dunpoo @Wiki ◎文化・出版08Ⅰ

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◎文化・出版07Ⅰ より続く
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0320 「〈帝国〉」の著者ネグリ氏、来日を延期 [朝日]

2008年03月20日13時18分
 世界的に反響を呼んだ「〈帝国〉」の著者の一人でイタリア人哲学者のアントニオ・ネグリ氏(74)が日本政府から入国できない可能性を示され、来日を延期したことが19日、わかった。

 ネグリ氏は、財団法人国際文化会館の招きで20日に来日し、約2週間の滞在中に東大など3大学で、グローバル化時代の労働問題などをテーマに講演する予定だった。

 同会館によると、17日、外務省から7月の洞爺湖サミットを控えて入国管理が厳しくなっており、ビザを申請するよう説明を受けた。同氏は在住するパリの日本大使館に18日、ビザを申請したが、発給待ちの状態が続いている。

 同氏は79年に反政府組織「赤い旅団」による元首相殺害事件への関与の疑いで逮捕されたあと、83年にフランスへ亡命。殺害事件は無罪となったが国家転覆罪で禁固刑が確定した。97年に帰国後、03年まで刑に服した。その後執筆のほか、各国で講演活動をしている。

 入管法では、国内外の法律に違反し1年以上の懲役や禁固刑を受けた外国人の入国を禁じている。政治犯に関してはこの限りでないとしているほか、事情により法相の特別許可を受けることができる。国際文化会館はその方向での入国の可能性を探っている。

 しかしこの場合、現地の日本大使館にビザ申請し、過去の資料をもとに本人から話を聞くなどの審査を経る。「常識的に考えて、数日間で出る可能性はきわめて低い」(関係者)といい、今回の来日日程にあわせるのは難しそうだ。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0320/TKY200803200122.html

0319 SF作家のアーサー・C・クラーク氏が死去 [朝日]

2008年03月19日10時38分
 映画化された小説「2001年宇宙の旅」などで知られる英国人のSF作家アーサー・C・クラークさんが19日、移住先のスリランカで死去した。90歳だった。

 17年、英国サマーセットの農家に生まれた。46年に発表した短編「太陽系最後の日」でSF作家として注目を集めた。

 その後、「幼年期の終わり」「都市と星」など話題作を次々発表。アシモフ、ハインラインらと並び、世界のSF界を代表する作家となった。科学の最新知識を採り入れて描く宇宙像や未来像の高い予測精度で評価されている。

 68年、スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」で原作と共同脚本を担当。完成された映像と哲学的な主題で、今もSF映画の金字塔とされる。続編となる小説「2010年宇宙の旅」「2061年宇宙の旅」「3001年終局への旅」を書き継いだ。

 ダイビングを愛し、スリランカの海に魅せられて56年に移住。同国の伝説をもとにした「楽園の泉」を発表。「宇宙のランデヴー」に続き、この作品でもヒューゴー、ネビュラ両賞をダブル受賞した。

 精力的に小説を発表する一方で、科学技術の振興にも尽力。95年には英リバプール大の名誉博士号を受けている。
URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0319/TKY200803190065.html

0312 理論化学の諸熊氏には恩賜賞 9人に日本学士院賞 [朝日]

2008年03月12日18時36分
 日本学士院(久保正彰院長)は12日、優れた研究業績を表彰する日本学士院賞を9件9人に贈ることを決めた。計算化学の新手法で様々な分子の構造や機能の予測に貢献した諸熊奎治・米エモリー大名誉教授には恩賜賞も贈る。自然保護の基礎となる優れた研究成果に贈る学士院エジンバラ公賞は、生態学の和田英太郎・京都大名誉教授に決まった。

 受賞者と専門、受賞対象の研究は次の通り。

 【恩賜賞・日本学士院賞】

 諸熊奎治(もろくま・けいじ)米エモリー大名誉教授、京都大福井謙一記念研究センターリサーチリーダー(73)=理論・計算化学=分子の構造・機能・反応設計に関する理論的研究

 【日本学士院賞】

 保坂高殿(ほさか・たかや)千葉大准教授(52)=西洋古典学=ローマ帝政初期のユダヤ・キリスト教迫害

 大竹文雄(おおたけ・ふみお)大阪大社会経済研究所長(47)=労働経済学=日本の不平等

 藤吉好則(ふじよし・よしのり)京都大教授(59)=生物物理学=極低温電子顕微鏡の開発による膜たんぱく質の構造決定

 中井直正(なかい・なおまさ)筑波大教授(53)=天体物理学=水メーザー源のVLBI観測による活動銀河中心核と巨大質量ブラックホールの研究

 長谷川晃(はせがわ・あきら)ソリトン通信代表(73)=物理学=ファイバー中の光ソリトンの発見とプラズマ乱流の自己組織化に関する研究

 大山莞爾(おおやま・かんじ)石川県立大教授(68)=植物分子生物学=植物核外ゲノム及び性染色体の遺伝子構成と分子進化に関する研究

 寒川賢治(かんがわ・けんじ)国立循環器病センター研究所長(59)=生化学=新しい生理活性ペプチドの発見とその基盤的研究

 永井美之(ながい・よしゆき)理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センター長(68)=ウイルス学=パラミクソウイルス病原性の分子基盤の解明と新規発現ベクターの創出

 【エジンバラ公賞】

 和田英太郎(わだ・えいたろう)京都大名誉教授、海洋研究開発機構プログラムディレクター(68)=生態学=流域単位の生態系の多様な構造の解明と環境変動への応答に関する研究
URL:http://www.asahi.com/national/update/0312/TKY200803120375.html

0312 レコードからPCに直接録音 レコードプレーヤーを発売 [朝日]

2008年03月12日
 ソニーはアナログレコードからパソコンに直接音楽を取り込めるレコードプレーヤー「PS―LX300USB」を発売する。かつて買い集めたものの、聴けなくなっているレコードをよみがえらせるには打ってつけのプレーヤーだ。(アサヒ・コム編集部)

 レコードプレーヤーはUSB端子を搭載し、パソコンと接続できる。付属のソフトを使ってレコードを再生すると、テープにダビングをするような感覚で、簡単に録音ができる。

 取り込んだ音楽はタイトルを付けたり、編集したりして保存できる。パソコンでの再生はもちろん、圧縮して携帯音楽プレーヤーに転送したり、CD―Rなどに録音することもできる。

 付属のソフトにはアナログレコード特有のノイズを低減する機能があり、波形を見ながら録音レベルを調整することも可能だ。

 「過去にレコードのコレクションをされていた方におすすめです」と同社。思い出のレコードをデジタルオーディオ機器でも楽しんでほしいとしている。

 プレーヤーには再生に必要なカートリッジや交換針などが付属し、33回転のLP、45回転のEPを再生することができる。そのままコンポなどにつないで普通のレコードプレーヤーとして聞くこともできる。付属ソフト「Sound Forge Audio Studio LE」はWindows XP以降に対応している。

 4月15日発売で、希望小売価格は2万8350円(税込み)。


0306 貧困・闇金融…… 格差社会、漫画に文学に [朝日]

2008年03月06日10時53分
 このところ、漫画や文学で、貧困や非正規雇用など今のリアルな社会状況を描く作品が目立つ。漫画では闇金融業者やニートを主人公にした作品が人気で、文学でも作品が評価され、共感を広げている。戦前のプロレタリア文学と同様に貧しさを描きながらも、告発調は見られない。

■読者に身近でリアリティー

 「1日でも返済が遅れたらタダじゃおかねェ!!」

 こわもての闇金融業者・丑嶋(うしじま)社長が、フリーターやサラリーマンから借金を取り立てる。週刊ビッグコミックスピリッツで連載中の「闇金ウシジマくん」。

 悪漢が主人公だが、ほろりとさせる場面もあり、単行本10巻で計約120万部のヒット。昨年12月発売の『このマンガがすごい! 08年版』(宝島社)の格差社会特集で最初に挙げられた。

 作者の真鍋昌平さんは36歳で、04年に連載を始めたころは「人間の葛藤(かっとう)を描きたかった」。だが、借金にはまってしまうフリーターと家族を描いたフリーター編(7~9巻)のころから、格差社会を意識するようになったという。

 都市部で急増しているタクシー運転手編も、構想中だ。

 ライターの奈良崎コロスケさんによるとニートが主人公として登場したのは、週刊ヤングジャンプで06年に連載が始まった「カジテツ王子」(向浦宏和さん)あたりから。大学中退、25歳の男性が主人公。ヤングマガジンで06~07年に連載された「わにとかげぎす」(古谷実さん)は、32歳で夜間警備員をしている孤独な男性を描いた。

 こうした作品は総じて、エッチな場面やギャグを盛り込み、深刻さは薄い。「週刊漫画雑誌はどこかに非日常性を入れ、エンターテインメントにしなければならない」(奈良崎さん)からだ。

 漫画評論家の村上知彦さんは、若者の非正規雇用が個人的な問題ではなく、社会問題と認識されるに至って、漫画にも登場するようになったと考える。「読者が大学生やフリーターで、同世代の身近な話。読者の側にリアリティーがある」からこそ描かれると見る。

■主張や告発がなく自責的

 文学作品は、どうか。市川真人・早稲田文学編集室チーフは、桐野夏生さんの「メタボラ」、伊藤たかみさんの「八月の路上に捨てる」を挙げる。「メタボラ」は05年から約1年の新聞連載で、「八月~」は文学界06年6月号の掲載だ。

 「メタボラ」は、家庭崩壊で貧困に陥り、大学を辞めた男性が主人公。夜のビル清掃や請負社員などとして働き、沖縄へ向かう。

 市川さんは「誰もが何となく格差社会に気づき始めていたとき、それを敏感にとらえて『メタボラ』が生まれた。新聞小説という全国に届くメディアに発表されることで、よりはっきり認識されるようになった」と、位置づける。

 「八月~」は芥川賞も受賞した。主人公の男性は30歳前。脚本家を目指し定職に就かず、トラック配達のアルバイトをしている。

 桐野さんと伊藤さんは、昨年の文学界8月号で「『格差』をどう描くか」と題して対談した。桐野さんは「格差は不可視なんだろうけど、何か厳然とした差がある。そのことに関して、なんかすごく敏感に反応する自分がいる」と、格差を描く理由を述べている。

 市川さんによると、「失われた10年」で広がった現在の貧困を描いた嚆矢(こうし)は、97年に群像新人文学賞をとった岡崎祥久さんの「秒速10センチの越冬」。その後、角田光代さんの「エコノミカル・パレス」(02年)など、フリーターやニートらが主人公の作品が出てきたという。

 「すばる」は昨年7月号に特集「プロレタリア文学の逆襲」を組んだ。プロレタリア文学は、階級社会を前提にプロレタリアート(無産階級)の思想や感情を描いたもので、日本では昭和初期に弾圧され壊滅するまで続いた。特集は読者の反応もよく、編集部の清田央軌さんは「状況は違うとはいえ、人間の苦境が克明に描かれ、共感できるところがあり、苦境の戦い方を感じ取った人がいるのかもしれない」と見ている。

 プロレタリア文学と、いまの漫画・文学、どこが違うか。精神科医で少年問題にも詳しい斎藤環さんは、プロレタリア文学の主人公は告発的で、反抗のモチベーションがあったが、こうした漫画や文学は「主張、告発がない」と言う。

 最近の漫画・文学の主人公は「少なくとも登場人物が自己責任と思いこんでいる。被害者が自責的。貧しさも、かつての貧困と比べようがなく、解決もその分、難しい」のが今風だ。

 こうした漫画・文学はいつまで続くのだろう。

 スピリッツの立川義剛編集長は言う。「格差は定着した。昔のように、社会全体に総中流意識が戻ることはあり得ない」
URL:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200803060086.html

0308 H氏賞に杉本真維子さん、現代詩人賞は小柳玲子さん [朝日]

2008年03月08日18時43分
 日本現代詩人会は8日、第58回H氏賞に杉本真維子さん(35)=東京都在住=の詩集「袖口の動物」(思潮社)を、第26回現代詩人賞に小柳玲子さん(72)=同=の詩集「夜の小さな標(しるべ)」(花神社)を選んだ。賞金は各50万円。
URL:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200803080192.html

0305 ビョークが上海で「チベット独立」叫ぶ [朝日]

2008年03月05日20時20分
 アイスランド出身の女性シンガー・ソングライターのビョークさんが2日、上海で開いたコンサートで「チベット独立」を叫び、物議を醸している。中国紙「環球時報」などが伝えた。

 報道によると、ビョークさんは上海国際体操センターのステージ上で、「ディクレア・インディペンデンス」という曲を歌った際、「あなたたちの旗を高く掲げ、独立を宣言しよう」という歌詞の後に「チベット! チベット!」と叫んだ。

 英語を聞き取れなかった観客も多かったが、一部の観客によるネット上の議論が盛り上がっている。ビョークさんは2月の日本公演でも同曲を歌い、最後に「コソボ! コソボ!」と叫んだ。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0305/TKY200803050304.html

0226 草思社支援に書店の輪 業界の悪循環は今もなお [朝日]

2008年02月26日11時11分
 民事再生法による再建手続き中の出版社、草思社(東京都文京区)を応援する動きが書店に広がっている。同社には全国の書店から激励のファクスが届くほか、店頭で支援フェアを展開する店もある。だが、出版業界の不振には歯止めがかからず、出版社と書店をめぐる状況は厳しさを増すばかりだ。

 ジュンク堂書店の池袋本店は、いま約500点を並べた「草思社再建支援フェア」のコーナーを設けている。民事再生のうわさを聞いた時点で取次の在庫をかき集めた。個性的だった草思社の本にはファンも多く、田口久美子副店長は「他に代え難い書籍を必要な人に行き渡らせるのも、大型書店の役割」と語る。

 今回のように、書店が行き詰まった出版社を応援するケースは珍しい。東北や関東、近畿の中小18店の共同仕入れを手がける「志夢ネット」(同文京区)も加盟店がフェアを開催中だ。大手書店中心の配本が進むなか、「中小にも商品を供給してくれた草思社の恩義に報いたい」と担当者。

 ティーエス流通協同組合(東京都千代田区)も、草思社の書籍30点をセットにし、都内の加盟店約150店から注文を募った。

 工夫を凝らした書名と、広告と配本を連動させる販売手法で草思社は多くのベストセラーを生んだ。中野孝次著『清貧の思想』ほか、ミリオンセラーのF・アルベローニ著『他人をほめる人、けなす人』といった翻訳書でも知られる。

 だが、最近は大ヒットがなく、斎藤孝著『声に出して読みたい日本語』がミリオンを記録した01年度に28億円だった売り上げが、昨年度は13億5000万円に落ち込んだ。バブル崩壊による土地売却損の影響もあったが、致命的だったのは「従来のベストセラーづくりの手法が通用しなくなった。いい本を出しても売れない。それが正直な思い」と木谷東男社長は振り返る。

 出版業界に詳しいフリーライターの永江朗さんは、草思社不振の背景に、書店の疲弊があると指摘する。90年代半ばに約2万3000店あった書店が現在は約1万7000店。生き残るため、早めに返本して、仕入れの資金を回収する動きに拍車がかかっているという。

 「草思社のような人文社会系の一般書籍は、書評が出て、口コミで評判が広がって売れていく。書店はその間、本を蓄えるダムのような役割を持っていた。だが今は、その余裕がなくなってきている」

 一方で書籍の新刊点数は年々増え、「出版年鑑2007」によると06年は約8万点。90年に比べて倍増したが、販売額は2割増の約1兆円にとどまった。出版社は新刊を出すと取次から前払い金が入るが、返本が多いと最終的に過払いが発生し、それを埋めるためにもまた新刊を出す。

 草思社の新刊も90年代前半は50点前後だったが、昨年度は過去最多の108点にまで急増した。出版ニュース社の清田義昭代表は「その結果が書籍全体で4割近い返本率。草思社の問題から、悪循環にはまりこんでいる現状を問い直す契機にしなければならない」と話している。
URL:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200802260135.html

0225 詩人の東淵修さんが死去 [朝日]

2008年02月25日23時12分
 大阪市西成区のあいりん地区(釜ケ崎)で暮らす人々の哀歓を表現してきた詩人、東淵修さん(ひがしぶち・おさむ)さんが24日、急性心筋梗塞(こうそく)のため、大阪市の病院で死去した。77歳だった。葬儀は近親者で行う。後日「しのぶ会」を開く予定。問い合わせは、大阪市浪速区恵美須東3の5の5の「銀河・詩のいえ」(06・6636・0326)代表の近藤摩耶(まや)さん。

 大阪・新世界に生まれ育った。太平洋戦争の空襲で焼け出され、釜ケ崎に移り住んだ。1968年から詩誌『銀河詩手帖(てちょう)』を主宰。02年、詩の仲間が集う施設「銀河・詩のいえ」を開いた。詩集『釜ケ崎愛染詩集』『釜ケ崎と新世界と俺(おれ)と』などを発表。ひらがなの大阪弁で、西成の人情を巧みに表した。
URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0225/OSK200802250070.html

0219 男性器映る写真集「わいせつでない」 最高裁判決 [朝日]

2008年02月19日11時09分
 米国の写真家、ロバート・メイプルソープ氏(故人)の写真集について「男性器のアップの写真などが含まれており、わいせつ物にあたる」と輸入を禁じたのは違法だとして、出版元の社長が禁止処分の取り消しなどを国に求めた訴訟の上告審判決が19日あった。最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は「写真集は芸術的観点で構成されており、全体としてみれば社会通念に照らして風俗を害さない」とわいせつ性を否定。請求を退けた二審・東京高裁判決を破棄し、輸入禁止処分を取り消した。


最高裁判決後の記者会見で、メイプルソープ写真集を手にする原告の浅井隆さん(右)と山下幸夫弁護士=19日午前、東京・霞が関の司法記者クラブで
ロバート・メイプルソープの写真集。開いてあるのが今回、その上に重なっているのが前回の訴訟で対象となったもの
 同じ作品を含む同氏の別の写真集について、最高裁は99年に「わいせつ物にあたる」として輸入禁止処分は妥当と判断していた。今回の判断には、わいせつをめぐる社会の価値観が変化したことが影響しているとみられる。

 堀籠幸男裁判官は「男女を問わず性器が露骨に、中央に大きく配置されていればわいせつ物だ。多数意見は写真集の芸術性を重く見過ぎている」との反対意見を述べた。

 訴訟を起こしていたのは東京都内の映画配給会社「アップリンク」の浅井隆社長(52)。99年に浅井さんがこの写真集を持って米国から帰国した際、成田空港の税関から関税定率法で輸入が禁じられた「風俗を害すべき書籍、図画」にあたるとされ、没収された。

 写真集は384ページに男性ヌードや花、肖像など261作品を収録。税関はこのうち計19ページに掲載され、男性の性器を強調したモノクロの18作品を「わいせつ」とした。

 この判断に対し、02年1月の一審・東京地裁判決は「芸術的な書籍として国内で流通している」と処分を取り消し、70万円の賠償を国に命じた。しかし、03年3月の二審・東京高裁判決は「健全な社会通念に照らすとわいせつだ」として原告の逆転敗訴としていた。

 第三小法廷は(1)メイプルソープ氏は現代美術の第一人者として高い評価を得ている(2)写真芸術に高い関心を持つ者の購読を想定し、主要な作品を集めて全体像を概観している(3)性器が映る写真の占める比重は相当に低い――などと指摘。作品の性的な刺激は緩和されており、写真集全体として風俗を害さないと結論づけた。
URL:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200802190099.html

0213 映画監督の市川崑さん死去 [朝日]

2008年02月13日23時16分
 「東京オリンピック」のメガホンをとり、「ビルマの竪琴」「細雪」などの文芸ものでは他の追随を許さなかった文化功労者の映画監督市川崑(いちかわ・こん)さんが13日午前1時55分、肺炎で死去した。92歳だった。葬儀は近親者で行い、後日お別れの会を開く。喪主は長男建美(たつみ)さん。

 三重県生まれ。伊丹万作監督の「国士無双」を見て映画に関心を持ち、東宝京都撮影所の前身、J・Oスタジオに入った。48年、新東宝の「花ひらく」で監督デビューした。

 51年、東宝に移ったころから都会感覚のさえを見せ始め、「結婚行進曲」「足にさわった女」「プーサン」と矢継ぎ早に話題作を発表。以降は、「こころ」「ビルマの竪琴」「炎上」「鍵」「野火」「おとうと」「破戒」など文芸作品を、独自の解釈をまじえつつ安定した作風で次々と手掛けて「鬼才」といわれるようになった。「鍵」はカンヌ映画祭の審査員特別賞、「ビルマの竪琴」はベネチア映画祭のサン・ジョルジョ賞を受賞。

 「東京オリンピック」では、ドキュメンタリーのワクにとどまらない劇的効果を狙った映像で「記録か芸術か」の論議を巻き起こした。また、テレビでも「木枯し紋次郎」で茶の間のファンを沸かせた。76年からは横溝正史シリーズの「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」「獄門島」などを監督し、娯楽ものに新境地を開いた。

 「細雪」や「おはん」「鹿鳴館」のほか、「ビルマの竪琴」では自作の再映画化に挑戦。「四十七人の刺客」で、95年の日本アカデミー賞の優秀作品賞と監督賞を受賞。94年、文化功労者に選ばれた。

 03年には小津安二郎監督の「晩春」をテレビでリメーク、06年には自作の「犬神家の一族」をほぼ同じ脚本でリメークするなど、製作意欲は最後まで衰えなかった。

 1月24日に息苦しさを訴え、都内の病院に入院していた。昨年8月、三谷幸喜監督の映画「ザ・マジックアワー」(今年6月公開)に映画監督役で出演したのが最後の活動となった。
URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0213/TKY200802130274.html

0212 野田秀樹さんが就任へ 東京芸術劇場の初代芸術監督 [朝日]

2008年02月12日19時28分
 東京都は12日、東京芸術劇場(池袋)の初代芸術監督に、劇作家・演出家・俳優の野田秀樹さん(52)が就任すると発表した。文化の創造・発信拠点としての劇場の役割を強化するため新設される役職。4月に芸術顧問となり、準備期間を経て正式就任する予定だ。

 野田さんは76年に劇団夢の遊眠社を旗揚げ。93年にはNODA・MAPを設立して内外で多くの話題作を上演してきた。昨年の「THE BEE」では、第7回朝日舞台芸術賞グランプリなど多数の演劇賞を受けた。

 同劇場は90年開場。東京都歴史文化財団が運営している。
URL:http://www.asahi.com/culture/update/0212/TKY200802120250.html

0212 グラミー賞、ワインハウスが5冠 [朝日]

2008年02月12日10時44分
 米音楽業界の最高賞である第50回グラミー賞の授賞式が10日(日本時間11日)、ロサンゼルスであり、英国の歌手エイミー・ワインハウスさんが最優秀レコード賞、最優秀新人賞など5部門で受賞した。

 アルコール依存や薬物使用などで物議を醸し、最優秀レコード賞受賞作の「リハブ」はそうした私生活がテーマ。授賞式出席のためのビザを米政府に一時拒否されたため、当日は英国から衛星中継で参加した。

 最優秀ニューエイジアルバム部門では、和太鼓奏者の中村浩二さんが参加するユニット、ポール・ウインター・コンソートが受賞。同部門でノミネートされ、2度目の受賞を目指したシンセサイザー奏者の喜多郎さんは受賞を逃した。
URL:http://www.asahi.com/culture/update/0212/TKY200802120023.html

0208 ホフマンなど研究、文芸評論家の川村二郎さん死去 [読売]

 文芸評論家でドイツ文学者の川村二郎(かわむら・じろう)さんが7日、心筋梗塞(こうそく)のため死去した。80歳。告別式は15日午前11時、横浜市港北区菊名2の1の5妙蓮寺斎場。喪主は長男、建(たける)氏。

 1928年名古屋市生まれ。東京大学独文科卒。名古屋大学助教授をへて、都立大学教授。ホフマンなどドイツ文学の幻想性、言語感覚、美的世界を研究するかたわら文芸批評を始め、66年、「保田與重郎論」で新進評論家として認められた。

 69年、初の評論集「限界の文学」で亀井勝一郎賞。泉鏡花、幸田露伴など幻想的な作風の作家を論じた「銀河と地獄」で74年、芸術選奨文部大臣新人賞を受けた。説経節を論じた「語り物の宇宙」も注目され、「内田百けん論」で84年、読売文学賞、「アレゴリーの織物」で92年に伊藤整文学賞。ほかの著書に「日本廻国記 一宮巡歴」「白山の水 鏡花をめぐる」「イロニアの大和」など。2005年、日本芸術院会員。(「けん」は「門」の中に「月」)

 本紙や文芸誌「文芸」で長年にわたり文芸時評を担当した。本紙読書委員。広い学識と美に対する繊細な感性で、現代文学を厳しく批評した。吉行淳之介、中上健次らの小説を高く評価し、吉行を論じた評論「感覚の鏡」がある。

 ブロッホ「ウェルギリウスの死」などの翻訳でも知られた。読売文学賞、野間文芸賞、伊藤整文学賞の選考委員も務めていた。

(2008年2月8日03時04分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20080208-OYT1T00049.htm

0121 片岡球子さん死去 日本画の革新に貢献 103歳 [朝日]

2008年01月21日13時32分
 鮮やかな色彩と大胆な造形で富士山や歴史上の人物を描き、100歳を超えて現役を通した、文化勲章受章者の日本画家、片岡球子(かたおか・たまこ)さんが16日、急性心不全のため神奈川県藤沢市内の病院で死去した。103歳だった。喪主は弟邦三さん。葬儀は近親者のみですませた。後日、「偲(しの)ぶ会」を開く予定。

複製陶板「江戸の浮世絵師たち」のお披露目で語る片岡球子さん。片岡さんの「浮世絵師勝川春章」などを原作にした壁画で、翌年、都営地下鉄大江戸線の築地市場駅に設置された=99年12月、東京・築地の朝日新聞社で

 故・小倉遊亀さんとともに女性画家の最長老格として、長く日本画界を支えた一人。日本美術院に所属し、伝統を継承しつつも、現代的な感覚を取り込み、日本画の革新に貢献した。

 札幌市生まれ。旧制札幌高等女学校から東京の女子美術専門学校(現・女子美術大学)へ進み、日本画を学んだ。26年、横浜市大岡尋常高等小学校(現大岡小学校)の教師となり、30年間勤めた。この間、日本画家の吉村忠夫、安田靫彦らに師事。30年、第17回院展に「枇杷(びわ)」が初入選した。

 52年、「美術部にて」で日本美術院賞(大観賞)を受賞、日本美術院同人となった。60年代から、富士山のシリーズ、足利尊氏や北斎ら歴史上の人物を大胆に変形させた姿で描いた「面構(つらがまえ)」シリーズ、裸婦を描いた「ポーズ」シリーズといったライフワークに取り組んだ。

 50歳で小学校を退職。その後、女子美大講師、後に教授に。66年、愛知県立芸術大開校にあたって日本画科主任教授に就いた。82年、日本芸術院会員、89年文化勲章を受けた。05年、100歳を記念した回顧展が開かれた。代表作に恩賜賞・日本芸術院賞を受けた「面構 鳥文斎栄之」(74年)など。
URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0121/TKY200801210166.html

0116 芥川賞に川上未映子さん 直木賞は桜庭一樹さん [朝日]

2008年01月16日
 第138回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に川上未映子(みえこ)さん(31)の「乳(ちち)と卵(らん)」(文学界12月号)が、直木賞に桜庭一樹(さくらば・かずき)さん(36)の「私の男」(文芸春秋)が選ばれた。中国人で初の芥川賞候補となった楊逸(ヤン・イー)さん(43)は次点で受賞を逃した。副賞は各100万円。授賞式は2月22日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。

 川上さんは大阪市生まれ。同市立工芸高校卒。07年「わたくし率イン歯(は)ー、または世界」で初めて芥川賞候補になった。東京都世田谷区在住。

 「乳と卵」は、30代の女性が、大阪から上京してきた姉とその小学生の娘と過ごす3日間の物語。大阪弁のノリのよい語りで母娘の愛憎や肉体への違和感を描き出す。

 川上さんは会見で「びっくりしています。受賞前も受賞後も、人に何か切実なものを感じてもらうために書くことに変わりはないが身の引き締まる思いです」と語った。

 芥川賞選考委員の池澤夏樹さんは「声が聞こえてくる滑らかな文体、たくらみがある構成が非常に良くできている」と評価した。楊さんについては「勢いはあるが、文章が芥川賞のレベルに達していない、という理由で見送られた」と述べた。

 桜庭さんは鳥取県出身。99年にファミ通エンタテインメント大賞に佳作入選し、デビュー。昨年、直木賞候補にもなった「赤朽葉家の伝説」で日本推理作家協会賞を受賞。東京都新宿区在住。

 「私の男」は、「父」と「娘」の禁断の愛という深刻な問題を扱った意欲作。現在から過去へと時間をさかのぼりながら、様々な登場人物の視点を借りてその幸福と不幸をあぶり出していく。

 桜庭さんは「極端なストーリーだが、家族のきずなという意味では普遍的なテーマだと思う。今まで書いていないものを書ききったと思った作品なので、評価を受けてうれしい」と話した。

 直木賞選考委員の北方謙三さんは「おかしいところをあげつらうといくらでもあるが、ある神話性を持った話だ。批判を吹き飛ばす独特な何かがあり、作家としての可能性が豊饒(ほうじょう)に感じられる」と話した。
URL:http://book.asahi.com/news/TKY200801160364.html

0115 指揮者バレンボイム氏に名誉市民権 パレスチナ自治政府 [朝日]

2008年01月15日10時38分
 イスラエルとパレスチナの和平に取り組む国際的な指揮者兼ピアニストのダニエル・バレンボイム氏(65)にこのほど、パレスチナ自治政府から名誉の「市民権」と「パスポート」が贈られた。

 アルゼンチン生まれのユダヤ人でイスラエル国籍の同氏は12日、市民権授与が発表されたパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のラマラで「イスラエルとパレスチナの人々の運命はつながっている。私が市民権を得られるのは、共存が可能だということを示している」と述べた。

 同氏はパレスチナ出身の思想家、故エドワード・サイード氏との出会いをきっかけに、アラブとイスラエルの若者の混成オーケストラを99年に結成した。「相手の言葉に耳を傾けなければならない。互いへの無知こそが、平和を遠ざける」というのが持論。ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)のヒトラーが愛好したワグナーの作品を01年にイスラエルで演奏するなど、タブーの打破も試みている。

 04年には、世界的な貢献を認めるイスラエルの「ウルフ賞」を贈られた際の記念演説で「(ホロコーストなど)抑圧に満ちた歴史を持つユダヤ人が、隣人の苦難に無関心でいられるのか」とパレスチナ占領を批判し、イスラエル政府を困惑させた。

 パレスチナ国家に反対するイスラエルの右派からは目の敵にされ、「イスラエルの市民権を取り上げろ」と叫ぶ国会議員も出ている。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0115/TKY200801150052.html

1216 第7回大佛次郎論壇賞は「和解のために」 [朝日]

2007年12月16日06時02分
 第7回大佛次郎論壇賞(朝日新聞社主催)は、韓国・世宗大日本文学科副教授、朴裕河(パク・ユハ)氏(50)の『和解のために』(佐藤久訳、平凡社、税込み2310円)に決まった。

 韓国で出版された作品の翻訳である受賞作は、副題に「教科書・慰安婦・靖国・独島」とあるように、隣国でありながら、多くの政治的問題を抱える日本と韓国へ、お互いの自省と寛容による和解の道を提案する。韓国で生まれながら、日本での長い留学体験を持つ筆者だからこそ体験した両国間のすさまじい情報ギャップを、両国民に向け、解きほぐし、相互理解への可能性をさぐる誠実で勇気ある主張に、選考委員の高い評価が集まった。
URL:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200712150222.html

1208 ドイツ作曲家のシュトックハウゼンさん死去 [朝日]

2007年12月08日10時46分
 DPA通信によると、電子音楽のパイオニアとして知られるドイツの作曲家、カールハインツ・シュトックハウゼンさんが5日、死去した。79歳だった。

 50年代から60年代にかけて前衛音楽を主導。70年の大阪万博でも連続作品演奏会を開き、近年は、ロックやノイズ系を愛好する若者たちにもファン層を広げていた。

 05年には、26年がかりで作曲した連作オペラ「リヒト(光)」を引っさげて、28年ぶりに来日。同作品はすべて上演すれば少なくとも7日間、計29時間という壮大な作品で、世界の注目を集めた。01年の米同時多発テロの際に、「(光の王子で反逆者のルシファーによる)アートの最大の作品」と表現した発言が議論を呼んだ。

 ほかの主な作品に「少年の歌」「グルッペン」などがある。
URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/1208/TKY200712080048.html

1127 司馬遼太郎賞を山室信一・京大教授が受賞 [朝日]

2007年11月27日19時23分

 第11回司馬遼太郎賞(司馬遼太郎記念財団主催)が27日発表され、京都大学人文科学研究所の山室信一教授の「憲法9条の思想水脈」(朝日新聞社刊)が選ばれた。賞金は100万円。贈賞式は来年2月12日に東京・日比谷公会堂で開かれる菜の花忌で。司馬遼太郎フェローシップには上智大生の堅田智子さん、福島県立安積高校講師の小磯匡大さんが選ばれた。
URL:http://www.asahi.com/culture/update/1127/TKY200711270328.html

1126 「豊饒の海」主題と主人公、三島由紀夫のメモ発見 [読売]

三島(本名・平岡公威)が使っていた教科書(右)にはさまれていたメモ 三島由紀夫(1925~70)最後の小説「豊饒(ほうじょう)の海」4部作の第1部の題名「春の雪」と、主人公の姓「松枝(まつがえ)」が、三島自身が10代に書き写した古い歌謡にそのまま出ていることが分かった。

 発見されたのは、三島が学習院高等科1年で使っていた教科書「東洋史概説」にはさんであった、半紙に書かれたメモ。薄い鉛筆書きの達筆な文字で、「松がえかざしにさしつれば/はるのゆきこそふりかゝれ」とあった。歌詞の原典は、平安末期に後白河上皇が著した芸能論「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)口伝集」にあり、該当部分は「梅が枝挿頭に挿しつれば/春の雪こそ降りかかれ」となっており、三島は「梅」の部分を「松」と表記していた。

 「松枝清顕」は、三島の思想の根幹にあった「輪廻転生」を体現する存在で、美貌(びぼう)の令嬢との禁断の恋に生命を懸け、夭逝(ようせい)する。

 東京の古書店が所有する三島の蔵書からメモを見つけた電気通信大学の島内景二教授(国文学)は「三島はこの歌を暗記し、愛唱していたと思うが、美意識に従って本文を変えていた可能性が高い。松の緑の永遠と春の雪の滅びは三島文学のテーマで、若いころの古典、うたへの傾倒に、最後の作品の種子がすでにあったことが見て取れる」と話す。

 この資料や、なぞなぞ、こばなしなどを雑誌から抜き書きした学習院初等科時代の手製の冊子「IRO・IRO」などが、来月5日から16日まで、東京・東池袋の「あうるすぽっと」で一般公開される。

(2007年11月26日22時58分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20071126i516.htm

1110 米作家ノーマン・メイラーさん死去 「裸者と死者」など [朝日]

2007年11月10日22時55分

 第2次世界大戦の従軍体験を基に書いた戦争文学の傑作「裸者と死者」で知られる米国人作家のノーマン・メイラーさんが10日、急性腎不全のため、ニューヨーク市内の病院で死去した。84歳だった。AP通信が伝えた。

 ニュージャージー州でユダヤ移民の家庭に生まれ、ハーバード大学を卒業。44年にフィリピン戦線に従軍して日本軍との戦闘を経験し、戦後は占領軍として日本に駐留した。48年に、孤島を死守する日本軍と強襲上陸を試みる米軍の人間像を描いた長編小説「裸者と死者」を発表、ベストセラーになった。

 その後は進歩的自由主義者を自任し、ベトナム反戦デモに参加。その体験を歴史的視点に重ねて描いた「夜の軍隊」(68年)はノンフィクション小説として高い評価を受け、ピュリツァー賞を受賞した。ニューヨーク市長選に立候補して落選するなど、社会的活動にも積極的にかかわりながら、時事的な小説を書き続けた。

 死刑囚ゲーリー・ギルモアの生と死を追った伝記小説「死刑執行人の歌」(79年)で再び同賞を受賞。

 米同時多発テロ以降はブッシュ政権のイラク政策を批判。朝日新聞の取材に、「どの国よりも強力な米国が中東で弱いものいじめのように行動しているのは醜い」などと語っていた。
URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/1110/TKY200711100253.html

1109 サントリー学芸賞、9氏が受賞 [朝日]

2007年11月09日07時13分

 サントリー文化財団は8日、第29回サントリー学芸賞を発表した。贈呈式は12月11日、東京・丸の内の東京会館で。副賞は100万円。受賞者と作品は次の通り。

 【政治・経済部門】飯尾潤・政策研究大学院大教授「日本の統治構造――官僚内閣制から議院内閣制へ」(中央公論新社)▽土居丈朗・慶応義塾大准教授「地方債改革の経済学」(日本経済新聞出版社)

 【芸術・文学部門】河本真理・京都造形芸術大准教授「切断の時代――20世紀におけるコラージュの美学と歴史」(ブリュッケ)▽三浦篤・東京大大学院教授「近代芸術家の表象――マネ、ファンタン=ラトゥールと1860年代のフランス絵画」(東京大学出版会)▽山本淳子・京都学園大准教授「源氏物語の時代――一条天皇と后たちのものがたり」(朝日新聞社)

 【社会・風俗部門】福岡伸一・青山学院大教授「生物と無生物のあいだ」(講談社)▽ヨコタ村上孝之・大阪大大学院准教授「色男の研究」(角川学芸出版)

 【思想・歴史部門】宇野重規・東京大准教授「トクヴィル 平等と不平等の理論家」(講談社)▽納富信留・慶応義塾大准教授「ソフィストとは誰か?」(人文書院)
URL:http://www.asahi.com/culture/update/1109/TKY200711090013.html

1107 美術の「國華賞」 歴史研究に刺激受け受賞 [朝日]

2007年11月07日15時34分

 日本・東洋の美術に関する優れた研究に贈られる國華賞(國華社、朝日新聞社主催)の贈呈式が開かれ、『広重と浮世絵風景画』(東京大学出版会)で受賞した大久保純一・国立歴史民俗博物館准教授(48)が、喜びを語った。

 「今回、二つの方法論を出しました」と大久保さん。「浮世絵は江戸の他の諸絵画の中で位置づけることで座標が決まるのではないか、と考えたことと、版画という制作・流通の論理を踏まえないと見誤る、ということです」

 選考では、そうした内容が、分かりやすくしかし深みのある文章で記された、と評価された。

 そこには、00年から勤務する「歴博」の職場環境が大きく寄与したという。

 「歴史研究という他分野の人としのぎを削っています。『美術史は文献的な裏付けがないのに、感性でものをいっている』というイメージも一部にあり、美術史の言葉だけで語っていてはいけないと感じた。同じ近世という時代で、歴史研究では何が行われているのかが、刺激になりました」
URL:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200711070226.html