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■原発11Ⅲ

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■原発11Ⅱ より

110721 「復興に10年、事業費23兆円」確認 閣僚級会合 [朝日]

 東日本大震災の復興基本方針をめぐり、菅政権は21日午前、「復興に関する財政フレーム検討閣僚級会合」を首相官邸で開き、復興期間を10年、総事業費を少なくとも23兆円とする案を確認した。当初5年間を「集中復興期間」とし、総事業の8割程度を実施する。

 会合では、総事業費は23兆~25兆円程度になるとした上で、焦点の復興財源についても復興債の発行額や臨時増税の規模・期間などについて議論を進めることで一致。7月末の復興基本方針とりまとめまでに大枠を固める考えだ。

110721 20キロ圏内の高線量地点 5キロ圏内と北西方向に集中 [朝日]

 文部科学省は20日、福島第一原発から20キロ圏内の大気中の放射線量の測定結果を発表した。計測した50カ所のうち、13カ所で毎時20マイクロシーベルト以上の高い線量を示した。12カ所が5キロ圏内と北西方向に集中しており、高線量地点の傾向があらためて浮き彫りとなった。

 18日に計測車で測った。最も高いのは大熊町小入野(原発から西南西約3キロ)の毎時81マイクロシーベルトで、同町夫沢(同西約2.5キロ)の62.8マイクロシーベルトと続いた。5キロ圏内では測定した12カ所のうち7カ所で20マイクロシーベルトを超えた。

 原発から北西方向では、約20キロの浪江町川房の29.9マイクロシーベルトが高く、計5カ所で20マイクロシーベルトを超えていた。(石塚広志)

110720 自民、原発は当面維持 中長期政策、将来の存廃は触れず [朝日]

 自民党の国家戦略本部(本部長・谷垣禎一総裁)は20日、中長期的な基本政策をまとめた「日本再興」と題する報告書を発表した。当面のエネルギー政策については再生可能エネルギーの促進とともに「安全強化策を施した上で既存原発の稼働維持」を掲げた。核兵器の一時的な持ち込みを容認する「非核2.5原則」への転換も打ち出した。

 昨年9月から「成長戦略」「社会保障・財政・雇用」「地域活性化」「国土保全・交通」「外交・安全保障」「教育」の6分野で検討を進めてきた。同報告書が自民党の次期衆院選の選挙公約の土台になる。

 自民党がこれまで推進してきた原発については「事故はわが国のエネルギー政策の根幹を大きく揺るがした」と記したが、総合エネルギー政策特命委員会(山本一太委員長)でエネルギー政策を検討中のため、将来の原発の存廃には触れなかった。

110720 政府、西日本にも節電要請 関電管内は10%以上目標 [朝日]

 政府は20日、関西、北陸、中国、四国、九州の電力5社の管内に向け、この夏の節電を要請した。なかでも電力不足に陥ることが見込まれる関電管内には、7月25日~9月22日、昨夏の最大使用電力に対して10%以上の節電を要請。東日本大震災で生じた電力不安が全国に広がった。

 定期検査で停止中の原発の再稼働が見込めないうえ、関電大飯原発(福井県)の1号機(117万5千キロワット)と、中国電三隅発電所(石炭火力、100万キロワット、島根県)がトラブルで相次いで停止。関電管内では、最大使用電力に対して供給力が6.2%不足し、西日本5社の合計でも1.2%足りない見通しとなり、節電要請が必要になった。

 西日本の5社への要請は、電気事業法に基づく「電力使用制限令」のような強制的措置ではない。北陸、中国、四国、九州の各電力管内では、数値目標も決めず、自主的な節電を求めた。政府は、東京電力と東北電力の管内で5月、15%の節電目標を設け、7月1日に大口需要家に対する制限令を発動。中部電力管内には、首相の要請で浜岡原発を全炉停止する段階で自主的な節電を求めている。

 原発の「安全神話」が崩れ、定期検査で停止中の原発の運転再開のめどは、いまだに立っていない。政府から節電要請を受けていない地域は、冬に電力需要が高まる北海道と、原発のない沖縄だけになった。

 西日本に対する具体的な節電方法は、東電、東北電管内とほぼ同じ。企業の節電対策や、エアコンや家電などの家庭での節電メニューを、政府の節電サイト(http://setsuden.go.jp)に例示しており、西日本でも実行を呼びかける。病院や公共交通機関などについては「それぞれの事情を勘案して節電をお願いする」(経済産業省)としている。

110720 上関原発中止署名、百万人分超す 山口の団体、経産省へ [朝日]

 中国電力が山口県上関(かみのせき)町に建てようとしている上関原発の計画中止を求める署名が、目標の100万人分を超えた。2009年5月から始めていたが、福島第一原発事故後に急増した。呼びかけた県内の団体の代表らが8月1日、上京して経済産業省に提出する。

 原水爆禁止山口県民会議などが、100万人を目標に集め始めた。09年10月に61万2613人分、10年5月にさらに23万8875人分を経産省に提出。目標まであと15万人弱となったところで伸びが止まった。締め切りを9月末から今年3月末に延ばした。

 その3月、東日本大震災と原発事故が起きた。それから署名数がぐんぐん伸び、反響の大きさに締め切りを6月末に再延長した。予定地対岸で反対運動を続ける祝島(いわいしま)を描いた映画を見た人や、ドイツや米国など海外在住の日本人からも届いた。19日現在の集計で、累計100万790人分を確認した。

110720 もんじゅ即時廃止、みんなの党が要求へ [朝日]

 みんなの党は19日の役員会で、核燃料サイクル政策に基づく六ケ所再処理工場(青森県)と高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)の即時廃止を求める方針を決めた。同党は「脱原発」を掲げており、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクルは必要ないと判断した。江田憲司幹事長は19日の記者会見で「将来、原発をゼロにするなら、再処理や高速増殖炉に一円もお金をかける余裕はない」と述べた。

110719 福島全域の牛の出荷停止指示 菅政権 検査体制整うまで [朝日]

 福島県から出荷された肉用牛の肉から基準を超える放射性セシウムの検出が相次いでいる問題で、菅政権の原子力災害対策本部は19日、福島県全域の牛の出荷停止を県知事に指示した。汚染した稲わらを牛に与えていた実態が明らかになり、汚染した牛肉が流通しないよう検査体制が整うまで出荷を止める必要性があると判断した。

 枝野幸男官房長官が記者会見で発表した。出荷停止は原子力災害特別措置法に基づく措置。

110711 原発マネー配当問題 玄海町長「再開判断に影響なし」 [西日本]

 九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町の岸本英雄町長(58)の実弟が経営する建設会社「岸本組」(同県唐津市)が町長就任後の約5年間で総額約17億円の“原発マネー”を財源にする工事を受注し、町長も約1千万円の株の配当などを得ていた問題で、岸本町長は11日朝、記者団に対し、工事受注の事実を認める一方で、「玄海原発2、3号機の再稼働の判断には一切影響していない」と主張。就任後の同社株の売却益や配当金に関する調査を岸本組に依頼したことを明らかにした。

 岸本町長は町長室で記者団の取材に応じ、「岸本組は法令にのっとって入札を行って工事を受注してきた。町長として、やましい関与は一切ない」と強調。2、3号機の再稼働容認への影響について問われると、「議会の示唆を受け、直に原発の安全対策を見た。海江田万里経済産業相から『国が安全に責任を持つ』との言葉もいただいた。私の中で着実にステップを踏み、冷静に判断した」と述べた。

 首長や議員の親族企業による自治体工事の受注を禁じる政治倫理条例の制定については、「悪事を行うことを前提とした条例と考えており、私自身、違法行為などは一切行っていない。自ら制定する気はない」と説明。その上で「町議会で制定しようという動きがあれば従う」と語った。

110709 南相馬から出荷の牛肉、セシウム検出 基準の4.6倍 [朝日]

 東京都は8日、福島県南相馬市内の畜産家が出荷した黒毛和牛1頭の首部の肉から、国の基準(1キログラムあたり500ベクレル)の4.6倍にあたる2300ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。同じ畜産家が出荷した残り10頭についても検査をしたところ、9日、すべてから3200~1530ベクレルの同セシウムが検出された。都によると、牛肉から基準を超える放射性物質が検出されたのは初めて。

 計11頭は、食肉処理後にすべての肉が加工施設内に保管され、流通していない。福島県は9日、県内の畜産関係団体などを緊急に集め、出荷自粛など今後の対応を協議する。出荷自粛の対象地域を、南相馬市以外に拡大するかどうかや、えさの管理の在り方について検討する。

 都の説明では、中央卸売市場食肉市場・芝浦と場(港区)で食肉処理後、放射能検査を実施した。

 この畜産家は、東京電力福島第一原発事故に伴う緊急時避難準備区域内にある。福島県によると、この畜産家は屋内で牛を飼育し、エサも屋内で管理した配合飼料を使っていたという。今回、放射性セシウムが検出された牛はいずれも7月7日に出荷されたという。

 県は福島第一原発事故に伴って4月22日に緊急時避難準備区域が設定されたあと、同区域から出荷される肉用牛については体表の検査(スクリーニング)を実施してきた。同月23日から今月4日までに計2934頭にのぼる。

110708 玄海原発所長ら、佐賀知事に個人献金 4年で42万円 [朝日]

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の運転再開問題を抱える佐賀県の古川康知事に対し、九電の歴代の佐賀支店長(現佐賀支社長)や玄海原発所長らが個人献金をしていたことが、古川知事の政治団体の政治資金収支報告書で分かった。献金額は役職の位に比例し、異動後も後任が同額の献金を引き継いでいた。

 政治団体の「康友会」と「古川康後援会」の収支報告書(2006~09年分)によると、九電幹部から4年間に計42万円の献金を受けていた。献金者は歴代の佐賀支店長と玄海原発所長を含む7人。このうち佐賀支店長と玄海原発所長は、それぞれ年3万円を献金し、異動後も後任が同額の献金を続けている。現副社長(元佐賀支店長)は07~09年に年5万円、同原発第二所長も06~07年に年1万5千円を献金していた。

 電力会社は地域独占の立場を踏まえて企業献金を自粛している。九電も石油危機で大幅値上げした74年以降は自粛。だが、00年代には、子会社による自民党の政治資金団体への献金や、役員による前福岡県知事への組織的とみられる個人献金が発覚し問題視された。

110707 玄海町長、原発再開容認を撤回 九電社長に電話で伝える [朝日]

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開問題で、岸本英雄町長は7日、緊急の記者会見を開き、4日に九電社長へ伝えた再開容認を撤回する方針を発表、続く町議会原子力対策特別委員会で議会の同意が得られたとして、閉会後、九電の真部利応(まなべ・としお)社長に電話で撤回を伝えた。東日本大震災後、停止中の原発の運転再開を認める意向を立地自治体の首長が電力会社に伝えたのは全国で初めてだった。

 岸本町長は会見で、6日に政府が全国の原発で安全性評価(ストレステスト)をすると発表したことや、同日に発覚した九電の「やらせメール」問題に不信感を募らせたと説明した。特別委では「国と九電の行為は大変許し難い。運転再開の容認については全面撤回したい」と表明。委員からは「運転中の1、4号機も止めるよう九電に申し入れたらどうか」との厳しい意見も出た。岸本町長は「新首相の下でないと運転再開を判断しづらい」とし「私自身もストレスがたまり、ストレステストを受けたいぐらいだ」と皮肉った。

 会見では、判断を翻した理由を詳しく説明した。まず、政府が表明したストレステスト実施を挙げ「頭が爆発しそうな感じ」と怒りを表現。「私が九電に再開容認を伝えた2日後の表明ということは、我々は信用されていないということだ」「私の判断は無駄だったと感じた」と批判した。

110706 全原発に新たな安全性検査 経産相、導入表明 [朝日]

 海江田万里経済産業相は6日、全国の原子力発電所全54基を対象に、安全性検査(ストレステスト)をすると発表した。テストでは、地震や津波などで、冷却装置が安全に機能するか、冷却装置がとまった場合にバックアップ機能が働くかなどについて、個別の原発ごとに検証するとみられる。海江田氏は「立地地域の方々に、よりいっそうの安心感を得るため」と説明している。

 欧州連合(EU)は、東京電力福島第一原発事故を受け、6月から域内14カ国にある143の原発すべてを対象に同様のテストを開始。来年4月末に終える見込みだ。

110701 政府、電力使用制限令を発動 石油危機以来37年ぶり [朝日]

 政府は1日午前9時、東京電力と東北電力の管内の大規模な工場やオフィスビルに対し、電気事業法27条にもとづく「電力使用制限令」を発動した。第1次石油危機の1974年以来、37年ぶりの発動。夏の電力危機を避けるため、最大電力を昨夏より15%減らすように義務づけた。

 契約電力500キロワット以上の大口需要家が対象。期間は東電管内は9月22日、東北電管内は9月9日まで。平日の午前9時~午後8時に制限をかける。故意に違反すると、100万円以下の罰金が科される。

 企業では冷房温度を高めに設定したり、昼間の電力使用を抑えるため、操業時間を早朝や夜間に移したりする動きが広がっている。

110630 佐賀知事、玄海原発再開容認の姿勢 「安全性クリア」 [朝日]

 停止中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開問題で、同県の古川康知事は29日、海江田万里・経済産業相との会談後、「安全性の確認はクリアできた」と話し、再開を容認する姿勢を示した。県議会の議論などを踏まえて最終判断する。運転再開すれば、東京電力福島第一原発の事故後、検査で停止している原発では全国初となる。

 古川知事は、全国の原発の緊急安全対策は適切だと認めながら中部電力浜岡原発(静岡県)だけに停止を要請した国に「納得できない」と説明を求めていた。

 この日、県の要請に応じて来県した海江田経産相は古川知事との会談で「危険性のない所は政治の判断で動かす、本当に危ない所は責任を持って止める」と強調。「玄海2、3号機の安全性には国が責任を持つ」と再開に理解を求めた。

110627 上関原発の埋め立て免許「延長せぬ」 山口知事が表明 [朝日]

 中国電力の上関(かみのせき)原子力発電所建設計画(山口県上関町)で、山口県の二井(にい)関成知事は27日、予定地の公有水面埋め立て免許の延長を現状では認めない方針を表明した。国がエネルギー政策の見直しを打ち出しており、新規の原発建設自体が不透明になったためで「埋め立て免許も新たな手続きに入ることはできない」と述べた。

 県議会の代表質問で、友田有(ともだ・たもつ)議員(自民)の質問に答えた。

 二井知事はこれまで、国の方針に従って原発建設を推進してきた。また、県の外郭団体「県振興財団」は中国電力株4950万株を持つ筆頭株主だが、県は「中国電の経営には関与していない」としている。二井知事の答弁は、こうした立場は変わらないものの、中国電から免許の延長が申請されても、その可否は、国の政策見直しで上関原発が建設されるのかどうかを見極めたうえで判断する、という姿勢を示したものだ。

110626 自民福島県連「原発を一切推進しない」 活動方針決定 [朝日]

 自民党福島県連は26日、同県郡山市で定期大会を開き「今後原発を一切推進しない」とする活動方針を決めた。斎藤健治・県連幹事長は「避難された方々がふるさとに戻れるよう、原発に代わる新たな産業を育成し、本県の復興を進める」と説明。県議らが中心となって作成した「脱原発」の執行部案が了承された。

 一部の党員は「説明不足だ」と批判。原発のある双葉郡の党員は「県も自民党も原発の恩恵を受けてきた。我々も原発は本当に危険だと分かったが、事故が収束せず住民が避難中の段階で、大きな声でノーと言うこと自体、納得できない」と発言した。

 大会後、斎藤氏は「これまで原子力を推進してきたことは深く反省している」と話し、福島第二原発について「再稼働は今の時点ではあり得ない」との認識を示した。

110626 東電、1号機でも通報遅れ 水素爆発の前日に兆候つかむ [朝日]

 東京電力が福島第一原子力発電所3号機の放射能漏れや水素爆発の予兆となるデータを爆発の前日につかんでいながら、国に法令に基づく通報をしていなかった問題で、東電は1号機についても水素爆発(3月12日午後3時36分)の前日に予兆をつかんでいたのに国に報告していなかった。経済産業省原子力安全・保安院の公表資料で分かった。

 資料によると、3月11日午後9時51分、1号機の原子炉建屋で入域禁止になる毎時290ミリシーベルト相当の放射線量が検出されていた。放射能漏れと水素漏れを疑う内容だ。東電のその後の解析でも、この時点で圧力容器内の燃料が空だきになり、大量の水素ガスが発生、外側の格納容器に放射性物質とともに漏れたことがわかっている。

 だが、東電が1号機の放射能漏れの可能性について保安院に初めて通報したのは、12日午前0時前。直前の11日午後11時の調査として「1号機タービン建屋内で放射線量が上昇している。原因は調査中」との内容だった。

 さらに、東電が「放射線量が上昇し、圧力容器の圧力も低下傾向にあり放射性物質の漏れが発生している」と判断、初めて放射能漏れについて言及したのはその約5時間後の12日午前5時14分だった。

 東電原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「放射能漏れにつながる全データを通報しなければならないとは法令上定められていない」としている。(杉本崇)

110625 東電、爆発予兆示すデータ報告せず 福島第一3号機 [朝日]

 東京電力福島第一原子力発電所3号機の水素爆発について、東京電力が爆発の予兆データを前日につかんでいながら経済産業省原子力安全・保安院や自治体に法令に基づく通報をしていなかった。保安院が24日夜にウェブサイトで公表した原子力災害対策特別措置法第10条による東電からの通報資料でわかった。危機対応時に政府と重要な情報の共有、連携ができていなかった疑いがある。

 資料は保安院にファクスで送られた約1万1千枚。それによると、3号機は3月14日午前11時ごろに水素爆発を起こし、原子炉建屋の上部が吹き飛んだ。しかし、その予兆を示すデータなどの報告はなかった。

 すでに東電が公表している資料では、13日午後1時17分に、3号機の原子炉建屋で毎時300ミリシーベルトの放射線を観測、午後2時7分に建屋内に水素がたまっている可能性が高いとの記述がある。14日午前5時20分には、本店から3号機の水素濃度を算出するよう指示していた。

 地震や津波で冷却機能を失った原子炉内で、燃料が露出し、水素が発生していたことを示す内容だが、今回、通報していなかったことがはっきりした。

110625 東電提出の資料1万1千枚分、ウェブで公開 保安院 [朝日]

 経済産業省原子力安全・保安院は24日、東京電力から3月11日~5月31日に提出された福島第一原発事故の資料についてウェブサイトでの公表を始めた。

 公表するのは、原子力災害対策特別措置法第10条に基づいて東電に義務づけられている政府や近隣自治体への通報資料。福島第一原発の原子炉の圧力や水位の状態などをまとめた資料1万1千枚分だという。国際原子力機関(IAEA)への政府の報告書にも活用されている。

 例えば、発信記録が3月11日午後4時の福島第一原発の通報。午後3時42分に1~5号機の全交流電源が喪失したことや緊急炉心冷却システムが動いていないことなどが記されている。

110625 福島県、30万人に線量計配布へ 15歳未満と妊婦対象 [朝日]

 福島県は24日、子どもと妊婦の計約30万人に、放射線量を測る蛍光ガラス線量計を配布すると発表した。

 県が24日発表した6月追加補正予算案によると、県外に避難した子どもを含む15歳未満の28万人と妊娠中の女性2万人の全員が対象。購入費として1台当たり1万5千円を上限に市町村に補助する。全小学校約500校に1校区当たり10台の空間線量計も配備し、校内や通学路、公園などの線量を測れる態勢をとる。

 また、体に浴びた放射能を測るホールボディーカウンター(WBC)も新たに5台購入し、子どもたちの内部被曝(ひばく)を検査する。

110624 原発周辺自治体も安全協定求める動き 福島で避難広範囲 [朝日]

 各地の原発近くにある立地自治体以外の市や町が、電力事業者に対し、運転に一定の影響力をもつ原子力安全協定を求める動きが相次いでいる。朝日新聞の取材では、7カ所の原発の近隣2府県と38市町村が東日本大震災後に要請していた。東京電力福島第一原発の事故の影響が広範囲に及んだことが背景にある。

 運転停止などを求めることができる立地自治体並みの権限を求めるところもあり、電力事業者が対応を迫られている。

 営業運転や試験運転をこれまでに開始している全国18カ所の原発(解体中を除く)の近隣自治体や電力事業者に取材した。

 電力事業者はこれまで、運転への拘束力がある協定の締結は主に立地自治体に限ってきた。国の原子力安全委員会が「防災対策を重点的に充実すべき範囲(EPZ)」の目安を原発の半径8~10キロとしていることも理由にしてきた。

 中部電力浜岡原発の30キロ圏に入る静岡県の4市は、大震災の約20日後、初めて中部電力に協定締結を求めた。要請書の原案を作った藤枝市によると、今後は近隣の関係自治体とともに、内容を含め、中部電との交渉を進める考えという。

 藤枝市の担当者は「福島原発の事故を受け、立地自治体の外にも被害が及ぶことがわかった。これまで中部電と通報を定めた取り決めもなく、異常時にも連絡は来なかった」と言う。

 関西電力高浜、大飯原発(福井県)の20キロ圏にかかる京都府は5月、EPZを半径20キロに広げる暫定的な地域防災計画を独自に作成。今月22日に全26市町村と連名で、20キロ圏内の5市町と府が、福井県の立地自治体並みの協定を結ぶよう関電に要請した。秋にも協議することで合意した。

 琵琶湖沿岸に位置する滋賀県の4市は4月、福井県内に原発を持つ関西電力、日本原子力発電、日本原子力研究開発機構の3事業者に初めて協定締結を求めた。敦賀原発から13キロに市域がかかる長浜市の担当者は「4市の市民の安全はもとより、近畿約1400万人の水源である琵琶湖の水質を放射性物質から守るため」と理由を語る。

 若狭湾に面し、大飯原発の20キロ圏にほぼ市内全域が含まれる福井県小浜市はこれまで、トラブルがあったときに連絡を受ける取り決めを関西電力と結んできたが、5月、権限を立地自治体並みに拡大するよう関電に求めた。

 中国電力島根原発(松江市)から約17~23キロ離れた鳥取県境港市と米子市は、福島原発の事故前から再三、中国電に協定締結を求めてきたが、「EPZの範囲外」として拒否されてきた。事故後、中国電に安全協定の締結を文書で要請。鳥取県も5月27日、中国電に県や近隣自治体と協定を結ぶよう申し入れている。

 要請を検討する自治体もある。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)と海を挟んで約8キロ離れた長崎県松浦市は5月、九州電に「国のEPZ見直しがあれば、佐賀県や玄海町と結ぶ協定に松浦市も加えるよう要請する」と伝えた。同市は2009年11月、同原発がプルサーマル発電を始めるのに際して協定を求めたが、「県境をまたぐ協定の前例がない」として拒まれていた。佐賀県唐津市も安全協定の締結を求める姿勢だ。

 原発が集中する東北地方は、大震災で自治体が大きな被害を受けており、目立った動きは出ていない。(石田耕一郎、西山貴章)

110620 最大の地震・津波を想定 国の防災対策、中間報告の骨子 [朝日]

 東日本大震災後の地震、津波対策を議論する中央防災会議の専門調査会(座長=河田恵昭・関西大学社会安全学部長)は19日、今月末に公表する中間報告の骨子をまとめた。各地域で将来起こりうる最大の地震、津波を念頭に防災対策を練る、との内容だ。

 大規模地震対策における対象地震の考え方▽津波による被害の抑止、軽減の基本的方向性――の2本柱。

 防災対策の基本となる巨大地震の想定はこれまで、同じ場所でほぼ同じ規模の地震を繰り返すことが前提になっていた。宮城県沖ではマグニチュード(M)7級の地震を想定していたが、今回はM9級が起こった。この反省をふまえ、過去の地震、津波の痕跡や世界のほかの場所で起こった地震も詳しく調べて、その地域で起こる可能性のある最大の地震、津波を想定する方針だ。

110619 福島のがれき、8千ベクレル以下の焼却灰埋め立てへ [朝日]

 環境省は19日、福島第一原発の事故の影響で放射性物質が付着したおそれのある福島県内のがれきの処理方針をまとめた。汚染物質を除く設備を備えた焼却炉で処理し、焼却灰は放射性セシウムが1キログラム当たり8千ベクレル以下であれば埋め立て処分できるなどとしている。

 同省は、今週中にも福島県に通知する方針。がれき処理を中断している市町村は、早ければ今月中にも処理を再開するとみられる。

110618 原発再開、福井県は不同意変えぬ考え 経産相の要請に [朝日]

 海江田氏が停止中の原発の運転再開を求めたことについて、福井県幹部は「新しい内容が出てきたわけではない」とし、再開に同意しない姿勢に変わりはないとの考えを示した上で「地震や津波の検証、原発の高経年化(老朽化)対策の新たな基準、浜岡原発以外を安全と判断した根拠を明らかにするよう引き続き求める」と話した。

 福井県はこれまで、福島第一原発事故の知見を踏まえた新たな安全基準を示すよう、国に対して繰り返し要請。西川一誠知事も13日の日本記者クラブの会見で、「立地地域の要請に国から明確な回答がなく、現状ではなお安全の確証が持てない」と指摘している。

110618 橋下知事「福井への原発再開働きかけ、関電に頼まれた」 [朝日]

 大阪府の橋下徹知事は18日午前、関西電力から15%節電への協力を求められた際に「(電力消費地の大阪が)福井県に原発の再開をお願いしてほしいとの要請を受けていた」と明かした。府の担当部局を通じて打診があったが、橋下知事が「原発必要論に持っていくための脅しだ」などと反発。関電側は要請を取り下げたという。関西空港で報道陣に語った。

 橋下知事によると、関電に対し原発依存度を下げることや自然エネルギーへの転換を進める姿勢を示すよう求めたが、関電側は応じなかったという。知事は21日に関電の八木誠社長と会談する予定で、「府民を代表して関電の姿勢を厳しく追及していく」と述べた。

 また、海江田万里経済産業相が18日、運転停止中の原発について安全性を地元自治体に説明し、再開への協力を依頼する考えを示したことに「時期尚早だ。たぶんどの自治体もついていかない。海江田大臣、経産省のみなさん、原発の周辺に住めばいいじゃないですか」などと批判した。

110618 点検中の原発、運転再開求める 経産相「対策適切」 [朝日]

 海江田万里経済産業相は18日、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓をふまえ、経済産業省原子力安全・保安院が7日に電力各社に指示していた各地の原発の緊急安全対策について、適切に実施されている、と発表した。海江田氏は「原発の安全性については国が責任を持って丁寧に地元に説明したい。原発の再起動をぜひお願いしたい」と述べ、定期点検中の原発22基の運転再開を求めた。

 再開には自治体の理解が不可欠だが、追加対策でも安全面の不安解消には不十分との見方が根強い。再開が遅れれば、全国的に夏の電力不足が深刻化する。海江田氏は会見で、早ければ今週末にも自治体に自ら説明に出向く考えを示した。

 保安院は、原発事故を受けて3月末に非常用電源車設置などの緊急安全対策を電力会社に指示。5月に再起動を認めている。だが、福井県などが「対策が不十分」と難色を示していた。

110618 関電筆頭株主の大阪市長「脱原発」宣言 社長にも伝達へ [朝日]

 「脱原発を目指して皆さん力を合わせませんか、と大きい声で言いたい」。大阪市の平松邦夫市長は17日の記者会見でこう語り、福島の原発事故を機にエネルギー施策の転換を進めるべきだと主張した。市は関西電力の筆頭株主で、20日に会談する同社の八木誠社長にもこうした考えを伝える。

 平松市長は会見で「脱原発の方向は多くの国民が感じている。私も同じだ」と述べ、太陽光やゴミ焼却熱の利用など「地域分散型」の発電と組み合わせたエネルギー転換を主張。「今すぐすべての原発を止めるべきだと言うつもりはない」としつつ「日本で新たな原発は建たないのが普通(の考え)だ」とも語った。

 関電が企業などに15%の節電要請をしたことに対し、平松市長は、八木社長との会談で情報公開の徹底を要請する方針。ゴミ焼却場の熱を利用した発電など市が取り組む施策についても、関電側の協力を求めるという。

110618 東電の役員再任に反対、脱原発賛成 株主助言機関が決定 [朝日]

 株主総会での議案の賛否を投資家にアドバイスする国内の大手助言機関が17日、東京電力の28日の株主総会で、脱原発を訴える株主提案に賛成し、東電提案の役員選任議案には反対する助言案をまとめた。東電福島第一原発事故を受け、原発を持つことのリスクを重くみた。

 助言案をまとめたのは、民間の日本プロクシーガバナンス研究所(JPG)。機関投資家や個人投資家に助言する。株主提案は、古い原発から順に停止・廃炉、原発の新・増設は行わない、の2点を定款に入れるよう求めた。JPGの吉岡洋二所長は賛成を助言する理由を「原発事業は一民間会社が続けるにはリスクが大きすぎる」と話す。

 今回の株主提案の可決には、出席株主の議決権の3分の2の賛成が必要。ハードルは高いが、そもそも電力会社の総会で会社の方針に反する助言が出ること自体、異例だ。

110617 「脱原発」全国弁護団結成へ 秋にも各地で一斉訴訟 [朝日]

 福島第一原発の事故を受けて、各地で「脱原発」を目指す弁護士らが全国弁護団を結成することになった。50人ほどが7月16日に集まり、東京都内で初会合を開く。今秋にも各地で原発の運転差し止めなどを求める訴訟を起こす。

 運転停止や設置許可取り消しを求める訴訟は、これまで各地の住民がそれぞれ起こしてきた。弁護士らによると、横のつながりがなく、経験や情報の共有が課題になっていたという。今回の原発事故により、改めて原発の危険性が認識されたことから、各地の訴訟を引っ張ってきた弁護士の有志らが結成を呼びかけた。

 現段階の構想では、浜岡原発(静岡県御前崎市)や島根原発(松江市)など現在訴訟が続いている原発を除く全国十数カ所で提訴する予定。過去に敗訴した原発訴訟についても今回の事故を受けた新たな理由で改めて提訴するという。

110617 高放射線地点を指定、政府が避難支援へ 避難区域外でも [朝日]

 福島県内の計画的避難区域の外で、局所的に年間の積算放射線量が20ミリシーベルトを超えそうな地点について、政府の原子力災害対策本部は16日、「特定避難勧奨地点」に指定して避難を支援していくことを決めた。妊婦や子どものいる家庭などには避難を促していく考えだ。

 候補地は、南相馬市原町区の1地点、伊達市霊山(りょうぜん)町の3地点。文部科学省によると、4地点の来年3月11日までの推計積算線量は、20.0~23.8ミリシーベルト。来週にも世帯単位で指定し、1地点あたり数十世帯規模になるという。

 対象地点では、市町村を通じて放射線の影響や支援策などの情報を伝える。一律に避難指示や産業活動の規制はしない。

110614 原発凍結賛成は94% イタリア国民投票、開票ほぼ終了 [朝日]

 原発再開の是非を問うイタリアの国民投票は14日朝までに開票がすべて終了し、原発反対派の票が9割以上を占めて圧勝した。東京電力福島第一原発事故後に欧州で広がる反原発世論の強さが示された。

 イタリア内務省によると、在外投票分も含めて開票が全て終わり、原発凍結賛成票が94.05%を占めた。凍結反対票は5.95%。投票率は54.79%に達した。

 原発再開を模索していたベルルスコーニ首相は13日夜、「政府と議会は結果を歓迎する義務がある。高い投票率は、自分たちの未来に関する決断に参加したいというイタリア国民の意思の表れで、無視できない」とする声明を発表。「国民投票は複雑な問題を扱うには適さないと信じてはいるが、それでも国民の意思は明らかになった」とし、原発の新設や再稼働を当面断念する意向を表明した。
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