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東日本大震災

3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とする巨大地震が発生した。
北日本から関東にかけて最高震度6強の揺れがあり、その後、最大10メートル以上と見られる津波が岩手・宮城・福島各県沿岸部を襲った。
さらに、福島第一原発1号機~3号機が、原子炉自動停止後、非常電源の故障により炉心冷却水の循環システムが機能しなくなり、燃料棒の露出から放射能漏れの可能性があるとし、政府は非常事態宣言を発表、同原発から半径3キロ圏内に避難指示、半径3~10キロ圏内に屋内退避指示を出した。
この日、首都圏の鉄道は運転を見合わせ、約9万4000人が帰宅難民となった。
地震の大きさはM9.0(当初8.8と発表されたが13日に修正された)、国内観測史上最大で、大方の地震学者の想定を超え、広い範囲でプレートが動いたことにより、津波の大きさも前代未聞のものとなった。
津波が襲った沿岸の町々が壊滅的な被害を被ったことは、空からの映像でわかったが、通信網・交通網が途絶する中で、徐々に明らかになっていく被害の実態は、真に戦慄すべきものであった。地震から1週間後の発表では、死者と行方不明は合わせて1万5000人超、避難者38万6千人に上った。
被災地では電気・ガス・水道が使えなくなったが、多くの発電所が運転停止したため、広く関東で電力供給量が不足し、政府と東京電力は「計画停電」の実施を発表した。
12日、福島第一原発1号機で水素爆発。避難指示は20キロに拡大された。福島第二原発の危機も伝えられ、同原発から半径10キロにも避難指示が出された。14日、3号機の原子炉建屋が爆発。午後には2号機原子炉の水位が下がり炉心が露出。15日その2号機で爆発音。さらに4号機で火災。国民は、刻々の政府の発表に息を飲んだ。
政府・東電は、原子炉には海水注入が継続していて、炉心溶融などは回避できるという見通しを示していたが、地震発生後数時間から数日の間に1号機~3号機が炉心溶融を起こし、溶けた燃料が原子炉圧力容器の底にたまる状態になって、放射能を大量に発散させていたことが、後の解析で明らかになった(わかっていたのに隠していたという声もある)。更に、政府は、放射能の拡散可能性をコンピュータでシミュレートし、また避難区域から離れた地点で相当高い放射線量が観測されたにも関わらず、それらを発表せず、追及されるやそれを発表するという、情報開示に関する不手際を続けた。


1106 菅首相退陣表明

震災、なかんずく原発事故対応でもたつく菅内閣に対して、自民党は、復興基本法に関する協議には応じる一方で、不信任決議案の提出時期を窺っていた。
小沢一郎が、倒閣の立場を明確にし、小沢系の民主党議員たちが、不信任が上程された場合は賛成すると話し始めたことに勢いを得て、自公は、6月2日に不信任案を上程することを決めた。
菅首相は、不信任案が可決された場合は解散・総選挙に打って出ること、賛成した民主党議員は除名することを臭わせ、牽制した。
事態の収拾に動いたのは、菅に近い北沢防衛相と、鳩山前首相の意向を受けた平野元官房長官。二人は、党分裂を回避し、菅の名誉ある撤退へ向けて条件を文書化する作業を始めた。
2日午前、首相と鳩山が官邸で会談し、「確認事項」という文書が交わされた。
「①民主党を壊さない、②自民党政権に逆戻りさせない、③復興基本法成立、2次補正予算の早期編成のめどをつける」という内容であった。
そして正午、首相は、民主党代議士会で、「一定のめどがついた段階で若い世代に責任を引き継いでいただきたい」と辞意表明した。
午後1時32分に始まった衆院本会議は、3時25分、不信任案を賛成152、反対293で否決。共産と社民は棄権した。民主党では、離党表明していた2議員が賛成し、小沢ら数名が棄権したに過ぎなかった。
ところが、その夜、記者会見に応じた菅が、辞任時期を明言せず、それでも記者につっこまれると、福島原発の冷温停止、すなわち工程表では来年1月まで、続投すると受け取れる発言をしたことで、党内は再び沸き立った。
菅の発言を伝え聞いた鳩山は菅を「ペテン師」呼ばわりした。翌日は閣僚からも早期退陣を促す声が上がり、ついに菅も、4日には、主要閣僚と電話で話し、補正予算上程、すなわち8月前後に退陣するとして理解を得るしかなかった。
またまたところが、自民・公明は、菅政権とは補正予算の協議には応じないという態度を崩さず、復興基本法の成立後日を置かずの退陣を迫るのあった。
一方、仙谷官房副長官が大連立について話し合うために大島自民党副総裁と会談したことを明らかにし、また岡田民主党幹事長が大連立の意向をテレビ討論会で表明するなど、大連立への動きが表面化してきたが、自民党の中では谷垣総裁をはじめ慎重論が根強く、また国民新党や公明党が牽制するなど、今後紆余曲折が予想される。
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