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■原発06Ⅱ

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0327 チェルノブイリ原発事故 作業員の歯から被曝の痕跡探る [朝日]

2006年03月27日19時16分
 ウクライナ放射線医学研究センター(キエフ市)が、86年4月のチェルノブイリ原発事故の処理をした作業員から約7700本の歯を集め、作業員が浴びた放射線量を突き止める研究を進めている。歯の表面を覆うエナメル質に放射線の当たった痕跡が手がかりだ。作業員に白血病や心臓病が増えているとの報告があるが、被曝(ひばく)との因果関係が認められていない。科学的に裏付けられれば、事故の健康影響が広がる方向で見直されそうだ。

 バディム・チュマーク教授(放射線影響学)の研究室には、全国の歯科医から、虫歯治療などで抜いた元作業員らの歯が集められている。事故直後の消火や除染作業には、86~87年だけで旧ソ連の軍人ら計約20万人が動員された。当時は線量計が不足し、本人が申告した作業内容や時間をもとに浴びた放射線量を推定した。軍隊を退役させられることなどを恐れて、数値を過少申告する例もあったという。

 歯のエナメル質から被曝線量を測る方法は、広島・長崎の原爆被爆者でも用いられた。エナメル質は大部分が硬い無機質でできており、生えてからリン酸カルシウムなどの成分はほとんど変わらない。だが、放射線が当たると成分が変化し、痕跡が残る。そこで、エナメル質を写真のネガフィルムのように見立て、浴びた線量を推定する。

 チュマーク教授たちは、原爆被爆者に用いられた方法を改良し、精度を高めた分析法を開発したという。成分をドリルで削り取り、専用の分析器で測定する。「正確な線量を知ることは、事故の健康影響を正しく評価するのに欠かせない」とチュマーク教授は話す。

 国際原子力機関(IAEA)などの専門家グループは昨年9月、健康影響について報告書をまとめている。その中で、将来まで含めた、被曝によるがんで亡くなる人数は、元作業員や汚染地の住民ら計約4000人にのぼるとされたが、現地で医療に従事する専門家らからは、少なすぎる、と疑問の声が上がっている。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0327/004.html

0327 経産省:関西電力に厳重注意 大飯原発の火災で [毎日]

 経済産業省原子力安全・保安院は27日、関西電力大飯原発(福井県大飯町)で発生した火災に関連して同社を厳重注意した。出火場所が3、4号機廃棄物建屋の放射線管理区域内だったことを受けた措置で、出火の防止のための安全確保の徹底などを求めている。同時に原発を持つ全国の電力会社に対し、火災への注意喚起を促した。

 大飯原発の火災は22日午後6時40分ごろ発生。低レベル廃棄物のドラム缶を貯蔵する建屋4階の機材置き場などを焼いた。消火を試みた協力会社の社員2人が煙を吸い込んでのどに軽いやけどを負い、病院に運ばれた。


0327 北陸電力が控訴 志賀原発の運転差し止め訴訟 [朝日]

2006年03月27日19時10分
 北陸電力(本店・富山市)は27日、石川県志賀町の志賀原発2号機の運転差し止めを認めた24日の金沢地裁判決を不服として、名古屋高裁金沢支部に控訴した。北電の浜田昌一副社長は会見で「地裁判決はまさに不当で驚き。2号機の安全性は十分確保されている」と話した。

 24日の金沢地裁判決は「電力会社の想定を超えた地震動によって原発に事故が起こり、原告らが被曝(ひばく)をする具体的可能性がある」と述べ、15日に営業運転を始めたばかりの2号機の運転差し止めを命じた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0327/OSK200603270083.html

0327 原発4基の稼働を再び延期 東京電力の供給計画 [朝日]

2006年03月27日21時41分
 東京電力は27日、福島県と青森県で計画中の原子力発電所4基の運転開始時期を1年ずつ繰り延べすると発表した。10年後までの販売電力量の伸び率を年平均1.0%と8年連続で下方修正したためで、06年度の供給計画の中で明らかにした。06年度の設備投資額は発電所などの工事が前期からずれ込み、05年度実績見込み比13%増の5817億円と2年連続で増加する見通し。

 販売電力量の平均増加率は前年度の見通しから0.2ポイント下げ、最大電力の増加率も0.5ポイント低い1.1%とした。人口減やエネルギーの効率化が進むほか、新規の電力小売事業者との競争激化やガスコージェネレーション(熱電併給)システムの普及を織り込んだ。

 このため大規模電源の稼働を延期。福島第一原発7、8号機の運転開始を、それぞれ12年10月と13年10月、青森県東通村に新設する東通1、2号機を、それぞれ14年度以降、16年度以降とし、一部の火力発電所の稼働も2~4年遅らせた。
URL:http://www.asahi.com/business/update/0327/128.html

0326 玄海原発のプルサーマル計画、佐賀県知事が同意 [読売]

 九州電力が玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で計画しているプルサーマル発電について、佐賀県の古川康知事は26日、受け入れに同意した。

 二階経済産業相が古川知事の要請で同日、佐賀県を訪問し、同意の大前提となっていた安全確保を古川知事や玄海町の寺田司町長らに確約した。これを受け、古川知事と寺田町長は九電に事前了解(同意)書を交付した。

 九電は、実施に向けた地元に対する手続きを終えた。2010年度の実施を目指しており、国内で初めてプルサーマル発電が玄海原発で行われる見込みとなった。

 古川知事や寺田町長らはこの日、二階経産相と同町役場で会談した。県は、九電へ厳格な規制・監督を行い、安全確保に万全を期すことや、地域振興に最大限の支援を行うことなどを、町は原発施設に関する固定資産税改善や高度医療研究施設誘致などの地域振興策をそれぞれ国に求めた。

 二階経産相は「国の検査態勢を一層強化し、身をもって対応する」と安全性の確保を強調した。

 この後、寺田町長と古川知事は、町役場と県庁で九電の松尾新吾社長と会い、事前了解(同意)書を手渡した。県は了解に当たり、適正な安全管理や情報公開などを要請し、玄海町も地域振興への支援などを求めた。

 九電は2004年5月、玄海原発のプルサーマル発電について、実施のための原子炉設置変更許可を経産相に申請し、県と玄海町には事前了解を求めた。経産相は昨年9月に申請を許可した。

(2006年3月26日20時15分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060326it05.htm

0326 原発の耐震安全性確保、4月に「審査室」新設…経産省 [読売]

 二階経済産業相は26日、訪問先の佐賀県玄海町で、全国の原子力発電所の耐震安全性を確保するため、省内に「耐震安全審査室」を4月1日に設けることを明らかにした。

 金沢地裁が24日、石川県の北陸電力志賀原発2号機について「耐震設計に問題がある」として、運転差し止め判決を出したことなどを受けての措置。

(2006年3月26日22時51分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060326i214.htm

0324 志賀原発2号機に差し止め判決、「被曝の可能性」指摘 [読売]

志賀原発差し止め訴訟で「勝訴」と記した紙を掲げて喜ぶ原告ら(金沢地裁で) 今月15日に営業運転を始めた石川県志賀町の北陸電力志賀原発2号機(改良型沸騰水型、出力135・8万キロ・ワット)を巡り、周辺住民らが「耐震設計に問題がある」などとして、同社を相手取り運転差し止めを求めた訴訟の判決が24日、金沢地裁であった。

 井戸謙一裁判長は「耐震設計には問題があり、想定を超えた地震動によって原発事故が起こり、原告らが被曝(ひばく)する具体的可能性が認められる」として、運転差し止めを命じる判決を言い渡した。北陸電力は判決を不服として控訴する。

 原発の運転や設置を巡る主な判決は過去に30件あるが、住民側勝訴は、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の設置許可を無効とした2003年1月の名古屋高裁金沢支部判決(最高裁で原告敗訴)のみ。商業用原発(軽水炉)では今回が初めて。全国で稼働中の55基の商業炉に波紋を投げかける判決となった。

 裁判では、〈1〉志賀原発2号機東側を通る「邑知潟(おうちがた)断層帯」(約44キロ・メートル)をどのように評価するか〈2〉国の原子力委員会が1978年に策定し、現在の原発設計の基準となっている「耐震設計審査指針」が地震の危険性を過小評価していないか――が主な争点となった。

 井戸裁判長は、人格権に基づく差し止め請求権を認めた上で、昨年3月に国の地震調査委員会が「マグニチュード7・6程度の地震が起きる可能性は2%」と公表した邑知潟断層帯などに対する同2号機の耐震設計を検討。〈1〉直下地震の想定が小規模過ぎる〈2〉考慮すべき邑知潟断層帯の地震を考慮していない〈3〉昨年8月の宮城地震で、岩盤上の揺れが耐震設計の最大想定を上回り東北電力女川原発全3基が自動停止するなど、原発敷地での地震動を想定する手法に妥当性がない――などの問題点を指摘し、「北陸電力側の想定を超えた地震動で事故が起こりうる」とした。

 「改良型沸騰水型」の安全性については「事故が発生する具体的可能性についての立証が不十分」と住民側の主張を退けた。

(2006年3月24日11時53分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060324i102.htm

0322 プルサーマル計画の条件付き容認、佐賀県議会が可決 [読売]

 九州電力玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)でのプルサーマル計画について、佐賀県議会(40人)は22日、安全管理体制の強化などの条件付きで計画を容認する決議案を可決した。

 最大会派の自民党(33人)と公明党(1人)が連名で提案した。

 古川康知事は近く九電に、計画の事前了解(同意)を伝える。

(2006年3月22日22時35分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060322ic26.htm

0320 福島第1原発:原子炉周辺に制御棒の破片飛散 [毎日]

 東京電力は20日、福島第1原発3号機(福島県大熊町、出力78万キロワット)の原子炉周辺に、ハフニウム板型制御棒の一部(金属片、幅約1センチ、長さ約4センチ)が飛散していたと発表した。金属片は10日に見つかっていたが、20日になって制御棒のものと確認できた。

 東電は3日、検査のために制御棒を原子炉から抜き出した。制御棒は破損しており、破片が原子炉内に残った。4日に回収作業をしたが、誤って一部を原子炉の外に飛散させたことに気付かなかった。その後の調査では、未回収の金属片がまだ2個はあるという。

 同原発は定期検査中で、運転は停止している。【中村牧生】


0321 プルサーマル 選択迫る新設交付金 [朝日]

(要約)
佐賀県が、九電玄海原発でのプルサーマル計画を事前了解する見通しだ。
国は、06年度に新設される「核燃料サイクル交付金」というにんじんをぶら下げた。プルサーマル、使用済み核燃料中間貯蔵施設、MOX燃料加工施設、のいずれかに同意した都道府県に、運転開始までに10億円、開始後5年間で50億円を交付する。ただし、同意には期限があり、プルサーマルは06年度までだ。期限付きには反発が強く、全国原子力発電所所在市町村協議会は、同意期限の撤廃を国に求めている。
問題は安全性だが、政府・電力会社は、プルサーマルは欧米4カ国で実施済みで問題も起こっていないと主張している。しかしMOX燃料は核兵器の材料としてウラン燃料とは比較にならないほど慎重な取り扱いが必要で、ドイツ、スイスではプルサーマルから撤退する予定だ。
日本では、四国電の伊方、中部電の浜岡が続いて許可を受ける予定。関電高浜と東電福島第一と柏崎刈羽は、国の許可を受けていたが。トラブル隠しや燃料データ改ざんで地元了解が白紙になり足踏みをしている。


0320 事故から20年 チェルノブイリを訪ねて [産経]

(要約)
事故で大破した4号炉には、300メートル手前までしか近づけない。そこで5.0マイクロシーベルト。東京の約130倍だ。
炉の建屋を囲む「石棺」は、ところどころ隙間やひび割れがある。そこから鳥やキツネが出入りしているという。石棺ごと格納してしまうシェルターの建設計画があり、2010年に完成予定だが、総工費は5億ドル。100年間これで防護する。


0319 チェルノブイリ近くのキエフ、350万人疎開を極秘検討 [朝日]

2006年03月19日11時16分
 86年4月26日に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で、上空に吹き上がった放射性物質の直撃を逃れるため、最も近い大都市、キエフ市(現ウクライナ)の全住民約350万人を疎開させる計画が、ソ連指導部内で直後に検討されていたことが分かった。風向きのおかげで回避されたが、もし大量の避難民が出れば、疎開先のあてはなかった。これらの事実は当時、市民には知らされずじまいだった。

 地球気象・エコロジー研究所(モスクワ)のユーリー・イズラエリ所長(75)が明らかにした。イズラエリ博士は当時、旧ソ連の国家気象環境監視委員会議長で、事故から11日後の5月7日、キエフ市で極秘に開かれたウクライナ共和国共産党の対策会議に出席。疎開を検討する党幹部らに汚染状況と被害予測を説明した。

 事故の大爆発でプルトニウムやセシウム、ストロンチウム、ヨウ素など強い放射性物質の放出が続いていた。キエフ市は事故現場から南へ約130キロの距離。博士によると、爆発時には東から西への風が吹き、その後、風は北へ、さらに北東への流れに変わった。キエフ市では4月30日に初めて放射能を検出したが、年間の放射線量は許容値の20分の1程度にとどまると推定された。11時間に及ぶ議論の末、住民の健康に影響ないとして、疎開しないことを決めたという。

 もし全市民の疎開となれば、住宅確保や医療支援、社会主義下とはいえ雇用問題など未曽有の規模で支援が必要になったとみられる。

 この会議の内容は、当時の一般市民には知らされなかった。イズラエリ博士は「単に風向きがそれたというだけ。運がよかった。疎開先の見通しはなく、もし強制避難だったら、どうなっていたことか」と振り返る。

 疎開は、事故直後に原発の半径30キロ圏内の住民約11万6000人がまず強制避難させられ、その後、チェルノブイリの北西約100キロ圏内の高濃度汚染地域を中心に避難が続き、疎開したのは最終的に計40万人だった。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0319/005.html

0316 伊方原発プルサーマル計画、原子力安全委が「妥当」答申 [朝日]

2006年03月16日19時48分
 国の原子力安全委員会(松浦祥次郎委員長)は16日、四国電力が伊方原発3号機(愛媛県伊方町、出力89万キロワット)で導入をめざすプルサーマル計画について、「安全性を確保しうる」とした経済産業省の審査を妥当とする答申をまとめた。答申を受けた二階経産相は近く許可する見通し。許可を受けて四電は、10年度までの導入を目指し、地元同意などの手続きに入る。

 プルサーマル導入で国の安全審査を通過したのはこれまでに、関西電力の高浜3、4号機、東京電力の福島第一3号機と柏崎刈羽3号機、九州電力玄海3号機の計5基で、伊方原発3号機は6基目となる。ただ、東電と関電は不祥事や事故などで地元了解が白紙や凍結になっている。伊方3号機は、地元了解の手続きが大詰めを迎えている玄海3号機の後に続くことになりそうだ。

 計画では、使用済み核燃料から抽出したプルトニウムをウランとの混合酸化物(MOX)の燃料にし、ウラン燃料集合体のうち約4分の1をMOX燃料に取り換える。安全委は、通常のウラン燃料と比べ燃焼の仕方が異なる点などについて検討、安全性は十分確保できるとした。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0316/TKY200603160327.html

0315 浜岡原発、設計情報開示決定取り消し…東京高裁 [読売]

 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転差し止め訴訟に絡み、原告側が中電に同原発の耐震設計データなどの開示を求めた申し立てで、東京高裁は15日、一部開示を命じた1審・静岡地裁決定を取り消し、開示を認めない決定をした。

 富越和厚裁判長は「データは企業のノウハウに関する秘密で、公開されれば技術の社会的価値が下がる」と述べた。

 市民グループが、耐震設計データが含まれる工事計画認可申請書や、検査記録などの開示を求め、同地裁が昨年3月、「原発の安全性確保は社会共通の利益」として一部開示を命じた。

(2006年3月15日22時50分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060315ic21.htm

0315 差し止め請求判決直前、志賀原発2号機が運転開始 [読売]

 石川県志賀町の北陸電力・志賀原子力発電所2号機(改良型沸騰水型、定格出力135・8万キロ・ワット)が15日午前、営業運転を始めた。

 志賀原発2号機をめぐっては、住民らが運転差し止めを求めて金沢地裁に提訴。24日に判決が言い渡される。

(2006年3月15日13時47分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060315ic03.htm

0312 原発6基:制御棒46本ひび割れ 保安院が本格調査 [毎日]

 原子炉内の核分裂にブレーキをかける「制御棒」のひび割れが各地の原発で見つかり、判明しただけで原発6基で計46件に上ることが11日、経済産業省原子力安全・保安院のまとめで分かった。これほど多くのひび割れが見つかったのは世界でも例がないという。事業者側は「制御棒が折れることはなく、機能に問題もない」と強調しているが、保安院は「(安全かどうか)判断できない」として事態を重視、本格的な調査に乗り出した。

 制御棒は、核分裂を引き起こす中性子を吸収し、核分裂を制御する役割がある。ひび割れが見つかったものは、中性子の吸収能力が高いハフニウム板を使用していた。

 東京電力は今年1月、福島第1原発6号機で、使用しているハフニウム型制御棒17本のうち9本に破損が見つかったことを公表。これを受けて保安院は全国の電力会社に点検を指示した。

 その結果、同型の制御棒は、東京、東北、中部、日本原電の4電力の沸騰水型軽水炉23基で計382本使われていたが、151本を目視点検した結果、新たに同3号機でも5本のひび割れが見つかった。また、東京電力柏崎刈羽原発と中部電力浜岡原発などの使用済み制御棒にも32本のひび割れがあり、総本数は46本となった。今後、さらに増える可能性がある。

 このうち、2本はステンレス製のカバーがめくれ上がり、スムーズに出し入れできないものだった。ひび割れは最長12センチで、1本で40カ所以上のものもあった。制御棒は中性子を吸収するともろくなり、5サイクル(運転期間が5年余り)が交換の目安とされるが、4サイクルでひび割れが生じたケースもあった。

 保安院防災課の市村知也・事故故障対策室長は「なぜこれほど大量のひび割れが生じたのか試料分析で解明している。来月までにはっきりさせたい」と話している。

 原子力資料情報室の上沢千尋さんは「未点検なまま運転中の原発が12基もあり問題だ」と話している。【中村牧生】

 ■ことば(制御棒) 原子炉出力を制御するために、燃料集合体の間にくまなく挿入される棒または板状の物質。中性子を吸収しやすい素材(ボロン、カーバイド、ハフニウムなど)でできており、制御棒を抜き差しすることで、核反応を調整する。原子炉を緊急に停止する時にはすべての制御棒が挿入される。

毎日新聞 2006年3月12日 3時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060312k0000m040114000c.html

0311 核燃再処理工場:最終試験に同意へ 青森県知事 [毎日]

 青森県の三村申吾知事は、使用済み核燃料再処理工場(同県六ケ所村)で日本原燃が実施予定の最終試験に同意する意向を固めた。4月初旬にも事業者の日本原燃、同村を加えた3者で安全協定を結ぶ。試験では本格操業と同じ工程を実施する。国内初の商業用の再処理工場が4月にも「実質稼働」する見込みとなった。

 再処理工場は、全国の原発から出る使用済み核燃料からプルトニウムやウランを取り出し、再び原発の燃料にする「核燃料サイクル政策」の中核になる施設。93年から約2兆円をかけた建設工事が始まった。これまでに劣化ウランを使った試験などを終えており、今回の最終試験を経て07年8月の本格操業を予定している。

 三村知事は2月、安全協定の締結に向けた検討を開始。同月22日に県議会全員協議会、同下旬に県民説明会を開き、最終試験に対する意見を聞いていた。

 今後、官房長官や経済産業相など国の関係閣僚を交えた「核燃料サイクル協議会」の開催を国に求め、核燃料サイクル政策に変更がないことを確認する。同協議会は早ければ3月中に開催予定で、4月初旬にも安全協定が締結される見込み。

 最終試験を始めると、放射性物質の一部が大気や海に放出される。国と原燃は、住民の健康には影響のないレベルとしているが、同県のほか隣県の岩手県などの市民団体には「試験反対」を求める声がある。【小山由宇】

毎日新聞 2006年3月11日 20時46分 (最終更新時間 3月11日 20時53分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060312k0000m040084000c.html

0312 原発は必要、でも「不安」66%…内閣府世論調査 [読売]

内閣府は11日、「エネルギーに関する世論調査」の結果を発表した。

 原子力発電について、「推進していく」「現状を維持する」と回答した人が合わせて75・3%を占めた一方で、原発の安全性では「不安」「何となく不安」と回答した人が合わせて65・9%に上った。

 原発の必要性は国民の大勢が認めながら、根強い不安があることが浮き彫りになった。

 調査は2005年12月、全国の成人3000人を対象に行った。有効回収率は57・1%だった。

(2006年3月12日0時11分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060311i515.htm

0305 関電、久美浜原発を断念…地元反対・需要も見込めず [読売]

 関西電力は4日、京都府京丹後市(旧久美浜町)に申し入れていた、原子力発電所の建設のための事前環境調査を撤回する方針を固めた。

 地元の反対に加え、電力需要が伸び悩んでいるためで、約30年前から検討を進めてきた久美浜原発の建設を、事実上、断念することになる。週内にも正式に決め、同市に伝える。

 関電は1975年に、事前環境調査の実施を旧久美浜町に申し入れた。一時は町や町議会が調査の受け入れを表明し、85年には町が地質調査も行った。しかし、86年に起きたチェルノブイリ原発事故の影響などで計画がストップしていた。旧久美浜町は2004年に合併で京丹後市となり、中山泰市長が先月、関電に事前環境調査の申し入れを撤回するよう要請した。

 関電は地元の意向を押し切って計画を進めることは困難と判断。関西の電力需要が、久美浜原発の建設を検討した70年代当時の予想に比べて伸び悩み、撤回しても安定供給に影響がないことも判断材料になった。

 関電は03年12月、将来の電力需要の伸び悩みなどを理由に、中部電力、北陸電力と進めていた珠洲(すず)原発(石川県)の建設計画を凍結し、事実上断念した。東北電力も同月、用地取得が不可能になったとして巻原発(新潟県)の建設計画を撤回しており、事故に対する住民の不安などから、新規立地が難しくなっている。

 久美浜原発は、国の電源開発基本計画に組み込まれていた巻原発などと異なり、関電の「立地候補地」との位置付けにとどまる。美浜(福井県)や高浜(同)など既存の原発の更新や増設が課題となりそうだ。

(2006年3月5日3時2分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060305i101.htm

0303 福島第1原発:3号機で制御棒2本に破損やひび割れ 東電 [毎日]

 東京電力は3日、福島第1原発3号機(福島県大熊町)で、出力を調整する制御棒2本に破損やひび割れが見つかったと発表した。ステンレス製カバーの一部が縦3センチ、横8センチ、厚さ0.8ミリはがれ落ちていたほか、骨組みやカバーにもひびが見つかった。同6号機で今年1月に制御棒にひび割れが見つかり、他のプラントも調査していた。

 制御棒は核分裂の引き金となる中性子を吸収して出力を調整するが、傷があったのは中性子の吸収力が大きいハフニウム板を使った制御棒。3号機では18本が使用されており、中性子を多く受けていた2本を点検したところ見つかった。


女川原発3号機:3月中にも運転再開 保安院が妥当と判断 [毎日]

 経済産業省原子力安全・保安院は1日、停止中の東北電力女川原発3号機(宮城県女川町)について、「巨大地震が起きても安全性は確保される」とする同電力の評価結果を妥当と判断した。同電力は地元の同意を得て、今月中にも3号機の運転を再開する方針だ。

 同電力の女川原発1~3号機は、昨年8月の宮城県沖の地震で緊急停止した。その後の調査で、同電力が女川原発の設計で考慮する最大地震を過小評価していたことが判明し、耐震性の再確認作業が進められている。2号機は国の了承を得て、1月に運転を再開した。

 保安院は独立行政法人・原子力安全基盤機構に同電力の評価結果の分析を依頼。マグニチュード(M)7.6と想定される宮城県沖地震や、さらに沖合の地震と連動するM8.2の巨大地震でも、3号機の主要な建物や機器の安全性が保たれることを確認したという。【中村牧生】
毎日新聞 2006年3月1日 19時21分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060302k0000m040053000c.html

0302 原発8割 冷却不能も 津波引き波5メートル 取水できず [赤旗]

 津波による五メートルの引き波が発生した場合、日本の原発の約八割にあたる四十三基の原発で、冷却水が一時的に海から取水できなくなることが一日、明らかになりました。衆議院予算委員会分科会で、日本共産党の吉井英勝衆院議員の質問に、広瀬研吉経済産業省原子力安全・保安院長が答弁しました。

  吉井議員は、一九六〇年のチリ津波のときに、三陸海岸で約二十五分にわたって引き波が続いたことや、原発のある宮城県女川町で海水面が推定六メートル低下したことを指摘しました。水位が下がった場合、原発の冷却水が海から正常に取水できなくなるのではないかとただしました。

 広瀬院長は、海面が四メートル低下した場合で二十八基、五メートル低下で四十三基、六メートル低下で四十四基の原発が、一時的に取水に必要な水位を下回ると答えました。

 吉井議員は、浜岡原発1号機(静岡県御前崎市)の例をあげ、取水槽の容量からすると「仮に、引き波による水位低下で取水できなくなったときは、三十四秒で冷却不可能になる」と指摘しました。また、途中で原子炉を停止した場合も、崩壊熱(燃料のなかの放射性物質が発生する熱)の除去に毎分六十トンの冷却水が必要になることを示し、「崩壊熱が除去できなければ、炉心溶融や水蒸気爆発など、最悪の場合を想定しなければならない」と、対策を求めました。

 二階俊博経産相は、「安全確保のため、省をあげて真剣に取り組むことをお約束したい」と答えました。

津波の引き波によって冷却水が取水できなくなる原発(○内は号機)
■水位低下4メートルの場合

 (28基)▼福島第一(1)~(6)、福島第二(1)~(4)、美浜(1)~(3)、高浜(1)~(4)、大飯(1)~(4)、島根(1)(2)、伊方(3)、玄海(1)、東海第二、敦賀(1)(2)

■水位低下5メートルの場合

 (43基)▼(上記に加え)泊(1)(2)、柏崎刈羽(1)~(5)(7)、伊方(1)(2)、玄海(2)~(4)、川内(1)(2)

■水位低下6メートルの場合

 (44基)▼(上記に加え)柏崎刈羽(6)

 海水と原発の冷却 原発は、原子炉で発生した熱で水を水蒸気に変えてタービンを回し、電気を発生させています。タービンを回した後の水蒸気は、再び水に戻して使用します。水蒸気を水に戻すときに使われるのが海水です。海水を取り入れることができないと、水蒸気を水に戻せなくなり、原子炉の冷却ができないことになって、炉心が溶け出すなどの重大な事故につながる恐れがあります。


0228 浜岡原発:地元4市 国への原子炉設置変更許可申請を了承 [毎日]

 中部電力が静岡県御前崎市の浜岡原発4号機(沸騰水型、113.7万キロワット)で10年度にも予定しているプルサーマル計画について、地元の御前崎、掛川、菊川、牧之原の4市は28日、同社の国への原子炉設置変更許可申請を了承した。これを受け、同社は3月中にも申請手続きに入るとみられる。プルサーマル計画では、佐賀県の九州電力玄海原発3号機が原子炉設置変更許可を受け、県と地元の玄海町が実施について事前了解(同意)する意向を示している。

 同日開かれた浜岡原発安全対策協議会(会長・石原茂雄御前崎市長)で了承した。申請後は原子力安全・保安院が1次審査で計画内容や安全性などを調査する。この結果を原子力委員会と原子力安全委員会が2次審査。文部科学省の同意を得て経済産業省が許可する。中部電力は「許可後、審査内容を地元に説明する」としている。【舟津進】

毎日新聞 2006年2月28日 23時17分 (最終更新時間 3月1日 0時02分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060301k0000m040113000c.html
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