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■司法07 より続く
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0816 東京の裁判員候補者は「311人に1人」 年内通知へ [朝日]

2008年8月16日8時3分
 来年5月に始まる裁判員制度で、東京地裁は15日、09年分の東京都内の裁判員候補者を3万3800人とすることを決めた。都道府県別では最多となる見通し。都内の有権者は今年6月時点で1050万人余で、311人に1人が候補者に選ばれる計算だ。今後、市区町村の選挙管理委員会に依頼して、くじで選ばれた候補者には年内に通知が届く見通しだ。

 東京地裁の管内で裁判員裁判の対象となる事件数は、07年は255件だったが、03~05年の平均は約430件で、全国で最も多かった。この事件数をもとに1事件あたり100人の候補者が必要と見込んだ。来年は制度が5月に始まるため、1年に満たないことも考慮した。

 東京23区と島部の候補者は千代田区霞が関の東京地裁本庁に、多摩地域の候補者は、来年4月に八王子市から立川市に移転する支部に呼び出される。候補者数の内訳は、本庁が2万8千人、支部が5800人。

 全国の候補者は30万人前後に達する見通しで、今年11~12月に「あなたが裁判員に選ばれる可能性があります」と知らせる文書が届く予定だ。

 1事件あたり100人の候補者が選ばれたとしても、最終的に裁判員となるのは6人で、補充裁判員も2人程度。07年の事件数をもとにした朝日新聞社の試算では、全国で有権者4911人に1人の確率で裁判員に選ばれる。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0816/TKY200808150395.html

0422 母子殺害に死刑 本村さん「命で償って欲しい」 [朝日]

2008年04月22日23時03分

 22日、広島高裁であった山口県光市母子殺害事件差し戻し控訴審の判決宣告。元少年への極刑に、遺族の本村洋さん(32)は「刑を受け入れてほしい」と言った。判決終了後、本村洋さんは広島高裁近くのホテルで記者会見に臨んだ。

 カメラのフラッシュがたかれるなか、しばらく目を閉じた後、「遺族が求めた死刑判決を下してくださった広島高裁に感謝しております。今回の裁判所の見解は極めてまっとうだと思うし、正しい判決が下されたと思っています」と涙を浮かべながら話し、「亡くなった2人の墓前に早く報告に行きたい」と語った。

 判決が朗読されているときの思いを問われ、「私が裁判を通じて疑問に思っていたことを解消するもの。素晴らしい判決文でした」と語った。

 死刑判決が出るまでに9年の歳月がかかった。本村さんは「熟慮を重ねた結果なら、判決は一層の重みが増したと思う」。死刑という結果について「厳粛な気持ちで判決を受け止めている。遺族にとっては報われる思いがあるが、被告と妻と娘の3人の命が奪われることになった。これは社会にとって不利益なこと」と話した。さらに、「これで終わるのではなく、どうすれば加害者も被害者も出ない平和で安全な社会を作れるのかということを考える契機になれば」と訴えた。

 元少年については「これまで犯行事実を認めて謝罪していたのを翻したのが一番悔しい。もしうその供述をしたのであれば正直に言ってほしい。(元少年が)心から謝罪できる日が来ることを願っています。自らの命をもって堂々と罪を償ってほしい」ときっぱりとした口調で述べた。

     ◇

 本村洋さんの会見の主なやりとりは次の通り。

 ――今の心境は

 広島高裁に感謝している。ただ、決して喜ばしいことではなく、厳粛に受け止めている。社会にとっては私の妻と娘、被告の3人の命が奪われる結果となった。どうすれば死刑という残酷な判決を下さなくていい社会になるのか考える契機にならなければ、3人とも犬死にだと思う。

 ――公判中、被告の背中を見つめていた

 判決文はまさに私が裁判を通して思っていた疑問をすべて解消するもの。被告にきっちりと聞いて、今後残された人生をどう歩んでいくかを考えて欲しかった。だから真剣に判決文を聞いているか、納得しているのかを見極めたくて、ずっと背中を見ていた。

 ――(背中は)どう見えたか

 分からない。今回裁判所が示した事実が異なるのなら、事実と違うと主張すべきだし、もし罪を逃れるためにうその供述をしたのなら、悔い改めるべきだ。

 ――元少年にかける言葉は

 胸を張って死刑を受け入れてもらいたい。彼は相当の苦悩を重ね、自らの死を乗り越えて反省しなければいけない。そういった境地に達して、自らの命をもって堂々と罪を償って欲しいと思う。

 ――18歳1カ月で前科がない少年が2人を殺害して死刑判決になると、今後厳しい量刑が続くと思うが

 今回の裁判所の判断で最も尊ぶべきは、過去の判例にとらわれず個別の事案をきちっと審査して、死刑に値するかどうかを的確に判断したこと。世情にあった判決を出すという風土が日本の司法に生まれることを切望する。

 ――死刑判決で、本村さん自身は癒やされるのか

 この感情がすべて癒やされるとは思いません。ただ、納得はできました。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0422/TKY200804220183.html

0422 変わるか、死刑の臨界点 光市母子殺害 [朝日]

2008年04月22日23時32分

 22日に言い渡された山口県光市の母子殺害事件の控訴審判決で、元少年に対する量刑は死刑に変わった。判決は、従来の死刑適用基準のあり方が変わってきたことを印象づける内容。約1年後に始まる裁判員制度のもとでは、死刑が増えるのではないかという見方も広がっている。

■「ウソの弁解」

 「彼は犯罪事実を認めて謝罪し、反省していた。それを翻したのが一番悔しい」。妻と幼い娘を奪われた本村洋さん(32)は判決後の記者会見で語った。「最後まで事実を認めて誠心誠意、反省の弁を述べてほしかった。そうしたら、もしかしたら死刑は回避されたかもしれない」

 「犯した罪の深刻さと向き合うことを放棄し、死刑を免れようと懸命になっているだけ」。22日の広島高裁判決は、上告審で弁論期日が指定されて「死刑」の可能性が高まった後で、起訴から6年半もたって全面的に争う姿勢に転じた元少年の態度をそう評価した。「反社会性の増進を物語っている」とまで言い切り、「反省心を欠いている」と断じた。

 また、判決は末尾部分で最高裁が2年前、審理を差し戻すにあたって「犯罪事実は揺るぎなく認められる」と述べたことに言及し、「今にして思えば、弁解をせず、真の謝罪のためには何をすべきかを考えるようにということを示唆したものと解される」と述べた。にもかかわらず「虚偽の弁解」を繰り広げたことで「死刑回避のために酌むべき事情を見いだす術(すべ)もなくなった」というのが判決が示した論理だった。読み方によっては、上告審の途中でついた弁護団の「戦術」が不利な結果を導いたとも受け取れる。

 しかし、弁護団は判決後もあくまで「真相」にこだわった。主任弁護人の安田好弘弁護士は記者会見で「犯罪事実が違っていては真の反省はできない。死刑事件では反省の度合いより、犯行形態や結果の重大性が重視されてきた。反省すれば判断が変わったというのか。高裁の指摘は荒唐無稽(こうとうむけい)だ」と批判。別の弁護士も「こんな判決が出るようでは、事実を争うことがリスクになってしまう」と語り、天を仰いだ。

 大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件(01年)で死刑が執行された宅間守・元死刑囚の主任弁護人として「情状弁護」に徹した戸谷茂樹弁護士も「事実を争ったことが死刑とする絶好の理由とされた」という。「ただ、被告人の主張をなかったことにはできないのだから、弁護団を責めることはできない」と話した。

■厳罰求める世論

 今回の死刑判決は、来年5月に始まる裁判員制度にどんな影響を与えるのか。

 最高裁が差し戻す判決を出したときに、「これまでの判例より厳しい」と感じた裁判官は多い。「少年事件であるため死刑をちゅうちょしてきた裁判官には、重大な影響を及ぼすだろう。あとは、裁判員がどう考えるかだ」とあるベテラン刑事裁判官は話す。

 被告が少年であることは量刑にどう影響するか。最高裁の司法研修所が05年、国民にアンケートしたところ、約25%が「刑を重くする要因」、約25%が「刑を軽くする要因」と答え、「どちらでもない」が約50%だった。裁判官は9割以上が「軽くする要因」と答え、その違いが浮き彫りになった。ただ、裁判員制度が始まると死刑判決が増えるかどうかは別の問題で、裁判官の間でも意見は分かれる。

 厳罰を求める世論に加えて、「被害者参加制度」も今年中に始まる。犯罪被害者や遺族が法廷で検察官の隣に座り、被告や証人に直接問いただしたり、検察官とは別に「死刑を求めます」と独自に厳しい求刑ができたりするようになる。このため、「死刑が増えるのでは」との見方がある一方で、「やはり究極の刑を科すことには慎重になる市民が多いのでは」との意見も少なくない。

 別のベテラン裁判官はこう話す。「『どんな場合なら死刑になる』と立法で定めるならともかく、現行法では裁判員にとって分かりやすい基準をつくるのは難しい。結局は事件ごとに市民に真剣に悩んでもらい、それが将来、新たな基準をつくっていくことになるのだろう」

 死刑を執行する立場の法務省も世論を強く意識する。ある幹部は「裁判員制度の導入が決まったころはかえって死刑判決が減るとの見方もあった。だが、最近の報道や世論を見ていると、どうも逆ではないかとも思う」と話した。

■分かれる判断

 今回の判決を専門家はどう受け止めたのか。

 菊田幸一・明大名誉教授(犯罪学)は「永山基準が拡大されたかたちになり、影響は大きい」と話す。

 永山基準は83年に示された死刑適用の指標だ。(1)犯行の性質(2)犯行の態様(残虐性など)(3)結果の重大性、特に被害者の数(4)遺族の被害感情(5)犯行時の年齢――などの9項目を総合的に考慮してきた。

 83年以降、被告が犯行時に未成年だった事件で死刑が確定したのは3件(1件は一部の犯行が成人後)で、いずれも殺害人数は4人だった。

 元神戸家裁判事で弁護士の井垣康弘さんは「本来は永山基準に至らないケース。無期懲役になると思っていた」。永山基準では、殺害人数が4人で殺害の機会もばらばらだったのに、今回は「2人」で「同一機会」だった点に注目する。「この判決が確定したら、永山基準はとっぱらわれ、死刑が増えるだろう」

 死刑もやむを得ないという識者もいる。丸山雅夫・南山大法科大学院教授(少年法)は「『死刑を回避するのに十分な、とくに酌むべき事情』について、弁護側は立証できなかった」と指摘する。

 後藤弘子・千葉大大学院教授(同)は「基準自体が変わったのでなく、基準にあるどの項目を重視するかが変わってきた」。(3)や(5)でなく、(2)や(4)を重くみた判決で、今後は無期懲役が減り、死刑が増える可能性があるとみる。

 最高裁の裁判官でも、死刑についての判断は分かれる。

 2人を射殺した被告をめぐり、今年2月、最高裁第一小法廷の裁判官5人のうち、3人が無期、2人が死刑を選んだ。才口千晴裁判官は「裁判員制度の実施を目前に、死刑と無期懲役との量刑基準を可能な限り明確にする必要がある」との意見を述べた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0422/OSK200804220110.html

0422 母子殺害に死刑 「不当判決で厳罰化加速」弁護団が批判 [朝日]

2008年04月22日23時08分

 山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審で、広島高裁が被告の元少年(27)に死刑を言い渡したことを受け、弁護団は22日午後、記者会見し、「極めて不当な判決だ」と述べた。また、閉廷後に面会した元少年の様子について「至って冷静だった。僕らの方が冷静じゃなかった」と語った。



記者会見に臨む主任弁護人の安田好弘弁護士(中央)と本田兆司弁護団長(右)ら=22日午後3時、広島市中区の広島弁護士会館、溝脇正撮影

 主任弁護人の安田好弘弁護士は「専ら捜査段階の供述に信用性を置き、客観的証拠や(鑑定などの)専門的知識による供述の見直しが行われることは一切なかった」と判決を批判。さらに「死刑はやむを得ない時だけ適用するという従来の考え方から、凶悪な事件はまず原則として死刑とする考え方に転換してしまった。『疑わしきは被告人の利益に』の哲学と全く反している」と述べ、判決をきっかけに厳罰化が加速するとの考えを示した。

 主張が認められなかった理由については「証拠が不足していた。なぜ、この時期に新供述が出てきたのか、裁判所にわかるよう具体的に出すべきだった」と説明。上告書を出したのは閉廷直後。「正しい判決を出すよう強く求めていきたい」と述べた。

 元少年には山崎吉男弁護士ら4人が面会した。報道機関に言いたいことはないか尋ねると「今まで自分が述べてきたことで、記憶違いがあるかもしれないけど、すべて自分にとって真実」と話したという。また、これまでと同じように、遺族に対し判決にかかわらず一生謝罪を続けたいと語ったという。

     ◇

 弁護団会見の主なやり取りは次の通り。

 ――上告した理由は

 判決は著しく正義に反する。事実を誤認し、量刑も不当だ。また、従来の判例(永山基準)を逸脱している。

 ――なぜ起訴から6年半で元少年の供述は変わったのか

 裁判所は「最高裁の弁論期日が入り、死刑を回避するために虚偽の供述をした」としているが、被告人が初めて新供述を語ったのは、期日が入る2年前、教誨(きょうかい)師に対してだった。話せる相手には、ずっと前から話していた。裁判所は前提を間違っている。

 ――犯行時18歳の元少年に死刑が言い渡されたことで、今後考えられる影響は

 この事件は、厳罰化のために使われたと言える。従来は、「やむを得ないときだけ適用が許される」のが死刑という刑罰だった。しかし、この事件以降は、凶悪な事件は「原則死刑」となっている。今回の判決で、厳罰化はますます加速するだろう。

 ――元少年の利益を考えれば、事実認定を争わなくてもよかったのでは

 それは弁護士の職責としてあり得ない話だ。真実を出すことで初めて、(被告人に)反省と贖罪(しょくざい)が生まれると思っている。もちろん、悩みながら活動してきたし、全面的に正しいとは思わない。もっと証拠を出すべきだったし、なぜ供述が変わったのかを、もっとわかりやすく説明すべきだったという反省もある。しかし、弁護団で議論し、(事実認定を争う方針が)一番正しいという自信を持ってやってきた。

 ――今後、少年にどう生きてほしいと思うか

 (贖罪などの)被告人の目標がしっかりしていれば、自暴自棄に陥ることはない。弁護団として、彼の気持ちや、やりたいことを思い切り支えようと思う。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0422/OSK200804220087.html

0422 光母子殺害、元少年に死刑判決 広島高裁差し戻し控訴審 [朝日]

2008年04月22日13時22分
 山口県光市の母子殺害事件で、殺人と強姦(ごうかん)致死、窃盗の罪に問われた元少年(27)に対する差し戻し控訴審で、広島高裁は22日、無期懲役とした一審・山口地裁判決を破棄し、死刑の判決を言い渡した。楢崎康英裁判長は「強姦と殺人の強固な意思のもとに何ら落ち度のない母子の生命と尊厳を踏みにじった犯行は、冷酷残虐で非人間的と言うほかない」と述べた。さらに「虚偽の弁解を展開して罪と向き合うことを放棄し、遺族を愚弄(ぐろう)する態度は反省とはほど遠く、死刑を回避するに足る特段の事情は認められない」と判断。一審の事実認定に誤りはないが、量刑は軽すぎると判断した。元少年側は上告した。

 検察側は死刑を求め、弁護側は傷害致死罪の適用による有期刑を求めていた。

 楢崎裁判長は主文の言い渡しを後回しにし、判決理由の朗読から始めた。まず、新弁護団がついた上告審の途中から、元少年側が殺意や強姦目的の否認を始めた経緯を検討。「当初の弁護人とは296回も接見しながら否認せず、起訴から6年半もたって新弁護団に真実を話し始めたというのはあまりにも不自然で到底納得できない」と述べ、「死刑を免れることを意図して虚偽の弁解を弄(ろう)しているというほかない」と新供述の信用性を否定した。

 そのうえで、元少年側が「被害女性の首を両手で絞めて殺害した」との認定は遺体の鑑定と矛盾し、実際は右手の逆手で押さえつけて過って死亡させたものだとした主張を退け、「そのように首を絞めた場合、窒息死させるほど強い力で圧迫し続けるのは困難であり、遺体の所見とも整合しない」と判断。「殺意に基づいて両手で絞めたのは明白」とする検察側の主張を認めた。

 また、被害女性に母を重ねて抱きついたとする元少年側の「母胎回帰説」を「被害女性を殺害して姦淫(かんいん)した犯行とあまりにもかけ離れている」と否定。「姦淫することで生き返らせようとした」との主張も「荒唐無稽(こうとうむけい)な発想」と一蹴(いっしゅう)し、「性欲を満たすため犯行に及んだと推認するのが合理的だ」と述べた。被害女児の首にひもを巻いて窒息死させたとの認定にも誤りはないとした。

 さらに、元少年の成育歴が犯行に結びついたかどうかについて「幼少期からの父親の暴力や母親の自殺などの成育環境が人格形成や健全な精神の発達に影響を与えた面もあるが、死刑の選択を回避するに足る事情とまではいえない」と指摘。一方で、元少年側が差し戻し控訴審で「虚偽の弁解」を展開したことについて「更生の可能性を大きく減殺する事情といわなければならず、死刑回避のために酌量すべき事情を見いだす術(すべ)もなくなった」と結論づけた。

 差し戻し控訴審は昨年5月に始まった。元少年側は二審までは起訴事実を認めていたが、最高裁が05年12月に弁論期日を指定し、二審の無期懲役判決を見直す可能性が高まった後に新しい弁護人がつき、主張を変えた。新弁護団は元少年側が起訴事実を争っていなかったのは、検察官から「強姦目的を認めないと死刑の公算が大きい」と自供を誘導されたほか、無期懲役を期待した当時の弁護人の方針だったとしていた。

 一方、検察側は「被告に反省悔悟を求めることは無意味。二審段階以上に死刑に処すべきことが明らかになった」と強調していた。

     ◇

 〈光市母子殺害事件〉 99年4月14日、会社員本村洋さん(32)の妻弥生さん(当時23)と長女夕夏ちゃん(同11カ月)が殺害され、当時18歳の元少年(27)が逮捕・起訴された。一審・山口地裁(00年)と二審・広島高裁(02年)は殺意や強姦目的を認定する一方、「内面の未熟さが顕著で、更生の可能性がないとはいいがたい」などと述べて無期懲役とした。しかし、最高裁は06年6月、「死刑を回避するに足りる、特に酌量すべき事情があるかどうかさらに審理を尽くさせるため」として審理を差し戻した。

     ◇

 〈永山基準〉 最高裁が83年、4人を殺害した永山則夫元死刑囚に対する判決で示した。(1)犯行の罪質(2)動機(3)態様、特に殺害の手段方法の執拗(しつ・よう)性・残虐性(4)結果の重大性、特に殺害された被害者の数(5)遺族の被害感情(6)社会的影響(7)犯行時の年齢(8)前科(9)犯行後の情状――を考慮してもなお刑事責任が重大で、罪刑均衡の見地などからもやむを得ない場合、死刑選択が許されるとされる。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0422/OSK200804220010.html

0402 裁判員制度「参加に意欲」15.5% 最高裁調査 [朝日]

2008年04月02日05時55分
 スタートまで1年余に迫った裁判員制度について、「参加したい」「参加してもよい」と意欲を示した市民の割合は15.5%にとどまることが、最高裁の調査で明らかになった。ただ、「あまり参加したくないが義務なら参加せざるを得ない」とした44.8%を加えると約6割になり、最高裁は「一定の水準には達している」と評価する。

 調査は今年1月から2月にかけて、全国に50ある地裁の管内ごとに計1万500人に面接した。その結果、94.5%が「もうすぐ始まる」など裁判員制度について何らかの知識を持っていた。一方で、「義務でも参加したくない」も37.6%にのぼった。

 地域別では、千葉県を筆頭とする首都圏や福岡県などの都市部で参加意欲が高く、北海道や東北地方で意欲が低い傾向が見られた。地裁までの交通の便や、冬の寒さが意欲に影響しているとみられる。

 年代別でみると、20代は74.1%が参加の意向を示し、年代が上がるにつれて意欲が下がった。70歳以上は辞退を希望すれば認められるため、39.2%にとどまった。

 参加に対する心配や支障を尋ねると、「被告の運命が決まるため責任を重く感じる」(75.5%)が最も多く、「素人に裁判ができるのか不安」(64.4%)、「裁判官と対等な立場で意見を発表できる自信がない」(55.9%)、「身の安全が脅かされるのではと不安」(54.6%)が続いた。

 06年12月に内閣府が実施した世論調査では、今回と調査方法は異なるものの、傾向はほぼ同じ。最高裁は今後も広報を続けるが「負担を強いる制度で、これ以上に数字を伸ばすのは難しいのではないか」との見方もある。(岩田清隆)
URL:http://www.asahi.com/national/update/0401/TKY200804010405.html

0318 踏み字強要元警官に有罪 「常軌逸した調べ」 福岡地裁 [朝日]

2008年03月18日22時22分
 03年鹿児島県議選の選挙違反捜査で、任意で事情聴取していた男性に取調室で「踏み字」を強要したとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた同県警の元警部補、浜田隆広被告(45)=福岡市西区=の判決公判が18日、福岡地裁であった。林秀文裁判長は「常軌を逸した違法な取り調べ方法であり、被害者に多大な精神的苦痛を与えた。警察の捜査への国民の信頼も大きく損なった」と述べ、懲役10カ月執行猶予3年(求刑懲役10カ月)を言い渡した。

 判決によると、浜田元警部補は03年4月16日、県警志布志署の取調室で、公選法違反の疑いでホテル経営者川畑幸夫さん(62)=鹿児島県志布志市=を任意で聴取した際、川畑さんの父や孫らの名と「お前をこんな人間に育てた覚えはない」などと書いた紙3枚を足元に置き、両足首をつかみ1回踏ませ、精神的苦痛を与えた。

 浜田元警部補は川畑さんが黙秘を続けていたため、状況を打開するため「踏み字」を強要したとされる。判決はこの点を「黙秘権を侵害するような取り調べ方法は慎まねばならない。容疑者の人権に配慮すべき取調官としてあるまじきもので、許容範囲を大きく逸脱している」と批判。「このような取り調べ方法は違法で、供述の任意性に大きな疑問が残ることは明らか」と指摘した。

 また、「被害者は家族の気持ちを踏みにじらされたように感じたうえ、自らの人格を否定されたような多大な精神的苦痛を受けた」と認定。陵虐行為には当たらないとの弁護側の主張を退けた。

 判決はさらに、川畑さんは「10回程度」、元警部補側は「1回」と主張が食い違っていた踏み字回数についても判断。「双方の証言や供述に、疑問や不自然さが残る。少なくとも1回踏ませたことは証拠上明らかだが、それ以上の認定は困難だ」と述べ、1回と認定するのが相当だと結論付けた。


 ■元警察官でジャーナリストの黒木昭雄さんの話

 鹿児島県警は今回の判決を受けて真摯(しんし)な対応をしなければ信頼回復はできないだろう。裁判所が有罪判決を出したことで、こうした問題が起こらないよう取り調べの可視化論議が進むと思われる。ただ、現場の警察官は、上層部からは「実績をあげろ」「自供をとれ」と言われる一方で責任をとらされる立場に立たされることで、やる気を失う恐れもある。可視化は賛成だが、警察の地力が衰えないよう対策も考えていく必要があるのではないか。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0318/SEB200803180003.html

0314 被害者は「甲・乙・丙」 最高裁、匿名で初の刑事裁判 [朝日]

2008年03月14日08時21分
 「甲(こう)が丙(へい)を介して手渡し」「丁(てい)と戊(ぼ)に2発を発射」……。犯罪被害者を守るため、刑事訴訟法の改正で昨年暮れから被害者の名前を法廷で伏せることができるようになり、最高裁で初めてこの制度を適用した刑事裁判が13日あった。裁判所の裁量で性犯罪の被害者などを匿名にしたケースはこれまでもあったが、今後はこうしたケースが増えそうだ。

 埼玉県入間市で暴力団組長ら5人を射殺したとして、殺人などの罪に問われた別の暴力団の元組長・山本開一被告(60)の裁判。一、二審とも死刑とされ、13日に上告審の弁論が開かれた。

 一部の遺族が匿名を望んだため、最高裁第一小法廷(才口千晴裁判長)が被害者5人を「甲、乙(おつ)、丙、丁、戊」と呼ぶことを決定。その呼称で弁護側の主張が読み上げられた。

 弁護側は「被害者の氏名は犯行の基本中の基本。憲法が保障する裁判の公開の原則に反する」と疑問を投げかけたが、第一小法廷は「非公開で行うわけではないので合憲」と判断した。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0314/TKY200803130441.html

0305 殺人と放火で無罪、「犯行告白」認めず 福岡地裁支部 [朝日]

2008年03月05日11時01分
 北九州市八幡西区で04年3月、無職古賀俊一さん(当時58)方が全焼し、刺し傷のある古賀さんの遺体が見つかった事件をめぐり、殺人と非現住建造物等放火など四つの罪に問われた妹の片岸みつ子被告(60)の判決公判が5日、福岡地裁小倉支部であり、田口直樹裁判長は殺人と放火については無罪とし、窃盗など他の2罪で懲役1年6カ月執行猶予3年を言い渡した。求刑は懲役18年だった。被告が同房の女性に語ったとされる殺人放火事件の「犯行告白」について、判決は「任意性に疑問がある」と証拠能力を認めなかった。

 殺人放火事件では凶器などの物証がなく、片岸被告はすべての罪について捜査段階から一貫して無罪を訴えていた。

 検察側が立証の柱に据えたのが、被告が警察署の留置場(代用監獄)で同房の女性(25)に語ったとされる「犯行告白」だった。女性は被告から「お兄さんの首を刺した後に胸を刺した」「灯油をまいて火をつけた」などと聞いたと捜査員に報告。これをもとに検察側は保存されていた古賀さんの首の動脈を再鑑定し、刺し傷を新たに見つけたとして、犯人しか知り得ない「秘密の暴露」と主張。女性は法廷でも捜査員への報告とほぼ同じ内容の証言をした。

 この点について判決は「定員2人の房に(被告と女性を)意図的に長期にわたって収容し、代用監獄による身柄拘束を捜査に利用した。捜査手法として相当性を欠く」と指摘。女性が被告から告白を聞いたことは認めたが、女性は捜査機関に迎合するおそれがあり、「虚偽の供述が入り込む可能性が高い」とした。

 首の傷についても「生前の傷と認めるには疑いが残る」として秘密の暴露があるとはいえないと判断。真犯人と認める心証形成に至らなかったと結論づけた。

 弁護側は「犯行告白は捜査情報に沿うように作り上げられたもので、そもそも存在しない」などとして争っていた。

 この事件をめぐって福岡県警はまず、04年5月に片岸被告を窃盗容疑で逮捕。同7月には、火災の2年前に起きたとされる威力業務妨害容疑で逮捕し、殺人と放火の容疑で逮捕したのは04年10月になってからだった。

 古賀さんはアルコール依存症で、当時は妻と別居しており、片岸被告が日常生活の世話をしていた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0305/TKY200803050048.html

0224 三浦和義元社長を逮捕 ロス警察、81年に妻殺害容疑 [朝日]

2008年02月24日03時09分
 米ロサンゼルス市警は23日、1981年11月にロサンゼルス市内で妻を殺害したとして、元雑貨輸入販売会社社長の三浦和義容疑者(60)が22日午後、殺人などの容疑で米自治領サイパン島で逮捕されたことを発表した。妻の一美さん(当時28)が銃撃され殺害されたこの事件では、三浦元社長は日本では無罪が確定している。

 ロサンゼルス市警は、三浦元社長がグアム島かサイパン島を旅行する可能性があるとみて、グアム、サイパン両捜査当局と協力していた。同市警はサイパン当局に三浦元社長の身柄をロサンゼルスへ送るよう求め、そこで裁判が始まる見込み。

 サイパンの地元警察によると、三浦元社長はサイパン国際空港で22日、日本からの飛行機を降りた直後に逮捕されたという。空港では警察官約10人が待ち受け、逮捕について告げたところ、三浦元社長は驚きながらも冷静な様子で、「日本ではこの事件はすでに終わったことだとみんな知っている」と話したという。日本の領事館と連絡する権利があることを伝えたところ、三浦元社長はそれを希望したという。

 ロサンゼルスの司法関係者によると、カリフォルニア州法では凶悪殺人など重罪に時効はなく、古い事件でも一定の証拠がまとまれば逮捕することがある。この事件は、ロサンゼルス市警の強盗殺人課の未解決事件専門チームが担当している。

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 「ロス疑惑」をめぐる刑事裁判が行われていた当時、三浦元社長の弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士によると、元社長に対しては、88年にロス市警が請求、発付されていた逮捕状が執行されたという。逮捕の根拠や、なぜ今になって逮捕されたのかは「情報がない」としている。元社長の身柄はロス市警に移送される予定といい、米国で活動できる弁護士に弁護活動をしてもらうという。

 弘中弁護士も、逮捕の一報は、元社長の現在の妻から22日、電話で受けた。同弁護士は「びっくりした。アメリカに行ったのがまずかったのか。だが、何回目かのサイパン訪問らしいし、なぜ逮捕されたか分からない」と話している。この妻はすでにサイパンに向けて出発しているという。

 〈事件の経緯〉 三浦和義元社長は、1981年に米国ロサンゼルス市内で妻の一美さん(当時28)を銃撃して殺害、多額の保険金をだまし取ったとして警視庁に逮捕され、殺人などの罪に問われた。捜査当局の動きに先立って「週刊文春」が84年初め、一連の経緯を「疑惑の銃弾」として連載。元社長のメディア露出と併せて世間の耳目を集め、「疑惑」という言葉は同年の流行語大賞の銅賞にもなった。

 事件は、物証や自白など犯行を裏付ける直接証拠がなく、実際に銃撃をしたとされる「共犯者」は誰かが、焦点になった。検察側は88年の起訴以来、「共犯者は(元社長の取引業者だった)元駐車場経営者だ」と主張。これに対し、一審・東京地裁は元経営者を無罪とする一方、共犯者は「氏名不詳の第三者」であるとして元社長を無期懲役とした。

 しかし、元社長は控訴審の東京高裁で逆転無罪に。検察側が上告したが、最高裁第三小法廷は03年3月、上告を棄却する決定をした。同法廷は「元社長が氏名不詳者と共謀して元妻を殺害したと認めるには、なお合理的な疑いが残るとした高裁判決は是認することができる」と述べた。事件発生から20年以上を経て、元社長の無罪が確定した。

 逆転無罪判決を受けて元社長はいったん釈放されたが、銃撃事件の3カ月前に、知人の女性に一美さんを襲わせ、殺害しようとしたとされる「殴打事件」に絡んだ殺人未遂罪で98年10月、懲役6年の実刑判決が確定。同年11月に収監され、未決勾留(こうりゅう)日数を差し引いた約2年2カ月の服役を経て01年1月に宮城刑務所を出所した。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0223/TKY200802230363.html

0223 横浜事件「免訴」が確定へ 最高裁で3月14日に判決 [朝日]

2008年02月23日03時18分
 戦時中最大の言論弾圧事件とされる「横浜事件」で、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は、治安維持法違反で有罪が確定した元被告5人(全員死亡)の再審の上告審判決を3月14日に言い渡すと決めた。一審・横浜地裁が同法廃止などを理由に裁判手続きを打ち切る「免訴」を言い渡し、二審・東京高裁は「免訴判決に対し、被告側は控訴できない」と元被告側の控訴を棄却した。最高裁が結論を見直すのに必要な弁論を開いていないため、元被告側の上告が棄却され、免訴が確定する見通し。

 元被告の遺族と弁護側は「無辜(むこ)の救済」という再審制度の理念に照らし、無罪判決を出すよう強く求めていた。形式的な判決にとどめずに事件の位置づけなどに踏み込むかどうか、元被告らの名誉回復についてどんな言及をするかが焦点だ。

 再審は元中央公論出版部員の故・木村亨さんら5人の遺族が請求した。再審を開くことを決めた05年3月の東京高裁決定は、元被告らの自白を拷問によるものだとし、「無罪を言い渡すべき新証拠がある」と認めた。

 しかし、06年2月の再審の一審判決は「免訴の理由がある場合、実体審理をすることも、有罪無罪の判断も許されない」とした最高裁大法廷の判例を踏襲。免訴の判決を受けた者にも刑事補償などが認められ、名誉回復などの利益は損なわないと述べた。

 5人は「共産主義を宣伝した」などとして45年8~9月に懲役2年執行猶予3年の判決を受けた。同年10月に治安維持法が廃止されたため、恩赦の一種である「大赦」の対象となり、有罪判決は効力を失ったURL:http://www.asahi.com/national/update/0222/TKY200802220224.html

0220 高裁も「密約」判断せず 元毎日新聞記者の控訴を棄却 [朝日]

2008年02月20日19時21分
 71年の沖縄返還協定が結ばれる前の日米間交渉をめぐる「密約」を報じ、国家公務員法違反で有罪判決が確定した元毎日新聞記者の西山太吉さん(76)が、不当な起訴や、密約の存在を否定した政府側の発言などで名誉を傷つけられたとして国に損害賠償を求めた裁判の控訴審判決が20日、東京高裁であった。大坪丘裁判長は、西山さん敗訴の一審・東京地裁判決を支持し、西山さんの控訴を棄却した。西山さんは上告する方針。

 判決は一審と同じく、民事上の請求権が不法行為から20年で失われる「除斥期間」を適用。密約の存在については、審理の対象にしなかった。

 控訴審で西山さんは「密約」の存在を示す決定的な証拠は02年までなかったため、除斥期間を適用すべきではないと主張。密約の存在と内容について審理されない限り、国側の違法性を判断できないと訴えた。

 しかし、判決は、西山さんが起訴された当時から「国に対する提訴などがおよそ不可能な状況にあったとは認めがたい」などと指摘。また、政府が密約を否定した発言は「西山さんの社会的評価を低下させるとはいえず、名誉棄損は成立しない」と述べた。

 「密約」をめぐっては、米国側が支払うべき補償費を日本政府が肩代わりすることを前提とした内容の米国の公文書の存在が、00年と02年に明らかになった。政府はその後も密約の存在を否定したが、06年に外務省の元アメリカ局長が一転して、存在を認める発言をした。控訴審で西山さんは元局長の証人尋問を求めたが、東京高裁は却下した。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY200802200355.html

0220 弁護士の懲戒処分件数、70件で過去最多 日弁連 [朝日]

2008年02月20日18時42分
 市民らによる懲戒請求を受けて、各地の弁護士会が弁護士を懲戒処分にした件数が、07年は1年間で70件に上り、過去最多だったことが日本弁護士連合会のまとめで分かった。日弁連は「懲戒制度の存在が知られてきたことが大きく、弁護士の急増の影響とはいえない」と説明している。

 日弁連によると、懲戒請求件数も増加傾向。98年は715件だったのに対し、07年は9585件だった。ただし、山口県光市で起きた母子殺害事件で殺人罪などに問われた元少年の弁護団に対する懲戒請求が8095件と大半を占めた。光市の弁護団への懲戒処分が出たケースは今のところないという。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY200802200341.html

0125 司法試験「年3千人」見直し 法務省、合格者減も選択肢 [朝日]

2008年01月25日03時04分
 法務省は、司法試験合格者を2010年までに年間3000人にし、その後も増やすことを検討するという政府の計画について、現状を検証したうえで内容を見直す方針を固めた。合格者の急増による「質の低下」を懸念する声が相次いでいることに危機感を募らせたためで、「年間3000人は多すぎる」との持論を展開している鳩山法相の意向も受け、年度内にも省内で検討を始める。同省が慎重路線にかじを切ることで、今後の検討内容によっては現在の「3000人計画」が変更され、合格者数を減少させる方向に転じる可能性も出てきた。

 裁判官、検察官、弁護士を合わせた法曹人口は約2万9千人。政府は司法制度改革審議会の報告をもとに02年3月、3000人計画を盛り込んだ司法制度改革推進計画を閣議決定。将来の法曹人口について、審議会は3000人計画の実施を前提に「18年ごろまでには実働法曹人口が5万人規模に達することが見込まれる」と予測していた。

 しかし最近、一部の弁護士会が「就職難が起きている」「質が低下する」といった理由で計画への反対を表明。実際に、司法研修所の卒業試験の不合格者が増えたことなどから、法務省内にも「質の維持や需要動向が当初の予測通りでないなら、計画を変えるしかない」との考えが広がっている。

 こうしたなか、政府が今春、閣議決定する予定の「規制改革3カ年計画」の改定では、法務省の働きかけにより、法曹人口の拡大について「社会的需要を踏まえた慎重な検討」を促す文言が初めて盛り込まれる見通しとなった。

 法務省は「3カ年計画」の改定を受ける形で省内に検討組織を設け、本格的な見直しを始める予定だ。(1)司法試験の結果などから、質の低下を見てとれるのか(2)企業や自治体などが弁護士を雇用するという需要はどの程度あるのか(3)増員が、法律家がいない地域の解消につながるのか――といった項目を検証。10年以降に合格者数を減少に転じさせることも選択肢に含めて検討を進める。

 日本弁護士連合会や法科大学院を所管する文部科学省など、関係機関による検討の場をつくることも想定している。

 ただ、計画が変更された場合、法科大学院の入学希望者にも大きな影響が生じることから、法曹志願者や法科大学院関係者からの強い批判も予想される。法務省幹部の一人は「実際に数を減らすのは先でも、結論は早めに出さなければいけない」と話している。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0124/TKY200801240483.html