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■政局08Ⅱ

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0401 ガソリン値下げスタート 暫定税率、月内にも再議決 [朝日]

2008年04月01日03時08分
 ガソリン税などの道路特定財源の暫定税率が31日、期限切れを迎えた。政府・与党は暫定税率を維持するための租税特別措置法改正案を4月末にも衆院で再議決し、税率を復活させる方針だ。ガソリン値下げに伴う混乱を最小限にするため、給油所への支援策や地方の財源不足対策も検討する。

 首相は31日夜、記者会見し、暫定税率の失効について「地方財政や国民生活の混乱を防げなかったのは残念。政治のツケを国民に回す結果になったことについて、心よりおわび申し上げます」と陳謝。そのうえで「(歳入不足で)将来世代へツケを回す。この国と子どもたちの将来のために、暫定税率の維持をお願いしたい」と述べ、暫定税率復活に強い決意を示した。

 首相はまた、(1)環境問題を重視すべき時期にガソリン税値下げは適切でない(2)税率廃止で2兆6000億円の財源が失われ、国と地方の行政サービスに支障が出る――として、暫定税率を含むガソリン課税の水準は「来年も維持される可能性が高い」と語った。

 暫定税率の失効で、国の歳入は1カ月で1200億円、地方自治体は600億円が不足する。政府は当面、道路関係予算の執行を緊急性の高いものに絞り、暫定税率がいつ復活するかを見極めたうえで対応を決める方針だ。

 租税特措法改正案は衆院を通過したが、参院ではまだ審議入りしていない。与党は憲法の規定に基づき、参院で議決されなくても、衆院通過から60日後の4月29日以降、衆院の3分の2以上の多数で再可決を目指す。首相は会見後に発表した首相談話で「政府原案通り、暫定税率維持が重要で、その早急な決定に全力を傾ける決意だ」とした。

 ただ、世論調査ではガソリン値下げを支持する意見が多く、暫定税率復活が低迷する内閣支持率に追い打ちをかける可能性もある。福田政権発足後初めての国政選挙となる4月27日投開票の衆院山口2区補選でも、暫定税率復活問題が大きな争点になる見通しだ。

 ガソリン税の暫定税率は、74年に導入され、ほぼ5年ごとの法改正で延長を繰り返してきた。暫定税率の失効は34年ぶりとなる。

 一方、租税特別措置のうち、道路特定財源に関する税を除いた暫定税率の期限を5月末まで2カ月延長する「つなぎ法」は31日午後の衆参本会議で可決、成立。土地売買の際の登録免許税の軽減税率や、東京オフショア市場取引や債券を担保にする「外債レポ」取引の利子非課税措置など、現行の特例措置が延長されることになった。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0331/TKY200803310344.html

0331 暫定税率、道路以外の「つなぎ法案」成立 [朝日]

2008年03月31日15時50分
 31日で期限が切れる租税特別措置のうち、ガソリン税など道路特定財源に関する税を除いた暫定税率の期限を5月末まで2カ月延長する「つなぎ法案」が、同日午後の衆参本会議で可決、成立した。

 つなぎ法の対象は、土地売買の際の登録免許税の軽減税率▽海外旅行者が国内に持ち込むたばこやウイスキーへの課税軽減▽東京オフショア市場取引や債券を担保にする「外債レポ」取引の利子非課税措置など。取得価格50万円以下の中古車に対する自動車取得税の免除措置や、燃費性能に優れた自動車の取得税を軽減する現行の特例措置も延長される。

 ガソリン税など道路特定財源に関する税の暫定税率は、自民、民主両党が31日、税率維持の法案を4月2日に参院で審議入りすることで合意。4月1日午前0時で撤廃されることが確定した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0331/TKY200803310244.html

0330 首相、国民に直接語りかけ 小沢氏と「断絶」で手法転換 [朝日]

2008年03月30日21時10分
 水面下で小沢民主党代表の協力に期待するより、表で直接、国民に訴えかける――。内閣支持率の低迷など、厳しい政権運営を迫られている福田首相が、政治手法を転換させた。道路特定財源の09年度一般財源化などを発表した27日の緊急会見に続き、29、30両日もインタビューやテレビ出演に応じ、暫定税率の期限切れが確定する31日にも会見。政府の対応を説明する方針だ。

 「与野党で協議する内容を公の形で発表した。もう時間がないから、そういう手段をとらざるを得なかった」。30日のNHK番組で、首相は道路特定財源の新提案を野党に示す前に会見で明らかにした理由をこう語った。27日の会見では「私は最後まであきらめない。政治を動かすのは国民の皆さんです」。1日2回の記者団との定例のやりとりでも、最近は昨年9月の就任以来、ほとんどなかった民主党批判に触れ、自説をとうとうと語る場面も増えた。

 背景には、小沢氏との「断絶」がある。首相は昨年11月の党首会談で大連立が不発に終わった後も、小沢氏との「ホットライン」をひそかにつないできた。ねじれ国会の下では、小沢氏の了解なしには物事が進まない、という思いからだ。そのパイプは、与党内での首相の求心力維持にも一定の効果があった。

 だが、与党が2月末に衆院で予算案の採決を強行。逆に民主党が日銀の武藤敏郎副総裁の昇格案を不同意にしたころから、連絡が途絶えがちになった。首相は30日、小沢氏との関係の現状を「玄関どころか門前払い」と表現した。

 小沢氏は民主党内をまとめられない。大連立も消えた。それなら国民に直接訴え、自らの政策への支持を広げ、民主党を政策協議に呼び込む……。首相はそう思い詰めているようだ。

 ただ、首相は国民に訴える究極の手段である「解散」を封印している。NHKの番組では司会者から「国民に強いメッセージを発する時には、感情も含めて訴えた方がいいんじゃないかという意見もある」と聞かれ、「けんかしない程度に感情を発露する」。瀬戸際での首相の訴えが、どこまで国民に響くかはわからない。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0330/TKY200803300203.html

0330 首相の一般財源化案、「賛成」58% 本社世論調査 [朝日]

2008年03月30日23時14分
 朝日新聞社が29、30の両日実施した全国緊急世論調査(電話)によると、ガソリン税をめぐる福田首相の新提案のうち、09年度から道路特定財源を一般財源化する方針に対しては、賛成が58%で、反対の24%を大きく上回った。一方、08年度は暫定税率を維持して道路整備に充てる方針には、賛成は31%にとどまり、反対が55%と多数を占めた。

 首相提案を受け入れなかった民主党の対応に対しては、「評価する」40%、「評価しない」44%で見方が割れた。

 ガソリン税問題で混乱が続いていることについて、より大きな責任があるのは、「政府・与党のほうだ」が22%、「野党のほうだ」が13%、「両方同じぐらいだ」が59%だった。回答者の多くが、どちらの責任も大きいとみていることになる。「両方」は、自民支持層で59%、民主支持層でも50%あり、無党派層は64%だった。

 09年度からの一般財源化は自民支持層の66%、民主支持層も57%が賛成している。一方、08年度は現状維持とすることへの賛成は、自民支持層で54%あるものの、民主支持層では17%、無党派層も22%にとどまり、「混乱回避のため」との福田首相の説明は受け入れられていないようだ。

 国会で与野党の合意ができなかったことで、ガソリン税が4月から下がることについては、「よいことだ」72%、「よくないことだ」12%。さまざまな混乱が予想されるなかでも、ガソリンが下がることを歓迎する意見が大勢だ。

 政府・与党が4月末以降に検討している、税制改正関連法案の衆院での再議決によるガソリン税上乗せの復活には、「賛成」24%、「反対」61%で、反対が強い。

 空席になっている日銀総裁の人事をめぐる問題については、福田首相の一連の対応を「評価する」18%、「評価しない」58%。反対した民主党の対応も「評価する」33%、「評価しない」47%で、この問題でも回答者は双方に厳しい見方をしている。

 福田内閣の支持率は31%(前回3月1、2日は32%)で低迷が続く。不支持率は53%(同50%)。政党支持率は自民31%(同29%)、民主20%(同21%)などだった。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0330/TKY200803300217.html

0321 チベット問題、対応苦慮する福田政権 [朝日]

2008年03月21日21時17分
 中国チベット自治区の騒乱をめぐり、福田政権が難しい対応を迫られている。福田首相は「日米同盟とアジア外交の共鳴」を掲げるが、欧米諸国を中心に「人権問題」に敏感な国際世論との間で板挟みになる可能性もある。5月の胡錦濤(フー・チン・タオ)国家主席の来日を控え、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件に続く難題。ただ、中国側が「内政問題」と主張している以上、日本側からは手を出せないのが実情だ。

 「(北京五輪について)フランス外相が言ったと聞いているが、そういう影響を与えない形で中国と関係の方が努力することが必要だ」。首相は21日、記者団に、フランス外相が北京五輪開会式のボイコットの可能性を示唆したことに触れつつ、日本としては一線を画す考えを示した。

 日本政府は、50を超す多くの民族を抱える中国政府は独立につながる民族運動には神経質にならざるをえないとみる。「(中国側が)絶対譲歩できない問題で攻めても日中関係が悪くなるだけ。安倍、福田両政権でようやく回復した関係を壊すべきではない」(政府関係者)との考えが強く、事態が沈静化するなら、ことを荒立てたくないというのが本音だ。

 首相は21日、胡主席の来日に関連して「必要なことがあれば意見を申し上げることもあるかも知れないが、状況次第だ」と記者団に語った。政府内には「日本は中国と相互依存関係にある。ギョーザ事件で、中国とはけんかできないことがはっきりしたのではないか」(外務省幹部)との見方もあり、首脳会談での扱いは難しそうだ。

 一方、政府は騒乱発生直後の15日、邦人保護のため在北京大使館員を現地に派遣しようと中国政府に打診したが「内政問題」を理由に拒否された。携帯電話での情報収集や帰国した旅行者から話を聞くなどして、実態把握に追われているが、首相周辺は「間接的な情報に頼らざるを得ず、状況がよく分からない」と困惑している。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0321/TKY200803210366.html

0319 日銀、戦後初の総裁空席 白川総裁代行を指名 [朝日]

2008年03月19日23時31分
 日本銀行の福井俊彦総裁(72)が19日、5年間の任期を満了し、戦後初めて日銀総裁が空席となった。元財務事務次官の武藤敏郎・日銀副総裁(64)の昇格案に続き、元大蔵事務次官の田波耕治・国際協力銀行総裁(68)を総裁に充てる案が、衆院では同意されたものの、野党が多数を占める参院で不同意となったためだ。政府は同日、両院の同意が得られた白川方明・京大院教授(58)と西村清彦・日銀審議委員(54)を20日付で副総裁に任命する人事を閣議決定した。辞令交付は21日。

 日銀法の規定に基づき、福井総裁は19日、政府が上席の副総裁に任命した白川氏を20日以降の総裁代行に指名した。日銀は21日に政策委員会を開き、白川氏と西村氏、西村氏が副総裁に就任するため5人となる審議委員の互選で議長を選ぶが、総裁代行の白川氏が選出される見通しだ。

 日銀総裁の空席に対しては経済界などから批判の声が強く、政府は次の総裁候補の検討を迫られる。しかし野党が多数を占める参院で2度にわたって総裁人事案が不同意となっており、慎重な姿勢も強い。与党内では状況を打開するため、日銀法を改正し、衆院の同意を優先する規定を設ける案なども浮上しているが、野党の同意が得られる見通しはなく、実現までにはある程度の期間が必要となる。

 総裁の空席が長引いた場合、4月8、9の両日開かれる日銀の金融政策決定会合や、同月中旬にワシントンで開かれる主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)などは白川総裁代行で臨むことになる。G7について、日銀は「中央銀行の総裁代行が出席した例は記憶にない」としており、今後、他のG7諸国と調整する。

 日銀総裁空席は、戦前には5回あった。初代の吉原重俊総裁は在任中の1887年12月に病死し、その後約2カ月間、総裁不在となった。7代目の高橋是清総裁が1913年に蔵相に就任した際は、後任が就任するまで1週間かかった。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0319/TKY200803190327.html

0319 道路財源、一般財源化で与党合意 21日にも野党に提示 [朝日]

2008年03月19日21時24分
 自民、公明両党は19日、道路特定財源をめぐる与党修正案の骨子をまとめた。道路特定財源のすべてを早ければ09年度から一般財源化▽10年間で最大59兆円を投じる道路整備中期計画の見直し――が柱。与党は21日にもこの案をもとに野党に修正協議を呼びかける。ただ、08年度予算関連法案は見直さずに年度内成立が前提。民主党がすんなり協議入りに応じることは難しい見通しだ。

 福田首相は19日夜、記者団に「税制の抜本改革は前から約束している。その際には(道路特定財源の)全額一般財源化も視野に入れて検討していく」と語り、09年度税制改正時に一般財源化を進める考えに踏み込んだ。

 これに先立ち、首相は自民党の谷垣禎一、公明党の斉藤鉄夫両政調会長と会談。「道路特定財源の考え方」として、(1)08年度予算関連法案の年度内成立(2)道路特定財源は税制抜本改革時に一般財源化に向け見直し(3)道路整備中期計画は新たな交通需要予測をもとに見直し(4)公益法人への支出を含め道路予算の透明化、厳格化――などと列挙したメモを示し、野党と協議するよう指示した。

 首相の意向も踏まえた修正案は、民主党が求める暫定税率の撤廃には触れていない。中期計画見直しでも期間や事業量の具体的な数値は盛り込まなかった。ただ、首相は「暫定税率は抜本改革の中で考えていい」と記者団に語り、暫定税率の取り扱いも修正協議の議題とすることは拒まない考えを示した。

 与党は21日、野党側に修正協議を呼びかける。 一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は19日、「哲学、根本的な考え方の違いがあり、そこで譲歩することはあり得ない」と語り、修正協議入りは困難との考えを示唆した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0319/TKY200803190296.html


0319 与党、一般財源化で調整 道路財源すべて対象 [朝日]

2008年03月19日08時05分
 自民、公明両党は18日、道路特定財源をめぐる与党修正案について、暫定税率分も含めてすべて一般財源化することで最終調整に入った。08年度の実施は見送り、「将来的な目標」とする。あわせて、10年間で最大59兆円を投じる道路整備中期計画の見直しも盛り込む。19日に最終決定し、早ければ同日中にも民主党側に提示、修正協議を呼びかける方針だ。

 自民党の谷垣禎一、公明党の斉藤鉄夫両政調会長が18日夜、東京都内で会談。暫定税率分も含めた道路特定財源の一般財源化については、時期は明記しないものの、早ければ09年度予算からの実施を念頭に置くことで一致した。算定基準の根拠があいまいとの批判がある中期計画については、新たな交通需要予測をもとに見直す。ただ、59兆円の事業量については、削減する数値は盛り込まない方向だ。

 今国会で審議中の08年度予算関連法案については、歳入の変更による予算組み替えなどで地方財政に影響することを避けるため、修正などはしない方針。修正協議を進めつつ、民主党など野党側に年度内成立を呼びかけることにしている。

 この日の会談後、斉藤氏は「与野党協議のスタート台になりうる内容だ。民主党が協議に応じないのは、これまでの主張から考えてあり得ない」と、与野党間の歩み寄りに自信を見せた。

 与党は19日午前に幹事長、政調会長、国会対策委員長で会合を開き、最終的に与党案をまとめたい考えだ。ただ、自民党内では一般財源化には抵抗が根強く、党内から異論が噴出する可能性もある。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0318/TKY200803180379.html

0319 民主、田波氏に反対 西村副総裁は同意 日銀総裁空席へ [朝日]

2008年03月19日01時19分
 19日に任期が切れる日本銀行の福井俊彦総裁の後任人事で、民主党は18日、政府が新たに提案した元大蔵事務次官で国際協力銀行総裁の田波耕治氏(68)について、「国際金融に密接に携わった経験が不明」などとして不同意とすることを決めた。元東大大学院教授で日銀審議委員の西村清彦氏(54)を副総裁に充てる案には同意する。両人事案は19日の衆参両院の本会議で採決されるが、「田波総裁」案は野党が多数を占める参院で不同意となる見通し。戦後初めて日銀総裁が空席となるのは確実だ。

 政府は19日に、すでに衆参両院で同意を得ている白川方明・京大大学院教授と、同日に同意手続きが終わる西村氏の両氏を副総裁に任命する予定。総裁空席の間は、日銀法の規定に基づき、政府が上席の副総裁に任命すると見られる白川氏が総裁の職務を代行する。

 政府が田波氏に代わり、民主党の同意を得られる総裁案を早期に提示し直すのは困難とみられ、総裁空席が長期化する可能性もある。中央銀行総裁を決定できなかったことで、福田首相の求心力の低下は必至だ。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は田波氏への不同意を決めた18日夜の役員会後、その理由について「(元財務事務次官の)武藤(敏郎)さんを不同意にして、田波さんを同意にする理由は全く見つからない。(日銀を財務省の)天下り先に使ってよいものか」と記者団に語った。西村氏については「日銀の審議委員として実績を出している。経歴からして十分、職をこなせるのではないか」と述べた。

 社民党も民主党と同様に田波氏は不同意、西村氏は同意とする方向。共産党は両氏とも不同意で、国民新党は両氏とも同意とする方針だ。

 一方、福田首相は18日夜、田波氏を提示した理由について「国際金融もよくご存じだし、諸外国の状況、国内の経済情勢、いろいろなことに精通している。人格、識見とも申し分ない」と記者団に語った。そのうえで「経歴が大蔵省、財務省ということでダメだというのもおかしな話だ」と民主党を牽制(けんせい)した。

 ただ、経済金融情勢が緊迫するなか、通貨の番人である総裁空席で、民主党の不同意を覚悟で2度にわたって旧大蔵、財務省出身者の起用案を示した首相の責任が問われることにもなりかねない。政府・与党と民主党との対決構図がより強まり、道路特定財源をめぐる与野党の歩み寄りにも影響を与えそうだ。

 18日の衆参両院の議院運営委員会での所信聴取では、田波氏は「金融政策の独立性と透明性を確保し、国民に信認いただくよう努めたい」と意見を述べた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0318/TKY200803180343.html

0318 財界、政府と民主を批判 日銀総裁の空席確実に [朝日]

2008年03月18日23時31分
 日本銀行総裁が空席になるという異例の事態が確実になった18日、経済界からは、19日に任期が切れる福井俊彦総裁の後任を決められない「政治」に対し、批判が相次いだ。米国発の金融危機を背景に急速な円高・株安が進み、中央銀行の総裁が決まらなければ、市場がさらに不安定になる恐れがある。経済界には危機感が強まっている。

 「世界の中の日本ということを考えてほしい。恥ずかしい事態だ」。政府の経済財政諮問会議の会合後、民間議員の丹羽宇一郎氏(伊藤忠商事会長)は語った。

 経済同友会の桜井正光代表幹事(リコー会長)は記者会見で、「ねじれ国会で議案の処理が難しい状況で大事な人材を選ぶのだから、準備をしっかりして、それなりの進め方をすることが必要だった」と述べた。任期切れ直前に再提示した政府と「財金分離」を理由に不同意の姿勢を崩さない民主党について「双方に問題がある」としたうえで、「(武藤総裁案が)拒否されてから19日の任期満了まで期間があまりにも少ない」と指摘した。

 政府も民主党も批判の対象になっている。日本商工会議所の岡村正会頭(東芝会長)も「双方に責任がある。金融が揺れている極めて厳しいなか、総裁の空席が回避できるように至急手続きを取って頂きたい」と会見で注文をつけた。

 米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題に端を発する金融市場の混乱が続くなか、中央銀行の総裁が不在になれば、混乱に拍車がかかるという懸念が広がるほか、日本の信認も低下しかねない。岡村会頭は「日本に対する国際的信用が落ちることが一番心配。国際的視野を欠いた議論が行われていることは非常に残念だ」と述べた。

 全国銀行協会の奥正之会長(三井住友銀行頭取)も「空白ができれば、日本の政治への不信感だけでなく、市場へネガティブな影響も出る。一日たりとも、空白期間をつくらないでほしい」と会見で注文した。

 総裁人事について、財界はこれまで、政府が当初提案した「武藤総裁」支持で一致、総裁空席を回避するよう一貫して求めてきた。日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は10日の会見で「まかり間違っても、日本の中央銀行総裁のポジションが空白になることは、国際信用の面からもあってはならない」と述べていた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0318/TKY200803180377.html

0318 日銀総裁、空席濃厚に 政府が提示見送り [朝日]

2008年03月18日00時04分
 19日に任期切れが迫る日本銀行の福井俊彦総裁の後任人事で、政府は17日、新たな人事案の国会提示を見送った。政府は非公式に民主党に対し、参院で総裁昇格案が不同意となった武藤敏郎副総裁を引き続き副総裁で処遇する一方、総裁候補を差し替える案を打診したが合意できなかった。「総裁空席」の可能性が高まっており、その場合は、衆参両院で副総裁に同意された白川方明(まさあき)・京大大学院教授が総裁の職務を代行する。

 新たな人事案を巡っては、自民党の伊吹文明幹事長や大島理森国会対策委員長が16日夜から17日にかけ、民主党の鳩山由紀夫幹事長に電話し、首相の意向として、福井総裁か、武藤副総裁か、どちらか1人の再任を非公式に打診した。

 17日午後には、伊吹氏が鳩山氏に電話し、「武藤副総裁の時の総裁候補は財界関係者かもしれない」と伝えたが、与党側から財界人の具体名が示されることはなく、立ち消えとなった。

 自民党側が、総裁候補だった武藤氏を副総裁として改めて打診してきた背景には、「武藤氏がベストの人選」との判断を変えていない首相の強いこだわりがある。

 首相は「財政と金融がしっかり連携してこそ、適切な経済運営ができる」が持論。元財務事務次官で財政に詳しい武藤氏抜きに、日銀出身者や学者だけで固めて、日銀の運営が本当にうまくいくのかとの思いがある。

 一方で、政府案が2度続けて不同意になれば、政権基盤が大きく揺らぐ。武藤氏を正副総裁から完全にはずす場合は、民主党が確実に同意する「保証」が欲しいところだが、民主党の出方を読み切れない首相側には疑心暗鬼が募る。

 首相は17日の政府・与党連絡会議で「民主党の考え方がよく分からないと、決めるのは大変だ」と語った。さらに「民主党は一人ひとり言っていることがバラバラ。新しい候補を出しても、同意が得られる保証はどこにもない」と周辺にいらだちをぶちまけた。

 武藤氏以外で合意できる見通しが立たないために、満を持して提示した武藤氏への「未練」を断ち切れないようだ。

 しかし、首相が武藤氏の処遇にこだわるほど、民主党は態度を硬化し、出口は見えなくなる。小沢代表から「一度不同意にした人を、副総裁で同意する理屈があるか」との考えを示された鳩山氏は17日夜、「総裁空席」は必至との見方を示した。「19日までに日銀人事を決定するのは、事実上不可能になった」

 空席回避のタイムリミットとされた17日にも政府案を示せなかった首相は同日夜、記者団にこう語った。「政府だけで決められない。慎重にやるしかない。民主党の考えがよくわからない」
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0317/TKY200803170319.html

0317 道路特定財源、修正へ自民本腰 谷垣氏、古賀氏らと会談 [朝日]

2008年03月17日21時43分

 自民党の谷垣禎一政調会長は17日、道路特定財源をめぐる政府案の修正に向けて与党内の調整を本格化させた。道路整備に影響力のある古賀誠選対委員長や二階俊博総務会長のほか、森喜朗元首相、青木幹雄前参院議員会長といった党内実力者と次々に面会。一方、同日夜には公明党の斉藤鉄夫政調会長とも会談し、与党の修正案について意見を交わした。

 谷垣氏はこの日、党本部で古賀、二階両氏と会談。出席者によると、二階氏が「世に『道路族』と呼ばれている2人を呼びつけて何の話ですか」と迫り、古賀氏は与党の修正案づくりよりも衆参両院議長の下での与野党協議を訴えたという。

 ただ、谷垣氏は会談後、記者団に「(ガソリン税などの暫定税率が切れる)3月31日をうまく乗り切らなければならないとの強い危機感を共有している。どういう手順で、どういうボールを(民主党側に)出していけばいいかを話し合った」と語った。

 また、谷垣氏は東京都内の日本記者クラブでも講演し、与野党の修正協議について「年度末の混乱を回避するため何とかボールを出したいが、(民主党の)誰と話をして、どうまとめたらいいかという道筋がわからない」と指摘。民主党側に対話の窓口を整えてほしいと注文をつけた。

 一方、伊吹文明幹事長や大島理森国対委員長、尾辻秀久参院議員会長らも17日、国会内で会談し、参院に送付された税制改正関連法案の見通しを協議。民主党が参院に提出した対案を政府案よりも先に審議・採決する構えなのに対して、具体的な結論は出なかった。このため、与党としては民主党も協議に応じる修正案を取りまとめ、ねばり強く話し合いを求めていく方針だ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0317/TKY200803170363.html

0317 福田内閣「支持」34%に下落、発足以来最低に…読売調査 [読売]

 読売新聞社が15、16日に実施した全国世論調査(面接方式)によると、福田内閣の支持率は33・9%(2月調査比4・8ポイント減)に下落し、不支持率は54・0%(同3・2ポイント増)に増えた。支持率は今年1月調査以降続落し、内閣発足以来、最低を記録した。

 内閣を支持しない理由を二つまで挙げてもらったところ「政治姿勢が評価できない」が48%で最も多く、「経済政策が期待できない」の38%、「安定感がない」の27%が続いた。

 海上自衛隊イージス艦と漁船との衝突事故への政府の対応は「適切ではなかった」が74%を占めた。

 ガソリン税の税率を暫定的に上乗せすることを、法律の期限が切れる3月末以降も「続ける方がよい」と答えた人は27%(2月調査比2ポイント減)、「やめる方がよい」は64%(同2ポイント増)となった。暫定税率を維持するという政府・与党の主張に理解は進まず、イージス艦事故の対応への不満などが重なり、内閣支持率を押し下げたようだ。

 ただ、暫定税率を維持する政府提出の税制関連法案に関しては、与野党は修正に向けて歩み寄り、合意すべきだと思う人が63%(同3ポイント増)に達し、「そうは思わない」は29%(2ポイント減)だった。与野党に妥協を求める意見が強まった。

 日銀総裁人事で、民主党が、政府提示の武藤敏郎副総裁昇格案を不同意としたことなどについて聞いたところ、同党の対応を「評価する」と答えた人は「大いに」と「多少は」を合わせて25%にとどまり、「あまり」「全く」を合わせた「評価しない」は59%に上った。民主支持層では「評価する」が47%、「評価しない」が40%だった。

 こうしたことを受け、政党支持率は自民が33・1%(同0・5ポイント増)で横ばいだったが、民主は17・6%(同2・4ポイント減)に低下した。

(2008年3月17日23時48分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080317-OYT1T00777.htm

0313 「中宏池会」発足へ合同総会 自民・古賀派と谷垣派 [朝日]

2008年03月13日21時22分
 自民党旧宮沢派(宏池会)の流れをくむ古賀派と谷垣派は13日、都内のホテルで合同総会を開き、両派の合流による「中宏池会」の人事などを決めた。新たな派閥は「古賀派」と名乗り、会長に古賀誠・選挙対策委員長、代表世話人に谷垣禎一・政調会長、事務総長に逢沢一郎・衆院予算委員長がそれぞれ就く。5月13日に都内のホテルで新派閥の政治資金パーティーを開き、派閥事務所を統合する。

 合同総会のあいさつで、古賀氏は「混迷を極めている政局で私どもの責任と使命は大きい」と述べ、谷垣氏は「再結集しても福田政権を支え、土俵際にいる自民党に国民の信頼を取り戻さなければ」と訴えた。

 古賀、谷垣両派は00年秋の「加藤の乱」をきっかけに旧加藤派が分裂。それ以来、両派の議員が一堂に会するのは約7年ぶりとなった。新たな「古賀派」は衆参計61人を擁し、党内第2派閥の津島派(69人)に迫る勢力となる。

 新古賀派には勢力を増やすことで、「常に政権の中枢を占める」(古賀氏)との思惑がある。ただ、「ポスト福田」について、谷垣氏を新派閥の総裁候補とは必ずしも明確に打ち出していない。一方で、旧宮沢派の流れをくむ麻生派について、古賀氏は「もし一緒になることが党や日本のためになるとお互いに共有できれば、現実のものに熟していくことも十分あり得る」と話している。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0313/TKY200803130390.html

0312 日銀人事、参院「武藤総裁」を否決 白川副総裁のみ同意 [朝日]

2008年03月12日13時02分
 政府が国会に同意を求めている日本銀行の正副総裁の人事案が12日の参院本会議で採決され、総裁に元財務事務次官の武藤敏郎副総裁(64)、副総裁に伊藤隆敏・東大大学院教授(57)を充てる案が、民主党など野党の反対多数で不同意となった。日銀首脳人事が不同意になるのは、衆参両院の同意を定めた98年の改正日銀法施行後初めて。日銀出身の白川方明(まさあき)・京大大学院教授(58)を副総裁とする案は民主党も賛成し、同意された。

 人事案は衆院本会議でも週内に採決され、武藤、白川、伊藤の3氏とも与党などの賛成多数で同意される見通し。しかし、国会同意人事は両院での同意が必要で、衆院の優越や3分の2の多数による再議決の規定がないため、参院の不同意で事実上、白紙に戻った。

 衆参の判断が異なることを受け、与党は野党に政党間協議を呼びかけ、打開策を探る方針。政府は「武藤総裁はベストの選択」として、武藤総裁案の再提示を軸に検討しており、民主党の出方を見極めて最終判断する。

 武藤、伊藤両氏には、民主、共産、社民、国民新の野党4党が反対。白川氏には共産を除く野党は賛成に転じた。武藤氏の採決の際、川上義博氏ら民主党系会派の5人が棄権・欠席した。

 武藤氏昇格に反対する理由について、民主党の榛葉賀津也参院議員は本会議前の参院議院運営委員会で、「(武藤総裁案は)財務省そのものの人事。日銀の独立性が担保できない」と説明した。

 参院の不同意を受け、町村官房長官は記者会見で、「(財務省出身という)出自だけで不同意されるのは全く理解できない」と野党の対応を批判。「政党間協議を再度、党の方で申し入れると聞いている。民主党に再考を促し、しっかりした答えがでるように、政府としても努力していきたい」と述べた。

 一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は12日、「同じ方を不同意にし、また同意することはあり得ない。国民を欺く話だ」と述べ、武藤氏を再提示されても同意しない考えを明言した。同党の輿石東参院議員会長も記者団に「何日かたったからといって、不同意の理由が変わることはあり得ない」と強調した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0312/TKY200803120043.html

0311 武藤氏「独立性を確保」 衆院で所信聴取 日銀総裁人事 [朝日]

2008年03月11日13時37分
 衆院議院運営委員会は11日午前、19日に任期が切れる日本銀行の正副総裁の後任候補3人から所信を聴取した。総裁候補で元財務事務次官の武藤敏郎副総裁(64)は「国民の信任をいただくよう努め、日銀の独立性をしっかり確保したい」と強調した。民主党が財政・金融の分離の立場から「武藤総裁」に反対していることを意識しての発言と見られる。ただ、民主党は反対姿勢を崩しておらず、所信聴取後、11日中に最終的な対応を決める方針だ。

 衆参両院本会議での同意人事案の採決については、民主党など野党が12日を求めていたが、与党との調整の結果、12日は見送られる方向となった。週内には採決が行われる見通し。

 副総裁候補は、元日銀理事の白川方明・京大大学院教授(58)と経済財政諮問会議民間議員の伊藤隆敏・東大大学院教授(57)。参院議運委でも11日午後、聴取がある。

 武藤氏は冒頭、「03年3月の副総裁就任当時、日本はデフレスパイラルに陥りかねない危機的な状況にあったが、その後、この難局を脱した」としたうえで、「日銀は極めて緩和的な金融環境を整えることで、こうした動きを積極的に支援してきた」とこれまでの実績を強調。一方、原油高騰などの影響で「日本経済は内外とも多くのリスク要因を抱え、極めて重要な局面だ。日銀は難しいかじ取りを迫られている」との認識を示した。

 また、「透明性の向上と、国民、市場とのコミュニケーションが極めて重要。全身全霊を尽くして全職務に邁進(まいしん)したい」と述べ、総裁就任に意欲を示した。

 出席者によると、「量的緩和政策は誤りだった」との民主党議員の指摘に対し、武藤氏は「当時としてはベストの政策だった」と答えた。「輸出は順調であり、個人消費を刺激するような金融政策は当面、考えていない」とも述べ、市場で観測が出ている利下げには否定的考えを示した。また、日銀の独立性をめぐる公明党議員の質問には「5年間、副総裁としてとにかくその立場を守り、前職(財務官僚)をひきずることなくやっている」と述べた。

 白川氏は日銀での勤務経験を強調。「職員の顔を思い浮かべながらモラール(士気)を高め、組織運営の効率化に取り組み、金融政策の判断材料を適切に提供できるよう努力する」と述べた。

 インフレ目標論者として知られる伊藤氏は「インフレを引き起こすことが目的ではなく、インフレ率を低率だがマイナスでない範囲に安定的に抑える政策だ」と説明。日銀の政策決定の説明責任や透明性について「10年前に比べて大きく前進したが、完成の域には達していない」と指摘した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0311/TKY200803110151.html

0307 民主、武藤氏日銀総裁案に不同意の方針 採決を要求へ [朝日]

2008年03月07日22時52分
 民主党は7日、政府が同日に国会に提示した日本銀行の正副総裁人事案について、12日の衆参両院本会議での採決を求めることを決めた。武藤敏郎副総裁の昇格案は不同意とする方針。11日に行われる候補者からの所信聴取後、同日中に最終的な対応を決定する。副総裁候補の白川方明・京大大学院教授、伊藤隆敏・東大大学院教授については、同意も視野に検討する。政府・与党はあくまで武藤氏への理解を求める方針で、「総裁空席」が回避できるかは微妙な情勢だ。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は7日の記者会見で「財政と金融がつながってしまっているところに、この国の大きな問題が潜んでいる。財政と金融は切り離されてしかるべきだという議論が党内には大変強い」と述べ、財政と金融の分離の原則や過去の超低金利政策への批判から、武藤氏の昇格反対が党内の大勢であることを強調した。

 民主党は11日の所信聴取後、直ちに党同意人事検討小委員会、国会役員会を開いて政府案への可否を最終判断する。副総裁については、「空白にしないため、最低1人は同意しないといけない」(党幹部)と、総裁と切り離して同意することも視野に検討する。総裁が欠員となった時でも、日銀法の規定に基づいて副総裁が職務を代行すれば、影響は最小限に抑えられるとの考えからだ。

 採決の時期を巡っては、民主党の山岡賢次国対委員長が7日、自民党の大島理森国対委員長に対し、所信聴取の翌12日に衆参両院の本会議を開くよう求めた。19日の現総裁任期まで余裕をもたせて結論を出すことで、政府に人事案の再提示を迫る狙いがある。ただ、大島氏は「(聴取の翌日は)いささか早すぎる」として回答は避けた。

 武藤氏昇格案には他の野党も反発しており、共産、社民両党は7日、「賛成しかねる」(共産党の志位委員長)と不同意を表明。国民新党も不同意の方向だ。野党多数の参院では、総裁人事案が否決される公算が大きくなっている。

 一方、福田首相は武藤氏提示の理由について、7日夜、記者団に対し、「世界経済も非常に変化の多い時で、十分気を付けて金融政策、経済運営をしていかなければいけない。そういう課題に立ち向かえる人」と述べ、総裁として最も適任であると強調。民主党の対応については「まだ、返事を聞いているわけではない。ご理解いただけるものだと思う」と語った。

 ■武藤氏昇格なら 金融政策、維持か

 現在も日銀副総裁を務める武藤氏が総裁に昇格しても、緩やかな金利上昇を目指す現在の金融政策の路線に大きな変更はないとみられる。財務省時代に大物次官と呼ばれた武藤氏だったが、その手法は「調整型」。5年間の副総裁在任中も福井総裁の補佐役に徹し、金融政策について目立った意見は発信しなかった。

 日銀生え抜きの白川方明・京大院教授は金融政策を立案する企画畑が長く、06年7月まで福井氏の下で企画担当の理事を務めた。武藤氏を補佐する人材として日銀内では待望論が強い。

 一方、学者出身の総裁候補として名前が出たこともある伊藤隆敏・東大院教授が副総裁候補に入ったことが、今回の人事案のサプライズだ。

 経済財政諮問会議の民間議員を務め「政府色」が強い。中央銀行への物価上昇率目標(インフレターゲット)導入論者として知られ、成長路線を主張する竹中平蔵元総務相や中川秀直元自民党幹事長と意見が近いと言われる。

 日銀の政策委員が物価安定の目安とする上昇率は前年比で0~2%だが、07年2月の経済財政諮問会議で福井氏に、物価目標を引き上げるよう求めた。物価を引き上げるには金利が低い方が望ましいため、現在の金融政策を転換する必要がある。

 日銀内には「物価目標を導入すると金融政策の手足を縛られる」と抵抗感が強く、実際に副総裁に就任した場合、伊藤氏の考えがどのように反映されるか注目される。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0307/TKY200803070302.html
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