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●自由・人権06Ⅲ

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0407 人権法案大幅見直しへ 法相表明、来年に再提出 [共同]

 杉浦正健法相は7日、自民党内で国会提出に向けた調整が難航している人権擁護法案について、「現状ではとても再提出できる状況にない」として、内容を大幅に見直し、来年の通常国会への提出を目指す方針を明らかにした。
 「表現の自由を侵害する」と批判が強かったメディア規制条項は、メディア側と協議の場を設ける意向を表明。杉浦法相はこれまでも「本来は(メディア側により)自主規制されるべきことだ」との立場を表明しており、現在の法務省案では「凍結」とされていた同条項が削除される可能性も出てきた。
 杉浦法相は自民党内での議論が事実上止まっている現状について、「人権侵害に実効ある措置を取れるようにすることは必要で、このまま(法案を)放置しておくわけにはいかない」と指摘。メディア規制では「人権侵害(への対応)はマスコミの理解が必要。正式な協議の場で、十分に意見を聴きたい」と述べた。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=main&NWID=2006040701000903

0406 法人所得の公示廃止 「長者番付」に便乗? [朝日]

2006年04月06日06時18分
 高額納税者を公示する「長者番付」が個人情報保護の流れを受けて今春から廃止されるのに伴い、法人所得を公示する制度もなくなることが先月末、国会で決まった。ダイレクトメールや寄付の勧誘に利用されるなど弊害が大きいとの理由からだ。日本の法人の99%を占める非上場企業にとって、申告所得の公示は優良企業に対する国の「お墨付き」であり、取引の際の判断材料にもなってきた。これが国会で議論もなく廃止されたことに「企業の情報公開の流れに逆行する」などの批判が出ている。

 法人所得の公示は、第三者による脱税の監視などが目的だった。「あの会社はもっと利益がある」。取引先からの通報が脱税などの発覚につながると期待された。

 今年3月までは、申告所得が4000万円を超えると、法人名や納税地、代表者氏名、所得額が税務署前に張り出された。管内の法人数が約3万6000と最も多い渋谷税務署は、この1年で2000を超える法人を公示。全国では年間7万~8万社が公示されてきたとみられる。

 法人の公示廃止について財務省は「本来の趣旨から逸脱した利用が増えた。中小企業が利益を出しているのがわかって元請けから値引き圧力を受けるなど、弊害の方が大きくなった」と話す。しかし、一部の優良企業だけとはいえ、公示情報が企業間の取引などで役立ってきたのも事実だ。

 日本には会社が200万~300万社あるが、有価証券報告書が発行される上場企業約4000社を除けば、大半は決算書などを公開しなくても罰せられない。その中で、法人所得は、取引相手の実態を知るうえで一番信用できる指標だった。

 企業の信用調査をしているベテラン調査員によると、中小企業が決算の数字を「つくる」のは珍しくない。所得を少なく見せたい税務署用と、売り上げを多く見せたい銀行用の複数の決算書がある例を多数見てきた。例えばこうした「粉飾」を見破るにも、申告所得の数字は有効だという。調査員は「公示が廃止されて何年かたつと、企業の実態はますますわからなくなり、健全な企業間取引を阻害する。詐欺的犯罪を助長することになりかねない」と指摘した。

 法人の公示廃止は個人情報保護の流れに便乗したとの指摘がある。国税庁関係者は「公示の廃止論議は個人情報保護に端を発したもので、法人もなくなると知って驚いた」と話している。

 公示制度の廃止を含む税制改正法案は、法人の公示廃止に関する質疑がないまま先月27日、国会で成立した。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY200604050334.html

0331 個人情報保護法1年、識者から「法改正必要」の指摘も [読売]

 法制定にかかわった国会議員や政府の検討部会などの委員を務めた識者らに、読売新聞がアンケート調査したところ、回答者の多くが、相次ぐ過剰反応や公益情報の非開示を懸念し、運用見直しだけでなく法改正の必要性を感じていた。

 ■過剰反応に直面

 回答者(38人)の中には、自ら過剰反応を体験した人もいた。国民新党の亀井久興衆院議員は、「海外出張先から予定と違う飛行機で帰国した時、当初予定していた便に搭乗しているか秘書が航空会社に聞いたが、個人情報保護を理由に回答を拒否された」。民主党の高橋千秋、内藤正光両参院議員も、「友人やその身内の葬儀について葬祭業者に問い合わせたところ、拒まれた」という。

 総務省の研究会委員だった八木欣之介・慶応大名誉教授は、「教え子と連絡を取ろうと勤務先の人事課に所属部署を尋ねたが、回答拒否。『適切』な対応かもしれないが……」と、複雑な思いをにじませた。

 ■出し渋る公務員情報

 幹部公務員らの学歴や生年月日などを出し渋る中央省庁が相次いでいることに、回答者の8割近い30人が「幹部は公人として一定の情報は開示されるべきだ」とした。

 取材に対し、公明党の漆原良夫衆院議員は「法の悪用で、情報開示のレベルは統一すべきだ」と指摘。民主党の枝野幸男衆院議員は、人事院の最高幹部である人事官(3人)の場合、同じ大学の同学部の出身者が同時期に務められないと法律で定められている例を挙げ、「幹部公務員の学歴は公益情報ということ。学閥などがないかどうかを監視する意味で、公開が当然だ」と省庁の対応を批判した。

 ■「運用適正」はゼロ

 回答者のうち、「保護法の運用は適正」としたのはゼロ。混乱や不適切な運用が、「一部」または「かなりある」が30人、「そもそも法に欠陥がある」が5人だった。

 必要な対策(複数回答)については、「法の趣旨や必要な情報提供への理解を求める啓発」「明確な解釈指針」が各16人、「実態調査」「省庁の指針見直し」が各14人だった。

 33人は何らかの法改正が必要と指摘。「行政機関個人情報保護法に、情報の有効利用、公益情報提供についての規定を盛り込む」「公益情報を共有可能にするため、個人情報の保護の範囲などを見直す」は、いずれもその半数を超えた。

 過剰反応や不適切な運用の原因では、「個人情報を悪用した犯罪など治安悪化を背景に、住所や氏名も明かしたくないという意識が広がっている」が24人と最多。国や自治体のPRや研修不足で、「法の趣旨が理解されていない」が22人、「法や条例の適用範囲や解釈に混乱がある」が18人に上った。

(2006年4月1日3時3分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060401i101.htm

0330 05年の人権侵犯過去最高、ネットが急増 [読売]

 2005年に全国の法務局と地方法務局が受理した人権侵犯の救済申し立て件数は前年比4・1%増の2万3806件で、過去最高を更新した。

 法務省が30日、発表した。

 前年の繰り越し分を含む05年の処理件数も同7・2%増の2万3994件で過去最高だった。

 特に、インターネットを使った人権侵犯が急増し、受理件数は272件と前年より73件増えた。少年の刑事事件で犯人の顔写真がネットの掲示板に掲載され、地方法務局がネット接続事業者(プロバイダー)などに削除を依頼した例などがあった。

 障害者への人権侵犯も同14件増の299件で、5年連続で増加した。バス乗務員が車いす利用者に「もう少し余裕のある時に乗ってください」と発言し、法務局がバス会社に改善を求めた例があった。

 このほか、振り込め詐欺(前年比624件増の4078件)、学校でのいじめ(同132件増の716件)も目立った。

 受理件数の増加について、法務省は「障害者施設での職員による虐待の報道などにより、潜在化していた案件が表に出てきたのではないか」と見ている。

(2006年3月30日11時41分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060330i202.htm

0328 プライバシー侵害認める BRCが女優発言で勧告 [共同]

 NHKと民放でつくる「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC、飽戸弘委員長)は28日、テレビのバラエティー番組で女優杉田かおるさんに侮辱されたなどとする元夫の申し立てに対し、名誉、プライバシーの侵害を認め、関西テレビ(大阪市)に再発防止の体制整備を勧告する決定を出した。BRCがバラエティー番組について決定を出したのは初めて。
 決定によると、杉田さんは2005年6月に放送された関西テレビ制作の「たかじん胸いっぱい」で、夫(当時)の私生活について発言。7月の放送でも、ほかの出演者らが杉田さんの発言を基にトークを展開した。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=JOM&PG=STORY&NGID=home&NWID=2006032801004898

0324 「情報は白日の下に」原則 [異議あり匿名社会] [読売]

「英米の現状<3>」

 大富豪のデビッド・ロックフェラー、大手ネット証券創業者のチャールズ・シュワブ、連邦議会議員、ニュースキャスター……。

 2001年11月、ワシントンを拠点に環境問題を調査・啓発するNPO「エンバイロメンタル・ワーキング・グループ(EWG)」が、ホームページ(HP)で公開した全米の農業補助金受給者のデータベースは、大きな波紋を呼んだ。本来は小規模の農家を守る制度だが、シュワブ氏が毎年56万4000ドル(現在の為替レートで約6600万円)を受け取るなど、富裕層の名が多数あったからだ。

 米議会では当時、農業補助金を増やす新法案を審議中。HPへのアクセスは3か月で2000万件に達した。

 EWGは情報公開法を駆使し、農務省にこの情報を開示させた。

 「米国の情報公開が優れているのは、個人名と受給額まで分かるところだ。日本では名前と金額が塗りつぶされる可能性もあるが、それでは意味がない」。日米の情報公開制度に詳しく、日本の裁判所で自由にメモをとることを裁判で勝ち取った大宮法科大学院大学のローレンス・レペタ教授は言う。

 日本の情報公開法では、公務員の職務に関する情報を除き、個人は特定できない形での公開が原則。官庁には公益上重要なら個人情報を含む情報を公開できる裁量があるが、積極的には行われていない。

 米国は今年、情報公開法の施行から40年。その根底には、国民の「知る権利」こそ民主社会の柱との共通認識がある。同法の立案にかかわったトーマス・サスマン弁護士は「過去、最高裁判事は『日光は最良の消毒剤』と指摘した。米国社会では情報は白日の下にさらけ出すのが原則で、情報開示は基本的にプライバシーに優先する」と話す。

 例外的に非開示になるのは、「プライバシーの不当な侵害が合理的に予測される場合」だ。その判断にあたっても「公益性」が常に考慮され、対象が政府高官のような公人であれば、公益性が優先される。

 米司法省の情報公開法担当者は、「一般的には公人の自宅住所は公表しないが、名前や年収などの情報は公開する」と説明する。日本で、官庁の幹部の経歴すら公表しない動きが出ているのとは対照的だ。

 情報公開法が昨年1月に施行されたばかりの英国でも、ガーディアン紙が昨年3月、欧州連合(EU)の農業補助金が支給されている人物と金額の開示を請求。04年10月までの2年間で、エリザベス女王所有のノーフォーク州サンドリンガム牧場に77万ポンド(同約1億5700万円)、チャールズ皇太子が所有する2か所の農場も計30万ポンド(同約6100万円)の補助金を受けていたことが判明した。

 同法を所管する独立監視機関「情報コミッショナー委員会」によると、同法に基づいて情報公開の対象となる公的機関は約10万あり、昨年は13万件の開示請求があった(推計値)。非開示などに対し、情報コミッショナーへの異議申し立ては、約2200件だった。

 英国では、情報公開が個人データ保護に反する場合は、公開しなくても構わないというのが基本的な考え方だ。だが、データ保護法はあらゆる個人情報を隠すものではなく、英国でも、地位の高い公務員ほど開示される情報は多くなる。

 リチャード・トーマス情報コミッショナーは、委員会の05年報告書でこう指摘している。「『知は力なり』。不必要に情報を隠すことは不信を招く。真の民主主義の番人は国民であり、情報の自由は国民に知をもたらす」

(2006年3月24日12時34分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060324icz2.htm



TITLE:取込 - 紙copi
DATE:2009/01/24 17:38

0425 共謀罪 民主などが審議拒否 衆院法務委 [朝日]

2006年04月25日12時57分
 衆院法務委員会は25日、共謀罪法案の審議入りに反対する民主・社民の議員が欠席し、主な野党不在のまま与党修正案の質疑が行われた。これに先立つ理事会で野党側は、審議入りが強行された21日の議事への反発から、委員会開催そのものに反対。近く提出する予定の民主党の修正案とともに審議するよう求めたが、「28日採決」の日程を譲らない与党側との溝は埋まらず、野党側は理事会を途中退席した。

 民主党は、衆院厚労委員会で、同党が提出したがん対策基本法案に対し、与党側が与党案が出てから審議すべきだと主張したことを引き合いに出したが、受け入れられなかった。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0425/002.html

0425 住基ネット接続、中田市長が「横浜方式」見直し示唆 [読売]

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の安全性を検討していた横浜市本人確認情報等保護審議会(大木章八会長)は25日、「安全性は総合的に見て問題ない」とする答申を中田宏市長に提出した。

 同市は「安全性が確認されるまでの緊急避難的措置」として、住基ネットに個人情報を送信するかどうかを市民が選択する独自の「横浜方式」を導入している。中田市長は「答申を尊重したい」と述べており、同方式の見直しを含めて検討する考えを示した。

 今秋から国民、厚生両年金の受給者確認に住基ネットの利用が予定されていることなどから、中田市長は今年3月、同審議会に安全性について諮問した。

 市によると、3月末現在で市に住民登録する人の23%にあたる約82万6000人が送信を拒否している。

(2006年4月25日23時29分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060425i417.htm

0424 共同通信記者の証言拒絶、東京地裁が取材源秘匿認める [読売]

 米国の健康食品会社などが米国政府に損害賠償を求めた訴訟の嘱託尋問で、共同通信記者が取材源に関する証言を拒絶したことの当否を巡る裁判の決定が24日、東京地裁であった。

 長谷部幸弥裁判官は、「直接または間接に取材源の特定に結び付く質問は、証言拒絶が認められる」と述べ、大部分の質問に対する証言拒絶を認めた。

 決定は、「報道機関にとって取材源は、職業の秘密に当たり、特別な事情がない限り、証言拒絶が許される」との原則を示した。そのうえで、取材源そのものに加え、取材源が所属する組織の名称や取材源が公務員かどうか、記者と取材源に面識があったかどうかなどについても、証言拒絶を認めた。

 一方、取材源の数などについては、「取材源の特定に結び付かない」として、証言拒絶を認めなかった。

 嘱託尋問は、1997年に日米両国から課税処分を受けた健康食品会社などが米国政府を相手取って起こした訴訟に関するもの。共同通信記者への尋問は昨年12月に東京地裁で行われ、原告が証言拒絶の是非を判断するよう求めていた。

 古賀泰司・共同通信社編集局次長の話「一部の質問について証言拒絶が認められなかったのは残念で、上級審の判断を仰ぎたい」

(2006年4月24日23時21分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060424i113.htm

0421 「解釈誤った拒否多い」個人情報保護法で日弁連シンポ [読売]

 全面施行から1年が過ぎた個人情報保護法を巡る問題と解決法を考えるシンポジウム「個人情報保護法混乱の原因は何か」(日本弁護士連合会主催)が20日、東京・霞が関の弁護士会館で開かれ、約250人が参加した。

 まず、日弁連の情報問題対策委員会が、弁護士が業務で直面した問題点などを報告。本来は提供されるべき情報が、保護法を理由として提供されなかった事例として、社会保険事務所が、死亡者の国民年金保険料滞納の有無について、相続財産管理人の弁護士に提供を拒んだケースや、銀行協会が法人の取引停止の有無について、弁護士法に基づく照会に回答を拒否したケースなどが挙げられた。

 同委員会は「誤った解釈で、『とりあえず拒否すればいいだろう』という事例が多い」と指摘し、保護法の正確な理解と解釈を求めるべきだと訴えた。

 パネルディスカッションでは、宇賀克也・東大大学院教授、森田明・神奈川大法科大学院教授(弁護士)、清水勉・同委員会副委員長が、医療や地域の現場で起きている問題や、行政機関の情報非開示の広がりについて討論した。

 内閣府が昨年、幹部人事の発表で、それまで公表してきた生年月日や最終学歴を原則非公表としたことについて、宇賀教授は「国の政策決定にかかわるような影響力の大きい公務員の情報は公開すべきだ」とし、森田教授も「慣行として公開されていた個人情報は出すべきだ」と述べた。

(2006年4月21日0時57分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060420i315.htm

0419 21日に共謀罪の審議再開 衆院法務委、野党は反発 [共同]

 衆院法務委員会は18日夕の理事会で、殺人など重大犯罪の実行行為がなくても謀議に加わるだけで処罰可能な「共謀罪」新設を柱とした組織犯罪処罰法などの改正案について、21日に審議を再開することを与党の賛成多数で決めた。
 民主党の平岡秀夫筆頭理事は、国会内で記者会見し「問題の多い法案の審議を強行的に決められた。突然で怒りを感じる」と猛反発。法案の成立阻止に向け、共産、社民両党との連携を強める方針だ。
 同法案は3回目の提出となった昨年の特別国会で継続審議。野党側の「共謀罪の適用対象が犯罪集団に限定される保証はない」との懸念に配慮し与党側は、適用対象を限定し「何らかの準備行為があったことを共謀罪の構成要件に加える」ことを明記した修正案をまとめた。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006041801004343

0413 「福祉には個人情報が必要」過剰反応に手引…都社協 [読売]

 「個人情報保護法を理由に、福祉の質を落としてはいけない」。東京都社会福祉協議会(新宿区)が、個人情報を有効に活用するためのハンドブックを作成した。

 保護法が昨年4月に全面施行された後、福祉施設が介護に必要な情報の提供を病院から拒否されるなど、過剰反応に悩む実態がアンケートから浮かんだためだ。命にかかわるような情報が提供されないケースもあり、都社協では福祉現場の指標として役立ててほしい考えだ。

 老人ホームや障害者施設、在宅介護の現場、保育園などでは、支援するために利用者のプライバシーを含む情報を共有する必要がある一方、本人が認知症などの場合、情報の利用にあたって保護法が求めている「本人の同意」を得るのが難しいなどの事情がある。

 都社協では、保護法の全面施行後、「入居者の意向も確認せず、名札表示をやめた老人ホーム」「誕生日を迎える園児の名前を張り出して祝うのをやめ、イニシャルにした保育園」といった過度な自己規制の例や、必要な情報が得にくいとの声が寄せられたことから、昨年、会員施設68か所にアンケートを実施した。

 その結果、パソコンからの情報漏えい防止策を講じるなど個人情報保護の意識が高まった一方、「神経質になり過ぎ、施設内の情報共有さえままならない」「保育園と小学校の間で行ってきた子どもに関する情報交換は違法か」など戸惑いも多かった。都内の在宅介護支援センターからは、「『独り暮らしのお年寄りを訪ねたが応答がない』との近隣住民の通報で、把握していたかかりつけの病院に受診や入院の有無を聞いたところ、『個人情報だから』と回答を拒否された」との事例も報告された。

 このほか、「法を順守するあまり、様々な支障を来している。利用者の視点に立つべきだ」「人を信じてこそ成り立つ人間関係が基本の仕事なのに、やり切れない」などの意見もあった。

 アンケート結果を受け、ハンドブックでは、「支援を適切に行おうとするほど個人情報は必要で、個人情報を盾にすべてをオープンにしないということではなく、その『有用性』を最大限いかすことが求められている」と指摘。本人の同意を得るのが難しければ家族や後見人から同意を得たり、入所時に病状についての情報を医療機関から聞いたりしている特別養護老人ホームの取り組みなどを紹介し、「情報を積極的に活用してサービスをより良いものに」と呼びかけている。

 都社協では、ハンドブックを基に研修も開いている。

 ハンドブックを取りまとめた都社協職員の森純一さん(36)は、「どこまで情報を共有してよいかに悩んでいる施設が多いが、デリケートな内容も含め情報がなければ支援はできない。本人がどうしてほしいのかということから考えていけば、答えは出てくると思う」と話している。

(2006年4月13日14時46分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060413i106.htm

0407 入学式で国歌斉唱対策、先生はイスなし…美唄の小学校 [読売]

 北海道美唄(びばい)市立中央小学校の6日の入学式で、国歌斉唱時の起立を促すため、学校側が教職員用のいすを用意しなかったことがわかった。

 教職員側との10回以上にわたる会議の末、最終的に岩城文雄校長が判断した。当日は、途中退席したり座ったりした教職員はなく、式は予定通り約40分で終了した。

 岩城校長は「教職員の内心の自由は認めているが、国の指導要領に従わずに着席するなどの行為は、子供を前にした教育活動として問題がある。反対意見もあったが、話し合いを続けた結果、理解を得たと判断した」と話している。市教委は「教職員側が理解のうえで式に臨んだと聞いており、強制ではないので問題ではない」としている。

 学校側によると、式には教職員30人、新入学児童70人、2年生と保護者が出席し、児童と保護者には、いすが用意された。「君が代」斉唱時、児童は着席させ、保護者には起立の賛同を求めたところ、ほぼ全員が起立したという。

 美唄市では6日、全14小中学校で入学式が行われたが、「君が代」斉唱時に着席した教職員がいたのは7校あった。

(2006年4月7日12時25分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060407i104.htm

0407 人権法案大幅見直しへ 法相表明、来年に再提出 [共同]

 杉浦正健法相は7日、自民党内で国会提出に向けた調整が難航している人権擁護法案について、「現状ではとても再提出できる状況にない」として、内容を大幅に見直し、来年の通常国会への提出を目指す方針を明らかにした。
 「表現の自由を侵害する」と批判が強かったメディア規制条項は、メディア側と協議の場を設ける意向を表明。杉浦法相はこれまでも「本来は(メディア側により)自主規制されるべきことだ」との立場を表明しており、現在の法務省案では「凍結」とされていた同条項が削除される可能性も出てきた。
 杉浦法相は自民党内での議論が事実上止まっている現状について、「人権侵害に実効ある措置を取れるようにすることは必要で、このまま(法案を)放置しておくわけにはいかない」と指摘。メディア規制では「人権侵害(への対応)はマスコミの理解が必要。正式な協議の場で、十分に意見を聴きたい」と述べた。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=main&NWID=2006040701000903

0406 法人所得の公示廃止 「長者番付」に便乗? [朝日]

2006年04月06日06時18分
 高額納税者を公示する「長者番付」が個人情報保護の流れを受けて今春から廃止されるのに伴い、法人所得を公示する制度もなくなることが先月末、国会で決まった。ダイレクトメールや寄付の勧誘に利用されるなど弊害が大きいとの理由からだ。日本の法人の99%を占める非上場企業にとって、申告所得の公示は優良企業に対する国の「お墨付き」であり、取引の際の判断材料にもなってきた。これが国会で議論もなく廃止されたことに「企業の情報公開の流れに逆行する」などの批判が出ている。

 法人所得の公示は、第三者による脱税の監視などが目的だった。「あの会社はもっと利益がある」。取引先からの通報が脱税などの発覚につながると期待された。

 今年3月までは、申告所得が4000万円を超えると、法人名や納税地、代表者氏名、所得額が税務署前に張り出された。管内の法人数が約3万6000と最も多い渋谷税務署は、この1年で2000を超える法人を公示。全国では年間7万~8万社が公示されてきたとみられる。

 法人の公示廃止について財務省は「本来の趣旨から逸脱した利用が増えた。中小企業が利益を出しているのがわかって元請けから値引き圧力を受けるなど、弊害の方が大きくなった」と話す。しかし、一部の優良企業だけとはいえ、公示情報が企業間の取引などで役立ってきたのも事実だ。

 日本には会社が200万~300万社あるが、有価証券報告書が発行される上場企業約4000社を除けば、大半は決算書などを公開しなくても罰せられない。その中で、法人所得は、取引相手の実態を知るうえで一番信用できる指標だった。

 企業の信用調査をしているベテラン調査員によると、中小企業が決算の数字を「つくる」のは珍しくない。所得を少なく見せたい税務署用と、売り上げを多く見せたい銀行用の複数の決算書がある例を多数見てきた。例えばこうした「粉飾」を見破るにも、申告所得の数字は有効だという。調査員は「公示が廃止されて何年かたつと、企業の実態はますますわからなくなり、健全な企業間取引を阻害する。詐欺的犯罪を助長することになりかねない」と指摘した。

 法人の公示廃止は個人情報保護の流れに便乗したとの指摘がある。国税庁関係者は「公示の廃止論議は個人情報保護に端を発したもので、法人もなくなると知って驚いた」と話している。

 公示制度の廃止を含む税制改正法案は、法人の公示廃止に関する質疑がないまま先月27日、国会で成立した。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY200604050334.html

0331 個人情報保護法1年、識者から「法改正必要」の指摘も [読売]

 法制定にかかわった国会議員や政府の検討部会などの委員を務めた識者らに、読売新聞がアンケート調査したところ、回答者の多くが、相次ぐ過剰反応や公益情報の非開示を懸念し、運用見直しだけでなく法改正の必要性を感じていた。

 ■過剰反応に直面

 回答者(38人)の中には、自ら過剰反応を体験した人もいた。国民新党の亀井久興衆院議員は、「海外出張先から予定と違う飛行機で帰国した時、当初予定していた便に搭乗しているか秘書が航空会社に聞いたが、個人情報保護を理由に回答を拒否された」。民主党の高橋千秋、内藤正光両参院議員も、「友人やその身内の葬儀について葬祭業者に問い合わせたところ、拒まれた」という。

 総務省の研究会委員だった八木欣之介・慶応大名誉教授は、「教え子と連絡を取ろうと勤務先の人事課に所属部署を尋ねたが、回答拒否。『適切』な対応かもしれないが……」と、複雑な思いをにじませた。

 ■出し渋る公務員情報

 幹部公務員らの学歴や生年月日などを出し渋る中央省庁が相次いでいることに、回答者の8割近い30人が「幹部は公人として一定の情報は開示されるべきだ」とした。

 取材に対し、公明党の漆原良夫衆院議員は「法の悪用で、情報開示のレベルは統一すべきだ」と指摘。民主党の枝野幸男衆院議員は、人事院の最高幹部である人事官(3人)の場合、同じ大学の同学部の出身者が同時期に務められないと法律で定められている例を挙げ、「幹部公務員の学歴は公益情報ということ。学閥などがないかどうかを監視する意味で、公開が当然だ」と省庁の対応を批判した。

 ■「運用適正」はゼロ

 回答者のうち、「保護法の運用は適正」としたのはゼロ。混乱や不適切な運用が、「一部」または「かなりある」が30人、「そもそも法に欠陥がある」が5人だった。

 必要な対策(複数回答)については、「法の趣旨や必要な情報提供への理解を求める啓発」「明確な解釈指針」が各16人、「実態調査」「省庁の指針見直し」が各14人だった。

 33人は何らかの法改正が必要と指摘。「行政機関個人情報保護法に、情報の有効利用、公益情報提供についての規定を盛り込む」「公益情報を共有可能にするため、個人情報の保護の範囲などを見直す」は、いずれもその半数を超えた。

 過剰反応や不適切な運用の原因では、「個人情報を悪用した犯罪など治安悪化を背景に、住所や氏名も明かしたくないという意識が広がっている」が24人と最多。国や自治体のPRや研修不足で、「法の趣旨が理解されていない」が22人、「法や条例の適用範囲や解釈に混乱がある」が18人に上った。

(2006年4月1日3時3分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060401i101.htm

0330 05年の人権侵犯過去最高、ネットが急増 [読売]

 2005年に全国の法務局と地方法務局が受理した人権侵犯の救済申し立て件数は前年比4・1%増の2万3806件で、過去最高を更新した。

 法務省が30日、発表した。

 前年の繰り越し分を含む05年の処理件数も同7・2%増の2万3994件で過去最高だった。

 特に、インターネットを使った人権侵犯が急増し、受理件数は272件と前年より73件増えた。少年の刑事事件で犯人の顔写真がネットの掲示板に掲載され、地方法務局がネット接続事業者(プロバイダー)などに削除を依頼した例などがあった。

 障害者への人権侵犯も同14件増の299件で、5年連続で増加した。バス乗務員が車いす利用者に「もう少し余裕のある時に乗ってください」と発言し、法務局がバス会社に改善を求めた例があった。

 このほか、振り込め詐欺(前年比624件増の4078件)、学校でのいじめ(同132件増の716件)も目立った。

 受理件数の増加について、法務省は「障害者施設での職員による虐待の報道などにより、潜在化していた案件が表に出てきたのではないか」と見ている。

(2006年3月30日11時41分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060330i202.htm

0328 プライバシー侵害認める BRCが女優発言で勧告 [共同]

 NHKと民放でつくる「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC、飽戸弘委員長)は28日、テレビのバラエティー番組で女優杉田かおるさんに侮辱されたなどとする元夫の申し立てに対し、名誉、プライバシーの侵害を認め、関西テレビ(大阪市)に再発防止の体制整備を勧告する決定を出した。BRCがバラエティー番組について決定を出したのは初めて。
 決定によると、杉田さんは2005年6月に放送された関西テレビ制作の「たかじん胸いっぱい」で、夫(当時)の私生活について発言。7月の放送でも、ほかの出演者らが杉田さんの発言を基にトークを展開した。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=JOM&PG=STORY&NGID=home&NWID=2006032801004898

0324 「情報は白日の下に」原則 [異議あり匿名社会] [読売]

「英米の現状<3>」

 大富豪のデビッド・ロックフェラー、大手ネット証券創業者のチャールズ・シュワブ、連邦議会議員、ニュースキャスター……。

 2001年11月、ワシントンを拠点に環境問題を調査・啓発するNPO「エンバイロメンタル・ワーキング・グループ(EWG)」が、ホームページ(HP)で公開した全米の農業補助金受給者のデータベースは、大きな波紋を呼んだ。本来は小規模の農家を守る制度だが、シュワブ氏が毎年56万4000ドル(現在の為替レートで約6600万円)を受け取るなど、富裕層の名が多数あったからだ。

 米議会では当時、農業補助金を増やす新法案を審議中。HPへのアクセスは3か月で2000万件に達した。

 EWGは情報公開法を駆使し、農務省にこの情報を開示させた。

 「米国の情報公開が優れているのは、個人名と受給額まで分かるところだ。日本では名前と金額が塗りつぶされる可能性もあるが、それでは意味がない」。日米の情報公開制度に詳しく、日本の裁判所で自由にメモをとることを裁判で勝ち取った大宮法科大学院大学のローレンス・レペタ教授は言う。

 日本の情報公開法では、公務員の職務に関する情報を除き、個人は特定できない形での公開が原則。官庁には公益上重要なら個人情報を含む情報を公開できる裁量があるが、積極的には行われていない。

 米国は今年、情報公開法の施行から40年。その根底には、国民の「知る権利」こそ民主社会の柱との共通認識がある。同法の立案にかかわったトーマス・サスマン弁護士は「過去、最高裁判事は『日光は最良の消毒剤』と指摘した。米国社会では情報は白日の下にさらけ出すのが原則で、情報開示は基本的にプライバシーに優先する」と話す。

 例外的に非開示になるのは、「プライバシーの不当な侵害が合理的に予測される場合」だ。その判断にあたっても「公益性」が常に考慮され、対象が政府高官のような公人であれば、公益性が優先される。

 米司法省の情報公開法担当者は、「一般的には公人の自宅住所は公表しないが、名前や年収などの情報は公開する」と説明する。日本で、官庁の幹部の経歴すら公表しない動きが出ているのとは対照的だ。

 情報公開法が昨年1月に施行されたばかりの英国でも、ガーディアン紙が昨年3月、欧州連合(EU)の農業補助金が支給されている人物と金額の開示を請求。04年10月までの2年間で、エリザベス女王所有のノーフォーク州サンドリンガム牧場に77万ポンド(同約1億5700万円)、チャールズ皇太子が所有する2か所の農場も計30万ポンド(同約6100万円)の補助金を受けていたことが判明した。

 同法を所管する独立監視機関「情報コミッショナー委員会」によると、同法に基づいて情報公開の対象となる公的機関は約10万あり、昨年は13万件の開示請求があった(推計値)。非開示などに対し、情報コミッショナーへの異議申し立ては、約2200件だった。

 英国では、情報公開が個人データ保護に反する場合は、公開しなくても構わないというのが基本的な考え方だ。だが、データ保護法はあらゆる個人情報を隠すものではなく、英国でも、地位の高い公務員ほど開示される情報は多くなる。

 リチャード・トーマス情報コミッショナーは、委員会の05年報告書でこう指摘している。「『知は力なり』。不必要に情報を隠すことは不信を招く。真の民主主義の番人は国民であり、情報の自由は国民に知をもたらす」

(2006年3月24日12時34分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060324icz2.htm
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