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■政局08Ⅴ

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0929 中山国交相が辞任、就任5日目…後任に金子・元行革相 [読売]

 中山成彬国土交通相(65)は28日、麻生首相と首相官邸で会い、成田空港拡張への反対を「ごね得」などと発言した問題の責任を取って辞表を提出し、受理された。後任には、金子一義・元行政改革相(65)の就任が決まった。組閣からわずか5日目の閣僚辞任は、麻生政権には大きな打撃となった。ただ、首相は、中山氏の早期辞任で衆院選への影響は最小限に抑えられると見て、10月上旬に衆院解散する方針は維持し、「10月21日公示―11月2日投開票」の日程で衆院選を実施する意向だ。

 中山氏は首相に「職責を全うすることができなくなり、申し訳ない」と謝罪した。首相は「極めて残念だ」と述べた。この後、中山氏は国土交通省で記者会見し、「国会審議にいささかでも支障があるとすれば、私の本意とすることではない」と辞任の理由を説明した。就任5日目の閣僚辞任は、竹下改造内閣の長谷川峻法相の4日目に次ぎ、現行憲法下では2番目の早さだ。

 首相は28日夜、金子氏を首相官邸に呼んで国交相就任を要請し、金子氏も受け入れた。閣僚認証式は29日午前、皇居で行われる。

 民主党が首相の任命責任を追及する姿勢を強めているため、与党では2008年度補正予算案の早期成立への民主党の協力や、それを前提とした「話し合い解散」の可能性は小さくなったという見方が強い。各党代表質問終了後の10月3日に衆院を解散すべきだという意見も広がっている。

 首相は28日夕、「補正予算案の成立を期す。焦眉(しょうび)の急はこれだ」と述べ、補正予算案に対する民主党の出方を見て解散時期などを最終判断する考えを示した。ただ、衆院選日程を後ろにずらす考えはなく、早ければ3日、遅くとも9日までに解散に踏み切る意向だ。

 中山氏は25日の報道各社のインタビューで、「ごね得」発言のほか、「日本は単一民族」「日教組が強いところが学力が低い」などと語った。一部は撤回したが、27日には「日本の教育のがんは日教組だと思っている」と述べ、日教組批判は撤回しない考えを示した。

(2008年9月29日03時02分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080924-4471734/news/20080928-OYT1T00290.htm

0925 小泉元首相、今期限りで引退 次期衆院選には出馬せず [朝日]

2008年9月25日21時36分
 小泉純一郎元首相(66)は25日、次期衆院選には立候補せず、政界を引退する意向を明らかにした。小泉氏は01年から約5年5カ月にわたって首相を務め、郵政民営化の実現など構造改革を推進。今回の自民党総裁選では、支持した小池百合子元防衛相が麻生首相に大差で敗北した。構造改革路線への批判が強まるなかで引退を決断したと見られる。小泉氏の引退は総選挙の動向や選挙後の政局にも影響を与えそうだ。

 関係者によると、小泉氏は25日、地元の神奈川県横須賀市で支持者の県議や市議らに対し、「自分では、総理を5年半やって燃焼した。36年間、国会議員をしてきたが、自分の国会議員としての役割は済んだ」と引退する意向を伝えた。慰留には「引き際を大事にしたい。辞める時は政治家は自分で決めるものだと前から思っていた」と述べたという。後継者については、次男で秘書の進次郎氏(27)を指名した。

 小泉氏は同日夜、横須賀市の事務所から出る際、記者団に「引退するというのは間違いないか」と問われ、手をあげて数回うなずいた。同日には森元首相に電話し、「次の選挙には出ない。まだ政治活動はやめない。国会活動はしないだけだ」と語った。

 小泉氏は今回の自民党総裁選で「小泉改革の継承」を掲げる小池氏を支持した。しかし、他の候補者から「改革の痛み」への批判が相次いだうえ、麻生氏優位の流れを変えられず、景気対策優先、積極財政路線の麻生氏が22日、小池氏に305票差をつけて党総裁に就任。小泉氏の支援は不発に終わった。

 小池氏擁立には、小泉氏と連携する中川秀直元幹事長が衆院選後の政界再編の起爆剤にしようとの思惑もあっただけに、小泉氏の引退は政界再編の行方にも少なからず影響を与えそうだ。

 小泉氏は神奈川11区選出で連続当選12回。福田赳夫元首相の秘書などを経て、72年に衆院議員に初当選。88年に竹下内閣で厚生相、92年に宮沢内閣で郵政相に就いた。総裁選での2度の敗北を経て、森元首相の退陣を受けた3度目の総裁選挑戦で01年に第87代首相に就任した。

 道路公団や郵政の民営化など構造改革を推進した。自民党の族議員らの激しい抵抗にあったが、「私の方針に反対する勢力はすべて抵抗勢力だ」「自民党をぶっ壊す」などと発言、高い支持率を背景に官邸主導で政策を進めた。とりわけ党内を二分した郵政民営化では、「民営化」を争点に掲げて05年8月に衆院を解散。民営化法案に反対した議員に対立候補を立てるなどし、与党で衆院の3分の2を上回る大勝に導いた。

 外交面では、日本の首相として初めて02年9月に北朝鮮を訪問。拉致被害者5人の帰国に道を開いた。米国のイラク戦争を支持し、イラクの復興支援に陸上自衛隊を派遣したほか、有事法制の整備も行った。また、靖国神社参拝を重ねて中国や韓国との関係を悪化させた。

 小泉氏の首相在任期間は1980日で、佐藤栄作、吉田茂元首相に次ぐ戦後3番目の長期政権だった。在任中の内閣支持率の最高は84%で、平均支持率も自民党の内閣では最高の50%を記録した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0925/TKY200809250298.html

0925 改革クに衆院・西村真氏、「政党」への変更届け出 [読売]

 西村真悟衆院議員(無所属)は24日、改革クラブに加わった。

 所属国会議員が5人となり、政党助成法の政党要件を満たしたため、「その他政治団体」から「政党」への変更を総務省に届け出た。西村氏は衆院選に大阪17区から改革クラブ公認で出馬する。

 一方、民主党は24日、改革クラブの渡辺秀央、大江康弘両参院議員を除籍処分とし、参院会派からの両氏の離脱届を参院事務局に出した。

 両氏と無所属の荒井広幸、松下新平両参院議員は新会派「改革クラブ」の結成を届け出た。

 自民党は元農相の玉沢徳一郎衆院議員の復党を了承し、衆院事務局に自民会派入りを届け出た。

 衆参両院の勢力分野は次の通り。

 【衆院】自民党304▽民主党・無所属クラブ114▽公明党31▽共産党9▽社民党・市民連合7▽国民新党・大地・無所属の会7▽無所属7▽欠員1

 【参院】民主党・新緑風会・国民新・日本118▽自民党83▽公明党21▽共産党7▽社民党・護憲連合5▽改革クラブ4▽無所属4

(2008年9月25日02時04分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080924-OYT1T00581.htm?from=nwla

0924 麻生首相が閣僚名簿発表、34歳小渕氏が戦後最年少入閣 [読売]

自民党の麻生太郎総裁(68)は24日夕、国会で首相指名を受け、第92代、59人目の首相に就任した。

 麻生首相は同日夜に組閣を終え、衆院選に臨む政権の陣容を示した麻生内閣が発足した。首相は財務相に財政出動に積極的な中川昭一氏を起用し、小泉内閣以来の構造改革重視から景気回復優先への路線転換を鮮明にした。金融危機に伴う経済混乱にも機動的に対応できるように、財務相と金融相は兼務とした。焦点の衆院解散時期では、首相は10月上旬とする意向を固めた。

衆院選は10月21日公示、11月2日投開票とする方針だ。

 麻生首相は24日夜、首相官邸で記者会見し、17人の閣僚名簿を自ら読み上げ、発表した。首相は「景気への不安、生活への不満、政治への不信があることを厳しく受け止めている。日本を明るく強い国にすることが私の使命だ」と決意を表明した。内閣の基本方針については、〈1〉国民本位の政策を進める〈2〉官僚を使いこなす〈3〉国益に専念する――ことを挙げた。人選については「適材適所だ。このメンバーで選挙を戦うことになる。(民主党と)正々堂々と戦う」と述べた。

 首相は前内閣からの再任は5人にとどめ、閣僚を大幅に入れ替えた。次期衆院選をにらみ、「麻生カラー」を強く示すことを狙ったものだ。盟友の中川氏を重要閣僚に起用したほか、総裁選で自らを支持した甘利明氏を行政改革相に充てるなど、自らに近い人材をそろえた。一方、「食の安全」に対する国民不安に応えるため、総裁選で戦った石破茂氏を農相に起用。内閣の清新さを印象づけようと、戦後最年少の閣僚として、小渕優子氏を抜てきした。

 一方、民主党は早期の衆院解散・総選挙を視野に、政府・与党との対決姿勢を一層強める構えだ。小沢代表は24日、麻生氏が首相に指名されたことについて、記者団に、「どなたがなっても同じことだ。(自民党の)中身が変わるわけではない」と語った。

 これに先立ち、衆参両院は24日午後の本会議で、首相指名選挙を行った。衆院は麻生氏を、参院では麻生氏と小沢氏の決選投票の末、小沢氏を指名。憲法により衆院の議決が優先され、麻生氏が首相に選出された。

 閣僚名簿は次の通り。(敬称略)

 ▽総理      麻生 太郎

 ▽総務      鳩山 邦夫(津島派)

 ▽法務      森  英介(麻生派)=初

 ▽外務      中曽根弘文(参・伊吹派)

 ▽財務・金融   中川 昭一(伊吹派)

 ▽文部科学    塩谷  立(町村派)=初

 ▽厚生労働    舛添 要一(参・無派閥)=再任

 ▽農水      石破  茂(津島派)

 ▽経済産業    二階 俊博(二階派)=再任

 ▽国土交通    中山 成彬(町村派)

 ▽環境      斉藤 鉄夫(公明)=再任

 ▽防衛      浜田 靖一(無派閥)=初

 ▽官房・拉致問題 河村 建夫(伊吹派)

 ▽国家公安委員長 佐藤  勉(古賀派)=初

 ▽経済財政    与謝野 馨(無派閥)=再任

 ▽行政改革    甘利  明(山崎派)

 ▽消費者     野田 聖子(無派閥)=再任

 ▽少子化     小渕 優子(津島派)=初

(2008年9月25日03時09分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080924-OYT1T00566.htm

0924 第92代首相に麻生太郎氏を選出 [読売]

衆院は24日午後、本会議を再開し、憲法の規定に基づいて麻生太郎・自民党総裁を第92代首相に選出した。

 衆参両院は24日午後の本会議で、首相指名選挙を行い、衆院は麻生氏を首相に指名。与野党の勢力が逆転している参院は、1回目で投票総数の過半数を得た候補がなく、麻生氏と小沢一郎・民主党代表による決選投票の結果、小沢氏が指名された。議決が異なったため開かれた両院協議会でも意見一致できなかった。

(2008年9月24日17時41分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080924-OYT1T00516.htm

0924 福田内閣が総辞職 在任365日、7番目の短さ [朝日]

2008年9月24日10時46分
 福田内閣は24日午前の閣議で総辞職した。皇居での新首相の任命式が同日中に行われると、昨年9月26日に就任した福田首相の在任期間は365日間で、現行憲法下の内閣では7番目の短さ。安倍前首相の366日間に1日及ばないことになる。

 首相は総辞職にあたって談話を発表。日銀総裁人事などで「ねじれ国会」に翻弄(ほんろう)されたことに触れ、「結果として十分な対応ができなかったことに、国民に対し、責任を痛感しておりました」とした。

 さらに消費者庁設置法の閣議決定や公務員制度改革などの実績を列挙して「改革は緒についたばかりですが、進むべき道標を立てることはできた」と在任中の成果を強調した。

 首相は閣議後の閣僚懇談会で「本当に短かったが、ご苦労さん。ありがとう」と閣僚に声をかけ、握手。閣議前、町村官房長官には「次の総理もねじれ国会で苦労するだろうなあ」と語ったという。午後1時前、官邸職員や省庁の幹部らに見送られ、1年間過ごした官邸を後にした。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0924/TKY200809240075.html

0923 自民総裁に麻生氏、得票67%で圧勝…細田幹事長を決定 [読売]

自民党総裁選は22日午後、党本部での両院議員総会で党所属国会議員と都道府県連代表による投票を行った結果、麻生太郎幹事長(68)を第23代総裁に選出した。

 麻生氏は第1回投票で全体の67%の票を獲得し、他の4候補に圧勝した。

 麻生氏は自民党役員人事に着手し、幹事長に町村派の細田博之幹事長代理(64)を充てた。幹事長代理には、総裁選の対立候補の石原伸晃・元政調会長(51)と林幹雄国家公安委員長(61)を起用した。

 麻生氏は24日の臨時国会で第92代、59人目の首相に指名される。麻生氏は衆院を早期に解散する方針で、小沢一郎代表(66)率いる民主党との戦いに向け、態勢作りを進める。

 今回の総裁選は福田首相の辞任表明を受けて行われた。麻生氏の総裁任期は福田氏の残り任期の2009年9月30日まで。総裁に選出された麻生氏は両院議員総会で、「次なる総選挙で民主党に勝って、初めて天命を果たしたことになる」と決意を語った。「総裁選で戦いを繰り広げた5人の間の対立の文字はこの瞬間に終わった」とも強調した。

 総裁選は国会議員票386票と地方票141票のうち、2票が無効となり、有効投票総数は525票。麻生氏は351票を獲得、66票の与謝野馨経済財政相(70)、46票の小池百合子・元防衛相(56)、37票の石原氏、25票の石破茂・前防衛相(51)に大差をつけた。

 麻生氏は22日夜、党執行部の主要人事を決めた。保利耕輔政調会長(73)(無派閥)、笹川尭総務会長(72)(津島派)、古賀誠選挙対策委員長(68)(古賀派)、大島理森国会対策委員長(62)(高村派)、菅義偉選挙対策副委員長(59)(古賀派)は再任。次期衆院選に臨むため、これまで1人だった幹事長代理は2人制とし、石原氏(山崎派)は都市担当、林氏(山崎派)は地方担当に充てる。

(2008年9月23日02時32分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080922-OYT1T00396.htm

0922 麻生氏、自民党総裁に選出 得票3分の2、圧勝 [朝日]

2008年9月22日15時11分
 福田首相の辞意表明に伴う自民党総裁選は22日投開票され、幹事長の麻生太郎氏(68)が全体の3分の2の得票で圧勝し、第23代総裁に選ばれた。麻生氏は24日に召集される臨時国会で首相に指名され、同日夜には麻生内閣を発足させる。

 総裁選は10日に告示され、麻生氏以外に元政調会長の石原伸晃(51)、元防衛相の小池百合子(56)、前防衛相の石破茂(51)、経済財政相の与謝野馨(70)の4氏も立候補。5人が争う異例の選挙戦となった。

 22日に開かれた自民党両院議員総会では、国会議員386人分と都道府県連の代表141人分の計527票による投票が行われた。その結果、麻生氏が国会議員票217、地方票134の計351票を獲得し、1回目で過半数に達して新総裁に決まった。

 2位は与謝野氏で66票(うち地方票2)。小池氏の46票(同0)、石原氏の37票(同1)、石破氏25票(同4)と続く。無効票は2だった。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0922/TKY200809220200.html

0919 民主・国民新党が合併断念 総選挙は選挙協力で [朝日]

2008年9月19日18時51分
 民主党の小沢代表と国民新党の綿貫代表は19日、電話で協議し、総選挙前の両党合併は断念することを確認した。国民新党が民主党も解党して党名変更するよう求めたが、民主党はこれに応ぜず、総選挙前の合意は困難と判断。従来の方針通り選挙協力で総選挙に臨むことになった。

 国民新党は19日に予定されていた綿貫代表と小沢氏の会談を中止し、両院議員総会を開いて対応を協議した。この中で、04年参院選比例区で自民党から当選した長谷川憲正参院議員が、国会法の規定で当時の既成政党に合流できない問題が議論になり、「全員合流するには両党の解党が必要」という結論になった。

 その後、同党の亀井久興幹事長が民主党の鳩山由紀夫幹事長に対し、(1)両党を解党して新党を作る(2)党名を変更する(3)それができなければ、従来の両党関係を維持する、と提示。鳩山氏は「(解党は)選挙が迫る中、事務が繁雑で物理的に難しい」と伝えた。

 綿貫氏は議員総会後の記者会見で「民主党を支援して政権交代をめざす方針は変わらない」と説明。小沢代表も直後の会見で「小異は乗り越えて大同につく。自民党政権を代える。民主党政権をつくるとの大義のもとで大概のことは解決する」と語ったが、綿貫氏が小沢氏と連絡をとって断念を確認した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0919/TKY200809190109.html

0919 太田農水相・白須次官辞任 汚染米問題で引責 [朝日]

2008年9月19日14時8分
 太田農林水産相は19日の閣議後、福田首相に対し、農薬などで汚染された事故米の不正転用問題をめぐる農水省の一連の対応の責任をとって辞任する意向を伝えた。首相は同日中に辞任を認める方針で、農水相は町村官房長官が兼任する。白須敏朗事務次官も同日付で引責辞任した。

 太田農水相は19日の閣議後の記者会見で、「事故米が社会的に大きな問題となり、責任を取ることにした。再発防止策もほぼ固まり、一つの節目だと思った」と辞任の理由を説明した。

 大臣と事務方トップの事務次官が同時に辞任するのは極めて異例。福田内閣は24日に総辞職を予定しているが、太田農水相がこれを待たずに辞任する背景には、不正転用拡大の実態や業者による接待問題などが次々と明るみに出る中で、農水省としてけじめをつけないことには、10月末に実施される見通しの総選挙にも影響するとの首相官邸の意向も働いたとみられる。

 5日に発覚した事故米の不正転用問題では、太田農水相が12日の民放の番組収録で「人体に影響がないことは自信をもって申し上げられる。だからあんまりじたばた騒いでいない」と発言。白須次官も11日の記者会見で「私どもに責任があると今の段階では考えていない」と語り、与野党から批判を受けていた。

 町村官房長官は19日の会見で、「結果として、(事故米が)消費者の口に幅広く入ったということで、食の不安をかき立てたことを反省している。全容を解明したわけではないし、責任の所在が明らかになったわけでもないので、政府全体で取り組む」と述べ、野田消費者行政担当相を中心に対応を強化する考えを示した。

 太田農水相は衆院福岡3区選出で当選8回。03年には早大サークルの強姦(ごうかん)事件をめぐり、「集団レイプする人はまだ元気があるからいい」と発言。農水相就任後も中国製冷凍ギョーザ事件などに関する食の安全について、「社会主義の国と日本のような民主主義の国は違っていて、消費者としての国民がですね、やかましくいろいろというと、それに答えざるを得ない」などと発言し、野党側は罷免や辞任を求めていた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0919/TKY200809190113.html

0918 10月26日総選挙へ 3日解散、自公合意 [朝日]

2008年9月18日3時0分
 自民・公明両党が10月3日に衆院を解散し、10月14日公示、26日に投開票する総選挙日程で合意した。複数の与党幹部が明らかにした。公明党・創価学会は11月9日の投開票で調整してきたが、自民党は新首相の支持率が高いうちに総選挙を実施したほうが有利と判断し、公明党も受け入れた。

 自民党総裁選で優勢な麻生太郎幹事長が22日に新総裁に就任した後、最終決断する。

 自民党内では、選挙日程として10月26日、11月2日、同9日の投開票を検討していた。一方、公明党側は支持者へ浸透させる準備期間を確保するため、10月28日公示―11月9日の投開票を求めていた。

 米証券大手のリーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)に伴う金融不安が広がり、自民党内では臨時国会で08年度補正予算の成立を優先し、解散を先送りすべきだとの意見も浮上した。ただ衆院選を遅らせれば新政権発足の「ご祝儀相場」の効果が薄れるうえ、「いずれ景気が悪くなるから、むしろ早いほうがいい」(自民党町村派幹部)として早期に実施する方向となった。

 こうしたなか、自民党の古賀誠選挙対策委員長が16日、大阪市内で公明党の支持母体である創価学会の関係者と接触。10月26日投開票の日程で内諾を得た。公明党側も容認する方針だ。

 町村官房長官は18日の記者会見で、民主党が提案した補正予算案採決後の「話し合い解散」について「今まで何度もその手の話で過去1年、裏切られ続けてきた」と述べ、否定的な考えを示した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0918/TKY200809170332.html

0917 与党、早期解散戦略見直しも 金融危機・事故米が影 [朝日]

2008年9月17日3時3分
 22日投開票の自民党総裁選は国会議員・地方票とも麻生太郎幹事長が圧勝の勢いで、総選挙は麻生新総裁と民主党の小沢代表が政権をかけて戦う構図になる。野党は事故米や米国発の金融危機を争点にする構えで、金融危機の広がり次第では、与党の早期解散戦略にも影響を与えそうだ。

 朝日新聞社の情勢取材で、麻生氏は国会議員票(386票)で約6割にあたる230票前後を固め、地方票(141票)も優勢がさらに強まり、麻生新総裁が誕生するのは確実な情勢。議員票では与謝野経済財政相が2位となる勢いだ。

 麻生政権の「賞味期限」内に臨時国会冒頭解散・総選挙へ――が与党戦略だ。自民党内では麻生氏圧勝の流れに乗って「10月26日投開票」の短期決戦を期待する見方も出ている。

 しかし、リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)や事故米、年金記録改ざんと続出する問題が影を落とし始めた。民主党の菅直人代表代行は16日、「世界的な危機に対応が全くなされていない責任放棄の状況」。野党は近く関係委員会で閉会中審査に踏み切り、追及を強める考えだ。

 与党側も見過ごせなくなっている。麻生氏は16日、リーマン破綻について「影響が大きすぎるところに全く何もしないで放置するやり方が正しいやり方かというと、大きな疑問がある」と米政府の対応を疑問視。補正予算を重視する与謝野氏支持の園田博之政調会長代理は16日、「与謝野氏は補正成立後という意見だ」と述べ、臨時国会冒頭解散に慎重な考えを重ねて示した。与謝野氏は17日、経済財政諮問会議で金融破綻問題を協議するため岡山県での遊説を欠席する。

 ただ、組織票をフル稼働させる公明党・創価学会はすでに「11月9日投開票」を軸に準備を進め、投開票日が11月後半以降にずれ込む大幅な日程変更は難しい状況だ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0917/TKY200809160313.html

0916 民主、国民新が合併へ 郵政民営化見直しで合意 [朝日]

2008年9月16日15時8分
 民主、国民新両党が16日、解散・総選挙前の合併に向け最終調整に入った。小沢代表が同日、綿貫代表と国会内で会談し、国民新党が主張してきた郵政民営化見直しを民主党が受け入れることで合意。これを受けて国民新党は、合併に向け党内協議を進める方針で、22日にも合併で合意する見通し。事実上の吸収合併になる。

 両党合併は、総選挙で野党票の分散を懸念する民主党が水面下で打診し、国民新党内で調整が続いていた。小沢氏は15日の記者会見で「一つになるということも選択肢。綿貫さんと話してみたい」と語っていた。

 国民新党内には、総選挙後の政界再編をにらみ、自民党との連携も視野に入れた第三極路線論も根強かったが、総選挙では小政党の苦戦は避けられず、合併受け入れが大勢を占めた。

 16日の党首会談では、国民新党が主張している日本郵政の株式売却凍結など郵政事業の抜本的見直しで合意。その席上では、小沢氏から合併話は持ち出されなかったが、国民新党は16日午後、議員総会などで対応を協議する。郵政民営化見直しで政策合意したことで、合併のハードルは下がったとみられる。

 国民新党は、郵政民営化に反対し自民党を離党した議員らで05年8月に結成。当初は自民、民主両党のどちらにもくみしない中立的な立場だったが、国民新党が「一丁目一番地」とする郵政民営化見直しに民主党が理解を示したため、民主党寄りに転換。07年10月から参院では民主党と統一会派を組んでいる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0916/TKY200809160120.html

0910 自民党総裁選告示、5氏が立候補届け出 [読売]

次期衆院選に臨む与党の「選挙の顔」を選ぶ自民党総裁選が10日告示され、麻生太郎幹事長(67)(麻生派)ら5氏が届け出た。

 国会議員票固めで優勢に立つ麻生氏を、他の4氏が追う構図となっている。総裁選では、経済政策に加え、安全保障政策などが争点となる。22日の両院議員総会で、衆参両院議員と都道府県連代表の投票により新総裁を選出する。

 立候補を届け出たのは、麻生氏のほか、小池百合子・元防衛相(56)(町村派)、与謝野馨経済財政相(70)(無派閥)、石原伸晃・元政調会長(51)(山崎派)、石破茂・前防衛相(51)(津島派)。

 総裁選に5人が立候補するのは、1972年に立候補制が導入されて以降、最多。女性議員の立候補は初めて。棚橋泰文・元科学技術相(津島派)は、推薦人20人を確保できなかった。

 立候補受け付けは午前11時から30分間、党本部で行われ、各陣営は20人の推薦人名簿などを総裁選管理委員会に提出。5氏はそれぞれ出陣式などに臨んだ。

 麻生氏の出陣式には国会議員125人と代理46人が出席し、投開票日の時点で投票権を持つ国会議員386人の44%に達した。麻生氏は「地方の格差をどうするか。ひとつひとつの声を大切にし、日本の底力を訴えたい。誰が民主党と戦うのかというのが一番(大事)だ」と語った。

 5氏の間では、2011年度に基礎的財政収支を黒字化する政府目標に関し、景気回復優先で先送りを容認する立場の麻生氏と、目標堅持を唱える与謝野氏ら4氏との違いが鮮明で、景気対策と財政規律のあり方が最大の争点となる。

(2008年9月10日12時08分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080910-OYT1T00270.htm

0909 インド洋での給油活動 特措法1年延長で自公が合意 [朝日]

2008年9月9日19時3分
 自民、公明両党は9日の政策責任者会議で、インド洋での海上自衛隊の給油活動を1年間延長するため、補給支援特措法改正案を提出することで合意した。政府は福田首相任期中の19日に閣議決定し、臨時国会に提出する方針。ただ、新首相のもとで冒頭解散に踏み切れば、臨時国会での成立は困難となる。

 延長法案は、特措法の09年1月15日までの期限を1年延長する内容。活動内容や地域は現特措法と変わらない。与党は、民主党などに政策協議を呼びかける方針だが、解散・総選挙を控えて民主党が協議に応じる可能性は低い。年内に延長法案が成立しなければ、期限切れで再び海自が撤収することになる。

 与党の合意文書では、特措法の単純延長について「現時点で取りうる最も有効かつ現実的な選択肢」とした。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY200809090285.html

0908 臨時国会「冒頭解散」へ 総選挙、11月上旬が有力 [朝日]

2008年9月8日3時2分
 自民、公明両党は、24日召集予定の臨時国会で新首相を選出し、新内閣が発足した後、できるだけ早期に衆院を解散する方向で調整に入った。新首相の所信表明演説後か代表質問終了後が想定されており、事実上の「冒頭解散」となる。9月末か10月初旬に解散し、総選挙の投開票日は11月2日か9日が有力視されている。

 福田首相の辞意表明直後の与党内では、景気対策を盛り込んだ08年度補正予算案を臨時国会で成立させてから解散・総選挙に踏み切るべきだとの意見が強かった。しかし、5人以上が立候補する見通しとなった自民党総裁選に世間の関心が集まり、報道各社の世論調査で自民党の支持率が回復傾向にあることから、新首相誕生直後に内閣支持率が高くなることを想定し、そのまま総選挙に臨むのが得策とする意見が自民党内で一気に強まった。

 景気対策を重視する公明党内では「解散は補正予算成立後」との意見も根強いが、もともと同党が年末年始を軸にした早期解散を自民党側に働きかけてきたこともあり、与党に有利なタイミングとして「冒頭解散」を容認する見通しだ。

 自民党の古賀誠選挙対策委員長は7日のNHKの番組で「総裁選を十分生かせるようなタイミングで総選挙を迎えることができれば一番いい」と述べ、所信表明と代表質問終了後に解散するのが望ましいとの考えを明言した。総選挙の投開票日については「10月は日程的に少し窮屈」と語り、11月上旬以降との見通しを示した。

 別の自民党幹部も「補正予算案の審議をしていたら、総裁選の勢いが止まる。臨時国会冒頭で一気に解散になだれ込んだ方がいい」と述べ、すでに公明党側と話し合いに入ったことを認めた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0907/TKY200809070153.html

 解散時期を決めるのは最終的には新首相だが、自民党の派閥領袖(りょう・しゅう)の一人は「誰が総裁になろうと、限りなく冒頭に近い解散は避けられない。もう、誰がどうだということを超えた大きな流れができてしまった」としている。

 自民党総裁選は10日告示、22日投開票。与党は24日に臨時国会を召集し、その日のうちに新首相を選出、所信表明は29日に行う方針だ。与党内では「代表質問をやれば野党の強い批判にさらされる。続けて予算委員会を開き、補正予算案を審議すべきだという大合唱になる」(幹部)との見方から、所信表明直後の解散論が強い。与党側はあわせて補正予算案を提出し、景気対策に取り組む姿勢をアピールする考えだ。

 一方で、公明党の太田代表は7日のテレビ朝日の番組で「代表質問をし、私も発言をさせてもらいたい」と語った。自民党にも「代表質問を飛ばせば野党から無責任だと追及される」(中堅)との懸念があり、10月1~3日に衆参両院で代表質問を行って解散する案もある。

 投開票日は憲法の規定で解散の日から40日以内。所信表明直後の解散の場合、最速で10月26日の可能性もあるが、事務的な準備も必要なことから、11月2日か9日を軸に調整が進むとみられる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0907/TKY200809070153_01.html

0902 麻生氏、総裁選立候補を表明 「禅譲密約」改めて否定 [朝日]

2008年9月2日11時37分
 福田首相の辞任表明を受けて、自民党は2日午前、党本部で役員会を開き、総裁選の日程などについて選挙管理委員会(委員長・臼井日出男元法相)に一任することを決めた。麻生太郎幹事長は同日の記者会見で、立候補の意向を表明した。総裁選日程は、民主党代表選(8日告示、21日投開票)の前後に実施する可能性が高まっている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0902/TKY200809020115.html

0901 福田首相が辞任表明 公明と対立、「ねじれ」も展望なし [朝日]

2008年9月1日22時37分
 福田首相は1日夜、首相官邸で緊急に記者会見し、「新しい布陣の下に政策の実現を図らなければいけない」と述べ、辞任の意向を表明した。衆院解散・総選挙の時期や、インド洋での給油継続のための補給支援特措法の延長などをめぐる公明党との対立に加え、対決姿勢を強める民主党との間で「ねじれ国会」を乗り切る展望が開けず、これ以上の政権維持は困難と判断した。安倍前首相に続き、2代続けて約1年で政権を放棄したことで、自公連立政権の行き詰まりが明確になった。自民党は後継を選ぶ総裁選に入るが、麻生太郎幹事長が軸になるとみられる。

 麻生幹事長は1日夜、記者団に対して「(福田)総裁が記者会見で『自分としていろいろなことをやってきたので、それを実行に移せる人を』という話があった。(自分が)適任かなと思わないわけではない」と述べ、総裁選出馬への意欲を示した。

 自民党は同日夜、党本部で臨時役員会を開き、総裁選の実施を決めた。2日の役員会などで、党選挙管理委員会に日程を一任する。同委員長の臼井日出男元法相は「総裁選の方法は前回と同じ」と述べており、党所属国会議員と都道府県連代表による投票になるとみられる。

 総裁選実施に伴い、政府・与党が12日に予定していた臨時国会の召集は先送りされる公算が大きい。福田首相は公明党が強く求める早期の衆院解散に慎重だったが、新首相の下で年内に解散・総選挙が行われる可能性も出てきた。

 福田首相は会見で、辞任の理由について「民主党が国会の駆け引きで、審議引き延ばしや審議拒否を行った。決めるべきことがなかなか決まらないほか、何を決めるにも時間がかかった」と指摘。「今度開かれる国会でこのようなことは決して起こってはならない。態勢を整えた上で国会に臨むべきだ。新しい布陣の下に政策の実現を図らなければいけないと判断し、辞任を決意した」と説明した。

 この時期の辞任表明については「国会の実質審議入りには時間がある。国民にも大きな迷惑がかからないと考え、この時期を選んだ。今が政治空白をつくらない一番いい時期だと判断した」と述べ、臨時国会での所信表明後に辞任を表明した安倍前首相との違いを強調。辞任を決断した時期は、総合経済対策をとりまとめた後の先週末だったことも明らかにした。

 公明党が年末年始の解散・総選挙を視野に補給支援特措法の再議決に難色を示し、経済政策でも赤字国債発行につながる可能性の高い定額減税を主張するなど、同党との距離は広がっていた。首相は「自公政権が順調にいけばいい。しかし、私の先を見通す、この目の中には決して順調ではない可能性がある。不測の事態に陥ってはいけないとも考えた」と語り、公明党とのすれ違いが辞任決断の背景にあることもにじませた。

 首相はまた、政権運営を振り返り、政治資金や年金記録問題、防衛省の不祥事など「次から次へと積年の問題が顕在化し、その処理に忙殺された」と語った。一方で、道路特定財源の一般財源化や消費者庁設置構想など自らが手がけてきた政策を「だれも手を付けなかった国民目線での改革」と位置づけ、「最終決着はしていないが、方向性は打ち出せた」と述べた。

 福田首相は昨年9月、安倍前首相の突然の辞任を受けて首相に就任。「ねじれ国会」打開のため、民主党の小沢代表との大連立を狙ったが、小沢氏が民主党執行部の反対にあい、不調に終わった。

 1月には補給支援特措法で57年ぶりに衆院で与党の3分の2による再可決に踏み切った。その後も税制改正関連法と改正道路整備財源特例法を成立させるため衆院再可決を連発。一方、日本銀行総裁人事では2度にわたり政府提案が民主党などの反対で不同意となり、戦後初の「総裁空席」の事態を招いた。政権浮揚が期待された7月の北海道洞爺湖サミット後も支持率は低迷し、与党内にも「福田首相の下では総選挙を戦えない」との声があがっていた。

 首相は局面打開のため、先月初めに内閣改造に踏み切ったが、支持率は横ばい。新内閣で起用した太田農林水産相に事務所費の問題が浮上するなど厳しい政権運営が続き、安倍前首相と同様に政権を途中で投げ出す形になった。

 福田首相は就任前の昨年9月の記者会見で、首相の「辞め方」について問われ、「出処進退はきちんとしなければいけない。総理大臣の場合は、日本全体のリーダーなので極めて重い」と述べたうえで「退陣の時期を決断するのは、大変重い決断だ。このことに、政治家はすべてを賭けてもいいと思っているくらいだ」と語っていた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0901/TKY200809010287.html

0830 「バラマキ天国」定額減税を批判 民主・鳩山氏 [朝日]

2008年8月30日23時41分
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は30日、奈良市で講演し、定額減税を含む政府・与党の総合経済対策について「(官僚の)天下り天国を野放図にして水道の蛇口が開いたまま、景気がおかしいからいろんなところに水を供給しようと。バラマキ天国になる」と批判した。「消費者の購買力向上につながるのかという観点からもおかしな話だ」と述べ、定額減税の効果にも疑問をはさんだ。

 さらに、民主党政策へのバラマキ批判に対しては「根底が違う。私たちは水道の蛇口はきっちり閉める。不必要なものはカットしながら、必要な手当てを施すことは政治としてのイロハでバラマキではない」と反論した。

 一方、菅直人代表代行は福井市での記者会見で「福田首相自身は今なお、本音は(定額減税を)やりたくないというような顔をして会見に臨んでいる。本当に首相はOKしたのか、どういう考えでOKしたのか、国会でしっかり聞くことになる」と語った。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0830/TKY200808300200.html

0829 定額減税、年度内実施へ 経済対策は総額11.5兆円 [朝日]

2008年8月29日23時5分
 政府・与党は29日、物価高や景気減速を受けた総合経済対策を決めた。早急に実施する対策は融資枠などを含む事業規模で11兆5千億円。このうち国費1兆8千億円を、9月12日召集の臨時国会に提出する08年度補正予算案に盛り込む。公明党が強く求めた所得税と個人住民税の定額減税は、単年度限りとして08年度内の実施を明記した。

 定額減税の規模や実施方式は年末の税制改革論議の際に決める。来年1月召集の通常国会冒頭に減税関連法案と第2次補正予算案を提出し、成立させたい考えだ。兆円単位とみられる定額減税の財源確保には赤字国債発行の可能性があり、小泉内閣以降、財政再建路線を堅持してきた自公政権は大きな転換点を迎えた。

 福田首相は29日の政府・与党の会議で、補正予算の編成を指示したうえで、「財政規律を堅持し、赤字国債の発行は行わない」との考えを示した。臨時国会に提出する補正予算の財源は予備費や税外収入などで賄う方針だが、小中学校の耐震化事業などで建設国債は発行され、国の借金はふくらむことになる。

 補正予算の事業規模は11兆5千億円だが、このうち、国の財政支出を伴う主な事業は、中小企業向けの信用保証枠拡大に伴う政府系金融機関に対する出資金などの増額(4千億円)▽高齢者の医療負担軽減▽学校の耐震補強工事への補助金▽輸入小麦の値上げ幅圧縮に伴う政府負担▽高速道路料金の一部値下げなど。

 これとは別に、バラマキ政策として自民党内で慎重論が強かった定額減税については、公明党に大きく譲歩して、「家計への緊急支援」として実施を盛り込んだ。同じく単年度の措置として、年金受給者に対して臨時福祉特別給付金を支給する。

 政府は小泉内閣以降、新たな歳出が必要な場合は新たな財源を確保することを財政運営の大原則としてきたが、今回の定額減税では財源確保が先送りされた。今年度の税収は1.5兆円以上落ち込む見通しで、第2次補正予算案は赤字国債に頼らざるを得ないとの見方が政府内では強い。

 あくまで赤字国債の発行を避けるため、「埋蔵金」と呼ばれる特別会計の積立金を流用する案も出ているが、首相が財政健全化路線を貫けるかどうかは微妙な情勢だ。

 公明党は早期の衆院解散・総選挙をにらみ、定額減税の実施を最優先に求めた。首相が譲歩したのは、臨時国会の重要課題である補給支援特措法の延長と消費者庁設置法の成立で公明党の協力が不可欠なため。政権運営に対する公明党の発言力が今後、ますます強まる可能性もある。

■政府の総合経済対策の骨子

  • 輸入麦の政府売り渡し価格の引き上げ幅圧縮

  • 高速道路料金の引き下げ。首都高速・阪神高速の対距離料金制度の導入延期

  • 所得税、個人住民税の特別減税

  • 学校給食費の値上げに伴う保護者負担軽減

  • 住宅ローン減税の延長・拡充

  • 公立小中学校約1万棟の耐震化事業を加速

  • 中小・零細企業の資金繰り支援で新たな保証制度を導入
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