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アスベスト被害者遺族へ300万円、総合対策を決定 [読売]

 アスベスト(石綿)対策関係閣僚会合が27日午前、開かれ、現行では救済の枠組みがないアスベスト関連工場の周辺住民や従業員の家族のうち、既に死亡した被害者の遺族に弔慰金280万円、葬祭料20万円の計300万円を支給するなどの総合対策を決定した。

 今後の被害防止に向けた関連法の整備や、学校や病院、公共施設などからのアスベスト除去も盛り込まれ、政府は救済新法などの関連法案と予算案を来年1月の通常国会に提出する。

 最終決定した救済策では、治療中の周辺住民や従業員の家族に月額10万円の療養手当と医療費(自己負担分)を支給。労災補償を受けずに死亡した工場従業員らの遺族には年額240万円の給付金を支払うことが決まった。

 救済費用は、初年度(06年度)分として、周辺住民らの救済費用388億円を05年度補正予算案に、工場従業員の遺族の救済費用84億円を06年度予算案にそれぞれ計上することを確認。ただ、焦点となっている企業の負担額については、あらゆる業種の企業が負担したうえで、アスベスト製品メーカーなど健康被害との関係が深い企業からは上乗せ徴収する方針を再確認したが、具体的な額は明示されなかった。

 関連法の整備では、建物解体時の飛散防止策として、建築基準法を改正し、増改築時の吹き付けアスベストの撤去を義務化することなどが決まった。

(2005年12月27日11時52分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051227i203.htm

アスベスト:クボタ「補償」 異例の早期決断 [毎日]

 「クボタ」(本社・大阪市)が25日、「補償」に向けて動き出した。新たな方針の背景には、疫学調査によって工場から飛散したアスベスト(石綿)が原因で健康被害が生じた可能性が否定できなくなったことが挙げられる。日本の公害問題は、これまで裁判がなかなか終わらず補償が遅れる悲劇の歴史を繰り返してきただけに、専門家はクボタの動きを評価している。被害者の側に立った内容での早期決着が期待される。【大島秀利、宇城昇、河内敏康】

◆「公害史上、極めてまれ」

 「見舞金制度に代わり、さらに踏み込んだ新たな対策を検討する」。同社の幡掛大輔社長はこう説明した。旧神崎工場周辺住民の中皮腫患者や遺族に「補償」を表明した瞬間だ。

 「訴訟を起こされる前に企業が自ら責任を認めて謝罪し、補償する。日本の公害史上、極めてまれで意義深い」。立命館大の木野茂教授(環境学)はこう評価する。

 日本の公害の原点とも言われる水俣病(1956年に公式発見)の場合、59年に熊本大医学部の研究班が「(チッソ工場の排水の)有機水銀中毒が原因」とする説を発表したが、チッソは否定。国が因果関係を認めたのは68年で、チッソが患者と初めて補償協定を結んだのはさらに遅く、熊本地裁の水俣病裁判に敗れた73年だった。対策が遅れた結果、救済されることなく多くの被害者が亡くなり、当初は「怨」の旗が企業や裁判所を取り囲んだ。

 木野教授は「裁判の判決を待つと、解決までに時間がかかり、被害者が生きている間に救われないばかりか、被害者や家族がさらに経済的にも、精神的にも苦しみ続けなければならない。水俣病をはじめこれまで日本で起きた公害はこうした悲劇を繰り返してきたが、クボタの決断は健康被害に苦しむ多くの患者や家族を生きているうちに救済できる点で非常に画期的だ」と指摘する。

 他の石綿関連企業への波及も無視できない。木野教授は「過去の公害と同じ道を歩まないためにも、他の企業もクボタにならうべきだ」と指摘。国についても「有害な石綿の規制を怠り、企業の石綿使用を放置してきた責任がある。所持している過去の資料を活用したり、被害の実態調査を率先して実施することで、企業をしっかり指導すべきだ」と強調する。

◆決め手は疫学調査

 クボタが補償要求に応じる背景には疫学の調査結果がある。疫学とは、環境汚染など健康に影響する原因と、病気などの結果の因果関係を統計的に明らかにする方法。

 旧神崎工場が、最も毒性の強い青石綿を使用していたのは57~75年。奈良県立医科大の車谷典男教授(産業疫学)らはこの時期に注目し、工場周辺に居住歴がある一般住民を調査した。その結果、工場から半径500メートルの中皮腫による死亡率は、女性が全国平均の約18倍、男性も約10倍に上ることが判明した。

 こうしたことから「工場から飛散した青石綿が、中皮腫多発の原因と推定される」と結論付けた。特に、女性が高率で発症していることは、一般住民が石綿にさらされたことを如実に示すと専門家はみている。

 ところが、同社は現在、工場近隣の中皮腫患者・遺族には見舞金か弔慰金200万円を支払うにとどまっている。これに対し、社内の石綿被害者は労災認定による休業補償や遺族補償など数千万円に加え、同社による上乗せ補償約3000万円が受け取れる。こうした「塀の外と内のギャップ」を埋めることが今後の補償交渉の焦点になる。

毎日新聞 2005年12月25日 21時19分 (最終更新時間 12月25日 21時59分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20051226k0000m040075000c.html

クボタ、患者・遺族らに謝罪し補償へ アスベスト被害 [朝日]

2005年12月23日21時03分
 大手機械メーカー「クボタ」旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民にアスベスト(石綿)が原因とみられるがん「中皮腫(ちゅうひしゅ)」が相次いでいる問題で、クボタは道義的な責任を認めて患者や遺族らに謝罪したうえ新たな「補償措置」を取る方針を決めた。同社はこれまで基準を設けて見舞金や弔慰金を支払っていたが、さらに踏み込んだ対応策となる。同工場と中皮腫との因果関係については、従来の「不明」との立場は変えない。

 25日に尼崎市で開かれる「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」の会合に幡掛大輔社長が初めて出席し、考え方を示す。今回の措置は従来の見舞金・弔慰金制度に代わる新たな基準に基づく。額は従来の200万円を上回るとみられる。

 同工場周辺での石綿による健康被害問題は、今年6月に表面化。クボタは同工場で石綿を扱っていたことと周辺住民の中皮腫発症について、他にも石綿関連企業があったことなどから「因果関係があるかどうかわからない」としていた。そのうえで、誠意を表すために見舞金、弔慰金を支払うことを決め、計46人の患者、遺族に支払った。

 旧神崎工場の南約800メートルの所に29歳まで住み、6年前に中皮腫を発症した玉井悦二さん(54)=尼崎市=は、周辺住民の中皮腫と同工場の関連性の高さを指摘した奈良県立医大の調査を挙げ「因果関係を認めないのは真実に反する」と訴え、「クボタで働いていたわけでもないのに中皮腫になったのだから、本来なら従業員以上の補償があっていいはず。25日は最低でも従業員並みの補償をするよう社長に求めたい」と話した。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1223/002.html

民間大型建築、石綿露出1万3千棟 国交省まとめ [朝日]

2005年12月19日22時25分
 アスベスト(石綿)による健康被害問題で、屋根裏や壁などに吹き付けられたアスベストが露出したままになっている大型の民間建築物が全国で1万3099棟にのぼることが19日、国土交通省のまとめでわかった。健康への被害が出かねないとして、国交省は、除去や封じ込めなどの早急な対策をとるよう、自治体を通じて所有者に求めている。

 調査対象は、56年ごろから89年に建てられた約1000平方メートル以上の民間建築物で全国で25万4689棟。7月中旬以降、うち18万9971棟について所有者から報告があり、1万6349棟で石綿が露出したままであることがわかった。

 今月15日までに対策を終えたのは3250棟にとどまり、1万3099棟は現在も石綿がむき出しになっているという。


 都道府県別で未対策の棟数が多かったのは、大阪1686、愛知1250、福岡711、兵庫584、静岡572、北海道533、神奈川503の順。

 ただ、調査要請に応じないビル所有者も多く、国交省は、自治体を通じて引き続き調査への協力を求める。改善の取り組みについても、継続して報告させる。

 建物への吹き付け石綿の使用状況は、旧建設省時代の88年にほぼ同様の調査をし、各自治体に対策を求めたが、その後は実態を調べていなかった。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1219/005.html

アスベスト:公共施設の除去費用 政府が補正予算で補助 [毎日]

 政府は10日、学校や病院など公共施設で使われているアスベスト(石綿)の除去について、05年度補正予算で対応することを決めた。施設改修費の一部を補助するもので、対象施設は全国約8000カ所、補正額は千数百億円となる見通し。アスベスト被害者への救済費とともに、補正予算案を来年の通常国会冒頭に提出する。これにより政府は、アスベスト問題への当面の財政支援を終える考え。

 対象施設はアスベストが飛散する恐れがあり、不特定多数の人が利用する公共施設。地方自治体や施設管理者に対し、アスベスト除去のための改修費の一部を補助する。政府の調査によると、先月末で、(1)幼稚園から大学までの教育施設487校(2)病院324施設--など全国で約8000カ所あり、20日の補正予算案閣議決定までに、最終的な対象施設数と補正額を確定する。

 こうした施設は現在、立ち入り制限やビニールシートで覆うなど応急措置が取られており、安全確保のため早急な取り組みが必要と判断した。政府はアスベスト被害者の救済措置として、労災認定の対象外となる被害者や遺族への一時金など約350億円も補正予算に盛り込むことを決めている。【葛西大博】

毎日新聞 2005年12月11日 3時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20051211k0000m040101000c.html

政府、石綿救済新法案を公表 [朝日]

2005年11月29日11時27分
 政府が公表した「石綿新法」による救済は、労災が適用されず、石綿が原因の中皮腫(ちゅうひしゅ)や肺がんになった工場周辺の住民や労働者の家族とその遺族が対象。労災が適用されなかった人たちへの救済策も盛り込んだ。

 法案大綱によると、住民や家族らに支払われるのは、(1)医療費(2)療養手当(3)葬祭料(4)特別遺族弔慰金。医療費は無料とし、療養手当は月額10万円、葬祭料は20万円となる見込みだ。遺族への弔慰金は、具体的な金額の公表は見送り、12月20日までに結論を出す方針。

 死後5年がたって申請できなくなる時効のため、労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に対しては、労災保険法に基づく給付に準じた「遺族特別給付金」を支給する。

 救済のための費用は、石綿の毒性が認知され、規制が始まった1970年度から、規制効果が出る2010年度までで、総額700億円規模にのぼる見通し。70~06年度は国が負担する。地方の負担は、国の4分の1とすることで合意されているが、都道府県ごとの負担は今後調整する。

 07~10年度は、産業界から徴収する。対象は(1)労働者を雇用する事業主(2)船員を雇用する船舶所有者。石綿製造業者ら、被害との因果関係が強いとみられる企業には、追加徴収で、負担の濃淡をつける「二段階方式」とした。

 法案は、来年の通常国会に提案され、4月から施行される予定。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1129/004.html

アスベスト:労働者の遺族に年240万円給付 政府方針 [毎日]

 アスベスト(石綿)による健康被害問題で政府は29日、時効のため労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に支払う遺族特別給付金を年額約240万円とする方針を与党に示した。同日大綱が決まった「石綿による健康被害の救済に関する法律案」(仮称)に基づく救済で、労災が適用されていれば支払われるはずの医療費など療養補償相当分を考慮して決めた。

 また、二階俊博経済産業相は同日の記者会見で、石綿被害者の救済のために07~10年度に事業者から徴収する費用は約270億円とする見通しを示した。環境省によると07年度以降の年間救済費用は事務費を合わせて約90億円程度になる。
【江口一】
毎日新聞 2005年11月29日 22時56分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20051130k0000m040119000c.html

アスベスト:被害給付金、全事業者から徴収 政府方針 [毎日]

 政府はアスベスト(石綿)による被害者の救済措置で、労災認定の対象外となる被害者と遺族への給付財源のうち、企業分の負担はアスベスト関連の企業に限らず、労災保険に加入するすべての事業者から徴収する方針を固めた。対象事業者は全国で300万以上になる見通し。原因企業などの事業者は負担額を上乗せする。来年の通常国会に提出予定の救済新法案に盛り込む考えだが、経済界から「事実上の増税策」との反発があがるのは必至とみられる。

 政府は29日の関係閣僚会議で、新法大綱案を決定する。救済費用の財源は国と地方自治体、事業者で新設する基金で拠出。事業者には07~10年度分の救済給付金を負担させる考えで、総額300億円程度と見込んでいる。従業員1人以上を雇用する事業者はすべて対象となり、労災保険の徴収システムを活用して徴収するが、原因企業とそれ以外の事業者の徴収率には差をつける。

 一方、06年度までの拠出分は国が負担し、政府は約350億円を今年度補正予算に計上する。地方自治体は事業者と同様に07~10年度分を負担し計80億程度となり、総額は3者で700~800億円になる見通し。

 政府はアスベスト問題を「社会的な問題」ととらえ、「産業界全体が何らかの形でアスベストの恩恵を受けてきた」との考えに立ち、幅広く救済給付金を徴収することにした。【葛西大博】

毎日新聞 2005年11月25日 3時00分 (最終更新時間 11月25日 11時16分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20051125k0000m010174000c.html

アスベスト新法:遺族に一時金支給など、政府が方針提示 [毎日]

 アスベスト(石綿)による健康被害問題で政府・与党は28日、「アスベスト新法」により遺族に対して一律260万円の一時金を支払うことや、療養中の患者に対し医療費の自己負担分を支給するなどの救済方針を決めた。

 支給対象となるのは、労災補償の対象とならない周辺住民や、従業員の家族など。新法ではさらに患者に対し療養手当を月額約10万円、死亡時には葬祭料として約20万円を支給することも盛り込まれる。葬祭料支給は過去に死亡したケースにもさかのぼって適用される。

 政府は次期通常国会に新法を提案するが、今年度も、数百億円の補正予算を組み、早期の救済費用に充てる。中皮腫患者については原則として全員を救済する方針だが、肺がんについては石綿が原因とは限らないケースも多く、11月中に医師など専門家による検討会を設置、救済対象の認定基準を定める。救済のための財源については、広く石綿関連企業に負担を求める方針。【江口一】

毎日新聞 2005年10月28日 11時35分 (最終更新時間 10月28日 12時52分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20051028k0000e040066000c.html

医療改革、厚労省試案に異論続々 与党で議論スタート [朝日]

2005年10月21日19時26分
 厚生労働省の医療制度改革試案の公表を受けて、与党の社会保障政策会議が21日開かれ、(1)医療費を国内総生産(GDP)などのマクロ経済指標の伸び率に連動させて管理するとの考え方は適当でない(2)「保険免責制度」には反対する――の2点を申し合わせた。

 会議後、メンバーの丹羽雄哉元厚相は記者団に、「低成長下でも必要な医療費は確保しなければならない。あくまでも生活習慣病予防など政策の積み上げで医療費を抑えるべきだ」と述べた。また、外来1回当たり1000円など、一定額を保険の適用から外す保険免責制度については「公的保険の自己負担は3割が限度とされており、国民皆保険の理念にも反する」と批判した。

 これに先立ち同日朝に開かれた自民党の社会保障制度調査会医療委員会でも、厚労省試案に対して異論が噴出。都道府県が「医療費適正化計画」を作り、目標を達成できない場合には罰則的な措置を課すとされている点について、出席者から「計画を押しつけられた都道府県は混乱する」「地方に丸投げしている。国が国民の命を守ることを放棄するものではないか」など否定的な意見が相次いだ。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1021/005.html

石綿対策、基本法制定求め署名活動 100万人を目標 [朝日]

2005年10月22日21時44分
 アスベスト(石綿)の危険性を訴えてきた「石綿対策全国連絡会議」(東京都江東区)は22日、国と企業による被害者への補償や、総合的な石綿対策を進める基本法の制定を求めて、署名活動を始めた。目標は100万人で、来年1月をめどに国会に提出する。

 この日、東京・有楽町では、石綿の除去作業に使う防護服に身を包むなどした約30人のメンバーが、小雨の中を通りかかった買い物客らに署名を呼びかけた。

 同連絡会議の古谷杉郎事務局長は「政府の新法の議論では、被害者の救済しか触れられていないが、いつまでにアスベストのない社会をつくるか目標を決め、そのために必要な施策を基本法としてまとめるべきだ」と話す。署名用紙はホームページに掲載し、郵送でも受け付ける。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1022/001.html

アスベスト:中皮腫患者、労災対象外も全員救済 環境省 [毎日]

 アスベスト(石綿)による健康被害を救済するための新法について環境省は20日、労災補償の対象外の中皮腫患者やその遺族に対しては、石綿に暴露した厳密な証拠がなくとも救済する方針を決めた。尾辻秀久厚生労働相は、労災補償の認定基準について既に同様の方針を示しており、これで中皮腫患者や遺族については原則全員救済の流れが固まった。

 新法は、石綿使用工場の周辺住民や従業員家族など労災補償の対象とならない被害者を救済する。政府は先月、「石綿が原因であるとの医学的所見」がある中皮腫と肺がん患者を対象とする枠組み案を示していた。

 環境省の方針は、中皮腫患者について、石綿以外が原因と明確にならない限り救済対象とするというもので、中皮腫患者やその遺族は原則として救済されることになる。

 石綿が原因の中皮腫は全体の8~9割とされるが、同省は「中皮腫の原因が石綿か石綿以外かよく分からないケースもある。石綿による健康被害者をすき間なく救済するため、中皮腫患者は幅広く救済対象と認定する方向で調整中だ」と話している。【江口一】

毎日新聞 2005年10月21日 3時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20051021k0000m040140000c.html

アスベスト:労災認定基準見直し 厚労相が正式表明 [毎日]

 尾辻秀久厚生労働相は18日の閣議後会見で、アスベスト(石綿)関連病に関する労災補償の認定基準を変更し、中皮腫を発症した労働者は原則として労災認定する方針を正式に表明した。基準変更のため、専門家による検討会を近く設置する。【大石雅康】
毎日新聞 2005年10月18日 23時05分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20051019k0000m010138000c.html

アスベスト、5年で死者1.5万人超も 環境省が初試算 [朝日]

2005年10月14日09時21分
 環境省は13日、アスベスト(石綿)を原因とする中皮腫(ちゅうひしゅ)と肺がんの死亡者数が、2010年までの今後5年間で、最大で約1万5000人を超えるとする初の試算をまとめた。治療費や遺族への一時金支給などを行う「石綿新法」の基礎となる数字で、同省はこれをもとに企業と国で設ける救済のための基金の規模などを確定する。

 同省は石綿の吸引から発症、死亡までを40年と仮定した。中皮腫による死亡者数は、95~04年の人口動態統計をもとに推計。中皮腫の死者は95年の500人から04年は953人に倍増したが、60年代に石綿輸入量が増えたことから、今後、死者数はさらに増加し、06年以降は毎年1000人以上、10年には1500人になり、5年間で6000人が死亡するとした。

 肺がんによる死亡者数は、労災認定者のうちの中皮腫と肺がんの割合と同様、中皮腫の約7割になる場合と、国際労働機関(ILO)の研究者が指摘する1.6倍の二つの場合で推計。前者の場合は10年までに約4100人、後者は約9600人で、中皮腫と肺がんを合わせた死亡者数は最大で1万5600人になる。

 同省は、法規制や行政指導などの効果がでて11年以降は死亡者は減少傾向をたどるとしているが、効果がなければ、その後も死亡者は増え続ける可能性もある。

 石綿被害については、早稲田大学の村山武彦教授が00年から40年間に、中皮腫だけで約10万人が死亡するとの推測をしているが、環境省が推計するのは初めて。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1014/002.html

花粉症対策、東京のスギ植え替え 「10年で量2割減」 [朝日]

2005年10月14日09時18分
 花粉症対策の切り札として、東京都産業労働局は、島しょ部を除く都内のすべてのスギ林を50年がかりで、花粉の少ない種類の樹木に植え替えたり、広葉樹との混交林に変えたりしていく方針を固めた。同局は伐採と植林の費用などを来年度の予算要求に盛り込む。石原慎太郎都知事も13日、小池百合子環境相に国の協力を求めた。

 同局によると、島しょ部を除く都内の約3万ヘクタールの民有人工林のうち、約2万ヘクタールがスギ林。計画では、林道からのアクセスがよく手入れのしやすい場所にある3分の1を伐採して花粉の少ない品種のスギに植え替える。残る3分の2は、スギ林を間引きして広葉樹を植え、混交林に変えていく。

 スギ林の植え替えは、年間120ヘクタール程度を予定。都の試算では、このペースで進めていくと、混交林化の効果と合わせて、10年で花粉の飛散量を2割減らせるとしている。

 事業は50年がかりだが、とりあえず10年間の事業費として、伐採や材木の運び出し、植林にかかる人件費、林道や切り出し場の整備なども含めて約250億円を見込む。今後、森林事業者などとの費用分担などを詰める。

 13日、首都圏の8都県市首脳会議を代表して小池環境相に花粉症対策の推進を要望した石原知事は、この計画と試算を示し、国の協力を求めたという。石原知事は「花粉症による経済的なマイナスは膨大なもの。対策は一地方自治体でできることではない」と話している。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1014/001.html

住宅も石綿除去義務化 国交省、建築基準法改正へ [朝日]

2005年10月12日21時13分
 アスベスト(石綿)による健康被害を受けて、国土交通省は12日、既存のマンションやビルで使われている吹き付けアスベストについて、飛散防止や除去を所有者に義務づける方針を明らかにした。来年の通常国会で建築基準法改正をめざす。これまで事業所については労働安全衛生法で飛散防止や除去が義務づけられていたが、既存住宅でのアスベスト使用に規制はなかった。家主の責任が明確になることで、中古マンションの売買や賃貸にも影響が出そうだ。

 この日あった国交相の諮問機関、社会資本整備審議会の対策部会で、同省が建築基準法改正の素案を示した。

 規制の対象とするのは、室内などに露出している吹き付けアスベストとアスベスト含有の吹き付けロックウール。封じ込め対策がとられていない場合は、建物の使用を禁止する。

 アスベストの吹き付けは75年、「特定化学物質等障害予防規則」で原則禁止されており、現在、新規の使用はないが、建築基準法で禁止することで、市町村が建物所有者に報告を求めたり、勧告や是正命令を出したりできるようになる。

 また、増改築の際には、除去などの対策が持ち主の義務となる。

 多くの人が出入りするビルや一定規模以上のマンションには、現行法で義務づけている市町村への定期調査報告にアスベストの項目を追加。それぞれの建物の対策情報を一般の人に開示する。

 アスベスト含有の壁用内装材やタイルなどについては、飛散の可能性を早急に調査したうえで、同法で禁止するか今後検討するという。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1012/007.html

昨年の中皮腫の死者、過去最高の953人 厚労省統計 [朝日]

2005年10月07日20時19分
 アスベスト(石綿)との因果関係が強いとされるがんの一種「中皮腫(ちゅうひしゅ)」で亡くなった人が、04年に953人に達し、03年より75人増加していることが厚生労働省が7日公表した人口動態統計で分かった。統計をとり始めた95年以来、過去最高となった。中皮腫は石綿を吸引して30~40年後に発症するといわれ、同省は詳しい発症の仕組みや治療法を探るため、8月に研究班を立ち上げている。

 中皮腫の死亡者数は、95年は500人で、その後ほぼ毎年増え、03年は878人。04年は70人を超す増加となった。内訳は男性が729人、女性224人だった。

 都道府県別では大阪が99人と前年に続きもっとも多く、次いで兵庫(75人)、神奈川(69人)、東京(68人)、北海道(55人)の順だった。

 前年と比べて増えたのは23道府県。福島で前年の4人から14人、京都で同12人から28人、広島では同24人から48人に倍増したのが目立っている。石綿による住民への健康被害が問題となった兵庫は75人のままで前年と変わらなかった。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1007/006.html

アスベスト:15都府県が規制先行 除去費用支援は21県 [毎日]

 建物解体時のアスベスト(石綿)飛散対策で、15都府県が独自の条例などの規制を設け(予定含む)、対象建物の規模要件を撤廃するなど、法律より厳しく設定していることが、毎日新聞の全国調査で分かった。また、石綿の除去費用への融資などの経済支援制度があるのは21県だった。国は大気汚染防止法で対象規模の要件を来年2月までに撤廃する方針だが、健康不安の高まりを受けて自治体の対策が先行している形だ。

 ◇建物規模の独自条例など

 同法では延べ面積500平方メートル以上で石綿の吹き付けが50平方メートル以上の建物を解体する際、知事などへの届け出などが必要だが、それ以外では規制の網がかからない。

 一般住民の健康被害が表面化した今年6月以前に、条例などで、国より厳しい規制を設けていたのは東京、静岡、兵庫、大分の4都県。兵庫県は96年、静岡県は99年に規模要件を撤廃している。東京都は吹き付け面積が15平方メートル以上の場合に届け出を求めている。

 11府県が7月以降に規制強化に着手。いずれも、国に先行して規模要件を廃止することが柱で、長野県は8月、吹き付け石綿を含む全建築物の解体作業を県職員が現地確認することを決めた。鳥取、福井両県は石綿だけを規制対象にする新条例の制定を目指す。徳島県は条例を改正し、吹き付け石綿だけでなく、石綿建材を使用した建物すべての解体に届け出を義務付ける。

 石綿の除去が進まないのはその費用が高いためとされる。このため、既存の融資制度活用なども含め、支援策が広がっている。島根県は最大8000万円を融資する制度を始め、広島県は私立学校の石綿関連工事に利子補給などを行う方針。支援策を持つ21県以外に、香川や熊本など6県が、創設の是非を検討中。

 除去作業時に大気中に飛散する石綿の濃度基準は、法律で規定されていないが、大阪府は改正条例案に作業現場と周辺との境界で「空気1リットル中10本」という基準を盛り込む。大気汚染防止法で、石綿関連工場の敷地境界の濃度規制を準用した。

 ▽石綿対策全国連絡会議の古谷杉郎事務局長の話 国に先んじて自治体が規模要件をなくす方向で規制を強化し出したことは評価したい。だが、効果的に石綿の飛散を防止するには、建物の把握から管理、除去、廃棄に至るルールを国が整備するべきだ。

毎日新聞 2005年10月2日 3時00分 (最終更新時間 10月2日 7時34分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20051002k0000m040129000c.html
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