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●イラク戦争(米国から)05Ⅳ

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ポーランド、イラク派遣を1年延長 2国は撤退を完了 [朝日]

2005年12月28日10時33分
 ポーランドのマルチンキエビチ首相は27日、イラク駐留部隊の派遣期間を06年末まで1年間延長することを決めたと発表した。23日に就任したばかりのカチンスキ大統領が近く正式決定する。一方、ウクライナとブルガリアは27日、イラクから派遣部隊の撤退を完了したとそれぞれ発表した。

 マルチンキエビチ首相は記者会見で「国連安全保障理事会が多国籍軍の駐留期限を06年末まで延長し、イラク政府からも要請があった」と延長理由を説明した。国防省によると、中部ディワニヤの駐留部隊を現在の約1450人から段階的に減らし、来年3月までに900人規模にする。任務も治安維持から、イラク軍に対する訓練に徐々に移行していく予定だという。

 クワシニエフスキ前大統領は当初、年内撤退の方針だったが、10月にブッシュ米大統領に来年1月末までの駐留を約束。イラクを先週訪問したマルチンキエビチ首相は、新大統領の就任を待って今月中に2月以降に撤退するか、継続するかを決めることにしていた。

 ポーランドは駐留を延長する見返りに米国に軍事援助の拡大を求めていたが、米国からは明確な約束がないままで、国内世論の約6割が撤退を求めていたことにも配慮して駐留部隊を削減することにしたとみられる。

 ポーランドはイラク戦争に参戦。大規模戦闘終結宣言の後もイラク中南部の治安維持に一時は約2400人を派遣してきた。これまで戦闘などで17人が死亡している。

    ◇

 ブルガリア国防省は27日、ポーランドの指揮下にいた駐留部隊約350人すべてがイラクから撤退したことを明らかにした。ブルガリアは兵士ら19人の犠牲を出し、国内世論の約3分の2が駐留継続に反対。今年5月には年内撤退を決め、今月15日にイラク国民議会選挙の投票が終わったことを受け、翌日から撤退を始めていた。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1228/002.html

イラク駐留米軍を5千人削減へ 米大統領が決定 [朝日]

2005年12月23日19時44分
 ブッシュ米大統領は22日、イラク駐留米軍を選挙時などを除く通常時の基準線として維持してきた13万8千人規模から約5000人削減する決定を下した。来年初めにも実施する。イラク訪問中のラムズフェルド米国防長官や国防総省幹部が明らかにした。イラク駐留米軍が基準線を下回る大規模な削減に踏み切るのは初めて。

 駐留米軍は現在約16万人。国防総省は国民議会選挙が終わったことを受けて、来年1月をめどに13万8000人の基準線に戻すと発表していたが、それ以上の削減は未定としていた。

 ブッシュ政権は、削減や撤退の具体的な日程を示すことには難色を示してきたが、今回の削減を手始めに06年中に段階的な削減に踏み切るものとみられる。

 ラムズフェルド長官によると、駐留米軍の戦闘旅団数を17から15に削減する。任務交代でイラク入りする予定だった第1機甲師団と第1歩兵師団内の1旅団ずつの派遣を見送る。両旅団で計約7000人の削減となるが、イラク治安部隊の訓練要員などを増強するため、全体では約5000人の削減となる見通しだ。


 同長官は訪問先のイラク・ファルージャで「この調整はイラク人が(治安面で)より多くの責任を担えることを認定したものだ」と述べ、イラク治安部隊の能力向上を削減の主な理由に掲げた。

 22日、国防総省で会見したコンウェイ中将(海兵隊)によると、旅団の派遣を見送る一方で、イラク部隊に同行して助言する米軍顧問の人数は今後さらに増やす方針。米軍の任務を戦闘主体からイラク部隊の支援に改め、工兵や軍需補給部門などを中心に派遣する見通しだ。

 米国内では即時全面撤退を求める野党民主党の一部議員をはじめ、与党内にも出口戦略を求める声が高まっている。段階的撤退でイラク治安部隊の能力向上の成果を強調するとともに、米中間選挙を前に国内の批判にも応える狙いがあるとみられる。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1223/006.html

イラク戦「勝ちつつある」 米大統領、早期撤退を否定 [朝日]

2005年12月19日12時29分
 ブッシュ米大統領は18日夜(日本時間19日午前)、イラク政策をめぐって全米向けに演説した。15日に実施されたイラク国民議会選挙を「中東の中心における立憲民主主義の始まり」と称賛。「この戦争には勝てるだけでなく、勝ちつつある」と述べて政策の継続を主張し、野党民主党などが求める早期撤退論を改めて否定した。

 開戦以来の死者数が2100人を超え、支持率の低下に悩むなか、少数派スンニ派の大半が初めて参加した今回の選挙を機会に「民主化の進展」を強調。侵攻の意義と駐留継続の必要性を主張するのが目的だ。

 大統領は、開戦の最大の理由として掲げた大量破壊兵器について「製造計画を再開する能力はあったが、兵器(の備蓄)は発見できなかった」と情報の誤りを認めたが「フセイン(元大統領)を失脚させたことは正しかった」と述べ、開戦の決断を下した自分の判断を改めて正当化した。「多くの米国民がこの戦争の代償と方向性に疑問を持っていることを承知している」と述べ、世論が二分している実態を認める一方、「この戦争は負け戦でこれ以上の経費や米軍駐留延長の価値がない、という人がいる。私はそうは信じない。テロリストですら信じないだろう」と述べた。

 「イラク人の10人中7人が生活が上向いていると感じている」と楽観的な見通しを強調する半面、経済復興やイラク治安部隊の訓練が「期待していたよりも難しかった」と述べ、自立の遅れも認めた。

 ブッシュ氏は即時撤退について「イラクの友人を見捨て、米国は信用できない、とのシグナルを世界に送ることになる。我々を攻撃すると言い続けている敵にイラクを引き渡すことになり、世界中のテロ活動が勢いづく」と述べ、人為的な撤退日程の設定を否定。イラク治安部隊が十分成長するまで当面駐留を継続させる必要がある、と主張した。駐留米軍のケーシー司令官は、来春までに現在の15万3000人から通常レベルの13万8000人に戻す方針を示したが、それ以上の撤退の規模や時期は未定。民主党のマーサ下院議員は即時撤退を主張している。

 また選挙後のイラクについて「米国はテロとの戦いにおいて、力を増しつつある同盟国を得た」とも話した。

 駐留が長期化し、米兵の死傷者が増えるなか、米世論のイラク政策に対する不満は高まったままだ。CNNの最新の世論調査では政権のイラク政策を支持するのは39%で不支持59%を下回る。明確な勝利戦略を持っているかとの問いにも「そう思わない」が58%で「そう思う」の38%を大きく上回っている。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1219/009.html

米大統領、大量破壊兵器「情報誤り」 イラク戦は正当化 [朝日]

2005年12月15日13時13分
 ブッシュ米大統領は14日、イラク情勢についてワシントン市内で演説し、旧フセイン政権の大量破壊兵器(WMD)に関する機密情報が間違っていたことを認めた上で「旧フセイン政権を打倒したのは正しい決断だった」と語り、イラク戦争を改めて正当化した。

 大統領は「機密情報の大半は結果的に間違っていた」と認め、さらに「イラク戦争に踏み切った決断に責任を持っている」と述べ、開戦の決断は正しかったと強調した。機密情報の間違いについても情報機関改革などを通じて改善することを改めて約束した。

 発言は、イラク戦争開戦の最大の根拠としてブッシュ政権が掲げたWMD情報の取り扱いに関して政権の責任を認めたものではない。情報機関の判断の誤りにもかかわらず、開戦を決断したブッシュ政権の決断自体は正しかったと開き直るものだ。

 WMD情報の誇張疑惑などを追及する野党民主党の動きや、イラク侵攻は不必要だったとみる米世論の高まりに反論するねらいがある。


 大統領は演説の中で、「我々が今日イラクに駐留しているのは、独裁者の除去以上のものを目的として掲げているからだ」とも語り、15日の国民議会選挙を前にイラクで民主化を進める意義を改めて強調した。

 選挙後の情勢については「不安定な日々がくるかもしれない」と述べ、選挙結果の確定までの間、ある程度の混乱が続くとの見通しを示した。

 民主党側は「大統領の演説は、任務完了に向けた戦略について米国民に何の洞察も与えなかった」(リード上院院内総務)、「彼(大統領)が決断した時期、やり方で米国が戦争をする理由はまったくなかった」(ケネディ上院議員)などと強く批判した。


 ブッシュ大統領の演説は、国民議会選挙を前に、政権の対イラク政策の正当性を訴える連続演説の一環で、11月下旬以来、今回が4回目。同選挙に向けてこれが最後の演説となる。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1215/007.html

イラク民間人死者は「3万人前後」 米大統領が推計 [朝日]

2005年12月13日11時32分
 ブッシュ米大統領は12日、フィラデルフィアでイラク問題について演説し、開戦以来のイラク民間人の死者数について「3万人前後」と語った。イラク民間人の死者数についてブッシュ政権が数字を示したのは初めて。米軍の死者数は約2100人に上っている。

 演説後の質疑応答で会場からの質問に答えた。イラク戦争中の戦闘と、その後の武装勢力の攻撃などによる犠牲者を合わせた数としている。根拠についてホワイトハウスのマクレラン報道官は「メディアの報道を引用した推計だ」と述べ、「米政府の公式の推計ではない」としている。

 イラク民間人の死者数については、米英の非政府組織「イラク・ボディーカウント」がメディア報道などを集計し、2万7383人から3万892人との数字を出している。ただ、報道されていない死者も相当数あり、別の科学者チームはイラク戦争前後の死亡率の変化などからみて、約10万人に達するとの推計を04年10月に発表している。

 一方、15日に実施されるイラクの国民議会選挙について大統領は、「選挙の成功は(民主化)プロセスの終了ではない」と述べ、新政府の樹立に向けて多くの難題があることを指摘した。「選挙が成功したからといって敵があきらめるわけではない」とも述べ、治安の安定にも時間がかかるとの見方を示した。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1213/007.html

シュレーダー前首相、TVでイラク人質の解放訴え [朝日]

2005年12月09日01時24分
 イラクで人道支援活動をしていたドイツ人女性とその運転手が武装集団の人質になった事件で、シュレーダー前独首相が7日、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラに出演して人質の即時解放を訴えた。同氏はすでに政界を引退したが、在任中はイラク戦争に反対したことから、女性の家族の希望を受けて独政府などが出演を働きかけた。

 シュレーダー氏は約2分間メッセージを読み上げ、「女性はイラクを愛し救援活動をしていた。私は強いショックを受けている」などと厳しい表情で語った。同氏は首相交代を機に連邦議会(下院)議員も辞め、最近はメディアにもほとんど登場していなかった。

 女性は考古学者ズザンネ・オストホフさん(43)で、先月25日にドイツ人として初めて拉致された。武装集団は独政府がイラク政府への協力をやめるよう求めているが、メルケル首相は要求を拒否している。

 シュレーダー前政権はイラク戦争に反対して兵を送らず、イラク国外での警察官の訓練などにとどめた。メルケル首相もこの方針を継続している。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1209/004.html

「イラク戦争は国家テロ」 ノーベル文学賞のピンター氏 [朝日]

2005年12月08日17時56分
 スウェーデン・アカデミーで7日、今年のノーベル文学賞に選ばれた英国の劇作家、ハロルド・ピンター氏(75)の受賞を記念する講演がビデオ映像で流された。同氏はイラク戦争を「露骨な国家テロ」と糾弾、その首謀者としてブッシュ米大統領とブレア英首相を「戦争犯罪人」として訴追するよう訴えた。同氏はがんを患って入院しており、10日にストックホルムで行われる授賞式は欠席する。

 ピンター氏は車いすに座りながら、「芸術、真実、政治」というテーマで講演した。イラク戦争の根拠とされた旧フセイン政権の大量破壊兵器の保有疑惑について「真実ではなかった」と批判。ブッシュ大統領とブレア首相は大量殺人を主導したとして、国際刑事裁判所(ICC)に訴追するよう呼びかけた。

 そして米国はICCの設立条約を批准していないことに触れ、「ブッシュ(大統領)は抜け目がない」と皮肉った。英国の外交姿勢を「米国追随」とこき下ろし、ICCがブレア首相を訴追しやすいよう、「住所はロンドン、ダウニング街10番地」と伝えるユーモアもにじませた。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1208/011.html

イラク侵攻「必要なかったかも」 米前国防副長官 [朝日]

2005年12月08日13時56分
 イラクに大量破壊兵器(WMD)の危険が全くないと確信していれば、ほかのやり方があったかもしれない――。ブッシュ米政権第1期の国防副長官としてイラク戦争の必要性を強硬に主張したウォルフォウィッツ世界銀行総裁が7日、ワシントン市内で講演し、結果的に、イラク侵攻が必要だとは限らなかったという見方を示した。

 同氏は政権内の新保守主義者(ネオコン)の代表格で、十分な証拠がないまま戦争に突入したと批判されてきた中心人物。ブッシュ政権は、WMDがなくてもイラク戦争に踏み切った判断は正しかった、との立場をとっている。

 ウォルフォウィッツ氏は、WMDの存在が完全に否定された現時点の証拠を戦争前に得ていたとしても「危険がないと確信できたかどうかはわからない」と前置きした上で「確信できていれば、イラク国内の反体制派をもっと支援することも想定できた。我々(米軍)がやった方法で任務を引き受ける必要はなかったかもしれない」と語り、別の選択肢が可能だったとの見方を示した。

 侵攻の結果、2100人を超す米兵の死者が出たことについて「高い代償を払った」と述べる一方「米国と世界はなすべきことをした。(この戦争に)勝つことが極めて重要だ」と語り、フセイン政権打倒などの意義を強調した。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1208/010.html

米大統領:「地域密着の経済復興に重心」イラク政策演説 [毎日]

 【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米大統領は7日、ワシントン市内のシンクタンクでイラク政策の演説を行い、経済復興が「必ずしも期待通りに進んでいない」ことを認めた上で、「大型インフラの整備から地域に密着した“目に見える改善”に政策の重心を移した」と説明した。「イラクでの勝利」戦略に沿った2度目の演説で、復興面に力点が置かれた。

 大統領は演説で「勝利」の定義を「テロリストとサダム派(旧フセイン政権残党)がイラクの民主主義を脅かせなくなる」ことだと指摘。駐留米軍撤退への道筋を示した「イラクでの勝利」戦略の3本柱のうち経済復興について、ナジャフとモスルの2都市の復興経過を説明しながら、「着実な進展」と強調した。

 大統領は一方で、03年春に復興プロセスが始まった後、大型インフラの整備に力点が置かれてきたことを「住民の優先課題にかなっていなかった」と総括。下水溝など住民ニーズの高い小規模事業に多くの復興予算を振り向けるよう方針を変更したことを指摘した。

毎日新聞 2005年12月8日 11時51分 (最終更新時間 12月8日 12時55分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051208k0000e030064000c.html

イラク駐留米軍:情報操作疑惑 国防総省に報告求める [毎日]

 【ワシントン和田浩明】イラク駐留米軍が米国に好意的な記事を地元紙に掲載料を払って秘密裏に提供していると報道された問題で、マクレラン米大統領報道官は1日の定例会見で「非常に懸念している」と語り、国防総省に報告を求めていることを明らかにした。同問題ではすでにペース統合参謀本部議長が調査を行う意向を表明している。

 マクレラン報道官は、「我々も報道で初めて知った」と説明し、見解を求められると「事実関係を調査中だ」と即答を避けた。またバグダッドの定例会見で駐留米軍報道官のリック・リンチ少将は「イラク国民に情報提供を行う権限を前線指揮官に与えてはいる」と述べたが、具体的な事実関係は確認しなかった。

 民主党のケリー上院議員は「もし米国が金を払って記事を提供していたのなら、米国の信頼度が傷つく」と述べた。

毎日新聞 2005年12月2日 12時03分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051202k0000e030053000c.html

イラク復興事業:米陸軍中佐を収賄容疑などで逮捕 司法省 [毎日]

 【ワシントン和田浩明】米司法省は1日、イラク復興事業に関連した収賄や窃盗の容疑で、米陸軍予備役のマイケル・ウィーラー中佐(47)を逮捕したと発表した。復興事業関連での逮捕者は、贈賄側の米国の建設業者を含め3人になった。

 同省によると、ウィーラー容疑者は米英占領当局(CPA)でイラク南部の復興事業の発注担当だった03~04年、業者を優遇した見返りに金品を受け取った▽CPAの資金約10万ドル(約1200万円)を着服して米国内に運び込んだ▽CPAが購入した機関銃など数十丁を盗み、米国内に持ち込んだ、などの疑いが持たれている。

 同容疑者は11月30日、米中部ウィスコンシン州で逮捕された。有罪判決が確定すれば、最高刑は禁固30年と罰金25万ドル(約3000万円)。

 贈収賄事件では先月、建設業者と元CPA会計担当者が逮捕されている。

毎日新聞 2005年12月2日 11時44分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051202k0000e030047000c.html

米大統領、イラクで「包括的な新戦略」提示 [朝日]

2005年12月01日01時18分
 ブッシュ米大統領は30日、メリーランド州アナポリスの海軍兵学校でイラク情勢について演説した。治安面の進展などを強調し、イラクでの対テロ戦争に勝利するための「包括的な新戦略」を示した。野党民主党が求める撤退期限の設定には反論したものの、「任務が完了すれば、撤退できる」と述べ、06年中の駐留米軍削減を目指す方針だ。

 演説は、米軍撤退を求める米世論が高まるなか、12月15日に予定されているイラク国民議会選挙に向けて、治安、政治、経済各分野の進展を強調し、部分撤退に向けた楽観的な見通しを示す意図がある。大統領は、これまでにイラク警察や治安部隊計120大隊のうち、40大隊は戦闘で主要な役割を担っていると説明。駐留米軍の支援が必要な80大隊を含めた部隊の能力強化を図ることで「戦闘能力を落とさずに撤退は可能だ」と強調した。撤退期限の設定には「米国が軟弱で信頼できない同盟国だというメッセージを世界に送ることになる」と反論した。

 演説に先だち、ホワイトハウスが発表した「イラクでの勝利のための国家戦略」は「(即時)撤退すれば、テロリストは我々や同盟国を追い求め、地域全体や米本土に戦線を拡大する」と分析している。

 マクレラン報道官は29日、「06年になれば、現地の情勢が変化することが期待できる」と述べ、来年中にも撤退実施に向けた状況が整うとの楽観的な見通しを示した。民主党のマーサ下院議員は「駐留米軍が軍事的に達成できることは終わった」として、6カ月以内の撤退完了を求めている。ホワイトハウス側は「撤退は状況次第」という原則を残しながらも、来年中に削減を目指す方針だ。

 米国防総省は現在約15万5000人規模の駐留米軍を国民議会選挙後に13万8000人に減らすことを検討している。治安改善などの条件が整えば、06年中にも10万人前後まで削減を進めたい方針だ。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1130/016.html

白リン弾:米軍がイラクで民間人に使用疑惑 [毎日]

 米国が昨年、イラク中部ファルージャでの武装勢力との攻防の際、民間人に対し残虐兵器である白リン弾を使用した疑惑が浮上している。イタリア国営テレビが報じたのがきっかけだ。白リン弾は照明弾や煙幕に使われ、人体に触れると燃焼時の高熱で「骨まで焼き尽くす」といわれる兵器。米国防総省は「民間人への使用はない」との立場だが、「使用が妥当だったか調査すべきだ」と指摘する専門家もいる。【ワシントン和田浩明】

 焼けただれ、溶けたような子供の顔。肉が焼け落ち、手足の骨が突き出た遺体。イタリアの国営ニュース専門チャンネル「RAIニュース24」は、11月8日、米、イラク両軍が昨年行ったファルージャ制圧戦で死亡した住民の衝撃的な映像を放映した。

 ファルージャでは、同年3月に米軍雇用の民間人4人が武装勢力に惨殺され、群衆が遺体を引き回した。怒った米軍は翌月、最初の大規模掃討作戦に乗り出したがイラク民間人にも多数の犠牲が出たため、国際社会からの非難を浴びていったん撤退。米軍は11月になって作戦を再開し、全市を制圧した。米軍の死者は同月だけでイラク戦争開戦以来最高の136人になったほど攻防戦は激しかった。

 RAIによると、遺体の映像は現地で医師や住民が記録したもの。番組は、「炎の雨が降ってきた」といった住民の証言や、同作戦に参加した元米兵への取材を元に、米軍が無差別に白リン弾を使用し民間人が犠牲になったと告発した。

 白リンは空気中の酸素と反応して激しく燃焼する。発生する熱は2500度を超え、大量の煙が出るため、照明弾や煙幕として長年戦闘に使われてきた。第二次大戦末期の沖縄戦では、米軍が洞くつなどにこもった日本兵の追い出しにも使用したほか、在日米軍も演習で使っている。

 米国防総省はRAIの放送後、「白リン弾は使用が禁止されている化学兵器ではない。ファルージャではあくまで照明、煙幕用に使用し民間人を標的にはしていない」と説明。番組が白リン弾を化学兵器としたこともあり、同省はイラク駐留米軍を不当に非難する「プロパガンダ」だ、と反発した。

 だが、今春、ファルージャ戦を特集した出版物の中で、米陸軍が、市内に立てこもる武装勢力を対象にした「シェイク・アンド・ベイク(いぶり出し)」と呼ばれる攻撃に白リン弾を使用したと指摘していたことが判明した。その中で陸軍は、「ざんごうなどにこもる敵に対して強力な心理効果を持つ非常に有効な兵器だ」などとした。

 これに対し、欧州のメディアから、「人に対して使用したことを隠ぺいしようとした」と非難が上がり、同省は武装勢力に対し使用したことを認めたが、民間人への使用は否定している。ペース統合参謀本部議長は11月29日の定例会見で、「国際条約が禁ずる焼夷(しょうい)兵器ではない。民間の被害が出ないよう注意を払っている」と説明した。

 白リン弾は04年4月の掃討作戦でも使用されたことがわかっているが、同作戦に従軍取材した米カリフォルニア州の地元紙記者は「白リン弾を迫撃砲で市内に撃ち込んでいる米兵らは、標的が何なのか知らない」と報告し、白リン弾の無差別使用を示唆した。

 米軍備管理協会のダリル・キンボール事務局長は「問題がなかったか、国防総省がきちんと調査することで、米軍に対する疑念を解くことができる」と指摘する。しかし、同省は毎日新聞の取材に「調査は考えていない」と回答している。

毎日新聞 2005年11月30日 22時48分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051201k0000m030128000c.html

米大統領「アルジャジーラ攻撃を計画」 英紙報道で波紋 [朝日]

2005年11月24日13時31分
 22日付の英大衆紙デーリーミラーが、昨年4月の米英首脳会談で、ブッシュ大統領がカタールの衛星テレビ、アルジャジーラの本部を攻撃する意向を明らかにし、ブレア首相がそれを制止していたと報じ、波紋を呼んでいる。報道が首相府の極秘メモに基づいていることから、ゴールドスミス法務長官は英主要紙に対し、メモの詳細を報じた場合、国家機密を漏出したとして訴追される可能性があると警告。各紙は「言論の抑圧」と反発している。

 デーリーミラー紙によると、極秘メモは5枚からなる。昨年5月、イラク戦争に反対したことで知られるトニー・クラーク労働党議員の地元事務所に届けられた。同議員はメモを公開しないまま政府に返還。今月、メモを受け取ったとされる事務所の元職員と漏出元とされる内閣府職員の2人が起訴された。

 極秘メモが書かれたとされる昨年4月は、イラク中部ファルージャで米軍が大規模な掃討作戦を行った時期と重なる。アルジャジーラは武装勢力の支配地域から報道を続け、米国から敵視されていた。パウエル米国務長官(当時)が同月、カタールのハマド外相と会談した際にアルジャジーラの報道に不満を表明するなど、報道規制への圧力を強めていた。

 カタールは湾岸地域の親米国。イラク戦争では、米中央軍の前線司令部が置かれた。友好国への「攻撃計画」だけに、英政界でも真相究明を求める声が高まっている。元国防省政務次官のピーター・キルフォイル議員(労働党)は極秘メモの公開を要請した。

 アルジャジーラは「報道が正しいとすれば、当社だけでなく世界中の報道メディアにとって衝撃であり、懸念すべきことだ」との声明を発表した。一方、米ホワイトハウスのマクレラン報道官は23日、「こんな奇怪で想像すらできないことにまともに対応するつもりはない」と述べた。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1124/003.html
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