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■原発06Ⅲ

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原発06Ⅲ (2)

0427 原発事故「1日半知らなかった」…ゴルバチョフ氏 [読売]

 【ウィーン=石黒穣】ソ連共産党書記長だったゴルバチョフ氏は、26日付オーストリア・スタンダード紙などに寄稿し、チェルノブイリ原発事故発生を受け、政治局で対応を協議したが、「1日半、我々自身もなにも情報がなかった。それが大惨事であるということは数日たってからようやくわかった」と述べ、ソ連指導部が情報の隠蔽(いんぺい)工作を図ったという疑惑を否定した。

 また、事故をきっかけに、「表現の自由の可能性が広がり、体制がもはや維持できなくなった」と指摘。「(事故が)5年後のソ連邦崩壊の真の原因になった」との見解を示した。

(2006年4月27日1時45分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060426i317.htm

0427 チェルノブイリ、爆発なかったことに…党幹部パニック [読売]

 【モスクワ=古本朗】チェルノブイリ原発爆発事故から20周年を迎えた26日、露紙イズベスチヤは、事故直後、当時のソ連共産党の最高幹部たちがパニック状態で開いた党政治局会議の議事録の一部を初めて紹介した。

 同紙によると、議事録は事故発生から3日後の1986年4月29日の会議のもの。当時、情報公開(グラスノスチ)政策を推進していたミハイル・ゴルバチョフ書記長は、「正直に行動することが最善の道だ」と主張する一方、「公表の際、我が国の原発設備の名誉が傷つかないよう、原発は修理中だった、と言わなくてはならない」と情報操作も提案している。

 アンドレイ・グロムイコ最高会議幹部会議長は、「(社会主義圏の)兄弟諸国には、多く情報を提供し、米英には対しては一定限度の提供にとどめるべきだ」と発言。ミハイル・ジミャニン党書記に至っては「爆発は起きておらず、放射能漏れが生じただけだ、と発表することが大事だ」と重要事実の隠蔽(いんぺい)を求めている。

(2006年4月27日1時36分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060426i115.htm

0426 チェルノブイリ事故20年、ウクライナで追悼式典 [読売]

【キエフ=金子亨】原子力発電史上最悪の惨事となった旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故から26日未明(日本時間同日朝)で丸20年を迎え、同国各地で追悼式典が行われた。

 参列者は犠牲者の冥福(めいふく)と事故の再発防止を祈った。

 首都キエフの教会で行われた式典にはユシチェンコ大統領ら政府首脳が出席。大統領は事故処理作業員ら犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑に献花し、沈痛な表情で賛美歌に聴き入った。

(2006年4月26日12時2分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060426i305.htm

0424 六ケ所村:再処理工場で微量の放射性物質検知 [毎日]

 日本原燃は24日、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の地下配管トンネルで、微量の放射性物質を検知したと発表。放射性物質を含む薬品や水が漏れたか、蒸発した薬品に検知機が過敏に反応した可能性などがあるとみて原因を調べている。外部への放射能漏れはなく、3月31日に実質開始された再処理作業への影響もないという。

 原燃によると、検知は23日午後5時50分ごろ。本来は配管から漏れた薬品や水が、トンネル内の水受け皿にたまったことを意味する。しかし配管は23日朝から使用されておらず、薬品漏れなどの別の兆候はないという。原燃は、検知機が薬品が流れ込むタンク近くにあり、薬品の蒸気に含まれる微量な放射性物質を検知した可能性もあると説明した。【村松洋】


0424 将来の推定死者数、9千人に修正 チェルノブイリ事故 [朝日]

2006年04月24日15時41分
 国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)などの専門家グループ「チェルノブイリ・フォーラム」は、旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故で放出された放射能による将来の死者推計数について、昨秋発表した約4000人に代えて、低汚染地域での約5000人を加えた約9000人とすることを決めた。24日からキエフで開かれる事故20年記念の国際会議で報告する。

 被曝(ひばく)によるがん死について、IAEAとWHOは10年前の会議で約9000人との予測を発表した。昨秋の発表では、そのうち、低汚染地域に住む600万人余での被害想定について「科学的に証明できていない」として死者推計数を約5000人減らしたが、「低く見積もりすぎ」と批判が相次いだ。再度議論の末、低汚染地域を被害想定対象に戻し、死者推計数も約9000人に戻すことになったという。

 同フォーラムの昨秋の報告書によると(1)30キロ圏内にいて避難した約12万人(2)事故処理作業をした約20万人(3)高汚染地域の住民約27万人の計約60万人では約3940人が甲状腺がんや白血病、そのほか何らかのがんで死亡すると予測されている。

 被曝死者数は、広島・長崎の被爆者データを基に推計するのが一般的だ。しかし、チェルノブイリ事故による被害は、じわじわと被曝が進むだけでなく、食べ物などを通して体内に蓄積された放射性物質による内部被曝の影響もあり、本来同じには扱えない。こうした低線量放射線による被害推計には、まだ明確な科学的裏付けがない。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0424/007.html

0420 原発データ改ざん、東芝社長らを厳重注意 [読売]

 東京電力と東北電力の計3基の原子力発電所で冷却水の流量測定装置のデータを東芝が改ざんしていた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は20日、東芝の西田厚聡社長を呼び、厳重注意するとともに、5月19日までに再発防止策を提出するように指示した。

 発注元の東京電力の勝俣恒久社長、東北電力の高橋宏明社長も、機器の調達管理の徹底を指示された。3社の社長が呼び出され、直接注意を受けるのは極めて異例。

 保安院の広瀬研吉院長は、西田社長に対し、「今回の不正は東芝の安全文化のあり方に疑問を抱かせるもので、原子力施設への信頼を揺るがした」と厳しく注意した。東芝は、データ改ざんは1基だけとする内部調査結果を発表したが、その後、相次いで新たな改ざんが明らかになり、調査のずさんさも問題になった。

(2006年4月20日23時13分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060420i516.htm

0420 原発耐震検討:委員の過半数が業界団体委員 安全委分科会 [毎日]

 原発の耐震指針見直しを進める国の原子力安全委員会・耐震指針検討分科会の委員の過半数が、業界団体「日本電気協会」の専門部会などの委員を兼任していることが分かった。新指針案には同協会のまとめた報告が多数反映され、作成者自ら審査して業界側の見解を指針に盛り込んでいる形。金沢地裁判決で直下地震の想定規模が小さいとして、志賀原発2号機の運転差し止めが命じられたが、専門部会の報告を基に大幅な引き上げはしない方向で、分科会の中立性が問われそうだ。

 同分科会は、地震や原発などの専門家19人で構成する。議長役の主査を務める青山博之・東京大名誉教授ら9人が、日本電気協会の原子力発電耐震設計専門部会(28人)の委員を兼任し、青山氏は専門部会でも主査を務めている。

 ◇分科会の中立性、問われそう

 また、7人(うち5人は専門部会も兼任)が同協会の原子力規格委員会・耐震設計分科会の委員をしている。新指針案には、原子力安全基盤機構など複数の組織の報告が盛り込まれているが、同協会の報告が16件で最も多く反映されている。

 見直しの焦点は、活断層が見つかっていない場所で起きる大地震への対応。現指針はマグニチュード(M)6.5の直下型地震に耐える設計を求めるが、00年にはこうした場所でM7.3の鳥取県西部地震が起きた。金沢地裁判決は「活断層が見つかっていないとしても、M6.5を超える地震の震源断層がないとする根拠があるとは認めがたい」とした。

 専門部会の報告は、同地震前に撮影された震源域の空中写真を基に、地下の断層によるとみられる地形を確認できたなどとして、「事前に詳細に調査すれば、震源や地震の規模は特定できた」と結論。活断層が見つかっていない場所でM7.3を想定する必要はなく、同様の場所で起きた84年の長野県西部地震(M6.8)などを想定対象とする考え方を示し、指針案に反映された。

 これに対し、国の分科会で「事前の規模予測は難しい」と報告した産業技術総合研究所の杉山雄一・活断層研究センター長は「業界の人たちが都合のよい情報だけを組み合わせている。地域によって違うが、鳥取県西部地震が起きた山陰地方ではM7.3を想定すべきだ」と話す。

 兼任について青山主査は「問題だと思われても仕方がない。ただ、主査を引き受ける際に、原子力安全委員会の事務局から『差し支えない』と言われた」と話す。事務局は「何ら問題ない。公開で議論しており、偏った議論がされていれば国民がすぐに反応するはずだ」と説明している。【鯨岡秀紀、中村牧生】


0417 原子力安全委員長に鈴木篤之氏 [朝日]

2006年04月17日19時10分
 内閣府の原子力安全委員会は17日、任期満了で退任した松浦祥次郎氏の後任委員長に鈴木篤之氏を互選した。任期は3年で再任できる。また、新たな委員に横浜国立大前教授の中桐滋氏が決まった。

 鈴木氏は、改定作業が大詰めを迎えた原子力発電所の耐震指針について「多くの国民が関心を持っており、最重要課題の一つ」と述べた。

 鈴木 篤之氏(すずき・あつゆき)東京大大学院修了、86年同大教授、01年原子力安全委員(非常勤)を経て、03年から同(常勤)。専門は核燃料サイクル工学。63歳。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0417/004.html

0417 チェルノブイリ事故:子どもの免疫力低下 健康被害報告会 [毎日]

 【モスクワ杉尾直哉】旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故20年を前に、子どもたちが受けた健康被害を考える研究報告会が17日、モスクワで開かれた。主催者のロシア連邦小児放射線防護臨床研究センターのバーレワ所長は、放射能で汚染されたロシア南部の子どもたちの間で、内分泌系の障害が急激に増え、免疫機能の低下が広く見られることを明らかにした。

 同所長によると、02年の内分泌系の障害の発生率は、ブリャンスク州など被災地に住む子どもの間では人口10万人当たり2万1831人で、ロシアの全国平均の約5倍だった。またこの数値は、初めて調査が行われた00年の約2倍だった。バーレワ所長は「子どもたちが母親の胎内で被ばくし、遺伝子が不安定になっている可能性がある」と指摘、低線量の被ばくが人間の遺伝子に与える影響を研究すべきだと主張した。

 日本からただ一人参加した「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワークの吉田由布子事務局長は、低線量被ばくが女性の生殖機能や胎児に与える影響に焦点を当てた調査を行うべきだと訴えた。

 一方、ウクライナ放射線医療研究センターのステパノワ氏は、04年にウクライナで新たに甲状腺がんにかかった子どもは過去最高の374人で、増加傾向が依然続いていると報告した。

毎日新聞 2006年4月17日 22時46分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060418k0000m030130000c.html

0416 英議会が原発反対の報告書 安全性など問題が未解決 [共同]

 【ロンドン16日共同】英議会は16日、原子力発電推進に反対する報告書をまとめた。温室効果ガス削減や北海原油の枯渇対策のため原発推進に事実上政策を転換しているブレア政権には逆風になりそうだ。
 報告書は原発について安全性や廃棄物処理、対テロ対策などの問題が解決されていないと指摘。今後のエネルギー需要を安定的に満たす手段としては、ガス発電所の増設や、風力など再生可能エネルギーの利用が有効としている。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006041601000145

0412 原燃トラブル:放射性物質含む洗浄水が漏れる [毎日]

 日本原燃は12日、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場内で、放射性物質を含む洗浄水約40リットルが、床に漏れるトラブルが11日にあったと発表した。漏れた水はステンレスを張ったコンクリートの部屋(セル)内にとどまっており、建屋外への影響はないという。工場では3月31日から、プルトニウムを抽出する試験運転を実施しているが、試験後のトラブルは初めて。日本原燃は「県や六ケ所村などには、すぐに通報した。試験運転の工程に影響はない」と説明している。

 同社によると、11日午前3時40分ごろ、燃料集合体を切断・溶解するための作業建屋内で、切断後の被覆管を洗うための水槽(水量約206リットル)から約40リットルが漏れた。同社職員が遠隔操作で水の一部を抜こうとした際、水抜き用の管の蓋(ふた)とともに、蓋と管の接続部分の部品も誤って抜いてしまったという。【村松洋】


0406 志賀原発:1号機の制御棒1本にひび割れ 石川 [毎日]

 北陸電力(本店・富山市)は5日、定期検査で運転停止中の志賀原発1号機(石川県志賀町、沸騰水型、54万キロワット)で、制御棒(高さ4.5メートル、幅25センチ)1本に2カ所のひび割れが見つかったと発表した。炉内の核分裂にブレーキをかける機能に影響はなく、放射能の外部放出もないという。

 制御棒は全部で89本。ひびがあったのは、今回の検査対象4本のうちの1本で、92年の試運転から使用していた。点検などの時につり上げるためのステンレス製取っ手(厚さ8ミリ)の1カ所に6センチ、中性子吸収剤を覆うステンレス板(同1.1ミリ)に2センチ、それぞれひびがあった。原因は調査中で、新品と交換し、残る制御棒もすべて検査する。【花牟礼紀仁】

毎日新聞 2006年4月6日 10時42分 (最終更新時間 4月6日 10時52分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060406k0000e040026000c.html

0406 原発の段階的廃止確認 独政府 再生可能エネルギー重視 [赤旗]

 【ベルリン=中村美弥子】ドイツのメルケル首相は三日夜、同国の長期的なエネルギー政策を協議する政財間会合をベルリンで開きました。会合は、原子力発電を二〇二〇年までに段階的に廃止するという昨年十一月の連立政権合意を確認。首相は会合終了後、政府として再生可能エネルギー研究に二十億ユーロ(約二千八百億円)を拠出していくことを明らかにしました。

 メルケル首相によると、会合の主要テーマは「輸入エネルギーへの依存をどう制限し、価格高騰を防ぐか」でした。グロス経済相、ガブリエル環境相、エネルギー業界の代表、労働組合の代表らが出席。今後も会合を重ね、来年末までに長期的なエネルギー政策を策定していく予定です。

 ドイツは、石油、天然ガスなど発電用エネルギーの半分以上を輸入に頼っています。同国に十七基ある原子力発電所は電力の三割、風力や太陽光などの再生可能エネルギーは一割を占めています。

 ガブリエル環境相は、「二〇年までに再生可能エネルギーが電力の20―25%をまかなうことは可能だ」(ウェルト紙二日付)と語り、原子力発電の代替として再生可能エネルギーに力を入れていく立場を示しました。

 同国のエネルギー業界も、原子力発電所を段階的に廃止していくという政府の方針に協力していくと表明しました。また、インフラ整備や環境に配慮した新発電所建設のために三百億ユーロ(約四兆二千億円)を投資すると約束しました。
URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-06/2006040606_01_0.html

0401 再処理工場:実質稼働 増え続ける使用済み核燃料 [毎日]

 青森県六ケ所村に建設された使用済み核燃料の再処理工場が実質稼働し、1日には、燃料を加工する最初の作業が始まった。コストなどを理由に一度は施設が必要かどうかも問われたが、稼働の背景には国内55基の原発でたまり続ける使用済み核燃料を早急に処理したいという国や電力業界の思惑があった。一方、再処理でプルトニウムを抽出するためIAEA(国際原子力機関)の監視が始まったが、大量のプルトニウム管理に不安も残る。【中村牧生】

 ◇”消費”へ苦肉の策

 国の「核燃サイクル政策」は、原発で燃やしたあとの使用済み核燃料から燃え残りのウランとプルトニウムを取り出して再利用するものだ。

 プルトニウムは当初、高速増殖炉サイクルで使用する予定だった。しかし、もんじゅの事故などで高速増殖炉の実用化が遠のき、その代替案として浮上したのが通常の原発で燃やす軽水炉サイクル(プルサーマル)だ。

 だが、軽水炉サイクルはウラン燃料の利用効率が高速増殖炉に比べて極端に低い。軽水炉で燃やした後の使用済み燃料の使い道もない。そのうえ六ケ所工場の総事業費は約19兆円と膨大なため、政府内にも稼働には疑問の声があった。

 原子力委員会の長期計画策定会議は04年11月、全国の原発でたまり続けている使用済み核燃料をそのまま地中に埋める(直接処分)か、再処理するか改めて検討。結局、業界関係者が大半を占める委員の判断で、再処理を基本路線とすることを決めた。

 判断のポイントになったのは98年、六ケ所工場が使用済み核燃料を受け入れる際に青森県と六ケ所村が日本原燃と交わした覚書の存在だ。「再処理事業の実施が困難となった場合は、受け入れた使用済み核燃料を施設外に搬出する」という内容だった。

 使用済み核燃料は強い放射能を出す核分裂生成物を含むため、原発内のプールに一時的に貯蔵されている。六ケ所再処理工場には3000トンの受け入れプールがあるが、1729トンを搬入済みだ。再処理を断念した場合は覚書に従って核燃料を持ち出さねばならず、他に場所を確保しないと各原発の燃料プールが満杯となる恐れがあった。

 「再処理を選択しないと原発が止まる」(電力会社)。こうした主張が、六ケ所工場の稼働を後押ししたともいえる。

 ◇IAEA、24時間態勢の監視…プルトニウム、年間誤差は原爆10個分

 日本は核物質の取り扱いについて、国際社会では特別扱いされてきた。核兵器を持たない国では唯一の「核燃サイクル国」と認められ、六ケ所再処理工場の運転につながった。

 とはいえ、六ケ所再処理工場は原爆に転用可能な大量のプルトニウムを扱うため、実質稼働と同時にIAEAによる24時間態勢の監視が始まった。これほど大規模な再処理工場が査察の対象になったことはなく、その方法が決まるまでにはIAEA側と10年以上にわたる交渉を要した。

 その結果、六ケ所工場では核物質の量をリアルタイムで計測する装置と、コンピューターで集中管理するシステムなど最新機器が導入された。ところがプルトニウムの計量は1%程度の誤差が生まれる。年間約8トンのプルトニウムを抽出する同工場では約80キロに上り、原爆10個分に相当する。

 物理学者で作る米国の非政府組織(NGO)「憂慮する科学者同盟」は青森県に運転中止を申し入れた。エドウィン・ライマン博士は「これだけの施設から8キロの転用を探知するのは、虫眼鏡を使って干し草の山に落とした針を探すようなもの。日本がIAEAの優等生だからといって稼働を認めてしまえば、同様の再処理工場が他国にできた時に問題が起きる」と指摘する。

 ◇費用とリスク膨大 

 ▽NPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長の話 プルサーマルのために再処理工場を稼働させるなど世界でも例がなく、膨大な費用とリスクを国民に押しつけるものだ。使用済み核燃料は容器(キャスク)に入れて中長期の貯蔵をしながら、最終処分の方法を探るべきだった。太陽光や風力などの分散型エネルギーが進歩している中で、日本は何も得るものがない道に踏み出そうとしているとしか思えない。

       ■六ケ所再処理工場を巡る動き

84年7月  電事連が青森県と六ケ所村に立地要請

85年4月  青森県と六ケ所村が要請を受諾

93年4月  六ケ所再処理工場が着工

95年1月  高レベル廃棄物の貯蔵施設が完成

   4月  海外から高レベル廃棄物の返還始まる

  12月  高速増殖炉もんじゅでナトリウム漏れ事故

99年9月  茨城県東海村でJCO臨界事故が発生

00年12月 使用済み核燃料の六ケ所搬入が始まる

02年8月  東京電力の原発トラブル隠しが発覚

  12月  使用済み核燃料プールで漏水。搬入を中止

03年8月  ずさん溶接など再処理工場の不良施工が判明

  12月  再処理工場でウラン試験がはじまる

05年4月  MOX燃料加工工場の六ケ所建設が決まる

  10月  再処理が基本の「原子力政策大綱」を決定

06年1月  電力各社がプルトニウム利用計画を公表

   3月  佐賀県が玄海原発でのプルサーマルに同意

       再処理工場で実質稼働

毎日新聞 2006年4月1日 22時05分 (最終更新時間 4月1日 22時10分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060402k0000m040093000c.html

0331 核再処理工場:アクティブ試験始まる 青森・六ケ所村 [毎日]

 日本原燃(本社・青森県六ケ所村、児島伊佐美社長)は31日、同村の使用済み核燃料再処理工場で、実際の燃料を使用し、プルトニウムなどを取り出すアクティブ試験を始めた。試験は本格操業時と同じ工程で行われ、国内初の商業用再処理工場が実質稼働した。

 再処理工場は全国の原発で出た使用済み核燃料をせん断後、化学処理して、ウランやプルトニウムを取り出す。順調にいけば5カ月後には、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)の粉末が精製される。

 工場では同日午後2時58分、使用済み核燃料貯蔵プール内にある燃料を取り出す指示が出され、試験が始まった。同日中に加圧水型軽水炉で使用された燃料集合体2体を抜き取り、4月1日朝には、取り出した燃料をせん断する工程に入る。

 しかし、プルトニウムは英仏の再処理施設などで取り出した約43トンがすでにある。現状では通常の原発で燃やすプルサーマルしか使い道がなく、さらに余剰が増える可能性が高い。

 さらに、試験が始まると、日常的に微量の放射性物質が海洋や大気中に放出されるが、原燃は「自然界からの年間の放射線量2.4ミリシーベルトの100分の1にも満たない量で、人体への影響はない」と話している。

 原燃は17カ月間の試験を予定しており、期間中に約430トンの使用済み燃料を処理する。07年8月に本格操業に移る予定。再処理工場は85年4月に県と六ケ所村が立地受け入れを表明。93年4月に着工し、総工費は約2兆1900億円に上る。

 原燃の児島社長は試験の開始にあたり「事業に理解を示してくれた県や六ケ所村に感謝したい。地域との共存を目指しこれまで以上に気を引き締めて試験にのぞむ」と決意を述べた。【村松洋】

 ◇解説 安全「先送り」懸念

 青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場が実質稼働したことは、国の核燃サイクル政策が大きな一歩を踏み出したことを意味する。同工場は同政策の中核施設だが、経済性や安全性、核物質管理などをめぐる多くの問題を先送りしたままの見切り発車ともいえる。

 同種の施設では、日本原子力研究開発機構が茨城県東海村で稼働中の東海再処理工場がある。しかし、東海工場は1日当たりの最大処理能力が0.7トンと六ケ所工場の約7分の1で、77年からの29年間で処理したウラン燃料は約1116トン。これに対し六ケ所工場は40年間で計3万2000トンを処理する計画の大規模工場だ。このため、プルトニウムなどとともに、取り扱いの難しい核分裂生成物もより多く出す。

 この核分裂生成物は工場全体を放射能で汚染する。放射能が減衰して自然界と同レベルになるのに1万年以上かかる高レベル廃棄物は、ガラス固化体に加工されて貯蔵されるが、最終処分の場所や方法は未定だ。また低レベル廃棄物の一部は大気中や海水中に放出される。排出量は国の基準を下回るものの、通常の原発や東海再処理工場より多く、隣の岩手県の住民が漁業などへの影響を懸念している。【中村牧生】

毎日新聞 2006年3月31日 20時23分 (最終更新時間 3月31日 23時28分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060401k0000m040072000c.html

0328 六ヶ所村の核燃再処理で青森知事、最終試運転を了承 [読売]

 青森県の三村申吾知事は28日、日本原燃が同県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場で計画している本番並み最終試運転(アクティブ試験)の実施について正式に了承した。

 29日に県と村、原燃の3者で安全協定を締結する。原燃は2007年8月の操業開始を目指し、31日にも試験を始める。

 使用済み核燃料からプルトニウムとウランを分離・回収する日本初の商業用施設で、政府の核燃料サイクル政策の中心的役割を担う。試験では、使用済み核燃料430トンを1年5か月かけて実際に処理する。

 28日に会見した三村知事は「総合判断した結果、安全協定締結が適当と判断した」と述べた。

(2006年3月28日23時1分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060328i116.htm

0328 伊方原発のプルサーマル計画許可へ 経産省 [朝日]

2006年03月28日10時35分
 経済産業省は28日、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県伊方町、出力89万キロワット)で導入を目指しているプルサーマル計画の実施を許可する。同日午後、原子力安全・保安院の広瀬研吉院長が、四電の太田克己副社長に文書を手渡す。プルサーマルの実施許可は、関西、東京、九州電力の計5基に続き、6基目。四電は10年度までの運転開始に向け、地元同意の手続きに入る。

 プルサーマルの導入で地元同意が得られているのは、九州電力の玄海原発だけだ。手続きが先行した関西電力の高浜3、4号機と、東京電力の福島第一3号機、柏崎刈羽3号機は、燃料のデータ改ざんやトラブル隠しといった不祥事や事故などで、地元同意が白紙または凍結となっている。このため、愛媛県が同意すれば2番手となる可能性がある。

 計画では、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをウランとの混合酸化物(MOX)燃料にし、炉心の約4分の1をウラン燃料からMOX燃料に取り換える。原子力安全委員会は「安全性は確保しうる」と、今月16日に二階経産相に答申していた。

 電気事業連合会は、10年度までに全国で16~18基のプルサーマル導入を目指している。すでに2次審査に進んでいるJパワーの大間原発のほか、中部電力が浜岡原発の審査を申請、北海道、東北、北陸、中国、日本原電の各電力会社でも、導入に向け準備が進められている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY200603280113.html
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