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111229 再生可能エネだけで自給自足、全国に52市町村 千葉大 [朝日]

 地域の暮らしに必要なエネルギーを、太陽光や風力、地熱、ダムを造らない小水力発電などの再生可能エネルギーで100%まかなえる自治体は全国に52市町村あることが、千葉大とNPOによる昨年3月時点の統計データの分析でわかった。全国での再生可能エネルギーの供給量は一昨年に比べて4.2%増だった。

 千葉大大学院の倉阪秀史教授らが28日、公表した。倉阪教授らは、エネルギー需要を再生可能エネルギーで全てまかなえる地域を「エネルギー永続地帯」と名付け、2006年から全国の市区町村の状況を調べて公表している。地域でのエネルギー需要に対する、地域にある発電所や家庭の太陽光発電などからのエネルギー供給の割合を計算した。

 再生可能エネルギー自給率が最も高かったのは、国内最大の地熱発電所がある大分県九重町の1284.8%だった。第2位は地熱発電所がある福島県柳津町の923.6%、第3位は小水力発電所がある熊本県水上村の834.9%だった。都道府県別で自給率が最も高かったのは大分県で25.8%、2位は秋田県の23.3%、3位は富山県の18.2%。最低は東京都の0.3%だった。日本全体では3.6%だった。

 再生可能エネルギーの供給量は30万テラジュール(バイオマス熱利用を除く)。エネルギーの種類では、太陽光発電は、家庭などで発電して余った分の買い取りを電力会社に義務づける制度が09年11月から始まり、供給量が36%増えた。風力も約16%増えた。一方、全体の4割を占める小水力発電は前年並みだった。

 東日本大震災を機に、再生可能エネルギーに注目が集まるが、導入のスピードは速いとは言えない。倉阪教授は「この伸び率では供給量が倍増するまで16年ほどかかる。来年から再生可能エネルギーの買い取り制度が始まるが、十分な買い取り価格などを望みたい」と話している。(桑原紀彦)

111227 発送電分離の検討本格化へ 電力制度改革の論点公表 [朝日]

 枝野幸男経済産業相は27日、年明けから本格的に検討する電力制度改革の論点を関係閣僚会議に提出し、公表した。競争的で開かれた電力市場にするため、電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」などを論点に掲げた。2013年の通常国会での電気事業法改正案の提出をめざす。

 東日本大震災による電力不足では、計画停電や電力使用制限令などが実施され、電力会社頼みの供給体制の欠陥が明らかになった。この教訓を踏まえ、制度を抜本的に見直す。

 発送電分離は、送配電部門の中立性を高めるのがねらい。電力の新規事業者が、電力会社と公平に競争できる環境を整える

111211 京都議定書を延長 15年の「新体制」採択めざす [朝日]

 南アフリカで開かれている気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は11日未明、2012年末で期限切れとなる京都議定書の温室効果ガス削減義務の延長の決定と、すべての国が参加する法的義務のある新体制に向けた行程表を含む「ダーバン合意」を採択し、閉幕した。温室効果ガスを義務的に削減する国際体制を継続、進展させる足がかりになる。日本は議定書延長への参加を拒否し、一時的に削減義務の国際体制から離脱することになる。

 京都議定書の延長期間は、5年間か8年間とされ、選択の余地を残した。延長は決定文書の中に位置づけられており、正式な改正手続きは来年末のCOP18(カタール)で完了させる。

 日本はロシア、カナダと同じく削減義務の数値目標の設定を拒否する方針で、先進国に削減義務を課してきた地球温暖化対策の京都体制から離脱することになる。京都議定書の批准国ではあり続ける。

 一方、COP17では、京都議定書で削減義務を負っていない中国や、同議定書を批准していない米国も義務を負う新体制づくりの行程表でも合意した。新体制は、新議定書も視野に入れた「法的拘束力を持つ枠組み」とし、新しい作業部会を立ち上げて議論を開始する。15年のCOP21で採択し、20年以降の発効を目指すことになった。

 COP17は、京都議定書の延長期間の長さや、新体制の発効時期などをめぐって各国の意見が対立。最終日の9日を過ぎてもまとまらず、11日未明にようやく合意にこぎつけた。

111204 温室ガス削減義務、中国が受け入れ示唆 「20年以降」 [朝日]

 南アフリカ共和国で開かれている国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で、中国代表団長の解振華・国家発展改革委員会副主任は4日、京都議定書後の新たな地球温暖化対策の法的枠組みについて、「議論を受け入れる」と述べた。世界最大の温室効果ガス排出国である中国が、将来的な削減義務受け入れを示唆したもので、交渉に影響を与えそうだ。

 京都議定書に続く新たな国際体制については、欧州連合(EU)が2020年の発効に向けた交渉日程を提示している。解団長は取材に対し、「我々は20年以降についても議論することに同意する」と明言した。

 ただし条件として京都議定書に基づく先進国の削減の達成度評価が必要だと主張。20年以降の枠組みは「より科学的で合理的なものでなければならない」と述べた。

111129 「京都」延長なら離脱 COP17政府方針を決定 [朝日]

 野田政権は29日、地球温暖化問題に関する閣僚委員会(座長・野田佳彦首相)を開き、南アフリカで開会中の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)の対応方針を決めた。2012年末で温室効果ガス削減の義務づけ期間が終わる京都議定書について、次の約束期間をつくる「延長」には加わらないことを確認。仮に延長が決まった場合には参加を拒否し、先進国に削減義務を課す「京都体制」から離脱する姿勢を鮮明にした。

 閣僚委員会には、野田首相のほか細野豪志環境相ら11閣僚が出席した。対応方針では、世界一の排出国である中国に義務がなく、2位の米国が批准していない京都議定書は世界の排出削減につながらないとして、米中も含めて削減義務を課す新体制を目指すとした。

 記者会見した細野環境相は、議定書の削減義務国の排出量が世界全体の約27%にとどまることを指摘。「交渉では様々な判断があるが、(日本が)次の約束に参加しないことに変わりはない」と言い切った。

 京都議定書のルールでは、新たな約束を設ける場合にはその国の同意が必要になる。約束を拒否すれば、日本は削減義務国のリストから外れ、12年までの削減義務や排出量算定のルールなどを含めた京都議定書の批准国としての位置づけだけが残る。

111126 CO2排出権市場低迷、過去最安値 欧州危機など要因 [朝日]

 気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)を前に、二酸化炭素(CO2)の排出枠を売り買いする排出量取引市場が低迷している。代表格であるロンドンでの1トンあたりの価格は25日、7ユーロを下回り、過去最低になった。

 価格は2008年から下落が続いており、新エネルギーなどの開発を促すのに必要とされる40ユーロ程度からはほど遠い。英バークレイズ・キャピタルのシコルスキー氏は「政府債務危機で景気が減速し、排出量をほしがる企業が減るとの見方が強まっている」としながらも、「排出量をめぐる国際的な合意が難しくなっていることも注目されている」とも語った。(ロンドン=有田哲文)

111125 NTT、発電事業強化へ 自然エネルギーで自治体と連携 [朝日]

 NTTは自然エネルギーを使った発電事業を強化する。三浦惺(さとし)社長が朝日新聞のインタビューで明らかにした。すでに自治体から太陽光発電を共同で展開したいとの引き合いがあり、グループのインフラを生かして事業化を検討する考えだ。

 三浦社長は「歴史や技術、ノウハウは他社に負けない自負はある。それを最大限に生かす。NTTでも発電事業を考える」と語った。

 NTTは旧電電公社時代から離島などでの通信設備向け電源確保で培った経験を生かし、完全子会社NTTファシリティーズを通じて工場や学校などで使う太陽光発電システムの設計や構築・運用をしてきた。グループの研究所やビルの一部で太陽光発電パネルの設置を進めており、これらを各地で広げ、自治体との連携を模索する考えだ。

111122 温室効果ガス濃度、観測史上最高 世界気象機関 [朝日]

 世界気象機関(WMO)は21日、地球温暖化の原因とされている大気中の主要な温室効果ガスの平均濃度が観測史上最高値を更新したと発表した。

 WMOの温室効果ガス世界資料センターを運営している気象庁によると、2010年12月までの世界の濃度の観測結果では、二酸化炭素の濃度が前年から2.3ppm増の389ppmを記録。工業化が進む前(1750年以前)と比べて約4割増の水準だ。メタンも5ppb増の1808ppbとなった。

 同量の二酸化炭素の298倍の温室効果を持つ一酸化二窒素は、前年から0.8ppb増の323.2ppbに。増加の主な原因は窒素肥料の使用量が増えたことと見られ、WMOでは世界的な食糧確保との両立の難しさを指摘している。

111117 福島市大波地区のコメ出荷停止指示 政府、セシウム検出 [朝日]

 福島市大波地区(旧小国村)で収穫されたコメから国の基準(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、政府は17日、同地区の今年産のコメについて出荷停止を福島県知事に指示した。コメの出荷停止は初めて。

 収穫前後の検査で安全性が確認されていたのに、なぜ基準値を超えるコメが見つかったのか、出荷を止めて原因を調べる。

 厚生労働省によると、出荷停止の間に、福島県が同地区の全農家のコメを検査する。さらに、これまでの本検査で一定の水準以上の放射性セシウムが検出された地域に対象を広げ、追加調査をしていく考えだ。

111114 CO2地中貯留実用化向け実験 来年度から北海道で [朝日]

 工場の排ガスなどから二酸化炭素(CO2)を取り出し、地中に埋める貯留技術「CCS」の実験を、経済産業省が北海道苫小牧市で来年度から始める。政府が地球温暖化対策として、2020年度までの実用化をめざしている技術。国内初の本格的な実験となり、安全性や環境への影響を調べる。

 CCSは、欧米でも開発が進んでいる。日本は北海道、福島県、福岡県を実験の候補地に考えてきた。だが、福島県は東日本大震災の影響が大きく、福岡県は実験に必要なデータが不十分なため、まずは北海道で始める。

 苫小牧市内で運転中の製油所に、排ガスからCO2を取り出して圧縮する施設を建設。80キロ離れた別の製油所と合わせ、年15万~25万トン分を集める。CO2は製油所沖合の深さ約1千~3千メートルの海底まで、2本の穴を掘って埋める。

111014 ピーク時の家庭節電、東電では6%…目標届かず [読売]

 経済産業省は14日、今夏に行った節電対策の検証結果を発表した。


 大規模停電を回避するため設定したピーク時間帯の最大使用電力の削減について、東京電力は家庭では6%減と、目標の15%削減に届かなかった。

 経産省は、「ピーク電力の削減が今後の課題」としている。家庭でピーク時の15%削減が目標だった東北電力は22%減、10%以上の削減が目標だった関西電力は14%減だった。

 しかし、最大使用電力の15%削減を義務付けた「電力使用制限令」の対象となった東電と東北電管内の大企業など大口需要家でみると、東電管内は前年のピーク時より29%減、東北電管内は18%減と目標を達成した。一方、制限令の対象外だった関西電は10%以上の削減目標に対して9%減となった。

111008 湿気に弱いバイオマス発電…故障続き稼働率低下 [読売]

 静岡県が天城放牧場(静岡県伊豆市湯ヶ島)でモデル事業として実施しているバイオマス発電の発電量が、計画を大きく下回っている。


 欧州から導入した設備が、日本の高い湿気が原因で故障を繰り返し、稼働率が低下したためだ。昨年度の発電量は計画の0・05%にあたる41キロ・ワット時だけだった。

 県は2004年度、約4億5000万円(国約1億6000万円、県約2億9000万円)をかけて、バイオマス発電施設を整備した。当時は廃棄物リサイクルでバイオマス発電が注目されており、牛のふん尿にスーパーや学校給食で出る生ゴミを混ぜ、微生物で発酵させてメタンガスを発生させ、燃やして発電する仕組みだ。

 施設は05年6月に稼働し、年間920トンのふん尿や生ゴミを使い8万9400キロ・ワット時を発電する目標だった。稼働開始翌年の06年度こそ81%の7万2152キロ・ワット時を発電したが、その後は年々減少し、09年度は18%の1万6020キロ・ワット時、故障で運転をほとんど止めていた10年度は41キロ・ワット時だった。計画を上回ったことは一度もなく、年平均発電量は37%の3万3259キロ・ワット時だ。

 県畜産課によると、発生するガスの約6割はメタンガスだが、数%に満たない硫化水素が含まれる。この硫化水素が漏れて、湿気で液体の硫酸に変わり、発電機にある電気系統の金属製スイッチなどに付着して腐食させたことが故障の原因という。湿気の少ない欧州では起きてない故障で、モデル事業開始前に県が設置した有識者会議でも、問題視されなかったという。

 硫化水素を取り除く方法として、コストの安い微生物を使った生物脱硫を導入したため、硫化水素を十分に除去できなかった可能性もあるという。

 バイオマス発電は一度停止させると、ふん尿などを発酵させる微生物の回復を待つため、再稼働に時間がかかる。このため、故障の頻発が稼働率を下げ、発電量を計画より大きく低下させることになった。

 県の天野弘畜産課長は「ガスを発生させるのは難しくないが、発電に結びつけるのは難しい。このままでは普及しないので、事業を検証し、対策を講じていきたい」と話している。

111004 温暖化交渉 日本に化石賞 NGO、原発輸出の姿勢批判 [朝日]

 温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約のパナマ作業部会で、国際環境NGOでつくる「気候行動ネットワーク」は3日(日本時間4日)、交渉で最も後ろ向きだった国に皮肉を込めて贈る「化石賞」に日本を選んだ。東京電力福島第一原発事故の収束ができていないのに、途上国への原発輸出を温暖化対策の一つとして認めるよう主張した、という理由だ。

 NGOなどによると、2日の非公開会議で、先進国が途上国に技術や資金を援助した事業で温室効果ガスを減らすと、自国の削減量の一部として計上できる「クリーン開発メカニズム(CDM)」の見直し案について議論があった。そこで日本代表団が、原発輸出をCDMの検討対象として残すべきだ、という趣旨の主張をしたという。

 NGO側は「事故を起こした原発を途上国に輸出するのは倫理的におかしい」などと批判した。会議では、京都議定書の延長を求める途上国側の発言が相次ぎ、反対の立場の日本への風当たりが強まっている。(パナマ=小林哲)

111002 北極にもオゾンホール 今春観測、紫外線増加の恐れ [朝日]

 北極の上空で今春、南極のオゾンホールに匹敵する深刻なオゾン層の破壊が起きたことが、日米など9カ国の国際研究チームの調査でわかった。観測史上で初めて。北半球は緯度が高い地域にも人口が多く、本来はオゾン層で遮られる生物に有害な紫外線の増加が懸念される。英科学誌ネイチャー(電子版)に2日付で論文が掲載される。

 研究チームは、測定機器を積んだ気球や人工衛星を使って観測した。その結果、北極圏の成層圏で4月上旬、もともとあったオゾンのうち最大で80%が失われた。南極ほど濃度は薄くなっていないが、北極はもとの濃度が高いため、破壊された量は南極のオゾンホールに匹敵した。

 気象条件の違いから、北極は南極のような大規模なオゾンホールはできないと考えられていたが、研究に加わった国立環境研究所の中島英彰室長は「南極で観測されていたオゾンホールが、北極にも出現したといえる」と話す。

 影響で3~4月にスカンディナビア半島やロシア北部で成層圏中のオゾンの濃度が低くなった領域が広がり、人の居住する地域でも有害な紫外線が増加したとみられる。オゾンが薄い領域は4月下旬、「かけら」のようにちぎれて日本の本州付近上空も通過した。

110926 節電効果 大口29%、家庭は6%減 東電が発表 [朝日]

 東京電力は26日、今夏の節電効果の分析を発表した。今夏と昨夏の需要ピークを比べたところ、大工場やオフィスビルなど大口利用者の電力需要は29%、小口は19%それぞれ減ったが、家庭は6%減にとどまったという。

 今夏の需要ピークは8月18日の4922万キロワットで、昨夏7月23日の5999万キロワットより18%低かった。最高気温は今年の方が0.4度高かった。

 8月に使われた電気の量全体を表す電力販売量でみると、家庭も前年同月より17%も減っており、節電した人は多かったとみられる。ただ、需要がピークとなる午後2~3時は、もともと家にいる人が少ないため、電力需要の減少幅が工場などよりも小さくなった。

110918 新エネ市場、2020年に86兆円 風・太陽、今の3倍 [朝日]

 風力や太陽光など世界の新エネルギー産業の市場規模が、現在の約30兆円から2020年には3倍近い約86兆円に膨らむ、との試算を経済産業省がまとめた。現在の規模は自動車産業の4分の1だが、20年には約半分になると予測した。

 経産省の「新たなエネルギー産業研究会」が、今月にもまとめる報告書に試算結果を盛り込む。試算は、風力、太陽光、太陽熱、燃料電池、蓄電池など、成長が見込める新エネルギーが対象。民間企業に委託して世界の市場規模を調べた。

 研究会は20年の新エネ産業について、その時点で約151兆円に及ぶとみられる自動車産業の半分の規模に達すると予測。世界各国が、新エネルギーの固定価格買い取り制度など、導入促進策を進めているため、急成長を見込んだ。

110901 今夏は過去4番目の暑さ 平均気温、昨年よりは低下 [朝日]

 今年の夏(6~8月)の平均気温は、統計を取り始めた1898年以降で4番目の高さとなったことが気象庁のまとめで分かった。発達した太平洋高気圧の影響で、6月下旬から7月中旬にかけて東日本を中心に記録的な高温となり、梅雨明けも早かった。

 気象庁によると、今年の夏の平均気温は平年値より0.88度高かった。6月下旬の東日本で平年値より3.8度高く、西日本でも3.3度高かった。7月上旬には北日本も3度高くなり、いずれも同時期で過去最高となった。7月下旬や8月下旬には気温が下がったため、平年値より1.46度高く過去最高を記録した昨年夏の暑さには及ばなかった。

 太平洋高気圧の発達は梅雨の時期にも影響を与え、東北や北陸以外の地域で梅雨入りが平年よりも1~2週間程度早かった。特に近畿地方では統計が始まってから最も早い5月22日ごろとなった。梅雨明けも同様に早くなり、沖縄では最も早い6月9日ごろだった。

110829 米ハリケーン、死者21人に NY地下鉄、運休のまま [朝日]

 米東海岸で大型ハリケーンから熱帯暴風雨に変わった「アイリーン」は28日、激しい雨を降らせながらニューヨーク市を通過し、北上を続けた。AP通信によると、倒れてきた木にぶつかるなどして、これまでにバージニアなど8州で少なくとも21人が死亡したという。

 米メディアによると、沿岸各地で多くの家屋が浸水し、約400万戸が停電した。すべての公共交通機関が止まったニューヨーク市では、同日午後に避難命令が解除され、バスも運行し始めたが、地下鉄や鉄道は運休したままで、再開には時間がかかる見通し。川に近い金融街では道路が冠水した。(ニューヨーク=田中光)

110817 温暖化懐疑派、警鐘鳴らす学者に嫌がらせや脅し [読売]

 【ワシントン=山田哲朗】米国やオーストラリアで、地球温暖化に警鐘を鳴らす著名な気象学者らが、温暖化に懐疑的な勢力から嫌がらせや脅しを受けている。


 危機感を強めた科学者団体が、個人攻撃を非難する声明を出し防戦する事態となっている。

 温暖化問題そのものを否定する勢力の拠点となっている、米国の調査研究機関アメリカン・トラディション・インスティテュート(ATI)は、温暖化について発言する米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙研究所のジェームズ・ハンセン所長に関する資料公開を請求。NASAがプライバシーを理由に拒否すると、6月に訴訟を起こした。

 バージニア州では、クチネリ司法長官が昨年、温暖化研究の権威マイケル・マン教授を標的に、研究費の獲得過程について調査に乗り出した。教授が2005年まで在籍したバージニア大に、数千点の電子メールや書類の提出を要請。「学問の自由」を理由に拒む大学とのにらみ合いが続く。

110701 6月下旬、半世紀で一番猛暑 東日本は平年比3.8度高 [朝日]

 気象庁は1日、東日本、西日本の6月下旬の平均気温は、旬ごとの統計を取り始めた1961年以降、最も高かったと発表した。

 気象庁によると、日本の上空を流れる偏西風が北側に蛇行。さらに、フィリピン付近の活発な雨雲が太平洋高気圧を北に押し上げた。これにより太平洋高気圧が広く日本付近を覆い、猛暑となったという。

 6月下旬の平均気温は東日本(関東甲信、北陸、東海)で平年より3.8度、西日本(近畿、中国、四国、九州)で同3.3度高く、いずれも史上最高。これまでの1位は、いずれも05年だった。

110624 米の温暖化政策「チェンジしていない」 ゴア氏が酷評 [朝日]

 24日発売の米誌ローリング・ストーンは、オバマ米大統領の地球温暖化対策に関するゴア元副大統領の寄稿を掲載した。オバマ氏はブッシュ前大統領と違って気候変動問題に熱心とされるが、ゴア氏は「ブッシュ時代と変わらないだろうことがはっきりした」などと酷評した。

 ゴア氏は寄稿で、自動車の燃費規制強化などのオバマ氏の政策に一定の評価をしつつ、急激な温暖化対策に抵抗する議会に十分な働きかけを怠って温暖化対策法を成立させられず、石油・石炭業界からの圧力にあっさりと譲歩するなどとして強く批判。また「米国民に対し、大統領の口から、気候変動問題の重大さを一度も訴えたことがない」と指摘した。

 その結果、「大統領選にオバマ氏が勝ち、変化(チェンジ)の必要があるものは変化するだろうとの強い期待が生まれた。変わったものもあれば、変わらなかったものもあるが、残念ながら、気候変動政策は後者だ」と断じた。

110518 英政府が温室ガス削減目標「25年までに50%減」 [朝日]

 英国のヒューン・エネルギー気候変動相は17日、温室効果ガスを2025年までに90年比で50%削減する方針を表明した。

 英国は労働党政権だった08年、50年までに80%削減する目標を設定。昨年、産業界の支持を受ける保守党のキャメロン政権に交代して対応が注目されていた。環境重視の立場をとる連立相手の自由民主党の主張を受け入れて、先進国の中でも高い目標を維持することを容認した。

 景気後退に懸念を募らせる産業界に配慮して、14年の時点で他の欧州連合(EU)加盟国が削減目標に達していない場合は見直す方針も盛り込んだ。日本政府は20年までに90年比で25%削減するとの目標を掲げている。(ロンドン=沢村亙)

110422 風力発電で原発40基分の発電可能 環境省試算 [朝日]

 環境省は21日、国内で自然エネルギーを導入した場合にどの程度の発電量が見込めるか、試算した結果を発表した。風力発電を普及できる余地が最も大きく、低い稼働率を考慮しても、最大で原発40基分の発電量が見込める結果となった。風の強い東北地方では、原発3~11基分が風力でまかなえる計算だ。

 同省は震災復興にあたり、風力発電を含めた自然エネルギーの導入を提案していく方針だ。

 今回の試算は、理論上可能な最大導入量から、土地利用や技術上の制約を差し引き、さらに事業として採算性を確保できることを条件に加えた。

 試算によると、固定価格買い取り制度など震災前に政府が決めていた普及策だけでも、風力なら日本全体で約2400万~1億4千万キロワット分を導入できる。風が吹いているときだけ発電するため、稼働率を24%と仮定。それでも出力100万キロワットで稼働率85%と仮定した場合の原発約7~40基分に相当する。

 ただし東北など電力需要を上回る発電量が期待できる地域がある一方で、電力会社間の送電能力には現状では限界がある。試算どおりに導入するのは短期的には難しいとみられている。

 家庭以外の公共施設や耕作放棄地などを利用する太陽光発電や、用水路などを活用する小規模の水力発電についても検討したが、多くの導入量は見込めなかった。これらを普及させるには、さらに技術開発を促すなど追加的な政策が必要だという。

110419 環境NGO「CO2排出量25%削減、原発頼らず可能」 [朝日]

 原子力発電所に頼らなくても、政府が掲げる温暖化対策の目標「2020年までに温室効果ガス排出量を90年比25%削減」は達成できるとする試算を、環境NGO「気候ネットワーク」(浅岡美恵代表)が19日、公表した。再生可能エネルギーを増やすほか、火力発電の燃料を二酸化炭素(CO2)排出量が比較的少ない天然ガスに切り替える内容だ。

 試算は、余裕をもって25%減を達成するために、目標値を「28%減」と設定。東京電力の福島第一原発と第二原発を停止するほか、稼働から40年を過ぎた原発を順次止めていき、20年時点で現在の計54基から計22基に減らす。粗鋼生産量や交通量は、25%減に向けた政府試算の前提にほぼ沿った。

 原発9基を新増設する政府試算と比べると、原発によるエネルギー供給量は約4分の1に。CO2排出量が多い石炭と石油も減らす。将来的には風力や太陽光などの再生可能エネルギーで大半の電力を賄うことを目指すが、20年に向けては一時的に天然ガスの割合を増やす。

 気候ネットの平田仁子東京事務所長は「再生可能エネルギーの割合をさらに増やしたり、生活スタイルを変えたりするなど、25%削減を達成する方法は他にもたくさんある」と話す。

110217 太陽光発電買い取り、事業所からは値上げ 家庭は下げ [朝日]

 太陽光発電で余った電気の買い取り制度で、4月以降の電力会社による買い取り価格が17日、決まった。家庭からの買い取り価格は1キロワット時あたり現行の48円から42円に減らす一方、工場やビルなどの事業所や公共施設からは現行の24円を40円に増やす。

 この日開かれた経済産業省の委員会で了承された。発電設備を取り付けるときの事業者向けの補助金が新年度から廃止され、事業者の負担が増えるため、買い取り価格を上げて、設置を促す方向に切り替える。ただ、買い取りの費用は次年度の電力料金に上乗せされるため、補助金の廃止分が、消費者の負担に付け替えられることになる。

110121 太陽光電力分、4月から月2~21円上乗せ 電力10社 [朝日]

 太陽光発電をしている家庭や企業などから余った電力を買い取る制度に基づき、電力10社は20日、昨年1年間に買い取った費用を回収するため、今年4月から電気料金に上乗せする金額を発表した。標準家庭で月2~21円の負担となる。買い取り制度は2009年11月に始まったが、電気料金に転嫁されるのは初めて。

 中規模工場は月2500~1万7500円程度、大規模工場は2万4千~16万8千円程度の負担になるとみられる。

 太陽光発電の余剰電力買い取り制度は、再生可能エネルギーを普及させるため、家庭などで使う量を上回った電力を10年間にわたり、電力会社が買い取るもの。買い取りにかかった1年間の費用は、太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)として翌年度の4~3月の電気料金に上乗せされ、すべての電気利用者が電気使用量に応じて負担する仕組みだ。

 電力10社の発表によると、昨年の買い取り費用は合計で約400億円。上乗せ額は電力会社ごとに計算するため、太陽光発電の普及が進んだ地域ほど高くなった。

 太陽光発電の普及に伴って買い取り費用が増えるため、上乗せ額は年々上がる見通し。さらに経済産業省は風力や地熱なども対象に加え、再生可能エネルギーによる電力の全量(家庭などの太陽光は余剰だけ)を電力会社が買い取る法案を通常国会に提出する予定だ。成立すれば、制度開始10年後には家庭の負担が月150~200円、中規模工場は12万5千~17万円、大規模工場は120万~163万2千円になると経産省は試算している。

 民主党政権は20年までに、温室効果ガス排出量を90年比で25%削減する目標を掲げる。今回の電気料金への上乗せは、政権が推し進める温暖化対策の主要政策で、国民が新たな負担を求められる最初のケースになる。(竹中和正)
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