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■地球温暖化09Ⅳ

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1224 「温室ガス削減もう無理」鉄鋼・電力業界が予防線 [朝日]

2009年12月24日1時1分
 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)の政治合意がまとまり、先進国は2020年の自国の削減目標を来年1月末までに一覧表に書き込むことになった。鉄鋼や電力など日本の一部産業界からは、鳩山政権が掲げる「1990年比25%削減」の見直しを求める声が噴出している。温室効果ガスの削減は「これ以上できない」と、各業界は予防線を張るのに懸命だ。

 「削減目標は90年比25%削減ありきでなく、早急に再検討すること」。日本鉄鋼連盟の宗岡正二会長(新日本製鉄社長)は21日、政府に削減目標の見直しを求める見解を発表、会見でも「日本だけが突出した目標を掲げると、日本の産業構造に大きな影響を与える」と強調した。日本製紙連合会の芳賀義雄会長(日本製紙グループ本社社長)も同日の会見で「国際競争力の低下につながる」と、25%削減を見直すよう求めた。

 電気事業連合会の森詳介会長(関西電力社長)も19日に出したコメントで「『すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が前提』という基本原則を崩さず」などと強調し、安易な25%削減の書き込みを牽制(けんせい)した。

 鳩山由紀夫首相が9月に国連で「90年比25%削減」を公約し、麻生前政権の「8%削減」がほごになったことで、鉄鋼や電力などのエネルギー多消費業界は大きな衝撃を受けた。巻き返しに出たのは12月のCOP15直前だった。

 まず、鉄鋼連盟が11月下旬、20年時点で500万トン減らすという独自の二酸化炭素(CO2)削減目標を発表。500万トンは日本の鉄鋼業界が排出するCO2約1億8千万トン(08年度)のわずか2.8%で、鳩山政権に対して「削減できない」と宣言した形だ。さらに鉄鋼連盟や電事連など9団体で、京都議定書の暫定延長などに反対する文書を作り、政官界への働きかけを強めていた。

 COP15開催中の今月15日には日本経団連として、20年のCO2削減目標を各業種自らが公表・実施するとした「低炭素社会実行計画」を発表。「最大限の目標水準であることを対外的に説明する」としているが、従来の自主行動計画の延長に近い。

 日本のCO2排出量の約8割は企業・公共部門で、家庭からは約2割にすぎない。環境NGO「気候ネットワーク」は電力・鉄鋼を中心にした161の発電所・工場が日本の排出の5割を占めるとし、「経団連の『自主行動』まかせでは25%削減はおろか、50年までの目標の80%削減につながらない。強制参加の排出量取引制度の導入が不可欠だ」とする。

 環境省も、民主党のマニフェストにある「排出量取引市場創設」の設計を急ぐ。同省幹部は「経団連の計画は、やりますという宣言だけ。市場ができれば、この計画にくさびを打ち込める」と語る。

 産業界も一枚岩ではない。朝日新聞の11月の主要100社アンケートでは「25%削減」に賛成が25社と、反対の18社を上回った。京都商工会議所の立石義雄会頭(オムロン会長)は21日出したコメントで「25%の削減目標に向けた努力を続けるべきだ。政府は『何を、いつまでに、どうするか』を示す必要がある」と早急な制度設計を求めた。(編集委員・小森敦司)

1220 COP15 合意文書を承認、採択見送り決裂回避 [朝日]

2009年12月20日1時16分
 【コペンハーゲン=山口智久、井田香奈子】国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)は19日、2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組みの骨格を示した政治合意文書「コペンハーゲン合意」を採択できず、承認にとどめて閉幕した。焦点だった各国の温室効果ガス排出の削減義務づけは、来年末に向けて改めて合意をめざすことになった。

 議長国デンマークはCOP15に先立ち、先進国と途上国の歩み寄りが難航することを見越して、法的拘束力のある新たな議定書の採択を断念した。その代わりにめざしたのが、COP史上初の首脳級会合を開き、政治意思によって拘束力を担保する合意文書の採択だった。

 合意文書は、温室効果ガスの2大排出国である米国と中国、日本を含む二十数カ国で立案。だが、最後まで先進国と途上国の対立はとけず、全会一致が原則の採択は見送られた。数少ない途上国の反対に配慮し、COPとしての結論は「合意に留意するという決定を容認」となった。日本政府はこれを事実上の承認と説明している。

 交渉決裂は何とか回避できたものの、その代償として温暖化をくい止めるのには不十分な内容となった。とりわけ、最大の焦点だった各国の20年までの削減目標の義務づけは盛り込むことができなかった。先進国は削減する総排出量の目標を掲げ、来年1月末までに一覧表に書き込むことになる。一方、途上国は排出量の削減率を明らかにすることも求められない。ただ、国連に2年に1度、排出量の状況を報告し、一覧表をつくる。

 合意文書の承認による具体的な成果は、途上国支援策の前進だ。先進国は来年から12年まで年100億ドルを途上国に拠出することが事実上決まったことだ。また、20年までに官民あわせ年最大1千億ドルの拠出が可能になるよう努力する。

 また、ポスト京都の枠組みづくりを話し合う国連作業部会は来年も存続することになった。各国の削減義務や途上国支援の仕組みをさらに具体化するための交渉が続く。ただ、来年末のCOP16に向けて、法的拘束力のある文書の採択をめざすと明示できなかった。

 コペンハーゲン合意の原案は、主要先進国や一部の途上国で練り上げた上で、約190カ国の締約国で構成されるCOP総会に示された。南米諸国などが「原案づくりの経緯が不透明」と強く反発。COP15の最終日と定めていた18日をすぎても、議論がまとまらず、19日午前までずれ込んだ。議長を務めていたデンマークのラスムセン首相が合意を見送ろうとする一幕もあったが、副議長が議長の代役となり、合意文書の承認にこぎ着けた。

1219 COP15 コペンハーゲン合意の要旨 [朝日]

2009年12月19日22時13分
 COP15でのコペンハーゲン合意の要旨は次のとおり。

 《長期目標》 気温上昇は2度を超えるべきではないという科学的な見地を認識。温室効果ガスの大幅な削減に合意する。できるだけ早く排出量を減少に転じさせるために協力する。ただし、途上国が減少に転じる時期は先進国よりは遅くなる。

 《先進国の削減目標》 先進国(条約の付属書1国)は、2020年の温室効果ガスの削減目標を約束する。各国の目標は来年1月中にリスト化する。京都議定書の締約国は、京都議定書によって削減目標を補強する。先進国の削減や資金支援の取り組み状況は検証される。

 《途上国の削減計画》 途上国(条約の非付属書1国)は、国内法などにより削減計画を実行し、来年1月中にリスト化する。削減計画の取り組み状況は、2年に1度、国連を通じて公開される。国際的な支援を受けた取り組みは、国際的に検証される。

 《森林対策》 森林減少の防止や森林吸収源の対策に資金が回る仕組みをつくる。

 《途上国への資金支援》 支援規模は拡大される。10~12年に計300億ドルが先進国から提供される。温暖化被害対策への支援は最貧国や島国、アフリカ諸国が優先される。途上国による削減計画の実効性と透明性を確保する観点から、先進国は20年時点で1千億ドルの資金流通が可能になるように努力する。これは官民さまざまな資金源から調達される。

 《協定の見直し》 この協定の取り組み状況を2015年までに検証する。その際には長期目標を再検討する。


1219 COP15、主要国大筋合意 途上国は不満 [朝日]

2009年12月19日12時48分
 【コペンハーゲン=山口智久、井田香奈子】国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で18日夜(日本時間19日午前)、主要国の首脳が2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)に関する政治合意案を大筋で了承した。ただ、法的拘束力はなく、温暖化をくい止めるには不十分な内容だ。19日未明から始まった総会で採択をめざす。

 COP15は最終日と定めていた18日を過ぎても、先進国と中国など一部の途上国の間で協議を続け、総会に提示された政治合意文書の文言を詰めてきた。総会では、温暖化の影響による海面上昇に苦しむツバルなど途上国が先進国の取り組みが足りないと不満を訴えており、採択を危ぶむ声も出ている。

 合意案によると、総会にかけられた文書の名は「コペンハーゲン合意」。先進国が強く求めていた途上国の温室効果ガスの排出削減を検証する仕組みについては、各国の削減計画をリスト化したうえで、国連に2年に1度、排出量の状況を報告するとの文言が盛り込まれている。途上国の温暖化対策を支援するため、2012年までの3年間で300億ドル、2020年までに年1千億ドルを用意。一方、途上国が求めている先進国の20年までの削減目標については、目標値そのものは盛り込まれておらず、来年1月末までに国別目標をリスト化するという表現にとどまっている。

 また、ポスト京都の枠組みを交渉する国連作業部会を来年も継続することを決める見通しだ。各国の削減義務や、途上国支援の仕組みをさらに具体化し、議定書のような法的拘束力がある文書に仕上げることを目指す。

 18日の首脳級協議後にオバマ米大統領は記者会見し、中国、インド、ブラジル、南アフリカの各首脳と「気温上昇を2度以下に抑える」という必要性を確認したことを明らかにした。合意案全体については「意味のある、前例のない前進だ。史上初めて、すべての主要経済国が気候変動の脅威に対処するため、行動する責任を受け入れた」と評価した。ただ、法的拘束力がある文書を目指すことについては、「新興国、最貧国、先進国との間で信頼関係を築く必要があり、多大な労力が必要だ」と述べた。

 一方、欧州連合(EU)議長国スウェーデンのラインフェルト首相は記者会見で「完全な合意ではない。各国が打ち出した削減目標では、温暖化の脅威は続く。これはスタートであり、来年の完成を目指す」と、新議定書を採択する必要性を強調した。

 鳩山由紀夫首相は帰国便の出発を2時間遅らせ、主要国首脳とともに大筋了承するまで協議に加わった。

1212 COP15部会案、先進国のみ削減義務 日本は拒否へ [朝日]

2009年12月12日14時12分
 【コペンハーゲン=山口智久、石井徹】2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)を話し合う国連作業部会の議長案が11日、気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で示された。12日始まる閣僚級折衝など一連の交渉のたたき台となる公式文書。だが、日本をはじめ先進国にとって厳しい案で、最終的な政治合意文書が採択される場合は内容が変わる可能性が高い。

 作業部会議長案は、COP15に向けた2年間の国連交渉で示された各国提案をまとめた内容だ。合意できていない点は選択肢として併記した。

 京都議定書から脱退した米国に対し、温室効果ガス排出の削減義務を課した。日本など他の先進国については、京都議定書の第1約束期間(08~12年)に続き、第2約束期間(13~17年、または13~20年)を設け、削減目標を新たに書き込む。

 一方、経済成長が著しい中国など新興国に対してはこれまで通り、削減義務を課していない。国連に各国が自主的に削減計画を登録し、検証を受ける仕組みをつくることで削減を促すとしている。

 COP15のヘデゴー議長は11日、作業部会議長案について「交渉の土台になる建設的な案が示された」と評価。交渉筋によると、デンマークのラスムセン首相が主導して先進国や新興国と練り上げた政治合意の議長国案は交渉のテーブルから消え、作業部会議長案を唯一の公式文書として当面の交渉が進められる。

 ただ議長案は、先進国と新興国という主要排出国だけで合意案をつくるという不透明な手法と先進国寄りの中身に反発した途上国に配慮。途上国が国連交渉で求めた先進国の2020年までの削減目標の複数の数値をそのまま書き込んでいる。

 日本は新興国の削減目標が義務づけられないまま、先進国だけが削減義務を負う京都議定書が延長されかねないとして、「最も避けたかった状況に近い」(外務省高官)と議長案を拒否する意向を表明した。米国のスターン特使も会見で「先進国には法的に削減を義務づけているが、新興国には緩い内容で不公平だ」と不満をあらわにした。

1208 米、温室効果ガスを「脅威」と認定 現行法で規制可能に [朝日]

 【ワシントン=勝田敏彦】米環境保護局(EPA)は7日、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが公衆衛生と環境への「脅威」と認定し、現行法での規制を可能にした。コペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、米国内での取り組みを強調することに加え、米連邦議会で審議中の温暖化対策法案をめぐる議論で、反対派を牽制(けんせい)する狙いもうかがえる。

 記者会見したジャクソン長官は「私たちは明確な決意を持ってコペンハーゲンの会議を迎える」と述べた。今回の認定は、米連邦最高裁が07年4月、温室効果ガスを「大気汚染物質」として規制するようEPAに促す判断をしたのを受けたもの。ブッシュ政権下のEPAは08年7月、受け入れを拒否していた。

 EPAは、CO2のほかメタンや亜酸化窒素など6種の温室効果ガスの影響を科学的に分析し、4月に「脅威」と認める見解を発表。一般からの意見募集を経て、「温室効果ガスは気候変動の主な原因」としたうえで、気候変動に伴う熱波などで「米国民の健康や福祉への脅威となる」と認定した。

 米政府は大気浄化法などに基づき、発電所に最新の省エネ装置の設置を義務づけることや、自動車の燃費規制を強化することなどによって、温室効果ガスの規制を目指している。今回の認定で、これらの規制の準備が整った。

 長官は、連邦議会で審議中の温暖化対策法案の成立に期待し、「新法による規制が最善だ」と述べたが、成立が遅れるか成立しなかった場合は、現行法による規制を先行させる可能性がある。

1206 盗まれた「温暖化」メール騒動 冷ます声明発表 [朝日]

2009年12月6日5時21分
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は4日、最新の報告書に採用された地球温暖化データを科学者が故意に操作したともとれる電子メールが見つかったことについて声明を発表した。データは多くの科学者が検証し各国政府も承認したものだとして、「人間活動が温暖化の原因の可能性が非常に高い」と結論づけた報告書の内容が覆ることはないとしている。

 この問題は、IPCCの報告書にかかわった英イーストアングリア大の研究者らがやりとりしていたメールが、何者かによってネットに公開されたのがきっかけ。同大のコンピューターにハッカーが侵入、メールが盗まれたとされる。その中に「気温の低下を隠す策略」などの記述が見つかり、データの信頼性が話題になっている。

 欧米のメディアの中に、こうした経緯を大きく取り上げているところもある。7日からデンマークで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に影響するのでは、といった声も上がっている。こうしたことから、IPCCは公式に見解を明らかにしたとみられる。IPCCのパチャウリ議長は「私信の不法なハッキングで起こった不幸な事件」と説明している。

 欧米ではニクソン米大統領が辞任するきっかけになったウォーターゲート事件になぞらえ、クライメート(気候)ゲートとも呼ばれている。(小堀龍之)

1204 インドもCO2削減目標 GDPあたり20~25% [朝日]

2009年12月4日3時7分
 【ニューデリー=高野弦】インド政府は3日、同国の地球温暖化対策として、一定の国内総生産(GDP)を生み出すのに必要な二酸化炭素(CO2)の排出量を、2020年までに05年比で20~25%削減すると発表した。

 主要排出国の中で削減方針を示すことに消極的だったインドが数値目標を定めたことは、デンマーク・コペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の交渉の弾みとなる。同時に、中国の削減目標と同様に経済成長に伴う排出増を妨げない目標を掲げたことで、途上国は総排出量の削減には応じないというメッセージも鮮明になった。

 ラメシュ環境相が国会答弁で公表した。

 数値は自主的な目標。GDP当たりの削減は、CO2総排出量の削減ではなく、エネルギー効率の改善を数値化したもの。対策を講じない状態よりは排出量は減るが、経済成長が続けば排出は増える。

 インドの目標が中国の目標(20年までに05年比でGDPあたり40~45%削減)のほぼ半分にとどまったのは、中国との経済発展段階の違いを反映してのことだ。1人当たりのCO2排出量は中国の4.57トンに対してインドは1.18トン。インドでは、電気を国全体に行きわたらせるために石炭火力を含めてまだ多くの発電所建設が計画されている。

 インドは「途上国の代表」を自負し、世界貿易機関(WTO)交渉などでも先進国主導の動きに抵抗してきた経緯から、COP15の交渉でも「最も手ごわい相手」(外交筋)とみられている。そのインドが数値目標を公表したのは、中国やブラジルなどが相次いで削減目標を公表したことで「このままではインドだけが悪者になってしまう」(ラメシュ氏)事態を避けるためとみられる。

1204 ネパール、エベレスト仰ぐ高地で閣議 温暖化対策訴え [朝日]

2009年12月4日22時58分
 【ニューデリー=武石英史郎】世界最高峰エベレスト(標高8848メートル)を間近に望むネパール北東部カラパタール高地(同5545メートル)で4日、同国のマダブ・ネパール首相らが閣議を開いた。高山病の恐れから、酸素マスクを装着しながら、地球温暖化でヒマラヤ山脈の環境に深刻な影響が出ているとして対応を訴えた。

 近年、ヒマラヤの高地では氷河が解け出し、氷河湖が決壊したり、長期的にはヒマラヤを水源とする河川の水量が減ったりする危険性が指摘されている。現場からの報道によると、首相らは「ヒマラヤの自然環境の急変により、周辺に住む13億人の生活が重大な危機にさらされている」とする宣言を発表した。閣議は1時間近く続いたという。

 首相らは酸素が希薄な高度に順応するため、途中のルクラ(同2804メートル)で1泊。医師団を随行させ、ヘリコプターで現地に入った。

 コペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が7日に開幕するのを前に、温暖化で国土の大半が水没する可能性があるインド洋の島国モルディブでは10月、ナシード大統領らが潜水服姿で「海中閣議」を開いている。

1201 温室ガス、農水分野で7.9%削減可…でも30兆円必要 [朝日]

2009年12月1日7時30分
 温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減する鳩山政権の目標に対して、農林水産省は削減幅の約3分の1に当たる7.9%分を農林水産分野で引き受けることができるとの中間試算をまとめた。ただし、実現のためには「金に糸目は付けない」のが前提で、最低でも30兆円が必要だという。 農水省の地球温暖化対策本部が予算的な制約を無視し、現在の技術をフル活用した場合を想定した。

 最も効果があるのは、温室効果ガスの「森林・農地土壌での吸収」(3.2%)。次いで「再生可能エネルギーの活用」(2%)、「農林水産業や食品産業での排出削限」(1.7%)、「バイオマスの活用」(0.5%)、「木材利用による省エネ効果」(同)と続く。

 費用の細かな内訳は明らかにしていないが、たとえば、「土壌での吸収」で3.2%分を実現するには、間伐や間伐のために必要な小規模な林道整備などに資金がかかる。「再生可能エネルギー」では、農山や漁村地域の住宅への太陽光パネル設置や、水田地帯に張り巡らされた小さな農業用水路でのミニ水力発電の実施を例示している。

 このほか、全国1万5千隻のイカ釣り漁船の集魚灯を発光ダイオード(LED)に替えたり、家庭の食品廃棄物から発生するメタンガスを燃料として使ったりする案も挙げている。

 政府の行政刷新会議の事業仕分けでは、多くの事業、予算がムダ扱いされた農水省。巻き返しのため、温暖化対策での貢献をアピールしようという意図も読めるが、厳しい財政事情のなかで実現の道は険しそうだ。(安川嘉泰)

1201 CO2削減に向け技術協力など合意 EU・中国首脳会議 [朝日]

2009年12月1日3時31分
 【南京(中国江蘇省)=奥寺淳】欧州連合(EU)と中国の首脳会議が30日、中国・南京で開かれ、2020年までの二酸化炭素(CO2)削減に向け、技術や資金面で一層の協力を進めることで合意した。EU議長国スウェーデンのラインフェルト首相は「CO2削減に向けた世界の取り組みはまだ不十分だ」とも述べ、世界の2大排出国の中国と米国に一層の努力を求めた。

 中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は、国内総生産(GDP)あたりの排出量を20年までに05年比で40~45%削減する中国の新方針について「世界の気候変動への対応に大きく貢献する」と説明。一方で中国は途上国であると強調。「経済が持続的に発展することで、気候変動に対応する能力も強まっていく」と述べ、さらなる削減には慎重な姿勢を示した。

1130 サウジで洪水、106人死亡 1日で年間降水量超す [朝日]

2009年11月30日5時15分
 サウジアラビア西部ジッダで25日、記録的な大雨がふり、洪水で多数の死傷者が出ている。AP通信によると、29日までに106人がおぼれたり家屋の下敷きになったりして死亡。市内の道路が水没するなどし、市民生活に大きな被害が出ている。ジッダ周辺では冬に少量の雨が降ることはあるものの、今回は1日で年間降水量を超す激しい雨が降った模様だ。

 洪水は、イスラム教の大巡礼(ハッジ)の期間に重なった。ジッダの東約60キロにあるメッカには世界中から約300万人ものイスラム教徒が集まっている。ジッダは巡礼の玄関口で、交通の乱れによる混乱や感染症の流行を警戒する声が上がっている。

1125 温室ガス25%削減影響、「民主応援する人」で再試算 [朝日]

2009年11月25日0時8分
 鳩山内閣は24日、地球温暖化対策を検討する副大臣級の会合を開き、温室効果ガス削減が経済に与える影響の試算について、専門家会合のメンバーを入れ替えて再試算する方針を決めた。小沢鋭仁環境相は「鳩山政権のやりたいことを本当に応援してくれる」メンバーを選ぶ考えを示したが、恣意(しい)的な対応だとの批判を招く可能性がある。

 再試算の方針は来週にも「地球温暖化問題に関する閣僚委員会」を開き、正式に決める。

 菅直人副総理兼国家戦略相の下に置かれた副大臣級の会合で24日、専門家7人と5研究機関でつくる「タスクフォース」(座長=植田和弘京大教授)が、10月23日から進めていた試算結果の中間報告をした。試算は、温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減するという鳩山政権の目標が、経済にどのような影響を与えるかを示すものだ。しかし、中間報告の内容は整理が必要だとして、この日は公表しなかった。

 会合後に記者会見した事務局長の小沢環境相は、中間報告について「我が党の政策をとり入れた形での分析になってない」と指摘。タスクフォースについて「今回の試算が最終の結果。(再試算を担当する)チームはかなり変わるんじゃないか」と述べ、メンバーを入れ替えて、地球温暖化対策税や国内排出量取引制度の導入など民主党が掲げる政策の効果や、技術革新の進展などを反映させた試算を新たにつくる考えを示した。

 タスクフォースは、前政権での試算を見直す目的で設置されたが、実際に試算を担当した研究機関は前政権と同じだった。タスクフォースで19日に示された中間報告案では、「90年比25%削減」の場合の家計負担について13万~76.5万円と試算したが、前政権での試算(22万~77万円)と差はあまりなかった。

1126 米大統領、温室効果ガス17%削減表明へ COP15で [朝日]

2009年11月26日1時11分
 【ワシントン=勝田敏彦】米ホワイトハウス当局者は25日、オバマ大統領がデンマーク・コペンハーゲンで来月開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に出席し、温室効果ガス排出量について2020年までに05年比で17%削減するとの数値目標を提示すると明らかにした。米メディアが一斉に報じた。

 17%の削減目標は、下院で可決された温暖化対策法案の中で、排出量取引で確保するとされた削減分として示されている。上院では20%削減を柱とする法案を審議中。ただしいずれも基準年は05年で、90年比に換算すれば数%程度の削減にとどまり、「90年比25%削減」の日本の目標などに比べればかなり低い目標となる。

 COP15は12月7日に開幕し、15日に閣僚級会合、最終日18日に首脳会合が開かれる。議長国デンマークのラスムセン首相は各国首脳に最終2日間の出席を要請していた。オバマ氏は首脳会合がある12月18日ではなく、ノルウェー・オスロでのノーベル平和賞授賞式前日の9日に訪れる。各国による「政治合意」作りの前に数値目標など米国としての明確な態度を示すことで、交渉に弾みをつける狙いがあるとみられる。

 COP15には鳩山由紀夫首相のほか英国のブラウン首相、フランスのサルコジ大統領ら約65カ国の首脳が参加する見通し。オバマ氏は今月9日に「すべての参加国が誠意ある交渉を行い、意味のある合意に近づく」といった条件が満たされれば出席したい、との考えを示していた。

1123 COP15、65カ国首脳が参加へ 政治合意めざす [朝日]

2009年11月23日20時4分
【ロンドン=橋本聡】地球温暖化のこれからを左右する国連の気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に、65カ国から首脳が参加する見通しになった。ロイター通信によると、ホスト国デンマークのラスムセン首相は22日、国内の党大会で「すでに60カ国以上の首脳が来ると確約している」と語った。

 ラスムセン首相は各国の大統領や首相らによる政治合意をめざし、来月7~18日の会期の「最終2日間に出席してほしい」と191カ国に求めていた。デンマーク政府高官はロイターに、65カ国が参加を約束したと述べたが、内訳は明らかにしなかった。米国のオバマ大統領が出席するかどうかが焦点になっている。

 すでに出席を表明したのは鳩山由紀夫首相のほか、英、独、仏、スペイン、インドネシア、ブラジルの首相や大統領ら。中国やインドは予定を明らかにしていない。

1119 温室ガス25%削減 家計負担試算、13万~76万円 [朝日]

2009年11月19日21時55分
 温室効果ガス削減の経済影響を検証する政府の専門家会合「タスクフォース」(座長・植田和弘京大教授)が19日開かれ、家計負担の試算を盛り込んだ「中間取りまとめ」案が報告された。20年までに90年比25%削減するには負担増は避けられないが、海外からの排出枠購入分を増やすほど負担は軽減できるとした。

 鳩山政権は、12月7日から始まる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に間に合わせるため、1カ月足らずで中間報告をまとめるようタスクフォースに依頼。19日の会合で決める予定だったが、試算結果は研究機関によって大きな開きがあり「試算の前提が異なるものを一覧表で並べるべきではない」などと異論が出たため、政府に提出する24日まで調整を続けることになった。

 温暖化対策が経済に与える影響の試算は、国立環境研究所、日本経済研究センター、慶応大の野村浩二准教授が担当した。国内対策だけで削減する「真水」が25%の場合に加え、国内で20%、15%、10%削減し、残りは海外から排出枠を購入する場合も分析。1世帯あたりの年間可処分所得(07年483万円)は経済成長で20年時点には100万円程度増える前提だ。

 いずれの試算も、25%すべてが「真水」のケースが最も負担が重く、負担額は1世帯あたり年間13万~76.5万円となった。試算結果に大きな開きが出た主な要因は、環境税の税収の扱い方の違いだ。野村准教授は税収を国債償還にあてる想定で、日経センターや国環研は、家計への一括返還や環境投資に充てる想定で分析している。

 前政権の試算では、真水25%の場合、可処分所得の減少額は22万~77万円。日経センターや野村准教授の試算額は微修正にとどまったが、環境税の税収を家計への一括返還に変更するなどした国環研は、前回の44万円から13万円に負担額が大きく減った。

 真水10%、排出枠購入15%のケースでは、試算の中で負担額は最も少なくなり、3万~28.3万円だった。排出枠は二酸化炭素1トンあたり50ドル(約4500円)と仮定しており、1トンあたり1万~8万円程度とされた国内対策と比べはるかに安いためだ。

 排出枠の購入により、20年時点の実質国内総生産(GDP)の落ち込み幅も軽減される。「25%削減」について、前政権は真水のケースしか試算を出さなかった。タスクフォースの今回の試算は、排出枠の購入を見込むことで国民負担が少なくなることを示した。ただ、排出枠の価格は、各国の削減目標が決まり需要が高まれば、想定よりも高騰する可能性がある。(星野眞三雄、竹中和正)
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