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■景気・経済11Ⅰ

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■景気・経済10Ⅰ から
最新の情報は、■景気・経済?

111022 ギリシャに80億ユーロ融資決定 EU財務相会合 [朝日]

 欧州連合(EU)のユーロ圏17カ国は21日、ブリュッセルで財務相会合を開き、ギリシャへのつなぎ融資の実行を決めた。また、ギリシャ国債を持つ銀行などの投資家に、損をかぶってもらう比率を高めるよう頼む方向で協議したが、結論は出なかった模様だ。

 融資額は、国際通貨基金(IMF)の分もあわせて計80億ユーロ(約8480億円)で、11月上旬にも払い込む。ギリシャが投資家に返済を約束したお金が突然返せなくなる「債務不履行(デフォルト)」は、当面は避けられる。

 融資は計1100億ユーロの1次支援の一部。9月末に融資する計画だったが、ギリシャの財政再建が計画通りに進まなかったため、EU欧州委員会などが、財務計画を点検していた。ギリシャ議会が20日までに、追加で財政赤字を減らす法案を可決したことなどから、融資を決めた。

111020 ギリシャ議会が緊縮策原則承認、抗議デモ暴徒化 [読売]

 【ローマ=末続哲也】ギリシャ議会(定数300)は19日夜、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から80億ユーロ(約8400億円)のつなぎ融資を受けるための条件となっている、公務員3万人の一時帰休などを含む財政緊縮策の原則について採決を行い、与党・全ギリシャ社会主義運動の全議員154人の賛成で承認された。

 20日には緊縮策の細目に関する採決が行われる。与党の賛成で可決される見通しで、一連の緊縮策は23日のEU首脳会議を前に正式承認される。

 19日には緊縮策に抗議する48時間のゼネストが始まり、全国でデモなどが展開された。首都アテネでは財務省を含む多くの省庁や公共機関が閉鎖状態となり、10万人規模のデモも行われた。一部は暴徒化して火炎瓶や石を警官隊に投げつけ、警官側も催涙ガスを発射するなど激しく衝突した。ロイター通信によると警官25人が負傷し、デモ参加者28人が拘束された。

111012 EU、銀行資本増強策発表 厳しい再査定実施へ [朝日]

 欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長は12日、政府債務(借金)問題で経営が悪化した銀行の資本増強策を発表した。銀行への特別検査(ストレステスト)を事実上やり直し、従来より厳しい基準で資産内容を査定する。資本不足の銀行には3段階で資本増強を迫り、自力で資金を集められない銀行には公的資金を注入する方針だ。

 今回の検査は、銀行が持つ国債の資産価値が適正かどうかに絞って実施する。財政危機のギリシャなどが発行した国債の取引価格が金融市場で急落している場合には、各行が持つ国債も値下がり分の一部を反映させ、損失を計上させる見通しだ。その結果、資本が足りなくなった銀行には、資本増強計画を立てさせ、早急な実施を義務づける。この際には「一時的にかなり高い水準」まで資本を増やすことを求める。

 資本不足の銀行にはまず、自力で資金を集めるよう促す。それができないときは、経営基盤を置く国の政府が公的資金を注入する。政府の資金注入が難しい場合は、ユーロ圏各国が出資する「欧州金融安定化基金(EFSF)」から資金注入する、という3段階で資本増強を迫る。

111012 ギリシャに80億ユーロ融資へ 債務不履行は当面回避 [朝日]

 欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)は11日、財政危機のギリシャへの融資を継続し、11月上旬に80億ユーロ(約8300億円)を払い込む見通しになったと発表した。これで、ギリシャが突然お金を返せなくなるような「債務不履行(デフォルト)」は当面避けられる方向になった。

 一方、ギリシャなどを支援する緊急融資制度「欧州金融安定化基金」(EFSF)の拡充策について、スロバキア議会は11日、承認手続きに入った。承認されれば、経営難の銀行に資金注入することなどができるようになり、危機回避に向けた欧州の包括策づくりが前進する。

 ただ、スロバキア議会では同日、EFSF拡充策を承認するかどうかの採決について、連立与党の一つと野党が棄権に回る構えを見せている。拡充策が同日中に承認されるかどうかは微妙な情勢だ。

111010 国の除染基準、1ミリシーベルトに引き下げ 環境省案 [朝日]

 東京電力福島第一原発事故に伴い放射性物質に汚染された土地の除染と災害廃棄物の処理について、環境省は10日、来年1月施行の特別措置法の基本方針案を決めた。除染は事故で過剰に被曝(ひばく)する放射線量(追加被曝線量)が年1ミリシーベルト以上の地域、災害廃棄物の処理は1キロ当たり8千ベクレル超を基準に、国の責任で対処する。

 同省は当初、特措法に基づいて国の責任で全面的に除染作業をする地域を年5ミリシーベルト以上とし、1~5ミリシーベルトの地域は局所的に線量が高い地点に限るとの方針を示した。しかし、国際防護委員会が勧告する1ミリシーベルト以下を目標に除染をすべきだとの批判が福島県内の自治体から相次ぎ、細野豪志環境相が除染基準の見直しを明言していた。

 文科省が実施した空機モニタリングによる線量調査では1ミリシーベルト以上の地域は福島県をはじめ宮城、茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、東京の8都県に上るが、同省は、地上での計測で実際には1ミリシーベルト以上にならないエリアも考えられるとしている。

111010 海外に住む日本人の増加率 過去10年で最低 [朝日]

 海外に住む日本人の増加率が過去10年で最も低かったことが外務省の調査でわかった。昨年10月時点で海外在住の日本人(3カ月以上の長期滞在者と永住者の合計)は約114万人で、前年から1.0%増にとどまった。企業関係者や留学生などの長期滞在者の増加率が0.07%とほぼ横ばいだったことが影響した。

 都市別の長期滞在者数は上海が約5万人で4年連続1位。ニューヨーク、ロサンゼルスと続いた。永住者を含む邦人数の合計はロサンゼルスが最多だった。

111010 ベルギー政府、デクシアの国内銀行部門を一時国有化 [朝日]

 経営破綻(はたん)したフランス・ベルギー系の金融大手デクシアは10日、フランス・ベルギー・ルクセンブルクの3カ国政府の支援を受け、グループを解体処理することを正式発表した。ベルギー政府は40億ユーロ(約4100億円)の公的資金を投じ、ベルギー国内の銀行部門を一時国有化する。

 昨春以降、ギリシャを発端とする政府債務危機が起きて以来、初めての金融機関の破綻となり、初めて公的資金が投入される。預金は全額保護される。

 3カ国はデクシアの資産に対して10年間で計900億ユーロ(9.4兆円)の保証を付け、不良資産と優良資産に分けて再建を進める。保証割合はベルギー60.5%、フランス36.5%、ルクセンブルク3%。

110916 ギリシャ追加支援、早期実施で一致 ユーロ圏財務相会合 [朝日]

 欧州連合(EU)のユーロ圏17カ国の財務相は16日、ポーランドのウロツワフで会合を開き、7月に決めたギリシャの追加支援策をすべて早期に実行することで一致した。ギリシャに対しても、現在進めている財政再建を完全に実行することを求めた。

 予想以上の景気悪化でギリシャの財政赤字の削減が進まないことから、金融市場では、EUなどの支援が滞り、ギリシャ国債が約束通りにお金を返せない「債務不履行(デフォルト)」となる懸念が高まっていた。今回、ユーロ圏各国が支援継続で足並みをそろえたことで、ひとまず債務不履行は回避されそうだ。

 また、昨春決まった第1次支援策に基づく80億ユーロ(約8500億円)の融資についても、現在、EUの欧州委員会などの検討チームがギリシャの財政状態を査定中。会合後に記者会見したユンケル議長(ルクセンブルク首相)は「10月にも融資が実行される」との見方を示した。

110824 ムーディーズ、日本国債を1段階格下げ 「Aa3」に [朝日]

 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、日本国債の格付けを上から3番目の「Aa2」から4番目の「Aa3」に1段階引き下げると発表した。東日本大震災で政府支出の増加が見込まれるなか、財政赤字削減の具体策が見えないと指摘。債務返済の可能性が低下したと判断した。

 ムーディーズによる格下げは、2002年5月以来9年ぶりになる。「Aa3」は中国や台湾と同じで、先進国ではイタリアを下回る最低ランクになる。

 格下げの理由についてムーディーズは、震災による支出増のほか「原発事故で経済成長が弱まり、赤字削減目標の達成を一層困難にしている」と説明している。政府による税と社会保障制度の改革案も「詳細に欠ける」としており、消費税の引き上げ時期を「2010年代半ばまで」とするにとどめていることなどが影響したとみられる。

110824 パソコン生産、中国から日本国内に回帰 HP日本法人 [朝日]

 米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)の日本法人は24日、ほぼすべての国内向けパソコンの生産を今後、現在の中国から東京都昭島市の自社工場に移管する方針を明らかにした。

 国内生産によって納期を従来の約3週間から5日間に短縮。人件費は4倍になるが輸送費などを合わせると経費はほぼ同じという。日本法人の岡隆史副社長は「損益を左右する機会損失や過剰在庫を避けられる利点が大きい」と話した。

 コスト削減のため海外生産に移行する企業が大半のなか、法人需要の一大消費地である東京近郊に生産拠点を戻す「逆張り」戦略で、顧客の取り込みを狙う。今月から法人向けノート型パソコンの2機種の生産を始め、段階的に個人向けにも拡大する。デスクトップ型はすでにほぼすべてを昭島市で生産している。

110819 NY市場で1ドル75円台突入、戦後最高値を更新 [朝日]

 19日午前(日本時間同日深夜)のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1ドル=75円95銭まで上昇し、東日本大震災直後の3月につけた1ドル=76円25銭の戦後最高値を約5カ月ぶりに更新した。米経済の先行きへの不安が高まってドルが売られ、比較的安全な通貨とされる日本の円が買われている。政府・日本銀行は再度、円売りの市場介入と追加の金融緩和を検討する見通しだ。

 米政府の債務上限引き上げを巡る混乱や、米国債の初の格下げで、米国の財政に対する不安が台頭し、米国経済の景気後退懸念も広がっている。

 さらに米連邦準備制度理事会(FRB)が9日、2013年半ばまで事実上の「ゼロ金利政策」を続けると表明。ドルが当面の間、安値で推移するとの見通しが投資家に広がっていた。欧州財政危機でユーロも安く推移しており、消去法的に円が買われやすい状況が続いている。

110815 グーグル、モトローラ買収へ 1兆円、スマホ部門強化 [朝日]

 米インターネット検索最大手グーグルは15日、米通信機器大手モトローラ・モビリティを買収すると発表した。買収額は125億ドル(約9600億円)。携帯電話メーカーを手に入れることで、今後さらに拡大が見込まれるスマートフォン(多機能携帯電話)事業に注力する。

 検索サービスやソフトを手がけてきたグーグルが本格的なハード事業に進出するのは初めて。スマートフォン分野で、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」との競争が激しさを増すのは確実だ。米欧の独禁当局の承認を得て、2011年末か12年初めに買収を完了させる予定。

 グーグルは、無料のスマートフォン向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」事業の拡大を急いでいる。日系メーカーや韓国サムスン電子などが採用しているが、モトローラを通じてアンドロイドに適した自前のハード開発も手がけ、ライバルとの競争を優位に進めるねらいがある。

110808 G7協調の効果限定的 NY株一時385ドル安 [朝日]

 主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁が8日、「市場安定化」を目指す共同声明を出したにもかかわらず、同日のニューヨーク株式市場は一時、前週末比385ドル安となった。アジア、欧州も大幅に下げ、世界同時株安になっている。ドル売りにも歯止めがかからず、円相場は1ドル=77円台の「超円高」が続いている。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が先週末、米国債を初めて格下げしたことを受け、週明け8日のニューヨーク市場は取引開始直後から売り注文が殺到した。ダウ工業株平均は一時、約8カ月ぶりの安値水準となった。正午(日本時間9日午前1時)時点は前週末比で294.19ドル安い1万1150.42ドル。

 これに先立つ東京株式市場も日経平均株価が一時、前週末比242円安まで急落。終値は同202円32銭(2.18%)安い9097円56銭で、東日本大震災直後の3月17日以来4カ月半ぶりに9100円を割り込んだ。他のアジア市場も一時、韓国の主要株価指数が7.4%、中国・上海が4.9%それぞれ下げ、終値も3%前後値下がりした。

110809 東証一時8700円割れ 世界株安止まらず [朝日]

 米欧の政府債務(借金)問題に端を発した世界株安が広がっている。8日のニューヨーク市場が600ドルを超える暴落になったのに続き、翌9日の東京市場も日経平均株価が一時400円を超える下落となり、8700円を割り込んだ。円相場も1ドル=76円台近くまで「超円高」が進んだ。

 東京証券取引所第1部に上場する株式の98%が値下がりする全面安になった。日経平均は一時、前日比440円77銭(4.84%)安い8656円79銭まで下げた。午前の終値は同403円25銭(4.43%)安い8694円31銭。午後1時時点の日経平均は同308円72銭安い8788円84銭。

 日経平均が8600円台まで下げたのは東日本大震災直後の3月17日以来約4カ月半ぶり。世界株安が始まった今月2~8日の5営業日で867円下げており、9日の最安値水準で1300円超下げたことになる。今年最安値は取引時間中が3月15日の8227円63銭、終値が同日の8605円15銭だ。

 東証1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)の午前の終値は同36.34ポイント低い746.52。

 円高で輸出に悪影響が出る電機や自動車メーカーの株価が下げている。また、金融不安を警戒して、みずほフィナンシャルグループ(FG)や三井住友FGが今年最安値になった。SMBC日興証券の西尾浩一郎氏は「不安が不安を呼び、投資家が過剰に反応している」とみている。

 他のアジア市場も株安が続いている。株価指数は韓国で一時9%超、香港で一時7%超下げ、前日に続いて今年最安値を更新した。

 東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=77円00銭台まで円高が進んだ。午後1時現在は前日午後5時時点より70銭円高ドル安の77円17~20銭。対ユーロは同2円03銭円高ユーロ安の1ユーロ=109円76~81銭。(山本知弘、岡林佐和)

110803 日米で株価急落、東証午前217円安 金価格は最高値 [朝日]

 日米の株価が急落している。米国債の格下げ懸念に加えて、2日には米国の 個人消費が鈍っていることが明らかになり、米国景気の失速懸念が強まった。投資資金は株式から逃避し、「安全資産」とされる国債や金に流れこんでいる。

 2日のニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均が前日比265.87ドル安い1万1866.62ドルで取引を終え、3月18日以来約4カ月半ぶりの安値水準となった。ダウ平均の下落は8営業日連続で、リーマン・ショック直後の2008年10月以来の長期下落になった。

 3日の東京株式市場も全面安になっている。日経平均株価の午前の終値は同217円47銭(2.21%)安い9627円12銭で、6月28日以来の9700円割れになった。午後1時時点は同201円04銭安い9643円55銭。韓国や豪州の株価指数も軒並み下げ、米国発の株安が世界の市場に広がっている。

 株安のきっかけは、2日に発表された6月の米個人消費支出が1年9カ月ぶりに前月比マイナスとなり、米国経済を引っ張る個人消費の鈍化が明らかになったためだ。前日発表の製造業の景況指数も低調だった。

 格下げ懸念で売られるはずの米国債だが、株式から逃避した資金が流れ込み、価格が上昇(金利は低下)した。2日のニューヨーク債券市場では長期金利が前日比0.139%幅低い2.610%となり、昨年11月以来の低さになった。

 日本国債も買われた。3日の東京債券市場では長期金利が前日比0.030%幅低い年1.010%になり、1%割れに迫った。

 同じく安全資産の金の価格も上昇した。2日のニューヨーク金相場は時間外取引で一時、指標となる先物価格が1トロイオンス=1664.2ドルの史上最高値をつけた。3日の東京工業品取引所の金先物市場では主要指標の価格が一時、1グラム=4126円となり、1982年以来29年ぶりの高値水準になった。

 一方、3日の東京外国為替市場の円相場は午後1時現在、前日午後5時時点より07銭円安ドル高の1ドル=77円29~30銭。

110807 米国債格下げ:米政府、S&Pと攻防 異例のクレームも [毎日]

 【ワシントン斉藤信宏】米国債が最も信用力がある最高位の格付けから初めて降格した。基軸通貨ドルに裏打ちされた「世界で最も安全な投資先」の信用は大きく揺らぎ、格付け制度開始から70年の「格下げショック」が世界を襲う。ギリシャ財政問題が拡散し、ユーロ危機のふちにある欧州、東日本大震災に痛撃され、円高に苦しむ日本。日米欧の混迷に主要7カ国(G7)が対応に乗り出すが、世界経済の失速懸念は強まるばかりだ。

 米国債格付けを「トリプルA」から1段階下の「ダブルAプラス」への格下げに踏み込もうとする米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)と、阻止しようとする米財務省の攻防が始まったのは5日午前。

 S&Pは7月、「信頼できる解決策」として最低4兆ドル(約310兆円)規模の財政赤字削減策が必要とし、それに達しない場合は「格下げの方向で見直す」と警告。しかし、2日成立した債務上限引き上げ法では2.4兆ドルにとどまった。

 米メディアによると、S&P担当者が財政再建策を「不十分」として財務省に格下げ方針を伝達。同省高官はオバマ米大統領に事情を説明し、同省職員らにはS&Pのリポートの分析を急ぐよう指示を出した。

 数時間後、リポートに盛り込まれた将来の米財政赤字額の予想に約2兆ドルの大きなズレがあることが判明。「予想が2兆ドルも違っている。こんなリポートに基づいて格下げする気なのか」。同省担当者が詰め寄ったが、S&P側は間違いを認めつつ、「格下げの決定には影響しない」と突っぱねたという。

 オバマ政権は、ドルを基軸通貨とする現在の通貨体制を死守しようと躍起だった。フランスのサルコジ大統領はかねてドル基軸通貨体制に疑問を呈し、中国国内でも「新たな準備通貨」の検討が論じられている。

 基軸通貨ドルと米国債。米国経済にとって非常に重要な二つの「武器」を守るため、米政府は最後まで粘り腰で抗戦したが、結局、投資家側に立ち、原則を重んじる格付け側の主張を受け入れざるを得なかった。

 格下げで年末に米議会で成案を得る財政赤字削減への圧力は強まる。共和党トップのベイナー下院議長は格下げは「野放図な支出が招いた結果」と指摘。12年大統領選で再選を目指すオバマ大統領は正念場を迎える。

 格付け大手3社のうち米ムーディーズ・インベスターズ・サービスと欧州系のフィッチ・レーティングスは「トリプルA」維持を表明したばかり。S&Pが5日夜に発表した「格下げショック」は瞬時に世界に伝わった。

 その数時間前に取引終了した米株価は乱高下した。ダウ工業株30種平均は前日終値比170ドル超も上昇した2時間半後に同240ドル安まで急落。差は400ドルを超え、プラス圏とマイナス圏を50回余りも行き来した。

 震源地はドルと並ぶ巨大通貨ユーロを抱える欧州。イタリア、スペインの国債利回りが急上昇した。イタリア国債の市場規模は日米に次ぐ世界3位。債務不履行の懸念が高まれば「ユーロ危機」を超え影響は世界に及ぶ。

 危機感を強めたオバマ大統領は5日午後、メルケル独首相、サルコジ大統領と相次いで電話で協議。ホワイトハウスによると、オバマ大統領はギリシャ追加支援策を柱とする7月のユーロ圏首脳会議合意を「重要な進展」と指摘、着実な実施を求めた。G7は一両日中に財務相の緊急電話協議を行う方向だ。

 週明け金融市場では、ドルや米国株が売られる「米国売り」など波乱が予想される。G7電話協議は、世界最大の経済大国・米国とユーロ経済けん引役の独仏などが結束を誇示し、市場の動揺を抑えるのが狙いで、ユーロ圏諸国の債務危機の安全網となる欧州金融安定化基金の拡充や米国債格下げ対応などを話し合う見通しだ。

110728 パナソニック、三洋の白物家電事業売却へ 中国大手に [朝日]

 パナソニックが、子会社の三洋電機の洗濯機と冷蔵庫事業を、中国の家電大手ハイアール(海爾集団)に売却することが28日分かった。三洋電機とハイアールが近く基本合意し発表する。パナソニックにとって、懸案だった三洋との重複事業の整理が大きく進むことになる。

 売却の対象は、三洋電機が日本と東南アジアに持つ洗濯機・冷蔵庫関連の子会社など10社程度。国内では洗濯機をつくる三洋アクアや、冷蔵庫を開発するハイアールとの合弁会社ハイアール三洋エレクトリックなどが対象になる。今年度内をめどに開発・製造・販売拠点を譲渡する。

 売却額は100億円程度で、約2千人の従業員も大半がハイアールに移る見込み。ハイアールは三洋の技術やブランドを活用して、日本での事業拡大を図る。

110806 米国債、初の格下げ S&P、最上位のAAAから1段階 [朝日]

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5日、米長期国債の格付けを最上位の「AAA(トリプルA)」から1段階引き下げて「AA+(ダブルAプラス)」に格下げした、と発表した。大手格付け会社が米国債を格下げするのは初めて。

 米国は現在、約14.6兆ドル(約1100兆円)の巨額債務を抱えている。S&Pは、米政府の債務削減計画が格付けを維持するには不十分と判断した。

 さらに今後の格付けの見通しを、追加引き下げの可能性がある「ネガティブ(弱含み)」とした。今後2年以内にさらに1段階格下げして「AA(ダブルA)」にする可能性があるという。

 S&Pは1941年に米国債を「AAA」に格付けし、70年間維持してきた。世界で最も流通している債券である米国債の格下げは米金利の上昇(価格は低下)につながるだけでなく、保有する世界各国や金融機関、投資家らに影響を与えかねない。米国の信用低下により、ドルが売られ円高がさらに進む可能性もある。

110726 NY株、米国債格下げ不安で88ドル安 金は史上最高値 [朝日]

 25日のニューヨーク株式市場は、米債務上限引き上げ問題に対する不安から下落した。大企業で構成するダウ工業株平均は、前週末比88.36ドル(0.70%)安い1万2592.80ドルで取引を終えた。

 米債務上限の引き上げを巡る米議会の協議は25日夕まで決着せず、米国債がデフォルト(債務不履行)に陥って格下げされるリスクへの不安が高まった。ダウ平均の下げ幅は一時、前週末比で140ドルを超えた。

 ハイテク株主体のナスダック総合指数は16.03ポイント(0.56%)安い2842.80。

 投資資金は安全資産とされる金に向かい、ニューヨーク金相場は、指標となる先物価格が前週末比で10.7ドル高い1トロイオンス=1612.2ドルになった。終値としては史上最高値を更新した。(ニューヨーク=山川一基)

110701 レノボ・NEC合弁会社発足 PC国内シェア3割目指す [朝日]

 パソコンで国内首位のNECと中国首位のレノボ・グループ(聯想集団)は1日、日本国内でのパソコン事業を統括する合弁会社を設立した。部品調達や開発を共通化してコスト削減を進め、パソコンの国内シェアを今の計2割強から3割にすることを目指す。

 レノボが51%、NECが49%を出資した合弁会社「レノボNECホールディングス」を発足させ、傘下にNECのパソコン関連会社とレノボ日本法人が入る。それぞれの製品ブランドは引き続き維持する。今後はタブレット型端末の開発やサーバーの販売などで協力することも検討する。

 合弁会社については、レノボがNECの同意を前提に全株式を取得する権利を持っている。ただNECは今のところ、全株式を手放す可能性を否定している。

110627 日経平均下げ幅、一時100円超 9600円割り込む [朝日]

 27日の東京株式市場は、前週末の米国株式市場が大幅に値下がりした流れを引き継ぎ、下落している。日経平均株価の下げ幅は一時100円を超え、9600円を割り込んだ。

 日経平均の午前の終値は前週末比83円53銭(0.86%)安い9595円18銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同7.06ポイント(0.85%)低い826.14。出来高は7億8千万株だった。

 米株価の値下がりに加え、欧州の財政不安を背景とする円高ユーロ安が嫌気された。午前の取引では、輸出関連株を中心に幅広い銘柄で売りが先行。東証第1部33業種のうち31業種が値下がりした。「世界経済の減速を懸念して投資家が売りに出ている」(大手証券)との見方もある。

110224 東証、一時100円超す下落 原油高騰で景気減速懸念 [朝日]

 24日の東京株式市場は欧米市場の株価下落を受け、値下がりしている。日経平均株価は一時、100円超の下落となり、3週間ぶりに1万0500円を割りこんだ。

 日経平均の午前の終値は同44円55銭(0.42%)安い1万0534円55銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同4.62ポイント(0.49%)低い942.26。出来高は11億6千万株だった。

 石油資源関連企業の株式が上昇しているものの、そのほかは幅広く売られている。原油価格高騰で「米国や世界全体の景気減速懸念が強まっている」(大手証券)という。

110222 世界の原油相場急騰 リビア情勢緊迫化、先行き不透明 [朝日]

 【ロンドン=有田哲文、ニューヨーク=山川一基】世界の原油相場が急騰している。中東の政情不安が原油産出国のリビアに及び、先行き不透明感が高まったためだ。市場では、最大産油国のサウジアラビアなどに波及することへの懸念がくすぶっている。世界的に警戒感が広がるインフレがさらに進むおそれもある。

 21日の米国市場は祝日で休みだが、ニューヨーク商業取引所の米国産WTI原油の先物価格は、時間外取引で一時1バレル=94.30ドル台をつけた。前週末の通常取引の終値を8ドル以上上回り、2008年10月以来、約2年4カ月ぶりの高値水準となった。

 同市場ではエジプトの混乱が深まった1月末、スエズ運河が閉鎖されるとの観測などから原油相場が高騰。その後は下落傾向にあったが、リビア情勢の緊迫化で21日に大きく値を上げた。

 欧州の指標である北海ブレント原油の先物価格も一時、1バレル=105ドルを上回り、ロイター通信によると約2年半ぶりの高値をつけた。

 日本向けの原油価格の指標となる「ドバイ」の21日のスポット価格(東京市場)は、1バレル=100ドルと約2年5カ月ぶりに100ドル台の高値となった。

 リビアでは石油関連企業の活動に影響も出始めている。英PA通信によると、国際石油資本の英BPが砂漠での原油掘削に向けた準備作業を中止する方向。ロイター通信によると、ノルウェーのスタットオイルや英・オランダ系のロイヤル・ダッチ・シェルでも従業員を退避させる動きが出ている。

110127 米、実質ゼロ金利を維持 追加緩和も継続 FRBが声明 [朝日]

 【ワシントン=尾形聡彦】米連邦準備制度理事会(FRB)は26日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、2008年12月から続けている実質ゼロ金利政策を維持すると共に、昨年11月に導入した大規模な追加金融緩和を予定通り続ける姿勢を示した。

 FRBは米景気の現状について「経済回復は続いているが、労働市場に大きな改善をもたらすには不十分なペースだ」として、昨年12月の声明とほぼ同様の景気認識を示した。昨年11月に決めた今年6月末までに6千億ドルの国債を購入するという追加緩和については計画通り継続する方針を示した。

110127 日本国債の格付け、1段階引き下げ 米S&P [朝日]

 米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27日、日本の国債格付けを「AA」から「AAマイナス」に1段階引き下げたと発表した。「民主党政権には債務問題に対する一貫した戦略が欠けている」とし、大規模な財政再建策がとられない限り、日本の財政赤字が今後も悪化していくことを理由に挙げた。

 S&Pが日本国債の格付けを下げるのは2002年4月以来、8年9カ月ぶり。

 格付けは、借金の返済能力について専門機関が判断したもの。AAマイナスは、21段階あるS&Pの格付けのうち上から4番目。世界の主要7カ国の中ではイタリアに次いで悪く、中国や台湾、クウェート、サウジアラビアなどと同じ水準だ。

 S&Pは、急速な少子高齢化が日本の財政・経済見通しを悪化させているとし、2020年代半ばまで財政再建が進まないと予測した。

 菅政権は消費増税と社会保障の一体改革を掲げ、自民党などの野党に協議を呼びかけているが、見通しは立っていない。S&Pはこうした国内の政治状況を踏まえ、「政府の支払い能力が大幅に改善する可能性は低い」と指摘。参議院で与党が議席の過半数をもっていない「ねじれ国会」のなかで、来年度の国債発行を認める予算関連法案を含めて、「11年度予算案と関連法案が国会の承認を得られない可能性さえある」とも言及した。

 その一方で、S&Pは、日本の国や企業などがもつ対外資産は世界最大で、経常黒字が続いていることから、当面は格付けをこのまま維持する考えだ。政府が財政再建と経済成長に向けた施策を実行できれば、「格上げを検討する」としている。

 S&Pは、07年4月に「財政再建の取り組みが進んでいる」として日本国債の格付けを1段階上げたが、昨年1月には、財政悪化や長引くデフレを理由に「格下げ方向で見直す」としていた。

 菅政権は、財政再建が待ったなしに迫られているとして、自民党など野党に対して改革協議への参加要請をさらに強めるとみられる。

 東京市場では、円が売られ、1ドル=82円20銭台から83円20銭台へと円相場は一時急落したが、その後は83円前後で推移。27日のニューヨーク市場は82円台後半で推移している。長期金利の目安となる新発10年物の日本国債は売られ、価格は下落(金利は上昇)したが、小幅にとどまった。日本国債のおもな買い手である大手生保の運用担当者は「格下げの可能性は以前から指摘されており、大きな驚きはない。日本国債への投資姿勢は変わらない」と、冷静に受け止めている。(野島淳)

110115 ニューヨーク株、金融大手決算好調で2年半ぶり高値 [朝日]

 【ニューヨーク=山川一基】14日のニューヨーク株式市場は反発。大企業で構成するダウ工業株平均は前日比55.48ドル(0.47%)高い1万1787.38ドルで取引を終えた。終値としては2008年6月下旬以来約2年半ぶりの高値水準。

 朝方発表された米金融大手JPモルガン・チェースの昨年10~12月期決算が大幅な増益となり、ほかの金融大手株も買われた。ハイテク株主体のナスダック総合指数は20.01ポイント(0.73%)高い2755.30だった。

110105 ユニクロ国内不振、冬物衣料伸び悩み 安さ志向に変化も [朝日]

 ファーストリテイリングが5日発表したカジュアル衣料品店「ユニクロ」の昨年12月の既存店売上高(国内698店)は、前年同月より15.5%減った。5カ月連続の前年割れ。ヒートテックやダウンコートの販売に力を入れたものの、デフレ下で業績を伸ばしてきたユニクロの失速が浮き彫りになっている。

 購入客数は同10.0%減、客1人あたりの購入額は同6.1%減だった。売上高は昨年11月も同14.5%減。広報担当者は「販売促進のキャンペーンが昨年よりも少なかったため」と話すが、「稼ぎ時の冬場には回復する」(証券アナリスト)との見方が多かっただけに、不振の長期化が注目されそうだ。

 これまではユニクロなどに押されて低迷していた大手百貨店では昨年12月、婦人服や高級ブランド品の売れ行きが堅調だった。「消費者が安さに反応しなくなっている」(大丸松坂屋百貨店)との見方もある。

101209 米の経済対策、想定外 上乗せ分だけで2千億ドル規模 [朝日]

 【ワシントン=尾形聡彦】オバマ米大統領が打ち出した給与税減税など向こう2年間の経済対策は、オバマ政権が上乗せする分が約2200億ドル(約18兆5千億円)に上り、「ブッシュ減税」を継続する分も合わせると1兆ドル(約84兆円)規模になることが7日分かった。当初見込まれていたものより大規模で、米金融界は、経済成長を押し上げると期待を高めている。

 「自信を持って言えるのは、この対策が米経済を強化し、景気回復を強める手助けになるということだ」。オバマ米大統領は7日、ホワイトハウスでの記者会見でこう強調した。

 大統領は前日6日夜に、米共和党側と超党派で合意したとして、ブッシュ前政権時に導入された所得税減税をすべての所得層で2年間延長すると発表したが、この時点では上乗せ部分の予算規模など詳細には焦点が当たっていなかった。それが一夜明けた7日に次第に判明し、米金融界を驚かせた。

 米ホワイトハウスによると、オバマ政権は(1)来年実施する給与税の2%分の減税(1200億ドル)(2)失業保険の13カ月の延長(560億ドル)(3)子育て世帯向けなどの税控除の2年延長(400億ドル)などを上乗せした。追加分の総額は2200億ドルになるという。

 米国では、2009年初めからオバマ政権が続けてきた史上最大の7870億ドル(約66兆円)の景気対策の効果が11年初めにも切れるとして、景気後退懸念が高まっていた。オバマ政権は今年9月に公共事業の拡大を中心とする景気対策を提案したが、共和党側の反発で実現困難と、弱気な見方も強まっていた。

 こうしたなかで、米金融大手ゴールドマン・サックスは、今回の経済対策について「非常に重要だ。つい2、3カ月前まで、財政政策(の乏しさ)は、11年の経済見通しにとって、主要な下振れリスクの一つだったが、今回の対策は前向きだ」とさっそく評価。11年の米実質国内総生産(GDP)成長率を0.5~1.0%幅押し上げる可能性があるとの見通しを示した。

 JPモルガンチェースも今回の対策を「第2次景気対策」と位置づけ、11年上半期の経済見通しが改善するとリポート。

 BNPパリバのエコノミストのブリクリン・ドワイヤー氏は7日、「(ブッシュ減税分も合わせると)計1兆ドルに上る」と今後2年の経済対策の大規模さを指摘。11年のGDP成長率を0.3%幅押し上げると予測した。

 ただ、大規模対策の実施は、財政赤字の拡大をもたらす恐れがある。JPモルガンは、11会計年度の財政赤字は、従来見通しの1.2兆ドルから過去最大規模に当たる「1.5兆ドル」に膨れあがる、と予測している。

101122 アイルランド:EU、IMFに財政支援申請…10兆円規模 [毎日]

 【ロンドン会川晴之】深刻な財政・金融危機に陥っているアイルランド政府は21日夜(日本時間22日未明)、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に、財政支援を申請したと発表した。支援額は最大900億ユーロ(約10兆3000億円)に上る見通し。ユーロ圏諸国で財政支援を受けるのは、5月のギリシャ(支援額1100億ユーロ)に続き2国目。ユーロ圏には、ほかにもポルトガルなど深刻な財政赤字を抱える国があり、市場の反応次第では危機が拡大する可能性もある。EUは、財政支援の枠組み構築だけでなく、危機収束のための抜本的な対応を迫られる。

 21日夜に会見したカウエン・アイルランド首相は「EUから了承を得た」と述べ、支援額など詳細について詰めの協議を続けると発表した。EUは同日、加盟国財務相が電話で協議し、アイルランド支援を確認。欧州中央銀行(ECB)も歓迎声明を発表した。アイルランドとの関係が深い英国とスウェーデンは、EUの支援とは別に2国間支援を実施すると表明。英BBCの報道によると、英国の支援額は70億ポンド(約9300億円)とみられる。

 EUは5月、IMFとともに総額7500億ユーロ(約85兆円)の「ユーロ防衛基金」を設立しており、この基金を初めて適用し、アイルランドへの融資に使う。

 また首相は、14年までの4年間に、歳出削減と増税で150億ユーロ(約1兆7000億円)の赤字を削減、財政赤字を国内総生産(GDP)比で3%以下とする財政再建策の概要も併せて発表した。

 アイルランドは、07年上期に不動産・建設バブルが崩壊、08年秋にはリーマン・ショックも重なり、金融機関の経営が悪化、一部の主要行が国有化された。しかし、不動産価格下落や景気低迷が続き、追加資本注入が必要となった。これに伴い、10年度の財政赤字額もGDP比32%と、EU基準(3%)を10倍も上回る水準に悪化。国債価格が急落(利回りは上昇)したほか、金融機関は資金繰りをECBに全面的に頼る状況に陥っていた。

 この状況を放置すれば、財政状況の脆弱(ぜいじゃく)な他の欧州諸国に危機が波及し、ユーロの信認を損なう可能性が高いため、欧州共通通貨・ユーロを採用しているユーロ圏諸国(16カ国)は、16日の財務相会合で、同国に調査団の派遣を決定。18日からEU、IMF、ECBの専門家がアイルランド政府と調整を続けてきた。

101119 投機マネーが日本に避難 日経平均1万円を回復 [朝日]

 18日の東京株式市場で、日経平均株価が1万円の大台を回復した。終値では6月22日以来、約5カ月ぶり。米国の追加金融緩和の観測が後退したことで、円高・ドル安の流れが一服。これを好感し、相対的に割安だった日本株にお金が戻ってきた。

 日経平均の終値は前日比201円97銭(2.06%)高い1万0013円63銭。取引開始から、海外投資家の大口取引が入り、国内投資家もこの動きに反応した。午後に入って上海などアジア市場が上がったことも好感された。

 債券市場では、株価の上昇にともない、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは、前日比0.065%上昇(債券価格は下落)し、約2カ月ぶりに1.1%台をつけた。

 世界の株式市場は、今月3日、米国が大幅な追加金融緩和を打ち出したことをきっかけに高騰。ニューヨークやロンドンをはじめ、韓国など世界の株式市場が次々と今年最高値を更新した。

 12日閉幕したソウルでの20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)では、ドル安につながる金融緩和に突き進む米国を新興国などが強く批判した。これによって、市場では米国の追加緩和観測が後退し、一時は1ドル=80円台を突破する勢いだった円高に歯止めがかかり、1ドル=83円台で推移。日本の輸出関連株を買う動きが広がった。

 日経平均は、今年最高値の1万1339円30銭(4月5日)より、この日の上昇分を入れても約12%低い水準と出遅れており、投資家には「割安」と映ったようだ。

 また、18日のニューヨーク株式市場も米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の再上場を好感し、大企業で構成するダウ工業株平均の上げ幅は一時、前日と比べて180ドルを超えた。雇用や景気関連の米指標も市場予想を上回った。財政難に陥っていたアイルランドが欧州連合(EU)などの支援を受ける方向も固まり、投資家の心理が改善している。
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