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■景気・経済10Ⅰ

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101105 NY株大幅続伸、リーマン・ショック前の高値水準 [朝日]

 【ニューヨーク=山川一基】4日のニューヨーク株式市場は大幅に続伸した。大企業で構成するダウ工業株平均は前日比219.71ドル(1.96%)高い1万1434.84ドルで取引を終えた。「リーマン・ショック」が起きる直前の2008年9月8日以来、約2年2カ月ぶりの高値水準となった。

 3日の連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な追加金融緩和が打ち出されたことで、潤沢な投資資金が株式市場に向かうとの思惑が広がっている。ドル安の影響で輸出関連株も買われた。4日朝方発表の10月30日までの1週間の新規失業保険申請件数は事前予想より多かったが、「市場にお金がじゃぶじゃぶに注ぎ込まれるとの期待がすべてを押し流している」(米ストラテジスト)状況だ。

 一方、ハイテク株主体のナスダック総合指数は37.07ポイント(1.46%)高い2577.34。08年1月以来約2年10カ月ぶりの高値水準だった。

 ダウ平均は07年秋、サブプライムローン危機が深刻化するなかで下落に転じ、08年9月15日のリーマン・ブラザーズ破綻(はたん)後にさらに急落した。その後、大手銀行への公的資金の注入を経て金融危機が去り、米景気が緩やかに回復するにつれて上昇に向かった。

 ただ、今も失業率は高止まりし、住宅価格の低迷は深刻だ。「最近の株価上昇は金融政策による影響が大きく、本格的な景気回復にはほど遠い状況」(同)といえる。

101009 ニューヨーク円、15年ぶり高値 株式は下落 [朝日]

 【ニューヨーク=山川一基】8日のニューヨーク外国為替市場は、米雇用統計が予想より悪かったことを受け、ドルを売って円を買う動きが加速した。午前の取引で1ドル=82円を突破し、一時1ドル=81円72銭をつけた。1995年4月以来、約15年半ぶりの円高ドル安水準。

 午前11時40分(日本時間9日午前0時40分)時点の円相場は、前日午後5時時点と比べて55銭円高ドル安の1ドル=81円80~90銭。

 現地時間8日朝に発表された9月の米雇用統計で、非農業者部門の就業者減が市場予想より大幅だったため、米経済の先行きへの楽観論が後退。さらに「主要経済指標の悪化で、米連邦準備制度理事会(FRB)が近く追加緩和に動く可能性が高まった」(米為替ストラテジスト)との見方も強まり、ドルが大きく売られた。

 日本政府が9月15日に円売りドル買いの為替介入に踏み切った1ドル=82円台をすでに超えている。しかし市場では、週末に米ワシントンで主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれるのを前に、日本が再び為替介入に踏み切るのは難しいとの見方が根強い。

 一方、8日のニューヨーク株式市場は、追加の米金融緩和が近づいたとの見方から反発している。大企業で構成するダウ工業株平均は一時、今年5月上旬以来約5カ月ぶりに1万1千ドル台を回復した。午前11時40分時点は前日終値比で51.69ドル高の1万1000.27ドル。

101006 日銀、ゼロ金利復活 量的緩和政策を導入へ [朝日]

 日本銀行は5日の金融政策決定会合で追加の金融緩和を決めた。政策金利の誘導目標を従来の「年0.1%前後」から「0~0.1%」へ引き下げ、2006年7月以来4年3カ月ぶりに事実上の「ゼロ金利政策」に復帰した。さらに、新たに5兆円規模で株価や不動産価格に連動する投資信託などを買い取り、従来の資金供給と合わせて計35兆円規模の基金をつくる。政策金利の引き下げ余地がほぼなくなったため、今後はこの基金の増額などで金融緩和を進める「量的緩和政策」に踏み込む見通しだ。

 日銀の追加緩和は8月30日の臨時会合で、新型の資金供給手段(新型オペ)の規模を20兆円から30兆円に増額したのに続く。利下げはリーマン・ショック直後の08年12月以来で、ゼロ金利政策は3回目。過去2回は大手銀行の経営破綻(はたん)などが相次いだ直後の99年2月~00年8月と、「量的緩和政策」を導入した際の01年3月~06年7月だった。

 今回は「時間軸政策」も導入した。「物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していく」と表明。消費者物価指数が安定して前年よりプラスになると見通せるまで、ゼロ金利を続ける姿勢を明確に打ち出した。

 5兆円規模の資金を用意することで従来の新型オペと合わせ、計約35兆円の基金を創設。市場に出回るお金の量を増やし、長めの期間の金利低下を促す。日銀はこれ以上は金利の引き下げ余地がほぼなくなったため、今後は基金を増減することで金融政策を運営する見込みだ。

 前回の量的緩和では、市場に供給する資金量の目安を、銀行が日銀に預けたお金の量を示す「日銀当座預金」の残高にしていたが、今回は基金の規模を目安にする見通し。

 新たな5兆円の資金の使い道は、長期国債と短期国債の買い入れが計3.5兆円、企業が運転資金などの調達のために発行するコマーシャルペーパー(CP)や社債などの買い入れが計1兆円。残りの約5千億円は、日経平均株価などに連動する株価指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産市況に連動する不動産投資信託(J―REIT)の購入に充てる。

 日銀は値下がりで損失を被る恐れがあるETFやJ―REITを購入資産の対象外にしてきたが、今回、「異例の措置」(日銀の白川方明〈まさあき〉総裁)に踏み切った。不動産や株式に投資資金が活発に流れるようにして、資産価格の上昇を促す狙いがある。

 白川総裁は会合後の記者会見で、複数の政策を同時に打ち出して「パッケージで効果を最大限に高める」と述べ、「包括的な金融緩和」と表現。「緩和効果発揮のため、金融政策は異例の世界に入っていく」とも述べ、過去に例のない緩和策だと強調した。(大日向寛文、志村亮)

100917 家計の現預金、過去最大806兆円 投資のリスク回避 [朝日]

 家計の金融資産のうち現預金の6月末の残高が806兆円に達し、日本銀行の統計をさかのぼることができる1997年12月末以降で最大になった。一般家庭が損失リスクの高い投資を避けているためだ。一方、政府の負債は最高額を塗り替え、初めて民間企業の負債を超えた。全体をみれば、家計や企業で余った資金が政府の借金を支える傾向に拍車がかかっている。

 日銀が17日発表した2010年4~6月期の資金循環統計(速報)で明らかになった。家計、企業、政府といった日本の各経済主体の間を動くお金の流れや、保有資産の残高を分析したもので、四半期ごとに発表される。

 家計にある現預金や株式などの金融資産全体の総額は1445兆円で、3四半期ぶりに減少した。株式市場の低迷で株や投資信託の評価額が目減りした影響とみられる。

 このうち現預金は806兆円で、07年3月末から14四半期連続で増え続け、過去最大になった。日銀調査統計局は「家計がリスクを避け、安全資産を持つ傾向が続いている」とみている。ほかは保険・年金が393兆円、株式・出資金が94兆円、投資信託が49兆円などとなっている。

 地方自治体も含めた政府部門の金融負債は5四半期連続で増えて1035兆円となり、過去最大だった。国債や地方債などの証券残高が前期より32兆円増えた。

 金融機関をのぞく民間企業部門の負債は前期より76兆円減の1千兆円となり、調査開始以来初めて政府部門の負債を下回った。企業も、設備投資を避け、手元資金を厚めに取っておく傾向だ。代わりに政府が借金を増やして景気を支えるために支出するという構図が続いている。(志村亮)

100915 政府・日銀、6年半ぶり為替介入 15年ぶり円高水準で [朝日]

 政府・日本銀行は15日、外国為替市場で「円売りドル買い」の為替介入に踏み切った。市場介入は2004年3月以来、約6年半ぶり。同日朝の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時1ドル=82円台まで上昇し15年4カ月ぶりの円高水準をつけていたが、介入を受け1ドル=85円台に急落した。急激な相場の動きを食い止め、輸出産業への悪影響を和らげるのが狙いとみられる。東京株式市場は上昇し、午後に入って日経平均株価は9500円台を回復した。

 15日の東京金融市場は荒れ模様の展開になった。外国為替市場の対ドル円相場は、前日の米国市場の流れを受け、午前10時25分ごろに1ドル=82円86銭付近まで上昇した。しかし、その直後に政府・日銀が円高阻止のために介入したとの情報が流れ、一気に1ドル=83円台後半に急落した。

 同日午前11時前に記者会見した野田佳彦財務相は「相場の過度な変動を抑制するために先ほど介入に踏み切った」と発表。菅直人首相への連絡について「今朝ほど、『今日介入する』という報告はしてきた」と述べた。日銀の白川方明総裁も「為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待する」との談話を発表した。円売り介入は03~04年にかけて総額35兆円の介入を実施して以来、なかった。

 野田財務相は介入規模を明らかにしなかったが、政府関係者は「1兆円を超える規模ではない」としている。米欧の通貨当局と調整した上で、日本が単独介入に踏み切った。

 仙谷由人官房長官は15日午前の記者会見で「最近の円高の進行が経済・金融の安定への影響から看過できないと考えている。適宜適切に為替介入を含めた断固たる措置をとろうというのは、官邸含めてそういう考え方できている」と説明した。

 仙谷氏は、為替介入の前に野田財務相が首相官邸を訪れ、首相と仙谷氏に介入する方針を報告したことを明らかにした。欧米が協調介入しないことについて「欧米には理解を求める行動はとっている」と述べた。

 介入は断続的に実施されたとみられ、円はじわじわと値を下げた。午後1時現在は前日午後5時時点よりも1円60銭円安ドル高の1ドル=84円81~83銭で取引されている。

 前日の米国市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)がさらに金融緩和を進めるという観測が流れ、円高ドル安が進行。続投の決まった菅首相が為替介入に比較的慎重とみられていたこともあって、東京でも朝は円買いドル売りが優勢だった。

 一方、東京債券市場では国債が買われ、長期金利が低下している。代表的指標である新発10年物国債の流通利回りは一時、前日終値より0.055%幅低い1.050%まで下がり、約2週間ぶりの低水準をつけた。

100910 追加経済対策を閣議決定 事業規模9.8兆円 [朝日]

 政府は10日、急激な円高などによる景気後退を防ぐため、追加経済対策を閣議決定した。第1弾として、約9200億円を投じて、既卒者の就職支援や家電エコポイント制度の延長などを実施。さらに、今後の景気動向を踏まえて、補正予算の編成を検討。続いて、年末に決める来年度税制改正で法人税減税や雇用促進税制などを検討するという「3段構え」だ。

 今回、具体策が決まった第1弾の緊急対策では、2010年度予算の「経済危機対応・地域活性化予備費」の残額9182億円を活用。事業規模は約9.8兆円に上り、約20万人の雇用創出や実質国内総生産(GDP)の約0.3%分の押し上げを目指す。

 雇用対策には約1400億円を使い、卒業後3年以内の既卒者を正社員採用した企業に1人当たり100万円の奨励金を支給する制度などを創設。消費対策には約4500億円を投じ、省エネ家電向けのエコポイント制度を、対象商品を絞って来年3月末まで3カ月間延長する。住宅版エコポイント制度や住宅ローンの金利優遇策の期限も来年末まで1年間延ばす。

 このほか、環境産業の工場立地を促す補助金制度に約1100億円を、病院や学校の耐震化、ゲリラ豪雨対策といった公共事業にも約1650億円をそれぞれ使う。計83項目の規制改革の前倒しや拡充策を盛り込んだのも特徴だ。

 円高対応については「必要な時に為替介入を含め、断固たる措置をとる」と明記。日本銀行に対しても追加の金融緩和への期待を示した。

 当面はこうした対策で景気の下支えをねらうが、菅直人首相はこの日の経済関係閣僚委員会で、「今後の景気、雇用動向を踏まえ、必要ならば、補正予算の編成など機動的、弾力的に対応したい」と述べた。財源については、来年度以降の公共事業を前倒し発注する「国庫債務負担行為」1兆円を念頭においており、今回の対策と合わせて、2兆円規模の景気対策になる可能性がある。

100909 オバマ米大統領、追加景気対策を発表 総額15兆円規模 [朝日]

 【ワシントン=尾形聡彦】オバマ米大統領は8日、米オハイオ州クリーブランドで演説し、企業減税を柱とする追加経済対策を発表した。11年末までの企業の設備投資減税(300億ドル)、企業の研究開発投資減税の拡大・恒久化(10年で1000億ドル)、公共事業拡大(6年で少なくとも500億ドル以上)で、総額約1800億ドル(約15兆1千億円)に上る見込みだ。大統領はまた、中所得者層への減税を恒久化する意向も示した。

100830 日銀、追加金融緩和を決定 新型オペの規模を拡大 [朝日]

 日本銀行は30日午前、臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和を決めた。昨年12月に導入した新しい資金供給手段(新型オペ)の規模を現在の20兆円から30兆円に増やすとともに、上積み分の貸出期間を従来の3カ月から6カ月に延ばした。円高や株安が消費者や企業の心理を冷やし、景気回復のシナリオが崩れる恐れが高まったと判断した。

 追加緩和は今年3月以来、臨時会合を開いての緩和はドバイ・ショック直後の昨年12月以来だ。日銀は次回会合を9月6、7日に予定していたが、それを待たずに追加緩和し、円高対策で政府と足並みをそろえる姿勢を強調した。日銀の白川方明(まさあき)総裁は30日午後、菅直人首相と会い、追加緩和や経済情勢を説明する。

 会合では、新型オペを拡充する案に、政策委員(総裁、副総裁2人、審議委員6人)のうち須田美矢子審議委員(学界出身)が反対。政策金利の誘導目標は、全員一致で年0.1%に据え置いた。

 前回8月9、10日の会合では、足元の景気について「緩やかに回復しつつある」、先行きについても「回復傾向をたどる」としていた。今回はこれらを維持しつつ、米国経済の減速や円高・株安で「我が国の経済・物価見通しの下振れリスクにより注意していくことが必要」と判断した。

 日銀は昨年12月の臨時会合で新型オペを10兆円規模で導入し、今年3月に20兆円に増やした。日銀が事実上ゼロにしている政策金利は、担保なしで借りて翌日返す場合の「無担保コール翌日物」の金利。新型オペは政策金利と同じ年0.1%という極めて低い固定金利で3カ月間、金融機関に貸し出すものだ。

 今回は10兆円を上積みし、さらに、その分に限って貸出期間を6カ月に延ばした。

 政策金利を引き下げる余地は少ないが、新型オペの拡充で長めの期間の金利も押し下げられ、企業が資金を借りやすくなって投資が増えることが期待できる。また、円資産の金利が下がれば、円を売って海外通貨の資産を買う動きが強まり、円高を抑える効果も見込める。3月に新型オペの規模を増やした際には4月にかけて円安をもたらした。日銀は追加緩和で同様の効果を狙っているとみられる。

 日銀は今月9、10日の会合で景気の見通しも金融政策も据え置いた。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は10日に景気判断を引き下げ、追加緩和に向けて動き出した。市場では日米の中央銀行のスタンスの違いを材料に円高ドル安が進み、24日には一時1ドル=83円台をつけ、輸出の悪化を懸念して日経平均株価は9000円を割った。

 円高・株安を受け、菅首相は白川総裁と会談する考えを27日に示し、「機動的な金融政策の実施を期待する」と表明していた。また、政府は30日に経済対策の基本方針を発表する。日銀は政府の動きと足並みをそろえるため、臨時会合を開き、追加緩和を前倒しした。(吉原宏樹)

100812 1ドル84.70円台 15年ぶり高値 日米金利差縮小 [朝日]

 11日の外国為替市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加金融緩和に向けて一歩踏み出す姿勢を示したことを受けて円高ドル安が進み、円相場は一時、1ドル=84円70銭台まで上昇。1995年7月以来、約15年ぶりの円高水準になった。株価も全面安となり、日経平均株価は約3週間ぶりに9200円台に下落した。

 東京外国為替市場は朝方から円高ドル安で推移。午後5時時点は前日同時点より56銭円高ドル安の1ドル=85円09~11銭だったが、ロンドンでの取引で正午(日本時間午後8時)過ぎ、1ドル=84円70銭台まで円高が進んだ。

 FRBが10日、住宅ローン担保証券などの償還で戻ってきた資金を長期国債の購入に振り向けると発表。事実上の追加緩和に踏み切ったことで、米長期金利が低下し、日米の金利差を意識してドルを売る動きが広がった。11日発表の中国の7月の小売り売上高が市場予測を下回るなど、「米国、中国を中心に世界的な景気の減速懸念」(大手証券)が強まり、安全とされる円を買う動きが強まった。

 東京株式市場でも景気の減速懸念から、ほぼ全面安の展開となった。日経平均の終値は前日の終値より258円20銭(2.70%)安い9292円85銭、東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同20.23ポイント(2.37%)低い834.45。出来高は15億8千万株だった。

 債券市場では日本国債が買われ、長期金利の代表的指標の新発10年物国債の流通利回りが一時、0.995%まで低下(債券価格は上昇)した。2003年8月以来7年ぶりに1%割れとなった今月4日以来、1週間ぶりに1%の大台を割り込んだ。終値は1.005%だった。(寺西和男、座小田英史)

100722 オバマ大統領が署名、米の金融規制法成立 [朝日]

 オバマ米大統領は21日、1930年代の大恐慌時以来となる米国の抜本的な金融規制強化法案に署名し、同法が正式に成立した。米国が大幅な規制強化にかじを切ったことで、日本など他国へも同様の規制強化を求める圧力が高まる可能性がある。オバマ大統領は21日の署名式典で「この法律で、米国民は、金融街の過ちのツケの支払いを求められることは二度となくなる」と述べた。

 金融規制強化法は、銀行の投機的な取引を制限し、消費者保護のための独立性の高い組織を設けることなどを柱にしている。新たな金融危機を防ぐため、金融大手については銀行、証券、保険など業種を問わず米連邦準備制度理事会(FRB)が一元的に監督する。危機を事前に察知するために財務長官を議長とする「金融安定監視委員会」も設ける。

 同法をめぐっては、米議会で昨年から審議が行われ、今年6月末に上下院の法案が一本化された。6月末に下院で法案が通過したあと、今月15日に上院でも可決され、米議会を通過。オバマ大統領もすでに署名する意向を示していた。(尾形聡彦)

100701 日銀短観、2年ぶりプラスに 大企業・製造業の景況感 [朝日]

 日本銀行が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の景況感を表す業況判断指数(DI)が5四半期連続で改善し、プラス1となった。プラスに転じるのは、リーマン・ショック前の2008年6月調査以来2年ぶり。足元では欧州経済が不安視されているものの、好調な新興国経済に引っ張られ、景気が回復をたどっていることが示された。

 DIは、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値。四半期ごとに発表しており、今回は5月26日~6月30日に調査した。対象は全国の1万1411社で、98.7%が回答した。

 自動車や電機などの主力産業を含むために注目度が高い大企業・製造業のDIは、前回3月調査から15ポイントの大幅改善となった。自動車は20ポイント、電機は18ポイント、設備投資と関係が深い汎用機械は27ポイント改善。大企業・製造業では主力16業種すべてのDIが改善したが、これは94年8月調査以来だ。中国など新興国向けの輸出、生産が好調なことが主因とみられる。

 大企業・製造業のDIを三つの選択肢別に見ると、「良い」と答えた企業が前回の10%から18%に増加。「さほど良くない」は66%から65%、「悪い」は24%から17%に減った。

 外需主導で進んできた景気回復は、内需産業にも及びつつあり、大企業・非製造業のDIは9ポイント改善のマイナス5になった。宿泊・飲食サービスが21ポイントの大幅改善になったほか、小売りも5ポイント改善した。設備投資も動き始めた。大企業・製造業の10年度の設備投資計画は前年度比3.8%増。0.9%減だった前回調査から上方修正され、3年ぶりのプラスに転じた。

 しかし、先行きには不安が残る。今回の調査では回答の8割程度が6月10日までに集められ、直近の円高・株安傾向は十分反映されていない。事業計画の前提になっている為替レートも尋ねているが、大企業・製造業の10年度の想定は1ドル=90円18銭。今の円高水準が続けば、輸出産業の収益は圧迫される。

 秋以降はエコカー補助金などの政策効果もなくなり始める。大企業・製造業の先行きのDI(9月見通し)はプラス3で、今回からの改善幅は2ポイントにとどまっている。

100701 路線価2年連続、全都道府県で下落 都市部の下げ幅拡大 [朝日]

 国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2010年分の路線価(今年1月1日時点)を公表した。標準宅地の平均路線価は2年連続、すべての都道府県で下落した。特に東京、大阪などの都市部はオフィス需要の低迷、不動産投資の縮小などの影響で大きな下げ幅となった。

 東京の標準宅地の平均路線価は1平方メートルあたり55万5千円で、前年比11.3%減と下落率が最も大きかった。下げ幅の大きさでは、大阪(同17万4千円)、福岡(同9万6千円)の前年比9.4%減、愛知(同11万1千円)の前年比7.5%減と続いた。国土交通省のリポートは主要都市の地価の下落について、「低調な土地需要、オフィスビルの空室率の上昇、賃料の下落による収益力の低下が背景にある」と説明している。

 都市部以外の地方の標準宅地の平均路線価は同4万8千円だったが、下落率は前年比5.9%減と都市部より小幅に収まった。地方は、1993年から14年連続で下落し、07、08の両年は横ばいで踏みとどまったものの、再び下落に転じている。

 都道府県庁所在都市の最高路線価も下落傾向を示した。下落率が大きい順では、東京が1平方メートルあたり2320万円で前年比25.6%減。名古屋(同581万円)は前年比20.2%減、大阪(同724万円)は前年比19.9%減と続いた。3都市を含め、10%以上、下落した都市は11。前年より8都市増えた。

 最高路線価が上昇した都市は2年連続でゼロとなり、下落した都市は45で、前年より6都市増えた。横ばいは津、山口の2都市だけだった。

 全国の最高値は25年連続、東京・銀座5丁目の鳩居堂前で、1平方メートルあたり2320万円。銀座4丁目の三越前、和光前も同額だった。前年に比べて25.6%の落ち込みを見せたが、はがき1枚分の土地代は34万3千円だった。

     ◇

 〈路線価〉 主な道路に面した標準的な宅地1平方メートルあたりの評価額。その年内に相続、贈与で土地を取得した場合の課税額の算定基準になる。1月1日を評価時点として、国税庁が実際の売買事例や不動産鑑定士の意見などを参考に算出する。これとは別に、土地取引の参考値として、国土交通省が調べる公示地価(1月1日時点)、各都道府県が調査する基準地価(7月1日時点)がある。

100510 「ギリシャの次は…」ポルトガルとスペイン、否定に躍起 [朝日]

 【パリ=国末憲人】ポルトガル、スペイン両政府が「ギリシャに続いて財政危機に陥るのでは」とのうわさを打ち消すのに懸命だ。自国とギリシャとの違いを強調し、不安の広がりを食い止めたい欧州連合(EU)各国も援護している。だが、市場の疑念は簡単にはぬぐえそうにない。

 「ポルトガルの状況はギリシャと何ら似ていない。財政赤字の面でも、政府債務の面でも、統計の面でも」。ポルトガルのソクラテス首相は7日、パリでフィヨン仏首相と会談した後に記者会見し、語気を強めた。

 ポルトガルの財政赤字は国内総生産(GDP)の9.4%。ユーロ圏内では高いものの、それでもギリシャの13.6%、アイルランドの14.3%ほどではない。政府債務もギリシャの対GDP比115.1%に対し76.8%。ソクラテス首相はこれらの数字を根拠に「我々はユーロ圏で真ん中あたり。あれこれ言われる筋合いはない」とうわさへの不快感をあらわにした。

 フィヨン首相も「各国が協力しており、様々な思惑は一掃されるだろう」と楽観論を強調し、ソクラテス首相を援護した。

 ただ、成長率が低いことなどから市場では「次はポルトガル」との不安は強く、米格付け会社が同国を格下げする動きも相次いでいる。

 スペインは財政赤字がGDP比11.2%、政府債務が同53.2%。仏ルポワン誌によると、金融最大手サンタンデール銀行のボティン頭取は「スペインをギリシャと同列に扱うのは(サッカーのスペイン1部リーグ)レアル・マドリードを(ぱっとしない)アルコヤーノと比較するようなもの」と余裕を見せた。

 だが、2008年に不動産バブルが崩壊し、失業率が2割に達するスペインに対する懸念も依然として強い。ユーロ圏4位の経済規模を持つだけに、危機に陥った場合の影響も甚大だ。今月4日には「国際通貨基金(IMF)に支援を求めるのでは」とのうわさが広がって株価が急落し、サパテロ首相が急きょ否定する騒ぎとなった。

 サルガド財務相は9日、EUの緊急財務相理事会が開かれたブリュッセルで「基金を頼るつもりは全くない」とうわさを重ねて否定した。

 しかし、同国で財政再建や景気回復が大きな課題であるのは確かで、サパテロ首相は5日に野党・国民党のラホイ党首と会談して財政問題を協議するなど、対応に追われている。

100508 収まらない世界同時株安 金融危機再燃の懸念も [朝日]

 ギリシャの財政危機をきっかけにした欧州発の信用不安が、世界の金融市場を大きく揺さぶっている。7日の東京株式市場は、2日連続で大幅に値下がり。欧米、アジア市場でも株価の値下がりがとまらず、「世界同時株安」が収まらない。

 前日、誤発注が原因ともみられる急落があったニューヨーク株式市場は7日、続落した。大企業で構成するダウ工業株平均は一時、前日終値より279.09ドル(2.65%)安い1万0241.23ドルまで下落した。

 米労働省が同日発表した4月の失業率は前月比0.2ポイント悪化の9.9%だった。金融市場の混乱が米国の景気回復に水をさす懸念も出ている。

 それに先立つ同日の東京市場では、日経平均株価の下げ幅が一時、前日終値比で430円を超え、今年最大の下落を記録した。アジアの主要市場でも韓国やタイで株価が2%以上下がった。7日のロンドン市場も5営業日連続の値下がりで取引を終えた。

 市場混乱の原因として、欧州中央銀行のトリシェ総裁が暴落する欧州の国債市場に対して対策を打ち出さなかったことを指摘する声がある。米市場関係者は「当局の無策は、世界的な危機を招いたリーマン・ショックの記憶をよみがえらせた」と話す。

 一方、為替市場では一時1ドル=88円台まで進んだ円高の流れが一服。7日のニューヨーク外国為替市場では1ドル=91円台半ば、対ユーロでも1ユーロ=116円台前半で推移している。ただ、「ポルトガル国債の格下げなども取りざたされ、今後もユーロを大きく買い戻す動きは想定できない」(みずほコーポレート銀行)という。

 菅直人副総理兼財務相ら主要7カ国(G7)の財務相は日本時間の7日夜、電話協議をした。米政府高官は朝日新聞の取材に「ギリシャ問題について、各国が連携して対処することで一致した」と語った。

 オバマ米大統領は7日、ホワイトハウスで記者団に対しメルケル独首相と電話で会談したことを明らかにし、「関係国の強力な政策対応や国際社会からの力強い金融面での対応の重要性で合意した」と述べた。ブリュッセルで7日夜(日本時間8日未明)開かれる欧州連合(EU)のユーロ圏16カ国の首脳会議で、危機拡大を防ぐ手立てを打ち出せるかが注視されている。

0209 NY株、終値1万ドル割れ 3カ月ぶり安値 [朝日]

 【ニューヨーク=丸石伸一】8日のニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均の終値が前週末より103.84ドル(1.04%)安い9908.39ドルになった。終値で1万ドルの大台を割り込んだのは、昨年11月4日以来約3カ月ぶり。

 ギリシャなど欧州各国の財政問題への懸念が先週から強まっており、8日の取引でも売り注文が優勢だった。海外の債務問題で損失を被る恐れがある金融関連株を中心に売られ、ダウ平均は2営業日ぶりに値下がりした。

 オバマ政権が規制強化策を打ち出していることも、金融株を売られやすくしている。ダウ平均は昨春から、米金融大手の収益回復とともに上昇基調を続けてきたが、今年1月下旬以降、調整色が強まっている。

0129 09年失業率は5.1% 過去最大1.1ポイント悪化 [朝日]

 総務省が29日発表した2009年平均の完全失業率は前年を1.1ポイント上回る5.1%で、雇用情勢の急激な落ち込みを反映し、悪化幅は過去最大となった。また、厚生労働省が同日発表した有効求人倍率の09年平均は0.47倍で、1999年の0.48倍を下回り過去最低を記録した。

 同時に発表された昨年12月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント低い5.1%で、2カ月ぶりに改善した。一方、昨年12月の有効求人倍率(同)は前月より0.01ポイント高い0.46倍で、4カ月連続で改善した。

 完全失業率は15歳以上の働く意欲がある人のうち、職がなく求職活動をしている人の割合。12月の男性は前月より0.1ポイント低い5.3%、女性は0.1ポイント高い5.0%。

 12月の完全失業者数は317万人で、前年同月より47万人増えた。理由別では企業の倒産やリストラなどが同27万人増の104万人、自己都合は1万人減の97万人だった。

 有効求人倍率は、ハローワークで仕事を探す人1人に、何件の求人があるかを示す。

 12月の新規求人倍率(同)は前月を0.07ポイント上回る0.87倍で、2カ月連続で改善した。新たに就職活動を始めた人が前月より5.8%減る一方で、新たな求人数は前月より1.5%増えた結果、大きく改善した。

 ただ、正社員の有効求人倍率は0.28倍で、安定した仕事探しが難しい状況が続いている。

 休業手当の一部を助成する雇用調整助成金を昨年12月に申請して受理されたのは8万2千事業所で、対象となる従業員は186万5千人。前月より9千人多く、5カ月ぶりに増加した。

 08年10月から今年3月までに解雇や雇い止めで職を失う非正社員は25万7千人。派遣が14万7千人と6割近くを占める。同じ期間に失職する正社員は、100人以上の離職例の集計だけで6万人にのぼる。

0123 GDP伸びても雇用者報酬は減 10年度政府経済見通し [朝日]

 政府は22日、2010年度の「政府経済見通し」を閣議決定した。国内総生産(GDP)の実質成長率は07年度以来3年ぶりのプラスとなるが、労働者の賃金などを示す雇用者報酬は4年連続で前年度を下回る。失業率も高止まりしたままで、プラス成長となっても、「実感なき景気回復」が当面は続きそうだ。

 閣議決定した政府経済見通しは、GDP見通しなど主な数値は昨年末に閣議了解された見通しと同じ。公共投資や雇用者報酬の見通しが追加された。

 雇用者報酬は、昨年末に08年度の確報値が公表されたことから、09~10年度の見通しを策定した。09年度は前年度比3.9%減と過去最大の下落率となり、10年度も0.7%減にとどまる。マイナスは07年度から4年連続だ。

 企業の利益を示す企業所得は10年度には増加に転じる見通しだが、利益の水準自体は低いままで、労働者の所得増にはつながらない。

 公共投資の見通しは、昨年末に10年度予算案がまとまったことを受けて試算した。09年度は景気対策のための補正予算計上分が盛り込まれ、前年度比14.4%増となる見通し。10年度は鳩山政権の方針で公共投資が減らされたことや前年度の反動減もあり、9.5%減と大幅なマイナスとなる見込みだ。

 ただ、10年度は海外景気の回復による輸出増や、景気対策による個人消費の持ち直しなどで、公共投資のマイナスは埋められるとみている。

0121 世界経済「回復は脆弱」 今年は2.7%成長 世銀予測 [朝日]

 【ワシントン=尾形聡彦】世界銀行は20日、2010年の世界経済見通しを発表した。戦後初のマイナス成長になった09年(前年比2.2%減)から回復して経済成長率は10年が2.7%増、11年は3.2%増と予測。2年ぶりのプラス成長だが、世銀は「金融危機の最悪期は脱したかもしれないが、世界経済の回復は脆弱(ぜいじゃく)だ」としている。

 先進国の10年の成長率は1.8%増と予測。09年(3.3%減)のマイナス成長から、プラスに転じる。ただ、10年の成長率は米国が2.5%増、日本が1.3%増、ユーロ圏が1.0%増で、それぞれ緩やかな回復となる見通しだ。

 途上国の成長率は、09年(1.2%増)よりも加速し、10年は5.2%増を見込む。中国の10年の成長率は9.0%増と予測した。

0108 「勝ち組」ユニクロ、絶好調 もうけ前年の1.5倍に [朝日]

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を全国に展開し、デフレ時代の勝ち組の代表格となったファーストリテイリングの業績が絶好調だ。8日発表した2009年9~11月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年の同じ時期の1.5倍に増えた。10年8月期の業績予想も、過去最高を見込んでいた昨年10月時点からさらに引き上げた。

 9~11月期は売上高2634億円、営業利益610億円、純利益348億円で、いずれも前年同期より4~6割近く増えた。貢献したのは、軽さが売りの合成皮革「ネオレザー」のブルゾンといった秋物新商品や、保温機能が高く、上着の下に外出着としても着られるよう色やデザインを増やした「ヒートテック」などの商品。価格の安さも加わり、まとめ買いする人の姿が多くみられた。

 10年8月期の業績予想は、売上高8200億円、営業利益1305億円、純利益675億円で、いずれも前期より2~3割以上増える。柳井正会長兼社長は、20年に連結売上高を5兆円にする目標に向け、「毎年20%の成長をたたきだす必要がある」と話しており、実現に向けて一歩進み出したことになる。

0108 パナソニック、「売上高10兆円」を18年目標へ先送り [朝日]

 パナソニックは8日、2010年度以降の経営方針を発表した。創立100周年となる18年までに売上高で10兆円、二酸化炭素排出量を05年比で50%削減し「環境革新企業」を目指すことなどが柱。三洋電機の子会社化が昨年12月までずれ込んだため、投資計画など詳細の発表は5月に先送りした。

 大坪文雄社長が大阪府枚方市で記者会見した。三洋が得意とするリチウムイオン電池や太陽電池などを「エナジーシステム」として新たな中核事業と位置づけ、18年に全体の3割にあたる売上高3兆円以上を目指す。エアコンなど「冷熱コンディショニング」、薄型テレビなど「ネットワークAV」、防犯カメラなど「セキュリティー」、健康関連の「ヘルスケア」、テレビや照明に用途が広がる「LED(発光ダイオード)」を加えた6分野を重点事業とした。

 三洋の太陽電池事業には15年度までに1千億円を集中投資。12年度に国内シェア1位、15年度に世界のトップ3入りを目指すとした。 一方、三洋との間で重複している事業や採算性が低い事業については「客観的に互いの強みを見極め、やめるべきはやめる。一気にやりきるスピードが重要」と一部事業の整理に踏み込むことを示唆したが、時期は明らかにしなかった。

 パナソニックはかつて売上高10兆円を09年度までの目標に掲げており、達成を延期した形。また大坪社長は「18年にエレクトロニクス業界で世界ナンバーワンを目指す」と公言してきたが、この日は先行する韓国・サムスン電子を意識して順位には触れなかった。(上栗崇)

0108 プリウス20万8千台、初の年間首位 09年新車販売

 2009年の国内新車販売ランキング(軽自動車含む)は、トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」が20万8876台と、HVとして初めて首位になった。電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせて走るHVの首位奪取は、環境意識の高まりを象徴している。

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が8日、発表した。トヨタは5月、最低価格が旧型より約30万円安い205万円の新型プリウスを発売。政府のエコカー減税や購入補助金も追い風になり、プリウスは6月から月間販売台数で首位を独走。08年の10位(7万3110台)から一気にトップにのぼりつめた。

 2位は08年まで5年連続首位だったスズキの「ワゴンR」(20万1528台)、3位はダイハツ工業の「ムーヴ」(18万2325台)と、軽自動車が続いた。ホンダのHVで、2月に最低価格189万円の新型が発売されたインサイトは8位(9万3283台)だった。

0108 空きオフィス列島 東京苦戦、大阪・名古屋・福岡は最悪 [朝日]

 不動産仲介の三鬼商事は、東京都心のオフィスビルの空室率が、12月末は前月末から0.11ポイント上昇し、8.09%になったと発表した。8%を超えるのは5年10カ月ぶり。企業が経費削減でオフィスを縮小する動きが続いていて、テナント誘致競争が激しくなっているという。

 千代田、中央、港、新宿、渋谷の5区の集計。空室率は渋谷区の9.84%が最も高く、港、新宿区も9%を超えた。3.3平方メートルあたりの平均賃料は1万8978円で前年同月比14.46%下がった。

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 大阪都心のオフィスビルの空室面積が過去最大となった。景気低迷でオフィス需要が減少する一方、昨年1年間は新築ビルの供給ラッシュとなり募集面積が急増したためだ。

 三鬼商事が7日発表した2009年12月末の大阪中心部のオフィスビルの空室面積は71万8600平方メートル。これまで過去最大だった同10月末(70万2200平方メートル)を更新した。

 09年に完成した新築ビルによるオフィスの供給量は、バブル崩壊後で過去最大となる44万平方メートル。08年(23万平方メートル)の倍近かった。

 12月末の平均空室率は10.34%。10%を超えたのは3カ月連続。平均賃料は坪(3.3平方メートル)当たり1万2431円で、03年末の水準を千円近く下回った。

 不動産仲介のビルディング企画によると、新築ビルでは10カ月から1年程度、賃料を無料にするケースが出てきているという。

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 三鬼商事は、昨年12月末の名古屋市中心部のオフィスビルの平均空室率が前月末より0.24ポイント上昇し、12.58%になったと発表した。景気低迷でオフィス需要が低迷。空室率は4カ月連続で上昇し、単月では過去最高。東京の8.09%、大阪の10.34%よりも高い。
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