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イラク駐留軍:イタリア、来年中に完全撤退方針

 イタリアのベルルスコーニ首相は22日、イラクに派遣している軍に関し「2006年末(という撤退時期)について同盟国やイラク政府と話し合っている」と述べ、同年中に完全撤退させる方針を明らかにした。訪問先チュニジアでの会見で述べた。

 イタリア軍は当初の人員を一部縮小したが、米英軍に次ぐ規模の2900人がイラク人治安部隊の訓練などに当たっている。ベルセリ国防次官も同日「訓練は予定通り進んでおり、来年6月以降に撤退する可能性がある」と語った。

 イタリアでは来年4月に総選挙が予定されている。首相は、国民に不人気のイラク派兵が与党にマイナスに働くことは間違いないと判断しているもようだ。(共同)

毎日新聞 2005年11月23日 10時35分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051123k0000e030012000c.html

イラク再建事業で汚職発覚、2米国人を逮捕…拡大も [読売]

 【ワシントン=坂元隆】連合国暫定当局(CPA、2003年6月~04年6月)統治下のイラクで、国家再建事業にからんで贈収賄が広範に行われていたとの疑惑が18日、表面化した。ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト両紙の報道によると、独立の連邦捜査機関がすでに米国人2人を逮捕している。

 イラク再建をめぐる汚職発覚は初めてだが、ポスト紙によると、捜査機関は今も「約50件の不正事件を捜査中」としており、占領下のイラクでの腐敗事件は、大きな波紋を呼びそうだ。

 報道によると、逮捕されたのは、経理担当官としてイラク中部ヒッラのCPA事務所に勤めていたロバート・ステイン容疑者と、ルーマニアを拠点に複数の企業を経営するフィリップ・ブルーム容疑者。ステイン容疑者は04年の前半、ブルーム容疑者の会社に対し、「バース党地区支部解体」や「図書館改修工事」など合計350万ドル(約4億1650万円)以上の事業を発注し、見返りに約54万6000ドル(約6500万円)のわいろを受け取っていたとの疑いがもたれている。

 これらの事業費は、接収したイラクの資産や、原油の売却金、国連からの支援金などでまかなわれており、ステイン容疑者は8200万ドル相当(約98億円)を管理していたという。わいろは、不動産や自動車、宝石の購入などにあてられていた。ステイン容疑者は1996年に米国内で詐欺で有罪となり禁固刑と罰金刑を受けていたが、CPAに採用されていた。

 イラクでは来月15日に国民議会選が行われるが、移行政府の内務省構内で、イスラム教スンニ派と見られるイラク人約170人が虐待を受けていたことが今月15日に明らかになったばかり。米主導のイラク統治を巡っては、昨年春、アブグレイブ刑務所で米兵によるイラク人被拘束者虐待も発覚した。
(2005年11月18日23時18分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051118i412.htm

イラク即時撤退を主張 タカ派のマーサ米下院議員 [朝日]

2005年11月18日10時57分
 米海兵隊出身で「国防族」として知られるジョン・マーサ下院議員(民主)は17日、イラク問題で記者会見し、現在約15万3千人いる駐留米軍の即時撤退とイラク政策の全面的な転換を求めた。ブッシュ大統領は、期限付きの撤退は武装組織を利するだけだとして応じない方針だ。野党とはいえ、ベトナム戦争経験を持つタカ派議員による全面撤退要求は波紋を呼んでいる。

 たびたび現地を訪問している同議員は、8割のイラク人が米軍駐留に反対しているという世論調査などを引用。12月中旬に予定される国民議会選挙の前に撤退を発表することで「占領の終結」を印象づけ、武装勢力に加わるスンニ派の政治参加を促すべきだと主張した。撤退完了のめどとしては、「6カ月以内が適切」と述べた。

 同議員は自身のベトナム体験を踏まえ、「民衆が武装勢力の居場所を教えてくれないかぎり、ゲリラ戦には勝てない」と指摘。米兵の死者が2千人を超す中、「軍はできる限りのことをした。これ以上犠牲が続くのは忍びない」と述べた。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1118/002.html

英軍も残虐兵器 国防相 イラクでの使用認める [赤旗]

 【ロンドン=岡崎衆史】イラクに約八千五百人の兵士を駐留させている英国で、政府首脳や軍高官から撤退の可能性についての発言が相次いでいます。

 英紙ガーディアン十六日付は、複数の英軍司令官と国防省高官が十五日明らかにしたとして、来年五月にかなりの数の部隊の撤退がありうると報じました。同紙によると、英政府はすでに、イラク側と撤退日程について話し合いを開始。十二月のイラク国民議会選挙後、新政府との間で本格的な協議を行うといいます。

 ブレア英首相は十四日、イラクのアブデルマハディ副大統領と会談後、「来年の軍撤退について協議するのは全く道理あることだ」と述べ、イラク軍が治安を担うことができるようになれば英軍撤退がありうるとの見方を示しました。アブデルマハディ副大統領も、治安の改善によっては、「来年ある程度の部分撤退を目にするだろう」と述べました。

 これに先立ち、イラクのタラバニ大統領は十三日、英民間テレビITVとのインタビューで、「英軍の永久駐留を望んではいない。二〇〇六年末までにイラク軍は英軍を引き継ぐだろう」と発言。リード英国防相も同日のBBC放送で「(イラク軍への治安の引き継ぎと英軍撤退の)プロセスの来年開始が可能だ」と語りました。英軍のジャクソン参謀総長も同日、BBCで、タラバニ発言について「現実に起こりうる範囲にある」と語りました。

 一方、英軍の早期撤退を求める野党自由民主党のケネディ党首は十四日、「適切で理性的な日程での軍の撤退計画について議会で話し合うべきだ」と主張しました。

  ▼白リン弾 発火点が三十四度の可燃性猛毒物質白リン(別名、黄リン)を使用する残虐兵器。人間の体に白リンが付着すると皮膚や肉が燃え、気体を吸い込んでも致命傷になります。

 特定通常兵器使用禁止制限条約(一九八〇年採択)の第三議定書では、物質の化学反応によって生じる火炎、熱などで人に火傷を負わせることを目的とした武器、弾薬について、民間人への使用や人口密集地の軍事目標への空からの攻撃を禁止しています。

 米国は条約本体は批准していますが、第三議定書は拒否。英国は第三議定書を含めて批准しています。
URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-11-18/2005111807_02_3.html

ファルージャ攻撃で「白燐弾」、米が使用認める [読売]

 米国防総省当局者は16日、米軍が昨年11月、イラク・ファルージャを攻撃した際、発火性の強い白燐(りん)弾を使用していたことを認めた。

 同弾の使用をめぐってはイタリア国営テレビが今月8日、民間人を巻き込んだ恐れがあるとして報じていた。

 白燐は、空気中で自然発火しやすいことで知られる。これを使用した同弾は、化学兵器ではないが、火がつくと消しにくく人をやけどさせるとされる。

 同省の報告書によると、昨年11月の戦闘で使用した際、「主に煙によって、塹壕(ざんごう)などに潜んでいる武装勢力に心理的不安を与え、外に追い出す効果があった」としている。(ワシントン支局)
(2005年11月17日22時53分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051117id23.htm

選挙控えブッシュ離れ…イラク政策で身内の共和党反旗 [読売]

 【ワシントン=坂元隆】米上院は15日、ブッシュ政権に対して、イラク駐留米軍削減に向けた計画を示すよう求める法案を、共和、民主両党議員の圧倒的多数の賛成で可決した。

 ブッシュ大統領は、前日に「民主党指導者が過去にイラク攻撃を支持する発言をしておきながら、開戦を批判するのは無責任」と述べて、イラク戦争の正当性を訴えたが、身内の共和党にも反旗を翻された形となった。

 この法案は、2006会計年度国防予算案の修正条項として、共和党が提出したもの。2006年を「イラクの完全主権への移行期」と位置づけ、イラク軍に治安維持の指導的役割を担わせることにより、「駐留米軍の段階的再配置への条件を創出すべきだ」としている。あわせて、イラク政策と軍事作戦の状況を90日ごとに議会で公表するよう政府に義務付けている。

 共和党多数の上院はこれに先立ち、民主党が提出した駐留米軍の削減時期明示を求める法案は否決していた。だが、上院共和党があえて、同法案の“修正案”を提出して可決した背景には、2006年の中間選挙を控え、ブッシュ大統領自身と大統領のイラク政策に対する支持率急落を懸念する同党議員の思惑があったのは否めない。民主党のハリー・リード上院院内総務は、法案可決は「イラク政策への不信任投票」と語り、「民主、共和両党が現政権の方針ではダメだと認めたに等しい」と強調した。

 議会は、2001年同時テロ以来、共和党のみならず一部民主党まで加わり、ブッシュ大統領におおむね強い支持を与えてきたが、ここ数か月、政権のハリケーン対策の不手際を非難したり、大統領側近の最高裁判事指名を撤回させたりと、“ブッシュ離れ”が目立っている。16日付ニューヨーク・タイムズ紙は、今回の法案可決は、「イラクでの作戦に対する一般市民の支持が低下するのを見て、ホワイトハウスから距離を置こうとする、大半の共和党議員と民主党議員の新たな決意の表れ」と分析した。

(2005年11月17日1時4分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051116i218.htm

イラク情報の操作、強く否定 ブッシュ大統領演説 [朝日]

2005年11月15日12時45分
 ブッシュ米大統領は14日、日本訪問に先だってアラスカ州で「対テロ戦争」について演説した。イラク戦争開戦前にブッシュ政権がイラクの大量破壊兵器に関する情報を操作したとする野党民主党側からの批判に対し、民主党幹部の当時の発言を引用するなどして強く反論した。

 選挙に直接関係のない演説で大統領が野党を批判するのは異例。イラクでの米兵死者の増加や副大統領首席補佐官の起訴などで、ブッシュ政権の支持率は、主要メディアの最近の世論調査で、過去最低の36~37%台に低迷しており、政権側の焦りを反映したものだ。

 大統領は名指しはしなかったが、「3人の民主党幹部」の開戦前の発言として「サダム・フセインが核兵器を熱心に開発しているという疑いのない証拠がある」「フセインが権力を握っている限り、対テロ戦争は終わらない」などを引用。「武力行使に賛成した民主党議員が過去(の経緯)を書き改めようとしている」などと批判した。

 イラク情報について、「ニジェールからのウラン購入疑惑」(開戦前に中央情報局〈CIA〉が信頼性に疑問を示す)、「アルミ管購入問題」(エネルギー省が開戦前に核開発とは無関係と結論)をはじめ、国際テロ組織アルカイダや9・11同時テロとの関係(米議会独立調査委員会が直接の関係なしと結論)などについても、ブッシュ政権が誇張または情報操作した疑いが出ている。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1115/006.html

アナン事務総長がイラク訪問 フセイン政権後では初 [朝日]

2005年11月12日21時05分
 国連のアナン事務総長が12日、イラクを訪問した。アナン氏のイラク訪問は、イラク戦争後で初めて。同日、イラク移行政府のジャファリ首相らと会談した。12月に予定されている国民議会選挙などの政治プロセスや人道支援問題などについて話し合ったという。

 国連はバグダッドの国連現地本部が03年8月に爆弾テロが起きて以来、イラク国内での活動を大幅に縮小している。イラク側は人道支援などをめぐる国連の関与増大を求めている。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1112/016.html

米大統領、イラク戦批判は「無責任」 [日経]

 【ワシントン11日共同】ブッシュ米大統領は11日、ペンシルベニア州の陸軍施設で「テロとの戦い」をテーマに演説し、イラク情勢の泥沼化で野党民主党側から批判が高まっていることに強く反論、開戦判断への批判は「歴史の書き換え」に等しく「非常に無責任だ」と非難した。

 イラク戦争の是非をめぐり、野党側の多くも開戦容認決議に賛成しながら、今になって開戦を批判することの矛盾を突く主張だが、イラク駐留米軍撤退につながる「出口戦略」が示されないことへの国民の不満が強まっているだけに、支持を集めるのは難しそうだ。

 イラク情勢、ハリケーン災害での対応の不手際、中央情報局(CIA)工作員名漏えい事件など失点が続き、40%以下に落ち込んだ支持率がさらに低下する中、大統領は「議員らに誤った非難をやめさせることが重要だ」と訴え、危機感をあらわにした。

 これに対し、民主党のケリー上院議員は「政権は都合の良い情報を集めて誤った戦争に導いた」とあらためて批判した。 (09:46)
URL:http://www.nikkei.co.jp/news/main/20051112STXKG003612112005.html

イラク:多国籍軍の駐留期限延長を採択 国連安保理 [毎日]

 【ニューヨーク高橋弘司】国連安保理は8日、イラクに派遣された多国籍軍の駐留期限を来年12月末まで延長する決議案を全会一致で採択した。米英に加え、日本なども共同提案国に名を連ねた。多国籍軍駐留延長の「法的枠組み」が整ったことで、今年12月14日に駐留期限切れとなる自衛隊の派遣延長論議が活発化しそうだ。

 昨年6月に採択された安保理決議では、多国籍軍の駐留は新憲法下で行われる総選挙(今年12月15日)を経たイラク新政府発足をもって失効するとされ、今年12月末が期限となっていた。今回採択された決議はこの期限を1年延長したものだ。

 安保理筋によると、「イラク治安部隊の育成が終わり次第、多国籍軍は早急に撤退すべきだ」と主張するロシアをはじめ、フランスが「半年延長で十分」などと一時反発したものの、決議に「イラク政府の要求がある場合、または、来年6月15日までに多国籍軍の任務を見直す」との文言を盛り込むことで妥協が成立した。

 全会一致の背景には、イラク武装勢力によるテロが頻発する治安情勢下、多国籍軍が早期撤退すればかえって治安悪化を招くとの共通認識がある。

毎日新聞 2005年11月9日 12時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051109k0000e030060000c.html

米政権、イラクとアルカイダの関係で情報操作疑惑 [朝日]

2005年11月07日01時19分
 6日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、イラクと国際テロ組織アルカイダとの関係があるとするアルカイダ幹部の供述について、米軍の情報機関が02年2月の機密報告で「意図的に誤解させようとしている」と分析していたと報じた。ブッシュ大統領やチェイニー副大統領らは03年3月のイラク戦争開戦の前、この幹部の供述を根拠にイラクとアルカイダの関連を強調しており、政権による新たな「情報操作」の疑惑が浮上した。

 同紙がレビン上院議員(民主)を通じて入手した機密解除済みの文書によると、信頼性に疑問が出ていたのは、パキスタンで01年に拘束されたアルカイダの軍事訓練指導者イブン・シェイク・リビ容疑者の発言内容。同容疑者は旧フセイン政権について「アルカイダによる生物・化学兵器開発を支援している」と供述していた。

 ブッシュ政権の高官らは、同容疑者の供述内容についてイラクとアルカイダを結びつける「信頼できる証拠」と主張。ブッシュ大統領は02年10月の演説で「イラクがアルカイダのメンバーに爆弾製造の訓練をしていることをつかんだ」と発言していた。しかし、米同時多発テロ事件の米議会独立調査委員会は04年6月の報告書で「信頼できる証拠はない」と結論づけている。

 今回明らかになった機密報告は、同容疑者の供述の信頼性について、情報機関が早くから疑問を抱いていたことを示すものだ。レビン議員は、ブッシュ政権がイラク戦争を正当化するために開戦前の情報を操作したことを示す新たな証拠だと主張している。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1107/002.html

米議会:イラク情報操作疑惑で共和、民主の対立再燃 [毎日]

 【ワシントン和田浩明】米中央情報局(CIA)工作員身元漏えい事件を機に、イラク戦争での情報操作疑惑をめぐる米国の共和、民主両党の対立が再燃し、1日、米上院の審議が一時混乱した。リード民主党院内総務は同疑惑の上院委員会による調査の停滞に抗議し、本会議の秘密会への変更を求める動議を提出、審議は約2時間非公開に。フリスト共和党院内総務は「議事のハイジャックだ」と民主党を激しく非難した。

 民主党の異例の行動は、来年の米議会中間選挙もにらみ、漏えい事件で打撃を受けたブッシュ政権を、手段を選ばず追撃する意向の反映だと言える。同党のダービン議員は「調査が進まなければ毎日でも動議を出す」とまで発言。共和党側は一方的な秘密会要求に激しく反発したが、両党の議員6人が調査の進行状況を確認、14日までに上院に報告することに同意した。

 ブッシュ政権はフセイン政権の大量破壊兵器の脅威を大義としてイラク戦争を断行したが、戦後の米調査でも大量備蓄は発見されなかった。このため、開戦を承認した上院では情報特別委員会がイラク情報の収集・分析体制を調査。昨年7月にCIAを厳しく批判する報告書を公表した。同委は調査の第2段階として、ブッシュ政権幹部による収集情報の使用方法まで踏み込む予定だったが、「1年以上も進んでいない」(同委のロックフェラー民主党議員)状態だった。

 1日は財政赤字削減関連法案の審議中だった本会議で、リード院内総務が同委のロバーツ委員長(共和党)を「情報を継続的に操作したブッシュ政権を守るため、(調査継続の)約束を破った」と非難、審議の秘密会への移行を求める動議を提出、民主党のダービン議員が支持し、審議は非公開となった。この間、記者や傍聴人、議員スタッフなども退場させられ、議員らも携帯電話などを取り上げられた。議席の過半数を占める共和党は結局、公開審議に戻す動議を通した。

毎日新聞 2005年11月2日 11時31分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051102k0000e030043000c.html

CIA身元漏えい:イラク戦争開戦の正当性論議が再燃 [毎日]

 【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米政権のイラク政策に影響を与えてきたリビー副大統領前首席補佐官が中央情報局(CIA)工作員身元漏えい事件で起訴されたことで、米国内ではイラク戦争開戦の正当性をめぐる論議が再燃し始めている。身元漏えいの目的は、ブッシュ政権の「開戦の大義」に挑戦した元外交官の信頼性をくじくことだったが、今後、事件の裁判では逆に、その大義を「情報操作」で支えようとした政権中枢の信頼性が問われることになる。

 ウィルソン元駐ガボン大使の妻がCIA工作員だと暴露されたCIAリーク事件の本質は、ブッシュ政権中枢がいかなる判断で大量破壊兵器の存在を開戦の大義にしたかということだ。元大使が否定した「イラクがニジェールからウラン購入を試みた」という情報は、世論にイラクの大量破壊兵器計画の存在をアピールする上で、ブッシュ大統領の一般教書演説(03年1月)の核心部分だった。

 CIAが当初からこの情報を重視していなかった事実などから、政権中枢の「情報操作」疑惑は消えない。漏えい事件の根底にあるのは「イラク戦争をめぐる政治的、政策的な争い」(ウォールストリート・ジャーナル紙)というのが一般的な見方だ。

 03年3月の開戦以来の米兵死者数が2000人を超えたことも重なり、これまで沈黙していた有力者も政権批判を始めた。その1人でパウエル前国務長官の首席補佐官だったローレンス・ウィルカーソン氏は最近の講演で、重要な外交政策が「チェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官の陰謀団」に乗っ取られていると批判した。

 国務省高官も毎日新聞に対し、ブッシュ政権では「少人数の側近グループが(官僚による)プロセスを無視して外交に介入してくる」と不満を漏らした。同高官は苦境に立つブッシュ大統領の「ボタンの掛け違い」は、単独行動主義的な開戦に慎重だったパウエル前国務長官の発言に耳を貸さなかったことだと指摘している。
毎日新聞 2005年10月31日 11時32分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051031k0000e030032000c.html

イラク:開戦以降の米兵死者2千人に AP通信など報道 [毎日]

 【ワシントン及川正也、カイロ高橋宗男】米国防総省は25日、イラク中部サマラで負傷、帰国した米陸軍曹長がテキサス州の陸軍病院で死亡したと発表した。AP通信とロイター通信などは曹長の死亡により03年3月のイラク戦争開戦以降の米兵死者が2000人に達したと報じた。

 イラクでは国民投票により憲法案が承認され政治プロセスが進展する一方、反米武装勢力の攻撃で米兵死者に歯止めがかからない状況が続いており、支持率低迷に苦しむブッシュ政権にとって大きな政治的打撃となるのは必至だ。

 同省によると、同曹長は今月17日、サマラの路上に仕掛けられた爆弾の爆発で負傷し、帰国後の22日に死亡した。AP、ロイター両通信によると開戦から約2年7カ月で死亡した米兵2000人のうち、9割以上が03年5月のブッシュ大統領の大規模戦闘終結宣言後の死者。

 一方、米英などの研究者らで作る非政府組織(NGO)「イラク・ボディー・カウント」が報道などを基に集計したイラク人の民間人死者数は開戦以来、少なくとも2万6690人、最大で3万51人(今月19日現在)に上っている。

 また、イラク内務省当局者がロイター通信に語ったところによると、今年1月から9月までに武装勢力の攻撃で死亡したイラク人は4308人。内訳は民間人2976人、警官956人、兵士376人で、民間人の犠牲が約7割を占めている。
毎日新聞 2005年10月26日 10時32分 (最終更新時間 10月26日 11時07分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051026k0000e030024000c.html

イラク駐留米軍の死者2千人に 撤退求める声強まる [朝日]

2005年10月26日12時02分
 米国防総省は25日、路上爆弾で負傷した米兵の1人が収容先のテキサス州で死亡したと発表し、駐留米軍の死者数は03年のイラク侵攻以来2000人に達した。憲法案の承認など政治プロセスの進展とは別に、バグダッド市内では24日にもパレスチナホテル周辺で連続爆破テロが起きるなど、治安情勢が好転する気配は見えていない。野党民主党からは撤退の日程を求める声が一段と強まっている。

 ブッシュ米大統領は同日、ワシントンの米軍基地で兵士の夫人らを前に演説し、「今後の困難について過小評価すべきではない」と述べ、治安情勢がなお厳しいことを認めた上で「犠牲となった兵士に名誉を与えるためには、任務を完了させ、自由の拡大によって平和の礎を築くことだ」と述べ、米軍撤退に改めて難色を示した。

 これに対し、野党民主党側からは「政府の政策は兵士の犠牲に値するものでなければならないが、残念なことにそうなっていない」(ケネディ上院議員)、「米軍が事実上無期限に駐留し、撤退日程を示せないことで、武装勢力を勢いづかせている」(ファインゴールド上院議員)などと批判が相次いでいる。ファインゴールド氏は米軍を年末までに撤退させるべきだと主張している。

 イラク情勢や、ホワイトハウス高官の情報漏洩(ろうえい)疑惑などを受けてブッシュ大統領の支持率は低下したままだ。この日発表された米CNNなどの共同世論調査では、現時点で大統領選が実施された場合、55%が民主党候補に投票すると回答し、ブッシュ氏支持の39%を上回る結果になっている。

 ブッシュ氏は演説で、憲法案承認をめぐる国民投票について、1月の国民議会選挙より多くのスンニ派が投票に参加したことや、投票前後のテロ攻撃が比較的少なかったことを挙げ「イラク国民は過激主義と暴力に対して団結する民主主義を築くための決意を改めて示した」と高く評価した。25日午後には、訪米中のバルザニ・クルド民主党(KDP)議長とホワイトハウスで会談し「米国は、自由で民主的なイラクを求める(イラクの)国民とともに立つ」と支援の継続を約束した。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1026/009.html

イラク戦争でジャーナリストへ砲撃、米兵3人に逮捕状 [朝日]

2005年10月20日19時08分
 イラク戦争中の03年4月、バグダッド市内のパレスチナホテルを米軍の戦車が砲撃し、スペイン人テレビカメラマンら報道関係者2人が死亡した事件で、スペイン全国管区裁判所は19日、砲撃を命令、実行した米兵3人について殺人などの容疑で逮捕状を出した。スペインのメディアが報じた。

 カメラマンの遺族の請求で同裁判所の予審判事が事件を捜査。米国内での兵士に対する事情聴取を求めた。だが米側が協力を拒んだため、逮捕状発行に踏み切ったという。

 米軍は「イラク側の攻撃に対する反撃で、交戦規定にのっとった行為だ」として責任を否定する報告書をすでにまとめており、兵士の逮捕には応じないと見られる。
URL:http://www.asahi.com/international/update/1020/008.html
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