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110620 首相、辞任条件に再生エネルギー法成立も 計3条件に [朝日]

 民主党の岡田克也幹事長は20日、与野党幹事長・書記局長会談で、22日までの通常国会の会期を10月中旬まで約4カ月延長することを提案した。第2次補正予算と特例公債法、さらには本格復興の第3次補正予算の成立を図るためだと説明した。これに関連し、菅直人首相は辞任時期について、2次補正、特例公債法、再生可能なエネルギー普及のための全量固定価格買い取り制度(FIT)の関連法成立を条件とする意向を示していたことがわかった。

 国会内で開かれた幹事長・書記局長会談で、岡田氏は、首相が成立に意欲を示すテーマとして、2次補正、赤字国債の発行を可能にする特例公債法案、FIT関連法案の三つを挙げる一方、「そのことと会期の大幅延長は別次元の問題」と説明。延長後の途中辞任もありうるとの考えを改めて示した。

 これに対し、自民党の石原伸晃幹事長は「首相の延命に手を貸すつもりはない」と、辞任時期を明確にしないままの大幅延長に否定的な立場を表明した。与野党は21日に再び幹事長・書記局長会談を開く。

110613 小沢氏、田中真紀子氏ら党員資格停止3カ月 民主処分案 [朝日]

 民主党役員会は13日、菅内閣への不信任決議案の採決に欠席した衆院議員15人のうち、13人の処分案を決めた。小沢一郎元代表や田中真紀子元外相ら8人を党員資格停止3カ月、初めて造反した当選1回の5人を常任幹事会による厳重注意とした。欠席の理由として医師の診断書を提出した2人は処分を見送った。

 岡田克也幹事長ら執行部は当初、「ポスト菅」を選ぶ代表選で小沢氏の影響力をそぐため、小沢氏本人を除籍(除名)とし、その他の欠席議員全員を代表選の投票権を失う党員資格停止にする方針だった。しかし小沢氏に近い輿石東参院議員会長らが猛反発したため15人を一律に党員資格停止1年とする案で再調整。それでも反対論は収まらず、今回の「大甘処分」に落ち着いた。厳重注意の5人は代表選で投票できる。

110612 「2次補正予算は次期首相のもとで」仙谷官房副長官 [朝日]

 仙谷由人官房副長官は12日、今年度第2次補正予算案編成について「本格的な復興予算になるので、与野党の広い枠組みで共同作業でやっていくのがいい。(菅直人)首相がやってきた課題を果たすよう引き継いでいくのがいいのではないか」と語った。東日本大震災の被災地視察のため訪れた仙台市で記者団の質問に答えた。

 首相は自ら2次補正を編成することに意欲を示しているが、仙谷氏の発言は次期首相に引き継ぐべきだとの考えを示したものだ。

 仙谷氏は首相の退陣表明時期については、20日の消費増税と社会保障の一体改革案や25日の復興構想会議第1次提言などの取りまとめ時期を挙げ、「その辺で収斂(しゅうれん)してくる」と指摘。6月下旬が節目になるとの考えを重ねて示した。

110609 自民・小池総務会長「大連立の話は終わった」 [朝日]

 自民党の小池百合子総務会長は9日午前の会見で、民主党との大連立構想について「その話はすでに終わっていると思う」と語った。同党執行部が大連立の可能性を否定するのは初めてだ。

 小池氏は会見で「大連立は絵に描いた餅。内閣に入るということは、安全保障などきっちりと政策合意を経なければならない。いま、復旧・復興以外のさまざまな課題で、すぐに民主党と内閣を一緒に組んで進める環境にはない」と述べた。

 菅直人首相が辞任を表明した後、自民党内には大島理森副総裁が、民主党の仙谷由人官房副長官と大連立の可能性を模索するなどの動きがあった。しかし、その後、参院幹部などから慎重論が相次いでいた。


110609 首相後継、野田財務相が軸 民主代表選に擁立へ [朝日]

 民主党の岡田克也幹事長や仙谷由人代表代行、枝野幸男官房長官ら菅政権の中枢幹部は菅直人首相の後継について、野田佳彦財務相(54)を軸に調整に入った。後継首相を事実上決める党代表選に擁立する方針だ。第2次補正予算案や特例公債法案の成立のため、野田財務相なら野党の理解を得やすいと判断。野田氏は前向きとみられ、有力候補に浮上した。

 菅首相の辞任表明を受けて岡田、仙谷、枝野各氏や安住淳国会対策委員長らは8日までに「ポスト菅」について会談を重ねた。岡田、仙谷、枝野各氏は代表選に立候補しないことを確認したうえ、野田氏が新代表に最適任との認識で一致した。

 仙谷氏らはこれを踏まえて自民、公明両党などに対し、菅首相辞任後の協力要請を始めた。首相が月内に退陣表明することを念頭に7月上旬にも代表選を行う日程も大筋合意した。

 財務相である野田氏が浮上した背景には、震災復興に充てる2次補正の編成を控え、政策の継続性を重視する点がある。菅政権と対立してきた小沢一郎元代表のグループで、野田氏への拒否感が比較的小さいことも理由だ。小沢氏は最近、「過去の言動や振る舞いにとらわれない」と「脱小沢」系候補も支持する可能性に言及。野田氏は小沢氏の「政治とカネ」を巡る処分に関与しておらず、小沢グループ内で野田氏を容認する議員も出始めている。

110607 自公、首相に月内退陣要求へ 大連立協議は新体制後 [朝日]

 自民、公明両党は7日、都内で幹部会合を開き、17日にも見込まれる復興基本法の成立後すぐに菅直人首相が退陣するよう求めることを決めた。首相が意欲を示す今年度第2次補正予算や特例公債法の国会審議を拒否して月内退陣を迫る。政権内でも早期辞任を求める声が相次いでいる。

 自公の幹部会合では、菅政権は2次補正予算などの重要課題に対し責任ある決定ができない、との見解で一致した。会合で自民党の大島理森副総裁は4日に民主党の仙谷由人官房副長官と大連立などをめぐって会談した経過を報告。「今月中に菅首相に辞任してもらい、(民主党が)新しい執行部をつくった上で、連立かどうか色々と意見はあるが、協力態勢の目的は復旧復興に限定するべきだ」と述べた。

 これを受け自公両党幹部は首相退陣後に民主党の新体制が定まった段階で、大連立の協議に入るかどうか判断することを確認した。

110606 原発論戦、かみ合わず…三村・青森知事3選 [読売]

 青森県知事選は5日、投開票され、現職の三村申吾氏(55)が、前民主党県連幹事長・山内崇(56)と共産党県委員会書記長・吉俣洋(37)の新人2氏を破り、3選を果たした。

 三村氏は知名度を生かして幅広い層に浸透。自民、公明両党も公認候補並みの支援を展開し、大差で逃げ切った。山内氏は知名度不足に加え、推薦を得た民主党の低迷で支持を広げられなかった。吉俣氏は原子力政策の抜本的転換を訴えたが、票に結びつけることができなかった。県政には東日本大震災からの復興や原子力施設に対する不安の払拭など課題が山積みで、3期目を迎える三村氏の手腕が問われそうだ。投票率は41・52%(前回38・45%)。

 民主推薦の山内崇氏(56)は、自民推薦の三村申吾氏(55)に26万6000票差で敗れた。民主が2009年に政権交代を果たして以降、民主、自民系が直接対決した知事選としては、最大の得票差での敗北。

 政権交代後、青森県知事選前は15知事選があり、民主と自民の事実上の2大政党対決型となったのは4選挙。うち民主は3敗した。最も大敗したのは、10年11月の和歌山県知事選で、その差は18万票余り。ほかの2敗は約6~9万票差だった。

 今回の知事選は、和歌山県知事選を8万票も上回る差をつけられただけに、民主党県連関係者に走った驚きも大きい。

 ある県連幹部は8万3000票あまりだった山内氏の得票に対して「せめて15万くらいはいくと思っていた」と肩を落としながら、「大敗が風化しないうちに、敗因を早急に総括しないといけない」と、表情は険しかった。

110605 首相退陣、夏めどの意向 閣僚に明言、「先送り」否定 [朝日]

 菅直人首相は4日、菅内閣の主要閣僚と電話で会談し、今夏の早期退陣を受け入れる意向を伝えた。首相は辞任意向を表明した後、具体的な時期を明言せずに先送りするかのような姿勢をみせてきたが、政権幹部からも早期退陣論が相次いだため、自らも受け入れざるを得ないと判断した。今年度第2次補正予算などを8月前後に成立させ、退陣する意向だ。

 首相は主要閣僚との電話会談で、早期退陣を求める鳩山由紀夫前首相と交わした「確認事項」を取り上げ、「文書に書いてある思いはわかっている」と説明。自らの会見発言や国会答弁に与野党から「退陣先送り」との批判が出ていることにも触れ、「そういうつもりで言ったのではない」と明確に否定した。

 首相は同夜、民主党の石井一選挙対策委員長と首相公邸で約1時間半会談。6月中旬にも成立する公算が大きい復興基本法案と、2次補正や特例公債法案に言及し、「一つも止めることはできない。(自ら)やりきる」と語った。

110604 首相、続投へ「居直り」 民主内に反発、野党は問責検討 [朝日]

 菅直人首相がいったん表明した辞任意向を打ち消すような発言を続けている。3日の参院予算委員会では「私はそんなにわかりづらい言葉を使ったわけではない」と釈明しつつ、「これからの作業にこれまで以上に全力を挙げて取り組みたい」と語り、続投に強い意欲を示した。首相の「居直り」姿勢に、民主党内では「菅降ろし」の動きが再燃。野党も参院への首相問責決議案提出の検討に入った。首相と国会が対立する様相を帯びてきた。

 首相は3日の参院予算委で、自らの辞任時期について「大震災の復旧、復興こそが重要であり、原子力事故の収束こそが最優先だ」と指摘。「一定のめどがつくまで、ぜひとも私にその責任を果たさせていただきたい」と強調した。

 2日昼、不信任決議案採決前の民主党代議士会で、首相は「大震災の取り組みに一定のめどがついた段階で、若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでいただきたい」と辞任を表明した。だが、同日夜の記者会見では辞任時期を明言せず、逆に原子炉を100度未満の安定状態に保つ「冷温停止」を取り上げ、来年1月ごろを念頭に置いた辞任を示唆。3日の国会答弁でも政権運営に意欲を示す発言を続け、同日の閣議でも積極的な法案提出を呼びかけた。

 代議士会に先立ち会談した鳩山由紀夫前首相とのやり取りで「退陣」について合意があったかどうかを参院予算委で問われると、首相は「そういう約束には全くなっていない」と強く否定。代議士会の発言について「素直に理解していただければ、私の心情は話したことの中に表れている」と訴えた。

110603 首相、辞任は来年1月示唆 「原子炉冷温停止めど」示す [朝日]

 菅直人首相は2日夜、首相官邸で記者会見を開き、自らの辞任時期について来年1月ごろを念頭に置いていることを示唆した。東京電力福島第一原子力発電所の事故収束を、首相として確実に見届ける考えだ。一方、野党が提出した内閣不信任決議案は同日午後の衆院本会議で民主党などの反対多数で否決された。賛成する構えだった民主党の小沢一郎元代表は本会議を欠席して造反したが、党執行部は党内の反発に配慮。当初検討した除籍(除名)処分を見送った。

 首相が自らの辞任時期を来年1月ごろと示したのに対し、民主党内でも首相の早期辞任を求める声が多いうえ、野党が早くも反発している。このため、党内の混乱や国会運営の行き詰まりが予想される。

 首相は会見で、具体的な辞任時期を再三問われたのに対し、東京電力が事故収束に向けて示した工程表を取り上げて「ステップ2が完了して放射性物質の放出がほぼなくなり、冷温停止という状態になる。そのことが原子力事故の一定のめどだ」と語った。

110602 民主から賛成は松木・横粂氏、棄権は15人 不信任案 [朝日]

 民主党・無所属クラブの衆院議員のうち、内閣不信任案に賛成したのは松木謙公、横粂勝仁の2氏。また、石原洋三郎、内山晃、小沢一郎、太田和美、岡島一正、笠原多見子、金子健一、川島智太郎、木内孝胤、黒田雄、古賀敬章、瑞慶覧長敏、田中真紀子、三宅雪子、三輪信昭の15氏が棄権した。

 また、共産党の9人と社民党の6人は全員棄権。国益と国民の生活を守る会の小泉龍司、無所属の石川知裕、佐藤夕子の各氏も棄権した。

110602 内閣不信任決議案を否決 衆院本会議 [朝日]

 自民、公明、たちあがれ日本の各党が提出した菅内閣に対する不信任決議案は、2日午後の衆院本会議で民主党などが反対し、反対293票、賛成152票で否決された。

110602 菅首相、辞任の意向 「震災に一定のめどの段階で」 [朝日]

 菅直人首相は2日正午すぎの民主党代議士会で「(東日本)大震災に一定のめどがついた段階で、若い世代の皆さんに色々な責任を引き継いでいただきたい」と語り、震災復興と東京電力福島第一原発事故対応に一定のめどがついた段階で辞任する考えを表明した。2日午後の衆院本会議で採決される菅内閣の不信任決議案に対し、民主党の小沢一郎元代表のグループを中心に大量造反が出る情勢を受け、自らの辞任と引き換えに造反を抑える狙いだ。ただ、小沢氏側は造反の構えを崩しておらず、党内は分裂含みの状況が続いている。

110602 不信任案、民主の造反拡大 首相は可決なら解散の意向 [朝日]

 自民、公明、たちあがれ日本の3党は1日、菅内閣に対する不信任決議案を衆院に提出した。2日午後の本会議で採決する。1日夜時点の朝日新聞の取材では、民主党内から小沢一郎元代表に近い62人が賛成を表明し、造反議員数は拡大。不信任案の可否は予断を許さない情勢だ。菅直人首相は不信任案が可決されれば衆院を解散する意向で、民主党は分裂の可能性が高まっている。

 小沢氏と鳩山由紀夫前首相、原口一博前総務相らは1日、不信任案賛成を表明。宮城県にある震災の政府現地対策本部長の東祥三・内閣府副大臣、鈴木克昌・総務副大臣、三井辨雄(わきお)国土交通副大臣、内山晃・総務政務官、樋高剛・環境政務官も1日夕、首相官邸を訪ね、辞表を提出。不信任案に賛成する意向だ。

 首相はここ数日、周辺から不信任案可決時の対応を問われると「衆院解散だ」と明言し、総選挙の準備を指示。一方、国会延長を求める党内の声に配慮し、1日の党首討論で「通年国会を含め、国会延長を考えたい」と表明した。6月22日までの会期を年末まで最大180日程度延長する構えで、第2次補正予算の成立に意欲を示したものだ。首相は2日、党代議士会に出席予定で、政権運営への不満を直接聴き、不信任案の否決も求める。

 朝日新聞は民主、国民新両党と与党系無所属議員の計314人のうち、首相や民主党執行部に近い96人を除く218人を対象に不信任案への賛否を調査し、194人が取材に応じた。それによると、1日夜の時点で「賛成」が62人。態度を明らかにしなかった議員のうち、小沢氏に近いとされる議員が10人以上おり、賛成に回る可能性がある。

 小沢氏は1日夜、自らの議員グループの会合に出席。その後、記者団に「国民が支持した民主党のあり方に戻さなくてはいけない。明日の本会議で、そう対処しようと同僚と話し合った」と述べ、不信任案への賛成を表明。「我々の意思が国会で通ると思っている」と可決に自信を見せるとともに、「危機の時こそ強力な政権と指導者が必要だ」と強調した。会合には71人が集まったという。

 鳩山氏も1日夜、東京都内で記者団に「不信任案が出た場合は賛成する。その前に首相には自発的に辞めてもらう努力もする」と語った。ただ、鳩山氏のグループは幹部間で意見が分かれ、自主投票となった。

110527 太陽光パネル公約、経産相「聞いてない」 会見で沈黙も [朝日]

 菅直人首相が主要国首脳会議(G8サミット)で訪れたフランスで国内1千万戸の屋根に太陽光パネルの設置を目指すと話した「国際公約」について、海江田万里経済産業相は27日、「聞いていない」と語った。閣内で意思統一された目標ではないようだ。

 海江田氏は27日夕の記者会見で、パネル設置の財源を聞かれ、「報道を通じて知ったので、(首相が)帰ったらもうすこし詳しく話をお聞きしたい」と答えた。エネルギー政策担当の経産相に相談なく決めることがあるのかとの問いには、唇をかみ締めながら7秒間沈黙した。その後、「内閣総理大臣だから自分の思いを発言するのはかまわないと思う」と語った。

 1千万戸を設置するには多額の補助金が必要になるとみられる。海江田氏は実現できるかどうかについて「(菅首相が)よくお考えになっての発言と思います」と話した。(福田直之)


110527 小沢氏「首相、一日でも早く交代を」 WSJ紙で批判 [朝日]

 民主党の小沢一郎元代表は27日付のウォールストリート・ジャーナル日本版のインタビューで「菅首相は一日でも早く代わったほうがいい」と述べた。野党が提出する内閣不信任案への賛成については「よく考えているところだ」と否定しなかった。

 同紙によると、小沢氏は「彼(首相)はいつまでも(政権に)とどまりたいと思っている。それが彼の優先順位の第一だ。だからみんな困っている」と批判。「菅政権が国民の支持を失っている。政策実行ができないなら、総理をやっている意味がない」と指摘した。「自分でリーダーをやろうという気持ちはあるのか」との問いには「もう一仕事やらねばならないとは思っている」と語った。

 一方、党内に不信任案への賛成の動きが出ていることに対し、岡田克也幹事長も手を打ち始めた。27日には中堅議員と国会内で会談し、不信任案に同調しないよう求めた。また、枝野幸男官房長官は同日の記者会見で、東日本大震災で多くの自治体が被災したことが、菅直人首相の解散権を制約するかについて「全く影響するものではない」と発言。不信任案が可決された場合、首相が解散するとの見方を示し、不信任案に賛成する党内の動きを牽制(けんせい)した。

110523 原発・防災で日中韓協力、3首脳会談で合意 [読売]

 菅首相は22日、中国の温家宝首相、韓国の李明博
イミョンバク
大統領と東京・元赤坂の迎賓館で約2時間会談し、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、原子力安全や防災での協力を強化する方針で一致した。

 特に原子力安全では、緊急時の早期通報の枠組みを構築するとともに、3か国の専門家交流の協議を開始することで合意した。3首脳は会談後、原子力安全・防災、経済成長、環境など幅広い分野の協力を盛り込んだ首脳宣言を発表した。

 首脳宣言は「3か国の協力は日本の早期復興に貢献するものだ。日本は原発事故と地震から得た教訓を中韓両国、国際社会と共有する」と明記した。原子力安全とエネルギー、防災分野の協力については、今後の取り組みを盛り込んだ付属文書もまとめた。

110429 首相、東電の賠償免責を否定 国の責任にも言及 [朝日]

 菅直人首相は29日の衆院予算委員会で、福島第一原発の事故で東京電力に賠償金を支払う責任があると明言した。「東電に賠償責任はなく、国がすべて負うというのは違う」と述べ、原子力損害賠償法(原賠法)の免責事項にあたるとする東電の主張を否定した。

 原賠法には「異常に巨大な天災地変」で損害が生じた場合、事業者は責任を免れるとの規定がある。

 首相は「規定をそのまま認めることは、東電を免責することを意味する。東電には賠償の面で第一義的な責任はある」と述べ、被害者への賠償責任は東電にあると強調。海江田万里経済産業相は免責されるケースについて、過去の政府答弁を引用して「超不可抗力、全く想像を絶する事態、人類が予想していないもの、とある」と説明。今回の震災はあたらないとした。

 枝野幸男官房長官も29日の記者会見で「福島第一原発が大きな津波で事故に陥る可能性は、国会などで指摘されていた。免責はとても考えにくい」と述べた。

 予算委に政府参考人として出席した東電の清水正孝社長は、文科省の審査会が28日に示した緊急性が高い被害に対する賠償指針を踏まえて「多くの方に被害を弁償していくことになるが、国の支援を頂きながら、公正迅速に対応していきたい」と語った。

 首相は一方で、「原発推進の立場で取り組んできた国の責任も免れない」と語った。「政治的、行政的な意味を含め、適切に(賠償が)支払われるよう責任を持ちたい」として、賠償金の支払いが滞らないよう国が関与していく考えを示した。

 原賠法は、事故を起こした原子力事業者に無限責任を負わせているが、数兆円に上るとみられる賠償金を円滑に支払うため、菅政権は官民で「機構」を新設する枠組みづくりを検討。細部を詰めて5月の連休明けにも公表する方針だ。

 震災復旧に早急に必要な1次補正を早期に成立させるため、この日の衆院予算委は異例の休日開会となった。休日に衆院予算委が開かれるのは、阪神大震災後の1995年2月以来。

110418 内閣の震災対応「評価しない」60% 朝日新聞世論調査

 朝日新聞社の全国定例世論調査(電話)によると、東日本大震災への菅内閣の対応を「評価する」と答えた人は22%にとどまり、「評価しない」が60%に上った。福島第一原発事故への対応に限ると「評価する」16%、「評価しない」67%となり、さらに厳しい視線が注がれている。

世論調査―質問と回答〈4月16、17日実施〉
 原発事故についての政府の情報提供が「適切だ」は16%で、「適切ではない」が73%に達している。対応への低い評価の背景の一つになっているようだ。

 一方、民主党と自民党の大連立政権に対しては「賛成」43%、「反対」37%と比較的接近した。「賛成」が民主支持層では55%だったのに比べ、自民支持層では35%にとどまり、それぞれの党の事情を反映する形になった。

 菅内閣の支持率は21%(前回2月19、20日は20%)、不支持率は60%(同62%)でともにほぼ横ばいだった。菅首相の進退については「早くやめてほしい」43%(同49%)が「続けてほしい」36%(同30%)を上回っているが、前回に比べると続投支持が少し増えている。

 「仮にいま衆院選の投票をするとしたら」として聞いた比例区の投票先は、民主18%(同19%)、自民30%(同25%)などで、民主の低迷が続いている。昨年12月調査で逆転された自民との差はさらに広がった。政党支持率は民主17%(同19%)、自民19%(同18%)などだった。

110411 統一選、民主敗北 「対決」2知事選全敗 石原氏は4選 [朝日]

 第17回統一地方選の前半戦が10日投開票された。民主党は自民党と直接対決となった北海道と三重県の知事選で敗北。41道府県議選でも野党だった前回の335議席をかろうじて確保するにとどまった。東日本大震災や福島第一原発事故の対応で菅政権の統治能力に対する有権者の不信は強く、退潮傾向に歯止めはかからなかった。一方、東京都知事選では石原慎太郎氏が4選。地域政党の「大阪維新の会」は大阪府議会で過半数を占め、「減税日本」「日本一愛知の会」も大幅に議席を増やした。

 菅政権は震災と原発の危機管理に専念することで政権批判を封じてきたが、統一選の敗北は菅政権の対応が評価されていないことを鮮明にした。震災の復旧・復興関連法案や補正予算案などで野党の協力を得られるかどうか微妙な情勢だ。

 政権は昨年の参院選以降、主な選挙で負け続けている。12日告示の衆院愛知6区補選も独自候補擁立を断念。菅直人首相の求心力低下は止まらず、自民党の石原伸晃幹事長は10日夜、「民心が離れた政権で国難に対処できるのか」と強調した。

 民主党は41道府県議選では、当初目標の半分に満たない571人しか擁立できなかった。4年前に獲得した335議席をようやく確保したが、事実上の敗北となった。岡田克也幹事長は11日未明、記者団に「候補者擁立が遅れて、震災も起き、活発な活動ができなかった。野党時代に寄せられた期待感に十分答えられなかった」と述べた。

 知事選では、岡田幹事長の地元の三重県で民主推薦の元津市長が、自民、公明両党とみんなの党が推した鈴木英敬氏に敗北した。鈴木氏は36歳で現職知事としては全国最年少。北海道も民主などが推薦する新顔が、自公の推薦を得た現職の高橋はるみ氏に敗れた。

 東京では78歳の石原氏はいったんは引退の意向を固めたが、東国原英夫氏が立候補すれば当選の可能性もあるとの説得を受け、先月11日に急きょ立候補を表明。直後に震災が発生し、他候補は埋没した。

 民主は東京など4都県で不戦敗。6県で自民との事実上の相乗りになり、民主の弱体ぶりが際立った。神奈川では、民主、自民、公明の県組織が推薦する元テレビキャスターの黒岩祐治氏が当選。立候補した現職9知事は全員当選した。

 原発を抱える北海道、福井、島根、佐賀の4知事選では、原子力政策が争点に浮上。現職は4氏ともに原発を容認してきたが福島原発事故を踏まえ、「原発の安全確保に取り組む」(高橋氏)、「同様な事故を県内では絶対に起こさせない」(福井の西川一誠氏)と安全対策の強化を訴え、選挙戦を展開。共産が公認・推薦する新顔は4知事選で政策転換を求めたが、浸透しなかった。

 政令指定市長選のうち、民自対決型となった札幌は民主推薦の現職が当選したが、広島では自公推薦の元官僚が民主県連などが支援した元副市長に勝利した。

 東日本大震災で、岩手県知事選、岩手・宮城・福島の3県議選、仙台市議選が延期された。実施された選挙戦も、各陣営が選挙カーの利用を手控えるなど「自粛」ムードに包まれる異例の展開となった。

110410 大阪維新の会、府議会で過半数 大阪・堺市議会で第1党 [朝日]

 「大阪都構想」が争点となった大阪府議選(定数109)、大阪市議選(同86)、堺市議選(同52)で、橋下徹知事が率いる地域政党「大阪維新の会」は、3議会とも第1党を確保した。

 大阪維新の会は府議選で57議席を獲得し、目標の過半数に達した。大阪市議選で33議席、堺市議選でも13議席をそれぞれ確保した。

 改選前、維新の会は府議会では29議席ですでに第1党、大阪市議会では13議席で第4党、堺市議会では7議席で第4党だった。

110403 大連立へ誘い水…補正予算・復興構想会議・閣僚ポスト [朝日]

 民主党が自民党との大連立へ再び動き出した。東日本大震災の復興に向けた第1次補正予算、復興構想会議、閣僚ポストの三つを誘い水に、政権入りを呼びかける。巨額を投じる大事業を目の前にして、自民党内でも大連立参加への機運が盛り上がってきた。

 菅直人首相は震災後、自民党を巻き込んだ「危機管理内閣」をつくることを急いだ。福島第一原発の事故で自衛隊や東京消防庁が懸命の放水活動をしていた3月19日、自民党の谷垣禎一総裁に電話で入閣を要請した。ポストは副総理兼震災復興担当大臣。けれども「あまりに唐突な話」と断られた。

 それでも首相はあきらめていなかった。震災被害が16兆~25兆円にのぼることが判明し、自民党内で復興事業に関与するため大連立への参加を求める声がベテラン議員を中心に高まってきたのを見計らって「再起動」した。

 第1弾は「補正予算」だ。民主党の安住淳国対委員長は今月1日、自民党の逢沢一郎国対委員長に「補正予算を与党と自民、公明両党で一緒に作りたい」と、協議の場を作ることを提案した。がれき処理や仮設住宅建設など早急な対応が必要で野党も反対しにくい施策を中心に、4月中に2兆~3兆円規模の第1次補正予算案を作る方針だが、その編成段階から自民、公明両党を巻き込み、なし崩し的に政権に引き込んでしまおうという算段だ。

 二つ目は、首相が震災1カ月の11日までに設置すると表明した「復興構想会議」。土地利用の専門家や被災地関係者だけでなく、野党幹部の意見も聞き、街づくりや農林漁業の再生策を練る構想だ。首相は「与野党を超えて協力して推し進める」と、野党の議論への参加に期待を込めた。

 三つ目は「閣僚ポスト」だ。民主党の岡田克也幹事長は1日、自民党の石原伸晃幹事長に(1)新設の震災復興担当相(2)環境相から分離する防災担当相(3)官房長官から分離する沖縄・北方担当相、の「3増」を示し、そのために必要な内閣法改正への協力を求めた。自民党に対する事実上の入閣要請といえる。

 補正予算、復興構想会議、閣僚ポスト。どれも大規模な道路、港湾、インフラ整備などの巨額の復興事業に計画段階から深く関わることができる魅力的な提案だ。民主党幹部は「運び方さえ間違わなければ大連立に進む」と自信を示す。

 自民党の大島理森副総裁は2日、地元の青森県八戸市で「現場感覚は圧倒的に我が方が持っている。しっかりと話し合いをする」と述べ、協議に意欲を見せた。公明党内にも民主党と自民党の連立に取り残されるわけにはいかないとの声が強い。ただ今は統一地方選の真っ最中で与野党が激しく争っているため、連立協議は4月後半以降に本格化しそうだ。

 一方、連立を組んできた国民新党には、民主、自民、公明3党の枠組みが進むことに警戒感が広がる。亀井静香代表は2日夕、首相と官邸で会談し、「ちまちました次元の低い数合わせではなく、挙国一致体制にすべきだ」と迫った。

110319 自民総裁、入閣断る 首相の大連立打診「あまりに唐突」 [日経]

 菅直人首相(民主党代表)は19日、自民党の谷垣禎一総裁と電話で話し合い、副総理・震災復興担当相での入閣を要請し、大連立を打診した。谷垣氏は「あまりに唐突な提案だ」と首相の提案を拒否したうえで「閣外から全面協力する。今は体制をいじる時ではなく、災害復旧、原発対応などに全力を尽くすべきだ」と表明した。与党内にも首相の判断に不信感が出ており、首相は野党への新たな対応を迫られる。

 谷垣氏に首相は「国家的危機に責任を分担してもらえないか」と呼びかけた。民主党と自民党は現在、17人の閣僚数を最大で20人まで増やせる内閣法改正で基本合意しており、法案が成立すれば最大野党のトップを閣内に迎え、超党派協力を内外に示す狙いだ。

 首相は同日夜、公明党の山口那津男代表にも電話で協力を求めたが、入閣には触れなかった。山口氏は「震災対応に集中し、担当相も早く決めてほしい。党としても協力する」と述べた。

 谷垣氏は首相の要請を即座に拒否するとともに、緊急役員会を招集して自らの方針に了承を得た。その後、谷垣氏は電話で首相に再度、入閣しない考えを伝えた。谷垣氏は公明党の山口氏に電話し、首相との協議内容を説明した。

 自民党は東日本大震災と原発事故への対応には閣外から全面的に協力する方針だ。被災地の復旧・復興に必要な法案などには、政策協議で合意したうえで賛成する構えだ。

 谷垣氏は緊急役員会後に記者会見し、政権との協力関係について「国家的危機だから可能性を全く否定するつもりはない。議論を通じてどういう信頼感、協力関係が醸成されるのか、されないのかだ」と指摘。情勢変化や民主党のマニフェスト(政権公約)修正の動きや、首相の進退も見極めたうえで、協力を強化することに含みを残した。

 与野党は大震災後、政治休戦で合意した。ただ、復旧・復興を目的とする2011年度補正予算案の編成や、特別立法などの早期成立には参院で野党多数の「逆転国会」が壁となる。国民新党の亀井静香代表や民主党の輿石東参院議員会長は大連立による「救国内閣」構想を主張している。

110314 名古屋市議選、減税日本は28議席 [朝日]

 名古屋市議会解散に伴う出直し市議選(定数75)は14日未明、開票が終了し、全議席が確定した。河村たかし市長が代表の減税日本(解散前1)は28議席で第1党に躍進、最大会派だった民主党(同27)は11議席と惨敗して第4党に転落した。

 自民党(同23)は19議席で第2党を維持。公明党(同14)は公認した12人全員が当選した。共産党(同8)は5議席で、8人を立てて同市議選に初めて臨んだみんなの党(同0)は0議席に終わった。投票率は43.96%(前回39.97%)。

110311 菅首相「献金、外国籍と知らず」 辞任を否定 [朝日]

 菅直人首相は11日の閣僚懇談会で、自らの資金管理団体が在日韓国人系金融機関の元理事から計104万円の献金を受けていた問題について「(献金した)その人は知っているが、外国籍だとはわからなかった。私としてはこれからも頑張っていきたい」と語り、首相辞任を否定した。ただ、野党だけでなく与党からも政治責任を問う声が出ており、今後、首相退陣論が高まる可能性もある。

110311 菅首相に違法献金の疑い 在日韓国人から 首相側未回答 [朝日]

 菅直人首相の資金管理団体が、2006年と09年に、在日韓国人系金融機関の元理事から計104万円の献金を受けていたことが、朝日新聞の調べでわかった。元理事の親族や複数の関係者は元理事について在日韓国人と説明している。政治資金規正法は外国人からの寄付を禁じている。

 複数の関係者を通じて10日夜に首相側にコメントを求めたが、11日午前1時現在、回答はない。元理事には経営する会社を通じて取材を申し入れたが連絡はない。

 献金を受けていたのは菅首相の資金管理団体「草志会」(東京都武蔵野市)。同団体の政治資金収支報告書によると、旧横浜商銀信用組合(現中央商銀信用組合)の元理事の横浜市内の男性(58)から民主党代表代行だった06年9月に100万円、09年3月に2万円、同8月に1万円、政権交代後の副総理兼国家戦略担当相だった同11月に1万円の計104万円の献金を受け取っていた。

 いずれも、献金者名の欄には「通名」である日本名が記載され、職業は「会社役員」とされている。

 この男性は07年6月まで旧横浜商銀信組の非常勤理事を長年務めた。商業登記簿などによると、東京都内のパチンコ店などを経営する会社の代表取締役を務めている。

 朝日新聞の取材に、複数の商銀関係者や親族は、元理事が韓国籍だと話している。

110309 主婦年金で厚労相陳謝 新救済策に野党側「国会軽視」[朝日]

 専業主婦の年金救済問題をめぐり、細川律夫厚生労働相は9日の衆院厚労委員会で、「混乱を生じたことについては大変申し訳なかった」と陳謝した。一方、菅政権が8日に新しい救済案を決めたことについて、野党側は「国会軽視だ」と反発している。

 新しい救済案は、夫の退職に伴って必要な国民年金への切り替えをしなかった主婦に対して、保険料の未納期間を加入していたものとみなしたうえで、その期間の保険料の後払いを認めるもの。8日夜に、細川厚労相や片山善博総務相らが協議して決めた。

 これについて、社民党の阿部知子氏は「委員会の審議なく一方的。国会軽視だ」と批判。そのうえで「当時、低所得だったことが証明できる人には保険料を免除された期間とみなしてはどうか」と提案した。細川氏は「低所得者だった場合のことも念頭に入れて検討を進めたい」と答弁。新しい救済案では保険料を後払いできない期間は年金額に反映されないが、低所得者に配慮する考えを示した。

 また、細川氏はこの日の参院予算委で「(自分は)報告を受けていないが、政務官は報告を受けた」と言及。課長通知で実施した旧救済策について、事前に説明を受けていなかったことを改めて強調した。

 公明党はこの日午前の参院予算委の理事会で、旧救済策を決めた当時の厚労相だった長妻昭氏の参考人招致を求めた。

110307 前原外相辞任 後任、松本剛氏らの名 外国人献金問題 [朝日]

 前原誠司外相は6日夜、首相公邸で菅直人首相と会談し、在日外国人からの政治献金受領問題の責任を取って辞任する意向を伝えた。首相は慰留したが、最終的に辞任を受け入れた。重要閣僚の辞任で、首相の政権基盤が一層弱体化するのは確実だ。

 菅内閣の閣僚辞任は、柳田稔元法相らに次いで3人目となる。前原氏の後任には、松本剛明外務副大臣の昇格などが取りざたされているが、数日間は首相か枝野幸男官房長官が兼務する見通しだ。

 前原氏は6日午後6時半すぎに首相公邸を訪れ、首相と約1時間45分会談した。途中から枝野官房長官、福山哲郎官房副長官も同席し、前原氏の辞意を受け入れた。

 会談後、前原氏は外務省で記者会見し、「一両日熟慮を重ねた結果、外相の職を辞することにした。クリーンな政治を目指してきたのにもかかわらず、政治とカネの問題で不信を招いたことを国民におわびする」と陳謝。辞任の理由について「金額の多寡にかかわらず、外国人から献金を受けていたことは重い。政治資金の管理責任は私自身にあり、政治家としてのけじめをつける」と語った。

 また、前原氏は自らの政治献金の調査結果として、京都市内に住む在日韓国人女性から2005~08年の4年間と、10年の計5年間に毎年5万円ずつ計25万円の献金を受けていたことを明らかにした。

 前原氏は問題が発覚した4日、首相官邸で首相と会談した際、すでに辞意を伝えていた。だが、この時は首相が強く慰留し、前原氏もいったんは判断を先送りした。ただ、前原氏の外相続投のままでは野党が反発し、国会審議の見通しが立たなくなるうえに、前原氏の辞意も固かったことから、首相も最終的には前原氏の辞任を受け入れざるを得ないと判断した。

 前原氏は「ポスト菅」の最有力候補だったが、次の民主党代表選への立候補は極めて厳しい情勢になった。昨年9月の外相就任から約6カ月。前原氏は民主党代表だった06年3月、「偽メール事件」で代表辞任表明に追い込まれたことがある。

110301 11年度予算案、衆院通過へ 関連法案は先送り [朝日]

 92.4兆円の2011年度予算案は28日夜、衆院予算委員会で与党の賛成多数で可決された。3月1日にも衆院を通過する。予算は憲法の規定で30日後に自然成立するため年度内成立は確実になったが、歳入を裏付ける予算関連法案は年度内成立のめどが立たず、菅政権は衆院採決を先送りした。歳出の議論だけを進める異例の事態だ。展望を欠く菅直人首相の政権運営は厳しさを増すのが必至だ。

 内閣支持率は2割前後と低迷し、当面の政権浮揚策は見当たらない。民主党代表選で対決した小沢一郎元代表側だけでなく、党内中間派や首相を支持してきた議員からも公然と退陣論が語られる。小沢氏に近い衆院比例の16議員が予算案採決の衆院本会議に欠席方針を決めるなど、政権の求心力低下は著しい。

 首相は28日の衆院予算委で「まず予算を(衆院)通過、成立させていただき、できるところから予算関連法案を成立させていただく」と語った。参院で予算案の審議を進める間に衆院側で野党と予算関連法案の歩み寄りを探る。

 政権は、協力が得られれば参院の過半数が得られる公明党との関係を最優先。同党の意見を採り入れ、子ども手当法案に所得制限を盛り込むことも検討する。一方、赤字国債を発行する特例公債法案や、法人実効税率5%引き下げなどの税制改正法案は同党の賛成が見通せない。

 首相周辺からは「与野党のどちらが先に激突回避で逃げるかという『チキンレース』だ」との声が上がり、「特例公債法案が通らなければ議員歳費や政党交付金を停止していく。我が党は蓄えがあるが、困るところも出てくるはずだ」(民主党幹部)と強気の見方もある。だが、ある政府高官は「政権内で強気と弱気が交錯している」。関連法案が年度内に成立せず、4月以降の国民生活や経済状況に影響が出てくれば、国民の批判が政権側に向きかねない。
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