している。「密接な関係にある国への攻撃」「放置すれば日本の安全に大きな影響が出る」「当該国からの明確な要請」「国会承認」などだ。

 妥当な内容である。特に重要なのが「放置すれば日本の安全に大きな影響が出る」との条件だ。

 日本が戦後、自国の安全を確保できたのは日米同盟に負う部分が大きい。だが、米軍艦船が公海上で攻撃されても、現行の憲法解釈では、日本は「放置」するしかない。実際にそんな事態に直面すれば、同盟関係は崩壊しかねない。

 米国などが攻撃され、日本として「放置」できない事態は、起こり得る。その際の日本の反撃は、憲法の認める「必要最小限の実力行使」の範囲内にとどまる、という新解釈は十分成り立とう。

 無論、集団的自衛権の際限のない拡大は防ぐ必要がある。どんな場合に行使を可能にし、どう歯止めをかけるのか。与党は、そうした具体論を始める時である。

140305 武器輸出緩和に66%反対 TPP譲歩容認は65% [東京]

 共同通信社が22、23両日に実施した全国電話世論調査によると、武器や関連技術の輸出を原則的に禁じる「武器輸出三原則」の緩和に反対するとの回答は66・8%に上り、賛成の25・7%を大きく上回った。緩和する方向で新たな原則を策定する方針の安倍政権に対し、多くの有権者が慎重な対応を迫った形だ。TPP交渉の妥結のため、コメ、麦など重要5項目の一部品目について関税引き下げに応じるのはやむを得ないとしたのは65・6%で、応じるべきではないは26・2%だった。
 政府、与党が自治体首長の権限を強化する教育委員会改革を検討していることに肯定的な回答は62・4%。
(共同)

140207 首相、集団的自衛権行使に改めて意欲 参院予算委 [朝日]

 安倍晋三首相は7日午前の参院予算委員会の集中審議で、「個別的自衛権をどんどん広げていく考え方は、安保法制懇(首相の私的諮問機関)で『国際的には非常識だ』という議論の方が強い」と答弁し、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認することに改めて意欲を示した。

 民主党の大塚耕平氏が「憲法改正しない限りは、個別的自衛権の解釈の拡大が理にかなった対応だ」とただしたのに答えた。

 自衛権は、日本が攻撃された場合に反撃する個別的自衛権と、日本が攻撃されていなくても密接な関係にある国が攻撃されたら反撃する集団的自衛権がある。

 また、首相は「同盟関係でなくても密接な関係がある国に対し、集団的自衛権としての権利を持っている」とも答弁。同盟国の米国以外の国が攻撃された場合でも、反撃する権利があるとの見解も示した。

131224 政府、初の武器提供 南スーダンPKO 韓国軍に銃弾1万発 [東京]

 政府は二十三日の国家安全保障会議(NSC)と持ち回り閣議で、治安情勢が悪化している南スーダンに国連平和維持活動(PKO)で展開する国連部隊に銃弾一万発を無償で譲渡する方針を決定した。日本時間同日夜に韓国軍に提供された。PKO協力法に基づき日本が他国軍に武器を提供するのは初めて。「緊急の必要性・人道性が極めて高い」とする官房長官談話を出し、国連の厳しい管理を前提に、武器輸出を基本的に禁じている「三原則」の例外とした。 
 今回の措置には、安倍晋三首相が外交・安全保障の理念として掲げる「積極的平和主義」を国際社会に示す狙いがある。
 防衛省によると、南スーダン東部ジョングレイ州に派遣されている韓国軍が活動拠点としている国連施設に避難民が逃げ込み、対立する武装勢力が接近している状況だという。
 国連は国連施設を警備する韓国軍に銃弾が不足し、提供がなければ韓国軍や避難民の生命に危険が及ぶ可能性が高い事態だと判断。日本時間二十二日午前に、日本政府に提供を要請した。銃弾は「89式五・五六ミリ小銃」と呼ばれる武器用で、在庫があったのは、南スーダンで展開しているPKO部隊の中では、韓国軍のほかは日本の自衛隊だけだった。
 PKO協力法では平和維持活動の協力のために必要なときは、閣議決定によって「物資」を提供することができると規定している。しかし従来の政府見解では物資として武器や弾薬を想定しておらず、例外措置が必要となった。これまでの三原則の例外措置としては、二〇〇四年の米国とのミサイル防衛共同開発・生産や、〇六年のインドネシアへの巡視船艇供与などがある。
<南スーダンPKO> 2005年まで20年以上続いた内戦を経てスーダンから分離独立した南スーダンの安定と開発への支援を目的とする国連平和維持活動(PKO)。正式名称は「国連南スーダン派遣団(UNMISS)」。日本政府は11年11月から首都ジュバのPKO司令部への派遣を開始。今年10月には派遣部隊を400人規模とした。

131218 中国念頭に自衛隊増強 集団的自衛権も視野 国家安保戦略 [朝日]

 安倍内閣は17日、外交・安全保障の基本方針となる国家安全保障戦略(NSS)を初めて策定し、防衛計画の大綱(新防衛大綱)、中期防衛力整備計画とともに閣議決定した。NSSに「愛国心」を盛り込み、中国の軍事的台頭や北朝鮮への懸念を強調。周辺国に対抗するため、集団的自衛権の行使を視野に、日米同盟の強化と自衛隊の増強をはかる「軍事力重視」の内容だ。

 (2面=力で対抗姿勢鮮明、3面=地域の秩序見えず、6面=水陸機動団に異論、7面=NSSなどの要旨、16面=社説)

 安倍晋三首相は、17日に開かれた私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)でNSSの策定に触れ、「日本が個別的自衛権だけで国家の存立を全うすることができるのか。集団的自衛権が本当に必要ないのか」と憲法解釈の見直しによる集団的自衛権の行使容認を訴えた。

 NSSは12月に発足した外交・安保政策の司令塔である国家安全保障会議の行動指針となり、基本理念に「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を掲げた。

 第1次政権で果たせなかった国家安保会議の設置とNSSの策定にたどり着いた安倍首相が次に目指すのは、集団的自衛権の行使容認だ。安保法制懇は17日、年明けの次回以降、報告書の取りまとめに入ることを確認した。

 NSSでは、中国の尖閣諸島付近の領海侵入や防空識別圏設定へ懸念を示し、「日米安全保障体制の実効性を高め、多面的な日米同盟を実現していく」として集団的自衛権の行使容認をにじませた。NSSを支える新防衛大綱では、「防衛力は安全保障の最終的な担保で、脅威を排除する意思と能力を表す」と明記した。

 ただ行使容認に向けた道のりは容易ではない。連立を組む公明党が反対姿勢を崩しておらず、菅義偉官房長官はこの日の会見で「(行使容認は)来年度以降の課題になる」と語った。

 ■「国を愛する心」明記

 NSSには、「我が国と郷土を愛する心を養う」という文言が盛り込まれた。NSSはその理由を、「国家安全保障を身近な問題として捉え、その重要性や複雑性を深く認識することが不可欠」と記す。

 NSSに「愛国心」を入れることには、国の安全保障政策が憲法で保障された個人の思想信条より優先され、心の領域に踏み込むことにつながりかねず、与党内にも慎重論があった。

 「そもそも国家安全保障戦略という文書に、この記述が必要なのか」。11日にあった与党の会合で、政府案の「国を愛する心を育む」という表現に、公明議員が疑問を呈した。

 この表現は、有識者会議で出た「開かれた愛国心を明記すべきだ」という意見を受けて盛り込まれた。第1次政権で取り組んだ教育基本法の改正で、「愛国心」条項の新設を主導した安倍晋三首相の意向も反映された。公明党は改正教育基本法に基づいて「我が国と郷土を愛する態度を養う」という文言へ変更することを要請。同党の太田昭宏国土交通相が首相と直談判に臨み、冒頭の表現で折り合った。

 「愛国心」をめぐっては、1957年に閣議決定した国防の基本方針にも「民生を安定し、愛国心を高揚する」と明記されている。閣議決定時の首相は安倍氏の祖父、岸信介氏だった。

131127 陸自が独断で海外情報活動 首相、防衛相に知らせず [東京]

 陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班)が、冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが27日、分かった。
 陸上幕僚長経験者、防衛省情報本部長経験者ら複数の関係者が共同通信の取材に証言した。
 自衛隊最高指揮官の首相や防衛相の指揮、監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱する。
(共同)

131127 外交・安保国家の統制強化 NSC法が成立 秘密保護法案と一体 [東京]

 特定秘密保護法案は二十七日午前の参院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。与党が衆院で採決を強行したことに野党は反発し、国民の「知る権利」を侵す恐れがあるなどの問題点の追及を強めた。一方、安倍政権が同法案と一体とみなしている日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設関連法は同じ参院本会議で与党と民主党、みんなの党、日本維新の会、新党改革の賛成多数で可決、成立した。
 NSC創設関連法は首相、官房長官、外相、防衛相で構成する「四者会合」の新設が柱。外務、防衛などの関係省庁に分かれている情報を一元化し、首相官邸の主導で外交・安全保障政策の迅速な決定を目指す。米ホワイトハウスに置かれている国家安全保障会議がモデル。
 政府は、米国など外国の機関と緊密に情報交換するNSCを運用するには、秘密漏えいの罰則を強化する特定秘密保護法案が不可欠と主張。NSCは年内に発足させる方針のため、NSC創設法と合わせて特定秘密保護法案も十二月六日に会期が切れる今国会中の成立を目指している。
 NSCは国の重要政策を決めるが、議事録の作成が義務付けられていないため、政策決定の過程が非公開になる恐れがある。
 NSCの中核となるのが四者会合。二週間に一回程度開催する。政府は、現在の安全保障会議が首相と八閣僚で構成されているのに比べ、素早い意思決定が可能になると説明している。安倍政権が年内の策定を目指す新防衛大綱や国家安全保障戦略が当面の課題となる。首相と関係閣僚が突発的な事件などへの初動対応を話し合う緊急会合も設ける。
 NSCの事務局として、内閣官房に国家安全保障局を設ける。外務省や防衛省などからの出向者約六十人で構成する。初代局長には谷内正太郎内閣官房参与を起用する方針。
(東京新聞)

131115 改正自衛隊法が成立 邦人保護で陸上搬送可能に [東京]

 緊急時に自衛隊による在外邦人の陸上輸送を可能にする改正自衛隊法が15日午前、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で成立した。日本人10人が犠牲になった今年1月のアルジェリア人質事件をきっかけに、邦人保護の在り方を見直すべきだとの論議が高まったのを受けた措置だ。
 改正法は、従来、航空機や船舶に限定されていた輸送手段に車両を追加する。搬送対象者についても、これまで現地で事件・事故に巻き込まれた当事者に限られていたのを、家族や勤務先の企業関係者などを念頭に「家族その他の関係者」へ拡大した。
(共同)

130528 日本版NSC、関連法案要綱を有識者会議に提示 [読売]

 政府は28日、外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)の創設について、関連法案の要綱を有識者会議に提示した。

 有識者会議は法案要綱を了承した。要綱では、首相と官房長官、外相、防衛相の「4大臣会合」が中核となって中長期の外交・安保戦略を定めることや、議長(首相)や議員(閣僚)ら出席者には、役職を離れた後も守秘義務を課すことを明記した。事務局として内閣官房に「国家安全保障局」を設置することも盛り込んだ。

 安倍首相は、有識者会議で「我が国を取り巻く環境が厳しさを増す中、外交・安全保障の諸課題に戦略的、機動的かつ迅速に対応できる態勢を一刻も早く整える必要がある」と述べた。政府は6月7日の閣議で関連法案を決定し、今国会へ提出する予定だが、本格審議は次期国会以降となる見通しだ。

130415 「敵基地攻撃能力」早急に検討を…石破幹事長 [読売]

 自民党の石破幹事長は14日のフジテレビの番組で、北朝鮮の弾道ミサイルによる攻撃などを未然に防ぐための「敵基地攻撃能力」の具体的な検討について、政府・与党で早急に行うべきとの考えを示した。

 石破氏は敵基地への攻撃について、「(自衛隊は)実際にその能力を持っていない。抑止力の議論はきちんとやらないといけない。それは安倍政権の課題だと信じている」と述べた。

 政府は他に手段がない場合、相手基地を攻撃することも憲法が認める自衛の範囲に含まれる、との見解を示している。

130407 安倍政権、ミサイル破壊命令 北朝鮮の発射予告ないまま [朝日]

 安倍政権は北朝鮮による弾道ミサイル発射に備えて破壊措置命令を出すことを決め、小野寺五典防衛相が7日、自衛隊に命令した。金正恩(キムジョンウン)体制下で挑発的な言動が続き、ミサイルの移動も確認したため迎撃態勢を整える。ミサイル発射の予告がないまま出す異例の命令で、安倍晋三首相の意向をふまえ公表しない。

 破壊措置命令は自衛隊法に基づく。命令を受け、訓練名目で日本海に配備した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦が警戒にあたる。陸上から迎撃する地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)の配備も検討する。

 北朝鮮は核実験に対する国連安全保障理事会の制裁決議などに反発し、3月11日に朝鮮戦争休戦協定の「白紙化」を宣言。同月末には在日米軍基地も攻撃対象と指摘した。日本政府は北朝鮮が今月初めに中距離弾道ミサイル「ムスダン」を日本海側に移動させたことを把握している。

130302 F35、武器輸出三原則の対象外 官房長官談話が判明 [東京]

 航空自衛隊の次期主力戦闘機となる最新鋭ステルス機F35に関する菅義偉官房長官談話の全文が28日、判明した。国際紛争の助長回避を目的とした武器輸出三原則の適用対象外とし、部品製造に日本企業の参入を容認する。開発の中心となっている米政府による「厳格な管理」が前提で、菅氏が3月1日午前の記者会見で発表する。
 F35の導入予定国には周辺国との軍事的緊張が続くイスラエルが含まれている。日本企業が参入すれば、イスラエルが日本製部品を組み込んだF35を取得する可能性も否定できず、国際紛争を助長する恐れが指摘されている。
(共同)

130204 F35の部品輸出容認へ、武器3原則の例外に [読売]

 政府は4日、航空自衛隊が次期主力戦闘機(FX)として導入するF35戦闘機について、日本企業が国内で製造した部品の輸出を、武器輸出3原則の例外とする方針を固めた。

 F35はイスラエルも導入を予定しており、中東の紛争に使用される恐れが指摘されているが、政府は官房長官談話などで例外とする見解を近く明らかにする。

 F35は、〈1〉日本企業などが部品を製造して米国に送る〈2〉米国でおおまかな組み立てを行う〈3〉最終組み立ては配備する各国で行う――といった流れで生産される。

 3原則は、2011年に民主党の野田政権によって緩和され、「我が国の安全保障に役立つ場合」に「厳格な管理が行われる」ことなどを条件に、第三国への輸出が認められるようになった。ただ、国際紛争の助長を回避するとした理念は維持されている。

121229 ゴランPKOの自衛隊員、17年の活動終え撤収 [読売]

 【テルアビブ(イスラエル中部)=井上亜希子】中東・ゴラン高原で、イスラエルとシリアの停戦監視などを目的として国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に参加していた自衛隊が29日、撤収を始めた。

 現在の派遣要員47人のうち、第1陣33人が同日、イスラエルのベングリオン国際空港から出国した。

 撤収は内戦状態にあるシリア情勢の緊迫化により、自衛隊員の安全確保が困難になったと判断したためで、1996年から約17年続いた自衛隊最長の国連平和維持活動(PKO)が終了することになる。萱沼文洋隊長(36)は空港で、「十分に当初の目的を果たし、中東での人的貢献を達成できた」と語った。1月中に全員が撤収する見込みだ。

120926 ロシア軍機、頻繁に飛来 オスプレイ情報収集か [朝日]

 米軍の新型輸送機オスプレイが準備飛行(試験飛行)をしている日本海側の訓練空域付近に、飛行開始前後からロシア軍の電子偵察機「IL20」の飛来が相次いでいることが分かった。試験飛行中のオスプレイの電波情報の収集が目的とみられ、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して警戒にあたっている。

 オスプレイをめぐっては、日本政府が今月19日に国内での飛行を認める「安全宣言」を出し、21日からは山口県下関市沖の米軍訓練空域などで試験飛行を重ねている。

 防衛省によると、ロシア軍機が接近してきたのは20、22、24日。いずれも日本海を南下、正午前ごろにオスプレイの訓練空域付近で旋回した後、日本領空に沿って北上するコースを飛行した。20日は現場空域の電波状況などの下見だった可能性もある。いずれも空自戦闘機が緊急発進して警戒した。領空侵犯などはなかった。

120519 日韓防衛2協定、先送り…韓国内で慎重論 [読売]


 日本と韓国の防衛協力に関する「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」と「物品役務相互提供協定(ACSA)」の2協定は、当初目指していた月内締結に韓国側が難色を示し、事実上、先送りが決まった。


 2協定の締結については野田首相と李明博
イミョンバク
大統領による13日の日韓首脳会談の際に、李大統領も前向きな姿勢を示していた。しかし、その後、韓国内で日本との防衛協力に対する慎重論が出たため、12月に大統領選を控える李政権も無視できなかったようだ。

 日本政府内では「弾道ミサイルの発射など北朝鮮が挑発行為を強める中、日韓の連携強化でけん制できる」と協定締結に期待が高まっていた。政府内には落胆の声が広がっているが、「冷却期間を置くしかない」(外務省幹部)として、韓国の政治状況をにらみながら交渉妥結のタイミングを改めて探る考えだ。

(2012年5月19日01時17分 読売新聞)
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