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●米国「対テロ戦争」

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141023 カナダ議会銃撃はテロ イスラム過激派に共鳴か [東京]

 【ニューヨーク共同】カナダの首都オタワの連邦議会議事堂で銃撃戦があり、付近で兵士1人が撃たれた事件について、ハーパー首相は22日、テロとの認識を示し「カナダを安全にするためあらゆる措置を取る」と表明した。警察は兵士と犯人の計2人が死亡したと発表した。
 地元メディアなどによると、犯人はカナダ国籍のマイケル・ゼハフ・ビボー容疑者(32)とみられ、最近イスラム教に改宗。中東の過激派に合流する恐れがあったため、治安当局から「危険旅行者」として旅券を没収されていたという。
 過激派「イスラム国」などの思想に共鳴し、事件を起こした可能性が強まった。

1409 「イスラム国」、英国人殺害か ネット上に映像公開 [朝日]

 ロイター通信などによると、イラクとシリアで活動する過激派組織「イスラム国」は13日、新たに英国人とみられる人質男性を殺害する映像をインターネット上に公開した。イスラム国に敵対する欧米への警告として人質を殺害するのは、8月以降、米国人ジャーナリスト2人に続いて3人目。

特集:「イスラム国」
 新たに殺害されたとみられるのは、英国人デービッド・ヘインズ氏(44)。シリアでフランス系NGOの職員として働いていた昨年3月、誘拐されたという。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ヘインズさんは殺害される直前、キャメロン英首相に向けて「ブレア元首相と同様、自ら進んでイスラム国に敵対する米国に同調した」などと非難の言葉を述べた。キャメロン氏は13日、「完全に悪魔の行いだ。どれだけ時間がかかっても必ず犯人を捕まえ、裁きを受けさせる」とする声明を出した。

 ヘインズさんは、今月初めに公開された2人目の米国人人質の殺害映像の中で、殺害が予告されていた。英BBCによると、ヘインズさん殺害映像の中で2人目の英国人人質の殺害も新たに予告された。(ロンドン=渡辺志帆)

140702 米軍、イラクに300人追加派遣 大使館や空港警備 [朝日]

 オバマ米大統領は30日、イラクへ新たに約300人の米兵を追加派遣し、ヘリコプターなどを追加配備したことを明らかにした。すでに派遣を決めた約300人の軍事顧問とは別に、バグダッドの米大使館や関連施設、国際空港などの安全確保の任務に就く。

 米国防総省によると、追加派遣が決まった兵士のうち約200人はすでにイラク国外から到着。ヘリコプターや無人偵察機も同時に追加配備された。勢力を拡大するアルカイダ系武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」などの動きを監視し、施設の警備や、兵士や大使館員らが移動する際の安全を確保するのが狙いだ。

 オバマ氏は米議会にあてた文書で「米国民と財産を守るのが任務で、必要なときは戦闘できるように武装している」とし、イラクの治安が回復して必要性がなくなるまで部隊は駐留することを明らかにした。

 この治安部隊とは別に、軍事顧問の多くはすでにイラク入りし、イラク軍との「共同作戦センター」の立ち上げを始めている。AP通信によると、追加派遣分を含めると、約750人の米兵がイラクに展開することになるという。(ワシントン=奥寺淳)

140501 世界テロ報告書:発生9700件 前年比で4割以上も増加 [毎日]

 【ワシントン和田浩明】米国務省は4月30日、世界のテロリズムの現状に関する年次報告書を発表した。国際テロ組織アルカイダ本体の支配力が低下する一方、中東や北アフリカなどの関連組織が行動の独自性を強めたと指摘。内戦が続くシリアがテロ問題の主戦場の一つになり、外国人戦闘員の流入が長期的な脅威になるとの認識を示した。

 報告書によると、テロ発生件数は9700件を超え前年比で4割以上も増加。死者は1万7800人、負傷者は3万2500人で5〜6割も急増した。

 イランが国家としてテロ支援を継続していると批判。特に、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの海外でのテロ活動などに関与しているとの認識を示した。

 会見したケイドナウ大使(テロ対策担当)は、パキスタンのアルカイダ本体が国際的なテロ作戦で弱体化し、中東や北アフリカで民主化要求運動などに伴い政府の統治能力が弱まったことで、組織の「分散化」が進んでいると指摘。シリアやイエメンなどの分派組織が過激化し、自立性を高めているとの分析を示した。一方、本体の資金供給能力が低下したため、営利誘拐や、ペルシャ湾岸諸国からの募金に頼る割合が高まっているという。

 シリアには数千人単位で外国人戦闘員が流入しており、戦闘経験を積んで帰国し出身国の治安に影響を及ぼす懸念が高まっている。このため、ケイドナウ大使は「対テロ努力で国際的連携を強化することが、一層重要だ」と指摘した。

140113 イラク駐留英軍:「虐待1000件以上」国際刑事裁へ告発 [毎日]

 【ロンドン小倉孝保】イラク戦争での人権侵害を調査してきた英国とドイツの弁護士や人権団体は10日、駐留英軍によるイラク人への虐待が1000件以上判明し、戦争犯罪に当たるとして国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)に告発した。うち約200件は極めて深刻な虐待だという。これまでも駐留英兵による虐待は数十件単位で報告されているが、虐待が極めて広範囲、組織的に行われていた可能性が浮上している。

 告発したのは英国の弁護士グループ「公共利益弁護士(PIL)」と人権監視団体「憲法上の権利のための欧州センター」(本部・ベルリン)。英紙インディペンデントなど英メディアが一斉に報じた。

 PILと同センターが虐待を受けたイラク人などから聞き取った結果、2003〜08年に英兵による虐待は、イラク人400人以上に行われ、件数では1000以上に及んだ。うち約200件は▽電気ショック▽性的虐待▽模擬処刑−−など深刻な事例だった。主にイラク南部バスラの収容施設内で行われた。PILは組織的な虐待だったとしている。

 英紙ガーディアンは、英陸軍のウォール参謀長やイラク戦争開戦当時のフーン元国防相らが告発されたと報じた。PILは告発の詳細を14日にロンドンで公表する。

 英国防省は声明で「英兵による拷問などがいくつかあったのは残念だが、国内の裁判所で対応しておりICCによるさらなる調査は不必要だ。虐待は組織的に行われていたわけではない」と主張している。

 イラク駐留英兵の虐待については09年、被害者や弁護士から33件の訴えが英国防省にあった。その中には、南部アマラで拘束されたイラク人男性が殴打されたり、女性兵に性器を引っ張られたりしたなどの事例があった。

 米国は自国兵が訴追されるのを避けるため、ICCに加盟していない。英国はICCの締約国。英国は03年3月、米軍とともにイラクに侵攻して主に南部を占領。09年4月に撤退した。

131018 米英の無人機攻撃、民間人479人犠牲 国連依頼で調査 [朝日]

 【ニューヨーク=春日芳晃】潜伏するイスラム過激派を殺害するとの名目で米英軍などが実施した無人飛行機による攻撃で、パキスタンなど3カ国で少なくとも2004年以降、民間人479人が犠牲になっていることが、国連人権理事会が依頼した専門家チームの調査でわかった。朝日新聞が入手した調査報告は米国を名指しし、作戦や民間人犠牲者のデータを最大限公開し、説明責任を果たすよう求めている。
軍事費削減で多用マララさんも批判「テロあおる」
 非戦闘地域での無人機攻撃を巡っては、他国の主権を侵害し、多くの民間人を巻き添えにしているという国際社会の批判がある。こうした批判を受け、国連人権理事会は1月、英国の弁護士で国際人道法の専門家のベン・エマーソン氏に調査を依頼。民間人の殺害は国際法上、戦争犯罪にあたることから、同氏は専門家チームとこれまでの攻撃例を調査した。無人機攻撃について国連が依頼した調査は初めて。
 パキスタンではエマーソン氏が3月に政府関係者に直接確認。全体の死者が2200人に上り、うち民間人が少なくとも400人と判明した。さらに200人が非戦闘員の可能性がある。国連の現地組織などの集計ではアフガニスタンの死者は58人。イエメンでは現地メディアの調査によると、少なくとも21人が殺害されていた。報告書は武装勢力と民間人を区別した基準を示していない。リビア、イラク、ソマリア、パレスチナ自治区ガザでも調査を進めている。
 作戦を実行しているとされる米英は情報の一部を開示したが、イスラエルは協力を拒んでいるという。民間の犠牲はもっと多いとの指摘もあり、調査が全容を反映しているかは不明だ。
 エマーソン氏は今月下旬、人権を担当する国連総会の委員会で中間報告をする。「無人機攻撃は民間被害を少なくできる能力もある」と指摘しているが、攻撃を行う場合の法的根拠や、攻撃を受ける国の同意の必要性などについて、新たな国際法の枠組みを検討するよう勧告する。来年までに最終報告をまとめる予定。報告は国連加盟国への拘束力をもたないが、国連人権理事会が国際人道法違反の有無を最終的に判断し、対応を検討するとみられる。
 オバマ米大統領は地上軍などを投入した他国への軍事介入には慎重だが、無人機によるイスラム過激派掃討には積極的とされる。日本も偵察用の無人機の15年度導入を目指し、中国も訓練を始めている。
     ◇
 〈無人機攻撃〉 遠隔操作を駆使し、ミサイルなどでピンポイントの攻撃ができる。代表的な攻撃機はプレデターやリーパーなど。米軍や米中央情報局(CIA)などが関与し、米側にとっては人的被害を出さずに効率的な攻撃や情報収集ができる利点がある。パキスタンなどでのイスラム過激派の殺害作戦を主目的にしている。一方で誤爆により民間人の犠牲も相次ぎ、問題化している。オバマ大統領は今年5月、テロ掃討のため無人機攻撃は継続するが、厳格な基準の下で行う方針を表明した。日本の防衛省も無人偵察機グローバルホークの15年度導入をめざしている。

131013 米軍アフガン駐留継続へ部分合意 最終判断は国民大会議 [朝日]

 【イスラマバード=武石英史郎】米国のケリー国務長官は12日夜、訪問先のアフガニスタンでカルザイ大統領と会談し、将来的に米軍を残すための協定締結へ向け一部で合意した。ただ、米国が求める米兵の裁判権の問題では合意できず、最終判断はアフガンの伝統的な国民大会議「ロヤ・ジルガ」に委ねることになった。

 米政府は2001年の対テロ戦開始以来、アフガンの治安を担ってきた国際治安支援部隊(ISAF)の任期が切れる来年末以降も、米軍の一部を残すため、前提となる安全保障協定についてアフガン側と1年近く交渉してきた。アフガン側は、国境紛争を抱える隣国パキスタンを念頭に「第三国から侵略を受けた場合の米国による防衛義務」などを盛り込むよう要求。米軍の作戦による市民の巻き添えに対し、主権侵害だと反発を強め、米政権内では完全撤退の可能性も検討されてきた。

 ケリー氏は11日夜に首都カブールを電撃訪問。カルザイ氏と一昼夜にわたり、断続的に会談を続けた。記者会見でカルザイ氏は、第三国からの攻撃への対応や作戦中の主権の尊重などポイントを列挙したうえで、「ある種の合意に達した」と評価。ケリー氏も「これまで協議を続けてきた問題は解決した」と語った。

 ただ、米側が駐留の前提条件としている、罪を犯した米兵に対する裁判権の放棄について、カルザイ氏が「アフガン政府の権限を越えている」として判断を留保。他の合意内容も含め、ロヤ・ジルガを1カ月以内に招集して最終判断を仰ぐ方針を示した。

130624 米情報収集暴露:元CIA職員、エクアドルに亡命申請 [毎日]

 【メキシコ市・國枝すみれ、モスクワ大前仁】南米エクアドル政府は23日、米国家安全保障局(NSA)による情報収集活動を暴露し、米政府が身柄拘束を求めている米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン容疑者(30)から亡命申請を受けたことを明らかにした。反米左派のコレア政権は昨年8月、内部告発サイト「ウィキリークス」創設者のジュリアン・アサンジ容疑者の政治亡命を認めており、今回も受け入れる可能性がある。

 ベトナムを訪問しているエクアドルのパティニョ外相は23日、元職員から亡命申請を受けたことをツイッターで明らかにした。外相は24日に記者会見する予定で、元職員の亡命についても言及するとみられる。

 元職員は23日午後、滞在していた香港からモスクワに到着。ロイター通信によると、駐ロシアのチャベス・エクアドル大使がモスクワのシェレメチェボ国際空港を訪れ、元職員や同行するウィキリークスの法律顧問と面会する意向を表明した。空港を去る際にはコメントを避けたが、今後の対応について元職員らと協議した模様だ。

 元職員はロシアの一時入国査証を持っていないと伝えられており、23日は空港内のカプセルホテルかVIP施設に泊まっているとみられる。ロシアの治安当局者は元職員の身柄を拘束しない方針を示している。

 ロシア国営航空会社アエロフロートの関係者によると、24日午後2時(日本時間同日午後7時)過ぎのハバナ行きの便の搭乗者名簿に元職員の名前が載っており、同地で最終目的地へ乗り換えるとみられている。

 ウィキリークスのアサンジ容疑者の場合、スウェーデンに移送されれば米国に身柄を移されスパイ罪で死刑になる可能性があると主張し、昨年6月にロンドンのエクアドル大使館に駆け込み、亡命申請した。コレア大統領は米英両国と対立することを承知の上で、2カ月後に政治亡命を認めた。アサンジ容疑者は既に1年以上も大使館の一室で生活している。

 コレア大統領は今年2月に得票率58%で3選を決めた。政権はキューバやベネズエラと同様、「米国の帝国主義」への抵抗が旗印であるため、元職員が入国した場合、米国の要請に従う形で引き渡す可能性は低いとみられている。

130613 米国家安全保障局:「中国にハッキング」 09年から「香港含め対象数百件」??元CIA職員 [毎日]

 【上海・隅俊之】オバマ米政権による大規模な情報収集活動を暴露した米中央情報局(CIA)の元職員で、香港に滞在中のエドワード・スノーデン氏(29)=写真(ガーディアン提供)・AP共同=は香港英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材に応じ、米政府が2009年から中国本土や香港のコンピューターをハッキングしていると語った。13日付の同紙が伝えた。

 8日まで行われたオバマ米大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談では、中国が発信地とみられるサイバー攻撃の問題も取り上げられた。中国政府は「中国もサイバー攻撃の被害者」と主張しており、今後、この問題が米中間の新たな外交の火種になる可能性もある。

 スノーデン氏によると、情報収集の対象になっていたのは、香港の大学や公務員、ビジネスマンや学生らで、ほかに中国本土も対象にしていた。米国家安全保障局(NSA)は世界中で6万1000件以上のハッキング活動を行い、香港や中国本土を対象にしたものは数百件だったという。「中国の軍事システムに関する情報は漏えいしていない」と述べた。

 米司法省は重大な機密漏えいの可能性があるとして捜査に乗り出している。米政府と香港政府の間には犯罪人引き渡し協定があり、米政府が求めればスノーデン氏は米側に引き渡される可能性もある。スノーデン氏は「離れるよう求められるまで」香港にとどまるとの意向を示した上で、引き渡し要求があれば「(香港の)裁判所で米政府と闘う。香港の法治を信じている」と語った。

 また、スノーデン氏は「私は隠れるためではなく、犯罪を暴くためにここにいる」とも強調。「世界の人々がこのような組織的なプライバシーの侵害に反対していることをうれしく思う」と述べ、国際社会の理解が広まることに期待を示した。

130610 情報源は元CIA職員 米政府のネット極秘調査巡る [朝日]

 【ワシントン=望月洋嗣】米政府がネット上の個人情報を極秘調査していたことなどを報じた英ガーディアン、米ワシントン・ポスト両紙の情報源が、米情報機関の国家安全保障局(NSA)で働く米国人エドワード・スノーデン氏(29)だったことが9日、明らかになった。同氏は身元を公表し、米政府によるプライバシー侵害を問題視し、機密文書の存在を告発したと語った。
 米情報機関による極秘調査は、テロ防止策の一環としてブッシュ前政権下で始まった。人権重視を掲げるオバマ政権がこうした手法を継承し、拡張したことが明らかになり、米国で大きな議論を呼んでいる。
 ガーディアン電子版によると、スノーデン氏はNSAと契約するコンサルタント会社の社員で、米中央情報局(CIA)で技術者として働いたこともある。約3週間前までに、ハワイのNSA事務所で米政府の機密文書をコピーして持ち出した。5月20日に香港に渡り、現在も滞在している。
 スノーデン氏は機密情報を両紙に提供した動機について「米政府が世界中の人々のプライバシーやインターネット上の自由、基本的な権利を極秘の調査で侵害することを良心が許さなかった」などと説明。名乗り出た理由については「私は何も悪いことはしていないので、隠れるつもりはない」と語った。
 両紙は今月、スノーデン氏が提供した情報を元に、NSAや米連邦捜査局(FBI)が、携帯電話の通話記録やインターネット上の個人情報を極秘に収集・分析していたことをスクープした。
 クラッパー国家情報長官の報道官は9日、「機密情報の取り扱い許可を持つ者は、機密を守り、法に従わねばならないと承知している」とするコメントを発表。スノーデン氏の行為が犯罪にあたるおそれがあると示唆した。
 オバマ政権は電話の盗聴はしておらず、ネットの極秘調査も米国外の人々が対象だったと説明。連邦裁判所の許可や米議会の承認も得ており、法的な問題はないとの立場を取っている。

130607 米政府、ネット個人情報収集 テロ捜査名目、9社協力 [朝日]

 【ワシントン=望月洋嗣】米政府の情報機関、国家安全保障局(NSA)と連邦捜査局(FBI)が、テロの捜査などを名目に、インターネット上の個人情報を極秘に収集していたことが分かった。グーグルやフェイスブックなど9社が、この情報収集に協力していたという。
 米紙ワシントン・ポストが6日、独自に入手した米機密文書の内容を元に報じた。同紙によると、米政府は対外情報監視法(FISA)に基づき、PRISMと呼ばれる極秘の情報収集プログラムをブッシュ前政権下の2007年にスタート。オバマ政権も、捜査令状のない情報収集を拡大してきたという。
 情報収集は外国のテロ組織の捜査を目的としており、マイクロソフト、ヤフー、ユーチューブ、スカイプ、アップルなどが協力してきたという。フェイスブックなど数社はワシントン・ポストの取材に対し、このプログラムを関知しておらず、いかなる米政府機関にもサーバーへの直接のアクセスは許可していない、などと説明している。
 NSAなどの情報機関はPRISMによる情報収集に強く依存しており、大統領向けの毎朝の報告でも、昨年だけで1477件の情報を引用したという。
 米情報機関を統括するクラッパー国家情報長官は6日夜の声明で「このプログラムで収集された外国の情報は最も重要で、広範な脅威から米国を守るために利用されてきた」と弁明。今回の報道を「米国民の安全を脅かす」と非難した。

120930 アフガンでの米兵死者2千人に 泥沼化を象徴、AP通信 [東京]

 アフガニスタンの首都カブールで、米中枢同時テロから7年の式典に出席する米兵ら=2008年9月11日(AP=共同)

 【ニューデリー共同】アフガニスタンでの米兵死者が2001年の米軍による攻撃開始以来、2千人に達したとAP通信が30日、報じた。独自集計としている。
 死者が10年5月に千人目に到達後、わずか約2年4カ月で2千人に増加。反政府武装勢力タリバン掃討作戦の泥沼化を象徴しているといえそうだ。
 最近ではアフガンの警官や国軍兵が外国部隊に発砲する事件が続発。治安部隊内部へのタリバンの浸透が懸念されている。2千人目の死者も民間契約職員と共に検問所で国軍兵に射殺された。
 イスラム教預言者侮辱映像をめぐる抗議デモなど、市民レベルでも反米感情が高まっている。

120922 米、アフガンから3万人撤退完了 治安悪化の懸念なお [朝日]

 パネッタ米国防長官は20日の声明で、アフガニスタン駐留米軍のうち3万3千人の撤退を、計画通りに完了したと発表した。オバマ大統領は11月の大統領選を前に、公約通りに撤退を進めた形だ。ただ、アフガン兵が米兵を襲撃する事件が続発するなど、治安をめぐる不安は絶えていない。

 オバマ大統領はアフガンの安定化を重視し、09年12月に発表した新アフガン戦略で3万3千人を増派。昨年6月、2014年末にアフガン政府に治安権限を完全移譲する計画の一環として、この秋に増派部隊を撤退させる方針を示していた。撤退完了で駐留米軍は6万8千人になった。

 パネッタ長官は声明で、アフガンの治安組織の規模が拡大し、全人口の75%が住む地域で治安維持の主導権をまもなく握るようになることを明らかにした。

120921 CIAがイスラム聖職者を拉致…伊最高裁が認定 [読売]

 【ローマ=末続哲也】イタリア最高裁は19日、2003年に同国北部ミラノの路上でエジプト人のイスラム教聖職者を拉致してエジプトへ連行したとして、米中央情報局(CIA)要員ら米国人23人の誘拐罪を認めた下級審判決を支持する判決を下した。

 裁判は米国にいるとみられる被告が不在のまま、行われた。量刑は禁錮9~7年。

 拉致された聖職者は、イタリアとドイツの米軍基地を経てエジプトに移送され、拷問を受けたとされる。

120913 反米抗議デモ、イスラム圏全域へ拡大の様相 [読売]

 【カイロ=貞広貴志、ワシントン=山口香子】リビアやエジプトで発生したイスラム教の預言者をからかう米映画に反発する民衆の反米デモは12日夜(日本時間13日未明)、チュニジアなど周辺国に飛び火し、イスラム圏全域へと拡大する様相を見せ始めた。


 リビア東部ベンガジの米領事館襲撃事件について、米政府内では、米同時テロから11年の機会をとらえた計画的テロとの見方も浮上している。

 チュニジアの首都チュニスでは12日、米大使館前に集まった約50人が米国旗を燃やした。エジプト・カイロの米大使館前のデモは、12日も夜通し行われた。モロッコやスーダン、パレスチナ自治区ガザ市でもデモがあった。

 襲撃事件では、米領事館内にいたクリストファー・スティーブンス駐リビア大使(52)と職員3人が死亡。米政府高官は12日、襲撃は「計画された軍事攻撃なのは明白だ」と述べ、米映画への抗議行動が過激化した結果ではなく、武装勢力による計画的犯行との見方を示した。米当局のテロ対策担当者もAP通信に、「(襲撃が)自然発生したと見るには、連携がとれ、訓練され過ぎている」と述べた。

 ロイター通信は、米領事館職員の誘導に当たったリビア政府系民兵組織幹部の話として、米国人37人が領事館などから退避した秘密の避難場所が11日夜、武装勢力によって正確に砲撃された事実を明らかにした。

1205 ビンラーディン殺害作戦協力…医師に国家反逆罪 [読売]


 【イスラマバード=横堀裕也】パキスタン部族地域の裁判所は23日、国際テロ組織アル・カーイダ指導者ウサマ・ビンラーディン殺害作戦で米中央情報局(CIA)に協力したパキスタンの男性医師、シャキル・アフリディ被告に対し、「国家反逆罪」で禁錮33年と罰金32万ルピー(約28万円)の判決を言い渡した。


 地元メディアによると、医師はCIAの指示で、ビンラーディンが潜んでいたイスラマバード近郊の邸宅周辺でポリオワクチンの無償提供を実施。ビンラーディンの家族のDNAサンプル採取を試みたとされ、「外国政府に協力したスパイ行為」と認定された。

 この医師はパキスタン当局により昨年5月の殺害作戦後に拘束され、米政府は釈放を求めていた。判決を受け、米国務省のヌーランド報道官は23日の記者会見で「拘束の根拠が見当たらない」と改めて批判した。

(2012年5月24日19時42分 読売新聞)

111119 駐米サウジ大使暗殺未遂で国連決議 米、イランに圧力 [朝日]

 イラン系米国人が駐米サウジアラビア大使の暗殺を企てたとされる事件をめぐり、国連総会は18日、遺憾の意を表明し、イランに捜査への協力を求める決議案を賛成106、反対9、棄権40で採択した。イラン政府の関与を断定するオバマ米政権は、決議採択を追い風にイランへの圧力を強めると見られる。

 決議案はサウジアラビアが提出。イランが事件に関与したかについての言及はないが、「外交使節に対する暴力行為を強く非難する」としたうえで、イランに「国際法の下でのすべての義務を順守する」ように要求し、関与を示唆する書き方になっている。

 採択を前にイランのカザイ国連大使は「(暗殺)計画にはいかなるイラン当局者も絶対に関与していない」と強調。採決では北朝鮮やベネズエラ、キューバなどが反対し、棄権にまわった中ロも「具体的な証拠をもとに議論すべきだ」などとイランを擁護した。

110910 「米国は強くなった」大統領、9・11テロ10年で演説 [朝日]

 米同時多発テロから11日で10年になる。オバマ米大統領は10日、週末恒例のビデオ演説でこの10年を振り返り、「米国はより強くなり、国際テロ組織アルカイダは敗北への途上にある」と語った。一方でテロへの警戒を改めて強調した。

 大統領は「我々はアルカイダにかつてない戦いを仕掛けた」とし、最高指導者のオサマ・ビンラディン容疑者を含む多くの幹部を殺害した成果を強調。一方で「彼らは攻撃を続けるだろう」と述べ、今後もテロ対策に万全を尽くす必要性を訴えた。

 そのうえで、アルカイダとの戦いは続けつつも、イラクとアフガニスタンでの戦争は終結させていく考えを確認。戦争で疲弊した米社会を念頭に「今は母国で国づくりをする時だ」とした。また、「我々は自由や多様性といった価値に忠実な時に最も強く安全だ」と述べ、イスラム教徒らへの差別的な風潮を牽制(けんせい)した。

110715 アフガン民間人犠牲最悪ペース 11年上半期1462人 [朝日]

 アフガニスタンの政府当局者は14日、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)が南東部コスト州で夜襲を行った際に、民間人6人を殺害した、と語った。AP通信などが報じた。同州では市民ら約1千人が抗議デモを行った。

 また、南部カンダハル州のモスクで同日、何者かが自爆し、内務省によると、5人が死亡、15人が負傷した。モスクでは12日に殺害されたカルザイ大統領の弟アフマド・ワリ・カルザイ氏の追悼式が行われており、同省は式を狙ったテロと見ている。

 国連は14日、アフガンで今年上半期に戦闘などに巻き込まれて死亡した民間人が1462人に上り、2001年以降最悪だった昨年の同期に比べ15%増加したとの報告書を発表した。(カブール=五十嵐誠)

110502 ビンラディン容疑者を殺害 米大統領「最大の成果」 [朝日]

 オバマ米大統領は1日夜(日本時間2日)、ホワイトハウスで演説し、2001年の米同時多発テロを首謀したとされる国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者を米軍などがパキスタン国内で殺害し、遺体を確保したと発表した。同容疑者の死亡によって、約10年に及ぶ米国のテロとの戦いは大きな節目を迎えた。

 オバマ大統領は演説の冒頭で、ビンラディン容疑者が「数千人の無実の男女や子どもを殺害した責任を負う」とし、「米国の作戦によって死亡したと、米国民と世界に報告する」と語った。ビンラディン容疑者を拘束または殺害することが就任以来の最優先課題だったとし、「アルカイダ打倒の戦いの中で、最も大きな成果」と強調した。

 米政府高官によると、米中央情報局(CIA)が昨夏、ビンラディン容疑者がパキスタンに潜伏しているとの情報を入手。その後、同国北部アボタバードの潜伏先を特定した。オバマ大統領は4月29日、身柄を確保するための作戦を許可した。

 作戦は現地時間の2日未明に実施され、小規模の実行部隊がヘリコプターを使って潜伏先を襲撃。ビンラディン容疑者は銃撃戦の末に死亡し、遺体は米側が確保した。この際、同容疑者の側近2人や息子らも死亡した。

 米メディアによると、実行部隊は米海軍特殊部隊(SEALS)とCIAの軍事部門。ビンラディン容疑者は襲撃に抵抗し、頭部に銃弾を受けた。米当局は身元の確認のため、遺体のDNA型鑑定を実施しているという。

 一方、AP通信などによると、同容疑者の遺体はすでに水葬された。イスラム教の慣習で死後すみやかに埋葬すべきだとされることや、遺体の受け入れ国を探すのが困難なことが理由という。また、イスラム教の慣習に従って土葬すると、同容疑者の支持者らがその場所を「聖地」とみなしたり、遺体を奪還しようと攻撃を仕掛けたりする可能性も懸念したとみられる。

 米政府高官は、ビンラディン容疑者の死亡について「アルカイダや関連武装勢力に壊滅的な打撃となる」と指摘。一方、指導者を失ったアルカイダ側が「米国を攻撃する努力を加速させかねない」とし、米政府が世界各地の大使館に「報復テロ」への警戒を呼びかけたことを明らかにした。

 オバマ大統領も「我々は国内外で警戒心を保たねばならない」と述べたが、イスラム世界への配慮から「米国はイスラム世界と戦争しているわけではない」とも強調した。

 オバマ政権は今年7月、アフガンに駐留する米軍約10万人の部分撤退を始める。アルカイダとの戦いで「最も偉大な勝利」(米政府高官)を受けて、約10年に及ぶ泥沼の戦いからの出口がようやく見え始めたとも言える。

 ビンラディン容疑者は、1957年、サウジアラビアで建設業で財をなした富豪を父に生まれた。旧ソ連がアフガンに侵攻した79年以降にイスラム・ゲリラに参加。91年の湾岸戦争でサウジが米軍駐留を認めたことへの反発から反米闘争を始めた。(ワシントン=望月洋嗣)

101225 パキスタン 自爆テロの犠牲者、最悪更新 無差別化進む [朝日]

 【イスラマバード=五十嵐誠】パキスタンで自爆攻撃による死者数が今年、過去最悪を更新した。地元紙ニューズが24日に報じた。一方で、自爆攻撃の件数自体は昨年より3割以上減っており、民間人を狙ったり、巻き込んだりする無差別テロ化が進んでいることがうかがえる。

 同紙がパキスタン内務省のデータを基に報じたところによると、今年1月から今月23日までの間、自爆攻撃で犠牲になったのは1224人で昨年を7人上回った。このうち民間人は85%の1041人。宗派別では少数派のイスラム教シーア派信者が151人、アフマディーア教団信者などが103人だった。

 件数は52件。昨年は80件だった。平均すると今年は1件の攻撃で23.5人が死亡した計算になる。

101120 ウイルス、イラン核施設標的説に現実味 米社明らかに [朝日]

 【ワシントン=勝田敏彦】産業制御システムを乗っ取るウイルス「スタクスネット」が、ウラン濃縮などに使われる遠心分離器を誤動作させるのに最適な設計になっていることがわかった。スタクスネットの感染は、イランに集中しており、同国内の核施設が標的との説が現実味を帯びることになる。

 米セキュリティーソフト大手シマンテックの公式ブログで明らかにした。同社によると、スタクスネットは、非常に高い回転数モーターの回転数を制御するシステムを乗っ取って回転数を急に変動させ、誤動作させる設計になっていた。

 この種の制御システムの用途は、核燃料や核兵器の製造のためのウラン濃縮装置などに限られる。また、スタクスネットは、フィンランドまたはイラン・テヘランに本社があるメーカー2社の製品だけに影響することもわかった。

 スタクスネットの感染はイランなどに集中しており、プログラムにはイランへの警告とも受け取れる旧約聖書の登場人物を暗示する単語が書き込まれていることも判明。イランの核開発を恐れるイスラエルの関与を疑う見方があるが、19日付米紙ニューヨーク・タイムズによると、イスラエル当局者は最近、関与などについて尋ねられると、笑顔を見せているという。

101023 イラク戦争、市民の死者は6万人超 機密暴露サイト公表 [朝日]

 【ロンドン=伊東和貴】民間ウェブサイト「ウィキリークス」が22日、イラク戦争を巡る米軍などの機密文書約40万件を公表した。事前に情報提供を受けていた米英メディアは電子版で、市民の死者数は民間団体の集計より1万5千人多く、米軍がイラク当局による拷問を黙認していたと報じた。

 ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジュ氏は23日、ロンドンで記者会見し、「民主国家は戦争を始める際に常にウソをつく。イラクでもそうだった。そのウソを暴いていく」と述べ、さらなる米軍の機密公開に踏み切る考えを示した。

 公表されたのは2004~09年の文書39万1832件。この間のイラク戦争の死者は約10万9千人で、約6万6千人が民間人だとしている。イラク戦争の民間人死者数を数えているNGO「イラク・ボディー・カウント」は「これまでの記録より約1万5千人多い」と指摘した。

 また、英ガーディアン紙の電子版は文書が「米軍がイラク警察と軍による何百件もの虐待、拷問、強姦(ごうかん)、殺人の報告を調査しなかった」ことを詳述していると説明。手足を縛られ、殴打やムチ打ち、電気ショックを受けるなどして6人の囚人が死亡した▽12人のイラク兵が囚人を通りに連れ出して射殺するビデオが米軍に渡されていた――などの事例を紹介した。

 一方、やはり情報提供を受けていた米ニューヨーク・タイムズ紙は電子版で、米兵が拷問を止めようとした事例も紹介。「人命を危険にさらす文書は改訂するか公開を控えた」とし、米政権に配慮をみせた。このほか、仏ルモンド紙、独シュピーゲル誌も事前に情報提供を受けた。

 ウィキリークスは7月にアフガニスタン戦争を巡る米軍などの機密情報を公表した際、個人名の公開が人命を危険にさらすと批判された。アサンジュ氏は23日の会見で今回は多数の個人名を削除したと説明し、「いかなる個人にも危害が及ぶことはないと確信している」と述べた。

 また、ウィキリークスの報道担当は7月に続き、アフガン戦争を巡る米軍の機密文書約1万5千件を近く公表する方針も明らかにした。

     ◇

 〈ウィキリークス〉 各国の機密や企業の秘密情報を暴露する民間ウェブサイト。元ハッカーのジュリアン・アサンジュ氏が、欧米のジャーナリストや中国反体制活動家らと2006年に創設。7月にアフガン戦争を巡る米軍などの機密文書を公開した。資金の大半は寄付。事務所を構えず、数人の常勤者と約1200人とされるボランティアで運営する。

101007 NATO軍のパキスタン兵攻撃は「過失」 司令官が謝罪 [朝日]

 【ワシントン=望月洋嗣、イスラマバード=五十嵐誠】アフガニスタンに展開する北大西洋条約機構(NATO)軍がパキスタン兵を攻撃した事件で、NATOが主体の国際治安支援部隊(ISAF)のペトレイアス司令官(駐留米軍司令官)は6日、パキスタン軍や遺族に謝罪した。パキスタン政府は事件を受け、NATOの補給路の国境を封鎖。立ち往生した輸送車への襲撃が相次いでおり、関係国は収拾を急いでいる。

 NATOは6日、この事件について、NATO側の過失だったとする暫定調査結果を発表した。調査結果によると、NATO軍のヘリは9月末にパキスタン領空に数回侵入。付近での交戦を警告するために発砲した国境警備のパキスタン兵を武装勢力と誤認し、攻撃した。2人が死亡、4人が負傷したという。ペトレイアス氏は「再発防止に向けてパキスタン軍と協力を続ける」としている。

 一方、パキスタン政府による国境封鎖は6日で7日目となったが、輸送車への襲撃は依然続いている。6日にはパキスタン西部クエッタ近郊で、NATO軍への補給物資を積んだ輸送車が駐車中に武装集団に燃やされ、AP通信によると、25台が炎上、運転手1人が死亡した。

 AFP通信によると、反政府武装勢力「パキスタン・タリバーン運動」(TTP)が犯行を認めた。アフガン駐留米軍は無人機を使ったパキスタンへの越境攻撃を強めており、TTPは「無人機による我々への攻撃激化に伴い、輸送車への襲撃も激しくなる」と語り、襲撃が越境攻撃への報復だと主張した。

100907 イラク駐留米軍、テロに応戦 戦闘終了宣言、はや骨抜き [朝日]

 【カイロ=平田篤央】イラクの首都バグダッドで5日に起きたテロ事件で、駐留米軍がイラク軍とともに応戦していたことが分かった。オバマ米大統領が8月末に、米軍の戦闘任務終了を宣言して1週間足らず。たやすくない現実を突きつけられた形だ。

 テロがあったのはバグダッドのイラク軍師団本部。AP通信によると、自動小銃や手投げ弾で武装した男たち6人が急襲し、警備の兵士と銃撃戦となった。うち4人は死亡したが2人が敷地内に入り込むと、別の男が自動車で突っ込んで自爆。生き残った2人も弾薬が尽きると自爆したという。このテロでイラク軍兵士ら計12人が死亡した。

 駐留米軍のブルーム報道官によると、イラク軍兵士の訓練のため師団本部にいた米兵が、イラク軍を支援して銃撃戦に参加。さらに、イラク側は米軍にヘリコプターの出動などを要請した。米兵の死傷者はいなかったという。

 米軍は8月末で戦闘任務を終えたものの、5万人規模の部隊を残し、イラク軍の訓練や復興支援を担う文民の警護などにあたる。ただ、両国間の取り決めで、イラク側の要請があれば、武装勢力との戦闘に加わることも可能だ。

 今回テロがあった師団本部は、8月17日にもアルカイダ系武装組織によると見られる自爆テロがあり、約60人が死亡した。同じ軍施設が再び攻撃されたことは、イラク軍の治安能力が自立には遠いことを示した。

 オバマ大統領は、11月の中間選挙もにらんで、戦争に費やしてきた財源を経済対策に振り向ける姿勢を強調。来年末に米軍を完全撤退させる考えを改めて示した。しかし、今後も駐留部隊が戦闘に巻き込まれる事態が続けば、「戦闘終了は言葉だけ」との批判が高まり、撤退日程にも影響が出かねない。

100806 アフガンのテロ74%増、イラクは25%減 米報告書 [朝日]

 【ワシントン=村山祐介】米国務省は5日、2009年のテロ年次報告書を発表した。テロ攻撃の件数は、来年末に米軍完全撤退を控えるイラクが大幅に減った一方、大規模増派を強いられたアフガニスタンで急増、パキスタンでは大規模攻撃が目立つなど、米国が抱える「二つの戦争」の治安状況の落差が裏付けられた。

 国家テロ対策センターの集計では、09年の世界全体のテロ攻撃数は前年比約6%減の1万999件で、3年連続で減った。イラクでは同約25%減の2458件で、06年の4割の水準だった。

 一方、アフガニスタンは2126件で前年比約74%も急増。パキスタンは1915件と同約4%の微増だったが、犠牲者数は同約3割も増え、10人以上の犠牲者が出た大規模攻撃と自爆テロの件数で、それぞれイラクを上回った。

 報告書は、パキスタンに潜伏する国際テロ組織アルカイダの中枢を「依然、米本土を狙う最も恐るべきテロ組織」と位置づけ、米国攻撃計画への活発な関与を指摘。米上空で昨年末に起きた旅客機爆破テロ未遂事件で犯行声明を出したイエメンの「アラビア半島のアルカイダ」や、ソマリア南部を支配するイスラム武装勢力「シャバブ」など関連組織の活動が活発化し、「より脅威は拡散している」と分析した。

 テロ支援国家としては、昨年に続きイラン、シリア、キューバ、スーダンを指定した。08年に指定が解除された北朝鮮は、米国のテロ対策に「非協力的な国」との認定を例年通り更新。ベンジャミン同省テロ対策調整官は会見で、北朝鮮による中東への武器密輸疑惑などを「調査している」とし、事実と確認できれば再指定を検討する考えを示した。

100528 「軍事より外交的解決を優先」 米、新安保戦略を発表 [朝日]

 【ワシントン=望月洋嗣】米オバマ政権は27日、軍事、外交政策の指針となる文書、国家安全保障戦略を政権発足後初めて発表した。軍事力を安全保障上の礎石としつつも、国際協調主義と外交的関与による解決を優先する方針を明確にし、ブッシュ前政権の単独行動主義や先制攻撃論などと一線を画す姿勢を示した。

 同戦略の本文は52ページ。オバマ大統領は前文で、米国が「広く影響力のある暴力のネットワークと、10年近く戦争状態にある」とし、国際テロ組織アルカイダとその関連組織が米国の敵だと位置づけた。さらに、米国は破綻(はたん)国家や敵対的な国家からの複数の脅威にさらされているとし、米国の軍事力の優越性を保つ意向を確認した。

 また、「米国の強さと影響力の基盤を再生する戦略を追求すべきだ」とし、「経済成長と財政赤字削減」の戦略上の重要性を強調した。

 核開発問題で国際社会と対立する北朝鮮やイランに対しては、対話を基軸とする米国の関与を受け入れるか、深い孤立を選ぶかの選択を迫った。両国が外交的解決の道を無視した場合は「米国は両国の孤立に向けた複数の手段を追求し、国際的な不拡散体制を順守させる」としている。

 国際的な課題の解決に向けた原則として、多国間主義の重要性を強調。「国際機関の強化や集団的な行動の活性化」によって、過激主義の撲滅、核拡散の防止、安定した経済成長、気候変動などに取り組む。中国、インド、ロシアなどの新興国との協力を強める方針を示している。

 以前からの同盟・友好国との関係を再強化する方針も示し、日本と韓国について「地域と世界の課題に対処するうえで指導力の重要性が増している」と言及。「21世紀の安全保障の課題に対処するため、両国との関係を近代化していく」とうたった。

 テロ対策では、イスラム勢力全般を敵視するような政策を否定し、「我々はアルカイダとその関連組織との戦争にある」と強調。軍事的手段だけでなく、民生、米国の価値観、多国間協力などを総動員する「持続的かつ総合的な作戦」で撲滅を目指すとした。また、アルカイダの拠点があるとされるアフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリアで、統治の改善や汚職対策、教育、保健分野の支援に取り組む方針を示した。

 国家安全保障戦略は、政権ごとに議会への提出が義務づけられている。ブッシュ前政権は2002年と06年に発表。02年には大量破壊兵器を持つ敵への先制単独攻撃を辞さないとする「ブッシュ・ドクトリン」を提唱した。

0218 イラク戦争に「英国式けじめ」 独立調査委、首相を喚問

1月29日のイラク戦争独立調査委員会で、ブレア前英首相(手前の後ろ姿)の証言を聞く委員たち=ロイター
 【ロンドン=橋本聡】英国で、イラク戦争を検証する独立調査委員会の取り組みが続いている。参戦を決断したブレア前首相を1月末に喚問し、3月初めには、ブレア政権ナンバー2だったブラウン首相(当時財務相)も呼ぶ。総選挙を控えて政治的な思惑もからむが、世論を二分する問題に一つの区切りを与える、英国伝統の知恵でもある。

 ブレア氏が喚問されたのは1月29日。6時間にわたって自分の決断の正しさを主張した。チルコット委員長が「兵士遺族も傍聴している。参戦に後悔はありませんか?」と問うと、ブレア氏は「サダム・フセイン(イラク大統領)を除去したことを後悔していない。彼は怪物で世界への脅威だった」と言い切った。

 その翌週には開戦当時の女性閣僚ショート氏が証言。「大事な情報は私たちに伝えられず、ペテンにかけられた」とブレア氏の側近政治を真っ向から批判した。

 米英が開戦の「大義」とした大量破壊兵器はイラクになく、調査委の焦点は、ブレア氏ら政権中枢が内閣や議会を「ミスリード(誤導)したか」に絞られている。

 英国は昨夏まで軍部隊をイラクに駐留させ、179人が犠牲になった。イラク戦争はまだ過去のものではなく、テレビ中継される調査委の喚問を国民は注視する。調査委はネットのホームページでも喚問記録を公開している。

 ブレア氏喚問後の英紙インディペンデントの世論調査によると「ブレア氏は戦犯として裁判にかけられるべきだ」に賛成が37%、反対57%。6割が「ブラウン首相にも共同責任がある」と答えた。

 英国では5月にも総選挙がある見通しだ。ブラウン首相の喚問は、影響を避けるため総選挙後の予定だった。ところが1月、首相自身が「総選挙前に」と申し出た。野党から「喚問がこわいのか」とあげつらわれ、逃げ腰のレッテルを張られるのを嫌ったためだ。この問題に早く区切りをつけ、風向きを変えたいとの思惑もありそうだ。

     ◇
 英国の独立調査委員会方式の歴史は、20世紀初めにさかのぼる。英議会は強い調査権限を持つが、二大政党制のもとで手順などをめぐって対立が起き、暗礁に乗り上げてしまうことが多かった。

 オックスフォード・ブルックス大のダイアナ・ウッドハウス教授(法学)は「政治的に中立で一般の人びとから尊敬される議会外の『賢人』に調査を委ねる方式が生まれた」という。

 これまでに設置されたのは約80件。1982年のフォークランド紛争後にはサッチャー政権の責任が問われ、「政府に落ち度なし」との結論が出された。近年では、牛海綿状脳症(BSE)や北アイルランドの流血事件をめぐる調査もあった。

 イラク戦争の調査委員は戦史研究家のオックスフォード大教授ら男性4人、女性1人。委員長のチルコット氏は元官僚。

 調査は長期におよぶため、政府にとってはその間、論争を棚上げして時間稼ぎができるという面もある。調査がうわべだけのガス抜きに利用されている、との指摘もある。

 しかしタイムズ紙のコラムニスト、ベン・マッキンタイア氏は「どんな結論であれ、そこに至る過程そのものに大切な意味がある」と言う。ウッドハウス教授も「調査委の結論に満足しない人もいるだろうが、国民的議論に終止符が打たれ、歴史のひとこまになっていく。イラク戦争調査が公開の場で歴史に刻まれていく意義は大きい」と話す。

     ◇

 〈英国のイラク戦争調査〉 イラク戦争や占領政策に疑問をもつ世論や野党の突き上げで、ブラウン首相が昨年7月、歴史学者や元外交官ら5人から成る独立調査委員会を設けた。政府の機密書類を精査し、11月から政治家、外交官、軍幹部、情報機関トップら約80人を喚問した。結論が出るのは早くても今年末。

0113 「イラク戦争は国際法違反」オランダ政府調査委が報告 [朝日]

2010年1月13日21時51分
 【ブリュッセル=井田香奈子】オランダ政府の独立調査委員会は12日、米、英の主導で03年3月に始まったイラク戦争が、国際法違反だったとする報告書を公表した。米英が攻撃の根拠とした国連決議について「さらなる決議なしに、個別の国々のイラクへの侵攻を認めるものではなかった」とし、攻撃を支持したオランダ政府も決議の解釈を誤っていたとしている。

 オランダがイラク攻撃を支持した際、政府内でも適法性に疑問が出ていたことが議会などで問題になり、バルケネンデ首相が昨年、元最高裁長官を座長とする委員会に調査を委嘱していた。

 報告書によると、オランダ政府は02年9月に攻撃支持の立場を決定したが、調査委は本来のオランダの政策や国内世論には沿っていなかったと判断。政府が、イラクの大量破壊兵器をめぐる情報機関の一部の情報に追従していたと指摘した。

 米英のイラク攻撃をめぐる欧州各国の対応は分かれ、フランス、ドイツが強く批判した一方、オランダは「フセイン大統領が国連決議に従うことを拒否した」として米英への支持を表明していた。オランダは米英による攻撃後の03年から05年にかけて、イラクでの国連の治安維持活動に約1100人を派兵した。

0108 米大統領がテロ対策改革表明 米機爆破未遂受け [CNN]

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は7日、米機爆破テロ未遂事件に関連した情報機関など政府側のミスについて説明し、事件を受けたテロ監視体制の改革を表明した。


大統領は、政権スタッフや政府機関、その要員が最高レベルで職責を果たしていなかったとしたうえで、最終的な責任は自分にあると明言。米政府がテロ未遂事件を防げなかった問題点として(1)情報機関がイエメンにある国際テロ組織アルカイダ系武装組織の対米攻撃計画を把握していたものの、積極的に取り組まず情報を優先的に扱わなかった(2)情報機関間で把握されていた情報が分析、統合されていなかった(3)こうした情報機関のミスで、事件の容疑者を航空機への搭乗拒否リストに載せられなかった──の3点を挙げた。


大統領はそのうえで、改革策として(1)具体的で優先度が高い脅威に関する手がかりを徹底追跡する責任者を任命する(2)情報機関の報告をより広範囲かつ速やかに配布する(3)ブレア米国家情報長官による現行の情報分析の全面的見直し(4)搭乗拒否リストを中心にテロ容疑者監視リストへの掲載基準を強化──の4点を指示したことを明らかにした。


ただし大統領は、今回の事件で使われたような爆発物を探知するため必要な技術を、国内外の空港が備えていないと指摘。米国土安全保障省に対し、各国と連携して旅客便の安全対策を改善し、空港保安検査の強化を図るよう指示したと述べた。大統領はまた、エネルギー省が保安検査の改善に向けた技術開発に取り組むと語った。
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