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■財政・税制・経済政策

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130614 「3本目の矢」成長戦略と骨太方針を閣議決定 [読売]

 政府は14日、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の「3本目の矢」となる成長戦略「日本再興戦略」と、中期的な財政再建の方向性を示す「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針)を閣議決定した。

 安倍首相は同日、記者団に対し、「経済再生と財政再建の道筋ができた。自信を持って実行する」と述べた。

 安倍首相は、17~18日に英国で開かれる主要8か国首脳会議(G8サミット)で、成長戦略の狙いや、財政再建に取り組む姿勢を表明する方針だ。

 成長戦略は、企業に対する減税や規制緩和などを通じて、設備投資や事業再編を促すことが柱だ。民間主導で景気を回復させ、賃金上昇につなげる一方で、財政健全化にも取り組み、デフレ脱却と持続的な経済成長を目指す。

 「規制改革実施計画」も閣議決定され、インターネット上で一般用医薬品(市販薬)の販売を解禁する方針などが盛り込まれた。

 政府は、成長戦略を進めるため、臨時国会に「産業競争力強化法案」(仮称)を提出する。古くなった工場や機械を、省エネ性能に優れた最新設備に切り替える企業などに、減税措置を設けることなどを想定している。

130527 国の借金膨脹に警鐘 財政制度等審議会、日銀金融緩和で [朝日]

 【大日向寛文】財務相の諮問機関「財政制度等審議会」は27日、財政再建のための報告書をまとめ、麻生太郎財務相に提出した。日本銀行が金融緩和のために大量の国債を買っているのに甘えて政府が野放図に借金をふくらませれば、「国債の信用が失われて長期金利が急上昇しかねない」と警鐘を鳴らした。
 報告書は「日本銀行による大量の国債購入が『財政ファイナンス』ではないかという疑念を招かないよう努めないといけない」として、金融緩和が裏目に出る危険性を指摘した。財政ファイナンスとは、日銀が政府の借金を支えるために国債を大量に買う政策だ。
 安倍政権は1月に10兆円規模の景気対策を打ち出し、日銀は4月に金融市場からの国債購入額を一気に引き上げる金融緩和を決めた。日銀は財政ファイナンスの目的ではなく金融市場にお金を流し込むために国債を買っているが、結果的に年間の国債購入額は政府の年間の国債発行額(借り換えを含む)の約7割にあたる約80兆円に達する。
 政府は日銀が国債を買い支えているので、買い手がつかなくなることを心配せずに借金ができる。これに甘えて財政再建を怠ると借金がふくらみ、いずれは金融機関など投資家の信用を失って国債が売られる。
 そうなると国債価格が下がり、その分、国債につく金利が上がる。景気を冷やすとともに、政府の借金返済の利子も上がって財政再建がさらに難しくなる。
 日本は、税金による収入で政策経費をまかなえるかどうかを示す「基礎的財政収支」の赤字が続いている。政府は国内総生産(GDP)に比べた赤字額の割合を2015年度までに10年度の半分に減らし、20年にゼロにする目標を掲げている。
 財政審は財政再建を進め、この目標を堅持するよう求めた。そのために「消費税率10%への引き上げが前提」との考えも示した。報告書は、政府が6月にまとめる「骨太の方針」や8月につくる中期財政計画の参考にされる。

■財政制度等審議会が示した予算削減案
【年金】
  • 高所得者への年金給付を削減
  • 年金支給開始年齢の引き上げ
【医療】
  • 高齢者医療費の自己負担増
  • 国民健康保険の運営を市町村から都道府県に
【介護】
  • 介護保険利用者で所得が高い人の自己負担増
  • 介護の程度が軽い人への給付見直し
【雇用、その他】
  • 雇用保険への国費負担引き下げ
  • 地方交付税の特例的な上乗せの解消

130524 共通番号法が成立 個人情報93項目、政府が一元管理 [朝日]

 国民一人ひとりに番号をふり、所得や社会保障などの個人情報を管理する共通番号制度法が24日、参院で可決、成立した。行政機関が納税や社会保障の給付などで国民の個人情報を効率良く把握したり活用したりできるようになり、国民も一部の申請手続きが簡単になる。一方、所得や不動産など90項目以上の個人情報を行政機関が握ることになり、個人情報がまとめて漏れることへの懸念もある。
■給料も不動産も受診歴も
 制度では、政府が2015年10月からすべての国民に11桁以上の個人番号を通知する。そのうえで、税務署や市町村、日本年金機構などの行政機関がばらばらに管理している個人情報をネットワークでつなぎ、16年1月から順々に行政機関が番号を使って必要な情報を取り出せるようにする。
 政府は情報をまとめて管理することで、所得をできるだけ正確に把握して税金を納めてもらったり、年金や生活保護などの社会保障の給付が正確にできたりすると考えている。また、国民は番号が入ったICカードを使えば、年金保険料免除の申請など一部の手続きが簡単になるという。
 朝日新聞の調べでは、共通番号制度法で行政機関が管理できる個人情報は93項目もある。主な項目では、税務署に報告した給料や納税の記録▽所有不動産の広さや評価額など固定資産税の情報▽診療を受けた医療機関や医療費▽雇用保険の失業給付を受けた記録▽公営住宅を借りた記録、などがある。
 ほかに、精神障害者福祉法に基づく強制的な入院措置▽低所得者のための生活福祉資金貸し付け▽片親家庭などの子どものために支給される児童扶養手当の記録などもある。これらの個人情報はまとめて管理され、行政機関が必要に応じて使えるようになる。
 国民が自分の情報の使われ方をインターネットで確認できる「マイポータル制度」もできる。マイポータルでは、税務署が記録している年収・生命保険・住宅ローン・扶養家族などの情報▽証券取引の情報▽年金・医療・介護などの社会保険料、などを自分で確認できるようにもする。
 一方、個人情報が行政機関から漏れたり不正アクセスで流出したりすれば、個人情報がまとめて他人に知られる。また、「言葉たくみに高齢者の同意をもらってマイポータルをみて、詐欺などにつなげる者も出てくる」という指摘もある。
 共通番号制度法では、不正利用を監視するために特定個人情報保護委員会をつくり、罰則ももうける。しかし、委員会はわずか数十人で始めることにしており、全国で不正を監視するのは極めて難しい。
    ◇
■「共通番号」で管理される個人情報の例
【収入や資産】
  • 給料や家族の状況など
  • 保有する不動産やその評価額など
【医療・年金・福祉など】
  • かかった医療機関や医療費の金額
  • 医薬品による副作用の救済
  • 新型インフルエンザなど感染力が強い病気での入院
  • 年金の保険料や年金額
  • 確定拠出年金(日本版401k)の記録
  • 介護保険の保険料やサービスの利用
  • 身体障害者手帳の交付
  • 障害者支援施設などへの入所など
  • 障害者に対する自立支援給付
  • 公営住宅を借りた記録
  • 生活福祉資金貸し付け
  • 生活保護に関する記録
  • 被災者生活再建支援金の支給
  • 石綿による健康被害救済のための遺族給付
  • 中国残留孤児への支援給付
  • 心神喪失の状態で重大な他害行為を行った人の診断や治療
【雇用】
  • 雇用保険の失業給付
  • 労災保険の給付
  • 未払い賃金の立て替え払い
  • 職業訓練を受ける人への訓練給付金
【子育て・教育】
  • 母子健康手帳の交付など
  • 受けた予防接種の時期や種類
  • 児童手当の支給
  • 高校の就学支援金
  • 日本学生支援機構からの奨学金
  • 学校でのケガなどに支給される日本スポーツ振興センターからの給付金
  • 里親の認定

111010 底をつく埋蔵金、基礎年金の国負担どう捻り出す? [読売]

 政府が2012年度予算案の編成で、基礎年金の国庫負担の一部を「つなぎ国債」でまかなう方向で調整するのは、これまで活用してきた特別会計の剰余金などの「埋蔵金」が底をつき、借金に頼らざるを得なくなっているためだ。

 ただ、「つなぎ国債」の発行は、消費税の引き上げ法案の取りまとめが前提で、実現に向けたハードルは高い。

 基礎年金の国負担割合は、04年に成立した年金改革関連法で、09年度までに2分の1に引き上げることが決まった。現役世代の負担が重くなり過ぎないようにしながら、年金給付額の減少を避ける狙いだった。

 当時、政府が財源として想定したのが消費税だ。安定した財源の確保には、すべての国民が負担する消費税が適しているとの判断だ。しかし、消費税の引き上げは実現せず、毎年の予算編成で巨額の財源不足が課題となっている。

 09~11年度は、現行の消費税収などによる国の負担は36・5%にとどまり、残りは埋蔵金と呼ばれる財政投融資特別会計の準備金や剰余金などで穴埋めしてきた。しかし、埋蔵金も東日本大震災の復興財源に優先的に充てることになり、12年度予算では当てに出来なくなった。過去には年金の積立金から国が負担金を借りた例もあるが、運用が難しくなるなど問題が多い。

 政府は中期財政フレームで、12年度の新規国債発行額を44兆円以下に抑える方針を掲げており、年金財源として国債を2・6兆円発行すれば、12年度の新規発行額が目標を超過してしまう恐れがある。また、「つなぎ国債」の発行には、反発が強い消費税の引き上げ論議の決着が前提になる。

 政府の新年度の予算案は例年、12月下旬に閣議決定される。政府・与党が予算編成までに消費税の引き上げ時期や増税幅を決定できなければ「つなぎ国債」の発行は12年度予算案に盛り込めない。国の負担をどう捻出するか、正念場を迎える。(経済部 有光裕)

110128 社会保障・税の番号制、2015年から 政府が基本方針 [朝日]

 菅政権は28日、一人ひとりに番号を割り当てる「社会保障・税の番号制度」(共通番号)の基本方針を決めた。年金や医療、介護などの社会保障サービスと納税や減税などの手続きに利用する。2014年6月をめどに番号を付与し、15年1月からの利用開始を目指している。

 28日の政府の検討会でまとめた。今秋の臨時国会に法案を出す方針だが、参議院の過半数を野党が占める「ねじれ国会」のなかで、法案が成立するかは不透明だ。

 基本方針によると、共通番号として、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を活用した新たな番号を創設。14年1月までに個人情報の保護を監視する「第三者機関」を設置する。同年6月をめどに新番号を割り当て、「ICカード」を国民に配る予定だ。

 利用範囲は当面、年金、医療、福祉、介護などの社会保障分野と国と地方の税務分野とする。年金を含めた様々な収入や納税の記録、児童扶養手当などの給付状況、医療や介護費用の支払い記録などを一括管理する。行政機関ごとにばらばらに把握していた利用者の情報がつながり、手当の申請や税金の確定申告で提出書類を省略できる。ネット上に個人専用ページ「マイ・ポータル」をもうけ、自分の情報や利用できる福祉サービスを一覧できるようにする。

 個人情報の流用や悪用を防ぐため、有識者の検討会議を設置。個人情報にアクセスした記録を本人が確認できる仕組みづくりや罰則の強化などを検討課題に挙げたが、具体案は先送りした。(伊藤裕香子、山田史比古)

101214 法人税率5%引き下げ 個人は計5500億円増税 [朝日]

 菅直人首相は13日夜、2011年度税制改正で焦点となっている法人税率の引き下げについて、国と地方をあわせた実効税率(40.69%)を5%幅引き下げるよう、野田佳彦財務相や玄葉光一郎国家戦略相に指示した。企業の税負担を減らすことで首相が掲げる「経済成長と雇用拡大」につなげる。一方、政府税制調査会は所得税や相続税の見直し案を決定。企業の負担は減らすが、富裕層を中心に個人向け増税は5500億円規模となる。

 首相は公邸前で記者団に対し、「企業が海外に行って雇用が失われることは経済にも雇用にもプラスではない。思い切って(税率を)5%下げて、投資や雇用を拡大することで働く人の給料を増やして経済成長を促し、デフレを脱却する。そういう方向にしてもらいたい」と述べ、野田氏らに政府税調で5%引き下げの最終案をまとめるよう指示した。法人税率の引き下げは12年ぶり。首相は、貿易自由化の推進と法人減税を「成長戦略」の柱に据えていた。

 政府税調は、国の基本税率(30%)を4%程度引き下げるのと合わせ、地方分を1%程度下げることで「5%幅」の引き下げとする方針。菅政権は、16日に税制改正大綱を閣議決定する考えだ。

 実効税率を5%幅引き下げると、税収は国と地方合わせて1兆5千億円程度減る。政府税調は、減収分を企業向けの減税措置の縮小などによる増税でできるだけ穴埋めしたい考えだが、赤字を翌期以降の黒字と相殺できる「繰り越し欠損金」や減価償却制度の見直しなど、企業増税で捻出できる財源は6500億円にとどまる。この結果、企業にとっては、差し引きで「実質減税」となる。

 政府は、まだ足りない財源について、相続税・贈与税の増税分約2600億円を回すほか、株式の売却益などにかかる税金を優遇する「証券優遇税制」を廃止して積み増したい考えだが、証券税制の見直しには与党の国民新党が反対し、調整が難航している。

 一方、政府税調はこの日の会合で、来年度の税制改正に盛り込む個人向け課税の見直し案も決定。会社員の税負担を軽くしてきた給与所得控除を縮小することなどで、子ども手当の給付増の財源を工面する。

 民主党はマニフェスト(政権公約)で、「富裕層に多くの税負担を求めて低所得者の社会保障サービスに回す」という「格差是正」を掲げている。政府税調もこの考え方に沿って、所得税や相続税の見直しを進めてきた。

 個人が納める所得税や住民税は、年収からさまざまな控除を差し引いて計算する。給与所得控除は、会社員の給料の一定額を、仕事上の「必要経費」とみなして課税対象から除外する仕組み。現行では控除額に上限がなく、年収が増えると控除も増え、高所得者に有利とされていた。今回の見直しでは、年収1500万円を超える一般会社員の場合、控除額を頭打ちし、一律245万円とする。

 23~69歳の親族を扶養する人を対象にした「成年扶養控除」は、年間所得が400万円(年収では約568万円)を超える納税者は対象外とする。障害者や要介護者、65歳以上の高齢者は引き続き控除の対象とする。これらの見直しによる所得税と住民税の増税額は計2900億円。この増税分を元手に、子ども手当を3歳未満に限って月額7千円増額するのに必要な約2500億円の財源にあてる。

 相続税についても、配偶者や子どもが遺産を相続するときの税負担を軽くする基礎控除を現行から4割減らす。これまで「5千万円+1千万円×法定相続人数」で計算していたが、「3千万円+600万円×人数」に改め、最高税率も引き上げる。

100511 国の借金、過去最悪の882兆円 1人あたり695万円 [朝日]

 財務省は10日、国債や政府短期証券などの「国の借金」が今年3月末時点で882兆9235億円となり、過去最大となったと発表した。不況による税収減や景気対策の財源を補うために国債を大量発行した結果、昨年3月末と比べ36兆4265億円増えた。

 国民1人あたりの借金は、単純計算で約695万円。2010年度予算は当初予算ベースで過去最大となる44兆円の国債を発行する予定で、11年3月末の国の借金は約973兆円に膨らむ見通しだ。

1223 民主税制、増税色にじむ 大綱決定 [朝日]

2009年12月23日1時42分
 鳩山内閣は22日の臨時閣議で2010年度の税制改正大綱を決定した。減税を約束した民主党のマニフェスト(政権公約)を修正し、ガソリン税などの暫定税率分を実質的に維持。子ども手当の財源として所得税などの扶養控除を大幅に縮小するほか、たばこ税も来年10月に引き上げる。厳しい財政のなか、増税色がにじんだ。

 政府税制調査会の試算によると、税制改正の影響は10年度は限定的で、国税分が400億円の減税、地方税分は300億円の増税。それ以降に影響が通年で表れた場合、国税分は5千億円、地方税分は4800億円の増税となる。

 公約に掲げた主要項目では、揮発油税と軽油引取税の暫定税率を来年4月に廃止する一方、同じ幅の特別な税率の上乗せ措置を「当分の間」導入するとした。民主党の要望に沿った対応で、ガソリンで1リットル当たり約25円の減税は見送った。ただ、原油価格の高騰が続いた場合は、本来の税率部分(本則税率)だけに課税する減税措置をとる。

 自動車重量税では、国の暫定税率分収入の約半分にあたる約1700億円を減税する。省エネ性能に応じて段階的に暫定税率を引き下げる。

 暫定税率の廃止とセットで議論してきた「地球温暖化対策税」(環境税)については「11年度実施に向けて検討を進める」と先送りした。

 所得税・住民税の扶養控除は、15歳以下の「年少控除」を廃止。来年度に新設する子ども手当の財源とする。また、高校無償化の財源として高校・大学生の年齢が対象の「特定扶養控除」のうち、16~18歳の控除額を圧縮する。公約は、特定扶養控除を「存続」すると明記していた。

 扶養控除の見直しは、所得税で11年1月分から、住民税は12年6月分から適用する。

 扶養控除のうち、子ども手当の対象とは重ならない23~69歳の「成年控除」は存続。公約で「廃止」とした配偶者控除は、検討を先送りした。

 たばこ税は1本当たり3.5円増税し、メーカーの値上げ分とあわせて1本当たり5円(20本入り1箱で100円)の値上げとなる見通しだ。上げ幅は過去最大だ。(五郎丸健一)

1015 補助金受給の公益法人、3割超に「埋蔵金」 検査院指摘 [朝日]

2009年10月15日5時34分
 12府省から補助金などを受けた公益法人について会計検査院が調べたところ、内部留保額が総額約2432億円に上り、国の基準である内部留保率30%を上回った法人が全体の3分の1を占めていたことが分かった。検査院は「各府省は内部留保が適正になるよう指導すべきだ」と指摘している。

 鳩山政権が「無駄の温床」として公益法人制度の見直しを掲げているが、検査院の調べで多額の「埋蔵金」を抱える法人の実態が明らかになった形だ。各府省は、公益法人への補助金の減額なども検討するという。

 内部留保は、企業の剰余金に当たり、公益法人の総資産額から基金や固定資産などを引いた額。その額と、事業費や管理費などとの割合が内部留保率だ。

 公益法人は営利目的ではないため、総務省の指針で年間支出の30%以下に抑えるべきだとされている。

 検査院は、参議院からの要請を受け、06~07年度に国などから補助金を受けたり契約を結んだりしている2018の公益法人について検査。これらの法人は07年度、委託事業費などを5174億円、補助金を3088億円など、計8262億円を得ている。

 このうち内部留保率が30%超だったのは659法人で、全体の3分の1だった。100%超は91法人あった。

 1法人当たりの内部留保の平均は約1億2千万円。国からの支出がない4561法人と比較すると、平均で約3倍となっていた。

 留保額が1億円超は745法人。10億円超は115法人あり、うち留保率が最も高かったのは外務省所管の財団法人「日韓文化交流基金」。07年度末の段階で453%、留保額は約39億円だった。

 国からの支出が1億円以上の法人のうち、留保額1億円超は352法人で、全体の半数以上を占めた。(前田伸也、中村信義)

1010 農水省に「埋蔵金」353億円 検査院「有効活用を」 [朝日]

2009年10月10日5時31分
 農林水産省が公益法人などに設置した基金が既に役割を終えるなどして、国が支出した補助金など約353億円がほとんど使われないままになっていたことが、会計検査院の調べで分かった。巨額の「埋蔵金」が新たに判明した形だ。検査院は9日、滞留している基金の有効活用を図るため、農水省などに国庫への返納も含めて改善を求めた。

 「埋蔵金」はこれまで、国の特別会計の資産から負債を除いた剰余金や積立金などのうち、財源活用できる部分を指していた。今回指摘されたのは一般会計からの支出で、基金などの形でたまっていた。新たな財源として活用できる可能性がある。

 検査対象となったのは、農水省と林野庁が所管する172の公益法人や組合、任意団体に支出された補助金をもとにつくられた226の基金・資金などの国庫補助金分の約606億円。

 検査院の調べによると、うち208の基金・資金で、年度ごとに事業に見合わない多額の資金がプールされていた。補助金の残高は08年度末までに約353億円に上る。原因として、既に役割を終えたにもかかわらず存続している事業や、需要に比べ資金規模が大きすぎる事業ばかりだったことが挙げられるという。

 このうち「緑の雇用担い手対策資金」では、林業の担い手育成のため、林野庁が「全国森林組合連合会」に毎年60億~90億円の補助金を交付。しかし、研修生の採用実績が計画を下回るなど事業は低調で、08年度末までにたまった資金残高は約82億円で、1年分の交付額に相当する規模にまでなっていた。

 検査院は、場合によっては事業をやめたり、補助金を国に返還したりすることも視野に、農水省と林野庁に対し、基金などの有効活用を図るよう求めた。

 農水省は「対応を決めるのは政務三役。省としてどう改善していくかは大臣の判断をあおぎたい」としている。(前田伸也、中村信義)

0606 消費税10%でも財政健全化は20年以降 内閣府試算 [朝日]

2009年6月6日8時14分
 内閣府は、現在5%の消費税を2011年度以降、段階的に引き上げて10%に増税した場合でも、財政健全化を達成できるのは20年代初めになるとの見通しをまとめる。1月の試算では18年度に達成できるとしていたが、経済危機対策で借金がかさみ、景気後退で税収が落ちたためだ。

 政府は昨年末、景気回復を条件に11年度からの消費税増税を決めたが、増税幅は明確にしていない。今回の見通しで財政再建には5%幅以上の消費税率引き上げが必要なことが鮮明になり、今後の議論では増税幅が焦点となる。

 週明けに開く政府の経済財政諮問会議で報告する。財政状況の試算は、景気が回復し、11年度以降に消費税を5%増税するケースを想定。それによると、借金返済以外の歳出を税収だけでまかなう「基礎的財政収支」の黒字化は20年代初めになるという。

 1月の試算では、消費税を11年度から毎年1%ずつ引き上げ、18年度に黒字化する見通しだった。政府は06年に11年度の黒字化を目標に掲げていたが、戦後最悪のマイナス成長に加え、15兆円の経済危機対策にともなう借金で大幅に後退する。

 こうした現状を踏まえ、諮問会議の民間議員は新たな財政再建の目標を示す。まず09年度以降の5年程度で基礎的財政収支の赤字幅を半減させるよう求める。09年度から10年程度先には、債務残高が名目国内総生産(GDP)に占める比率を安定的に下げるよう求める。借金を経済力に見合った水準に減らす。新目標は、月末にまとめる政府の経済財政改革の基本方針「骨太の方針09」に盛り込む方針。

 ただ、総選挙を前に与党内には消費税増税の論議を避けたい空気が強く、むしろ社会保障費を積み増すよう求める圧力もある。「骨太09」に、明確な財政再建目標を盛り込めるかどうかは不透明だ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0606/TKY200906050444.html

1218 一般会計88.5兆円、当初比5兆円増 09年度原案 [朝日]

2008年12月19日21時31分
 中川財務相は19日、09年度政府予算の財務省原案の骨格を明らかにした。一般会計の総額は08年度当初比5兆4900億円増の88兆5500億円となり、当初予算で過去最大となった。特別会計の「埋蔵金」を税収不足分の財源に充てる一方、新規国債発行額も同7兆9500億円増の33兆2900億円に膨らんだ。

 原案は20日に各省庁に内示。麻生首相が重点化枠の3300億円の配分を決め、24日に政府案を閣議決定する。

 公共事業費などの政策的経費である「一般歳出」は同4兆4500億円増の51兆7300億円。基礎年金の国庫負担引き上げで2兆3千億円、経済情勢に応じて使い道を決める「経済緊急対応予備費」1兆円などが加わる。

 地方交付税など自治体への配分は首相の「1兆円増額」の指示で同9600億円増の16兆5700億円。借金返済に充てる国債費は同800億円増の20兆2400億円。

 歳入では、税収を同7兆4500億円減の46兆1千億円と見込む。急速な景気悪化で法人税収などが大きく落ち込むためだ。「埋蔵金」の財政投融資特別会計の準備金流用など税外収入が同4兆9900億円増の9兆1500億円。国債発行額は当初では4年ぶりに30兆円を超える。

 財政の健全性の目安となる基礎的財政収支は13兆500億円の赤字。赤字幅は08年度当初の5兆1800億円から2倍以上になる。政府は11年度に国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化させる目標だが、大幅な税収増がない限り先送りは必至だ。

 政府系金融機関などに資金供給する09年度の財政投融資計画は同約2兆円増の15兆8600億円。企業の資金繰り支援のため、10年ぶりの増額になる。(五郎丸健一)
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1219/TKY200812190368.html

1129 消費税上げ言及見送る、景気に配慮…政府税調答申 [読売]

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は28日、2009年度税制改正の答申を取りまとめ、麻生首相に提出した。

 焦点だった消費税率の引き上げについては、具体的な言及を見送ったうえで、年末までに政府がまとめる税制抜本改革の「中期プログラム」に明記するよう求めた。景気悪化で増税検討に慎重な与党の空気を背景に、議論を「中期プログラム」に預けた格好だ。

 答申は、消費税率引き上げに関して、昨年の答申内容を「堅持すべき」と記すにとどめた。昨年は「(社会保障費を賄う)選択肢の一つとして幅広く検討を行うべき」としていた。

 そのうえで「中期プログラム」に「実施時期を明らかにすることを強く求めたい」と要請している。

 道路特定財源の一般財源化についても、道路関連税制や暫定税率の今後の見直し方などには踏み込まなかった。「(必要と判断した道路は着実に整備すると定めた)本年5月の閣議決定に沿って対応すべき」とのみ記した。

 一方、納税者に特定の番号を付け、所得などを把握しやすくする「納税者番号制度」については、「適正・公平な課税の実現に向けて努力すべき」として、将来の導入に向けた検討を進めるよう求めている。

 政府が追加景気対策で住宅ローン減税の拡充などの減税政策を打ち出したことには、経済情勢を踏まえ「やむを得ない」と容認姿勢を示した。ただ、「財政健全化を阻害しないよう」とクギを刺し、減税を時限措置とするよう求めた。
(2008年11月29日02時05分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081128-OYT1T00586.htm

1110 外貨運用収入が好調、前年を5800億円上回る…07年度 [読売]

 財務省は10日、外国為替相場の安定化などを目的とする「外国為替資金特別会計」(外為特会)で保有する外貨預金と外貨証券による2007年度の運用収入が06年度を約5800億円上回る4兆2703億円に達したと発表した。

 海外の金利が上昇局面にあったため、米国債など外貨証券の運用利回りが好調で、公表されている02年度以降で最高額となった。

 運用収入から、過去の為替介入の際に発行した政府短期証券の利払い費などの経費を差し引いた実収入は約3兆6400億円となった。「霞が関埋蔵金」として政策経費に活用できるか今後、論議を呼びそうだ。

 外貨建て資産は総額約102兆3931億円。運用収入のうち、米国債など外貨証券運用益が約3兆6400億円と最も多かった。運用利回りも過去最高の4・32%を記録した。

(2008年11月10日19時29分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081110-OYT1T00409.htm

0521 自民、消費税率上げ検討始める 年金財源にらみ前倒し [朝日]

2008年05月21日06時02分
 09年度から国庫負担割合を引き上げる基礎年金や膨らむ高齢者医療費の財源を安定的に確保するため、自民党は20日、消費税率引き上げの検討を始めた。党税制調査会(会長・津島雄二元厚相)の幹部が協議し、消費税を含めた税制の抜本改革に向けた論議を前倒しすることを確認した。年末に向け、引き上げの是非も含めて結論を出す方針だ。

 ここ数年、消費税率引き上げは論議の対象になりながら先送りされている。しかし、基礎年金の国庫負担割合の引き上げ時期が迫り、自民党内では「消費税以外に方法がない」(幹部)と税率引き上げ論が強まっている。4月に導入された後期高齢者医療制度への批判に関し、伊吹文明幹事長は「保険料率の上昇に年金世代が耐えられないと、税の議論になる」と指摘。社会保障費の抑制には限界があるため、消費税に頼らざるを得ないとの判断だ。

 党税調の津島会長や与謝野馨小委員長ら幹部による会合は、昨年より約5カ月も早い。自民党案の検討に時間をかけることで、国民の理解を得て、民主党など野党を協議に引き込むのが狙いだ。

 引き上げ幅や時期は、景気動向や世論の反応などを見極めながら詰める。与謝野氏が会長を務める党財政改革研究会は昨年11月、消費税率を2010年代半ばに10%程度に引き上げる案をまとめた。増税感を薄めるため、高齢者を抱えたり、教育費がかさんだりする世帯を対象にした減税案も検討する。

 例年秋に議論を始める政府税制調査会も、福田首相の指示で、近く会合を前倒しして開く。税制抜本改革に向け、結論の取りまとめに時間をかける必要があるとの判断からだ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0520/TKY200805200369.html

1208 租税特別措置、民主「4割不合格」 効果不明と分析 [朝日]

2007年12月08日07時34分

 民主党は、特例を設けて減税を認める「租税特別措置」(租特)に関する各省庁への聞き取り調査の結果をまとめた。10省庁が08年度に延長や新設を求めている137項目が対象。各省庁が、具体的な効果など可否の判断材料を示せなかった「×(不合格)」は全体の4割にあたる57項目。「○(合格)」は1割に満たない12項目にとどまった。同党は、政府が説明責任を果たしていないなどとして、通常国会で争点化する構えだ。

 租特の延長や新設には、租税特別措置法の成立が必要。参院第1党となった民主党が反対すれば、減税措置が切れる可能性がある。今回の調査は、同党が租特の必要性を点検するために11月下旬から12月初めに実施。対象の内訳は延長は96、新設が41項目だった。

 租特の「効果」については、統計などに基づき必要性を説明するよう求めた。租特の可否を判断する材料が提供されれば、「○」。制度の説明にすぎないものなど具体的な効果が分からないものを「×」に分類した。

 例えば、金融庁が延長を求めている証券優遇税制は制度が始まった直後の02年度末から06年度末までに個人金融資産に占める株や投資信託の割合が増えた統計を示しただけ。税制がどう貢献したかの説明が示されなかったため、「×」とした。

 一方、「○」は延長で5、新設で7項目だけだった。例えば、農水省が新設を求めたバイオエタノール混合ガソリンの減税は「ガソリンと同様の課税をするとバイオガソリンの販売が伸びないため」などとした説明が合理的と評価された。

 一方、説明に用いた試算が中途半端な内容であるなど、「△(不十分)」と判断したのは68項目と、半数を占めた。

 対象企業数や減税額など積算の説明も求めたが、「○」は44項目、「×」は51項目だった。

 政府・与党は個々の租特を一本の法律にまとめて国会に提出しているが、民主党は必要性に応じ別々の法案を提出するよう求める方針。各省庁に対し租特の政策効果や実績の検証を義務づける「租税特別措置改革・透明化プログラム法案」を来年の通常国会に提出する案も浮上している。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1207/TKY200712070328.html

1122 消費税、2010年代半ば10%超に 自民財革研 [朝日]

2007年11月22日00時57分

 自民党の財政改革研究会(財革研=会長・与謝野馨前官房長官)は21日、消費税率を2010年代半ばに10%程度に引き上げることを掲げた「中間とりまとめ」を公表した。消費税の使い道を年金など社会保障給付の財源に限り、名称は「社会保障税」に変更するよう提言。ただ、増税論議の行き過ぎを懸念した福田首相や党執行部に配慮、税率引き上げの時期には触れなかった。12月中旬に与党がまとめる08年度税制改正大綱に反映することを目指す。

 提言では、消費税を「国民にすべて還元する原則のもと、社会保障給付のための財源と位置づける」として、名称の変更を求めた。10年代半ばの社会保障給付に必要な財源の規模を前提としたうえで、少なくとも消費税を10%程度までに引き上げる必要性を示した。

 政府が09年度までに予定する基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1へ引き上げる措置も「当面の課題」と位置づけ、「早期に税制上の措置を図る」とした。

 財政再建については、11年度に政策経費を税収で賄う状態である「基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化」を実現するとの政府方針は踏襲。さらに10年程度かけ、その年の税収で政策経費と借金の利払いを賄う「財政収支均衡」を達成する目標も掲げた。

 一方、現在の歳出歳入構造では「再び赤字に陥る」と警告。「財政運営はギャンブルできず、堅実な判断が肝要だ」として、経済成長に頼る財政再建策を牽制(けん・せい)した。

 与謝野氏は党税調小委員長も兼ねる。今回の提言を踏まえ、近く本格的に始まる党税調の論議を進める意向だ。ただ、次期衆院選を意識して、増税路線を打ち出すことには政府・与党内から慎重論が強まっており、調整は難航が予想される。

 財革研は05年、自民党政調会長だった与謝野氏が設置。一時休眠状態だったが、財政再建を重視する谷垣禎一政調会長が今年10月に再開させた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1121/TKY200711210335.html

1120 政府税調答申、個人向け増税ずらり 消費税「中核」 [朝日]

2007年11月20日22時51分

 政府税制調査会(香西泰会長)は20日、税制改正の答申をまとめた。消費税を「社会保障財源の中核」と位置づけ、税率引き上げの必要性を3年ぶりに指摘。格差是正も掲げ、高所得者への課税や相続税の強化を盛った。一方で各種所得控除の縮小もうたっており、安倍前首相のもと経済活性化を打ち出した前年の答申と異なり、増税色が強い内容となった。ただ、増税の時期や水準は明記せず、抜本改革の先送りを事実上容認した。

 消費税については、09年度に予定される基礎年金の国庫負担の引き上げに向けた財源確保の重要性を強調。幅広い世代が負担することなどを理由に「社会保障財源の中核を担うにふさわしい」とした。そのうえで、「社会保障費は消費税率引き上げでまかなう姿勢を明らかにする『社会保障財源化』を、選択肢の一つとして幅広く検討すべきだ」と提言した。

 税率の高い諸外国で生活必需品の税を低くするために導入されている軽減税率については「極力単一税率が望ましい」と否定的な見解を示した。

 答申は、格差問題について「固定化への懸念も生じており、国民の懸念に真摯(しんし)に対応することが大きな課題である」と指摘。税の所得や資産の再分配機能の強化が重要だとして、高所得者向けの課税強化も打ち出した。

 具体的には、相続税がかからない基礎控除(最低6000万円)を引き下げて多くの人に相続税を払ってもらうことや、会社員の「必要経費」である給与所得控除に上限を設けて、給料の高い人の納税額を増やすことなどを求めた。これまで引き下げられてきた所得税の最高税率についても「所得再配分の観点から検討する必要がある」とした。

 また、配偶者控除や、高校生や大学生の子どもがいる世帯向けの特定扶養控除など、幅広く使われている控除についても「(女性の働き方など)生活様式の選択を税制が阻害しないことが重要」だとして、縮小の方向性を盛り込んだ。

 政府税調は「07年秋から、税体系の抜本的改革の検討を進める」とした政府・与党の方針に従って9月から答申に向けた議論を進めた。しかし、税制をめぐる与野党間の対立点は多く、福田首相も当面は消費増税をしない考えを表明したため、抜本改革は09年度以降に先送りされる見通しだ。

 08年度に実現すべき項目として昨年に続き、証券取引にかかる税負担を半減する「証券優遇税制」の廃止を提言。揮発油税(ガソリン税)の暫定税率の維持も求めた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1120/TKY200711200381.html

1109 政府税調、消費税引き上げ答申へ 率・時期は明示せず [朝日]

2007年11月09日22時03分

 政府税制調査会は9日、08年度税制改正答申の大枠を固めた。社会保障制度の維持のためとして、将来的な消費税率引き上げの必要性に3年ぶりに言及し、株式取引の税負担を軽減する「証券優遇税制」の廃止を盛り込む方針だ。ただ、参院の与野党逆転で、政府・与党が掲げる税制の抜本改革の行方が不透明になっており、消費税率の上げ幅や実施時期は明示しない見通し。答申は、20日ごろにまとめる。

 この日の会合では、特別委員の高木剛氏(連合会長)が、社会保障制度改革の方向性が示されないうちに消費税率を上げる議論を進めることに異論を唱えた。しかし、大半の出席者は「社会保障制度の維持に必要な安定財源として、消費増税が欠かせない」という意見で一致した。

 一方、消費増税による低所得者の負担増を和らげるため「税制と社会保障全体で所得再分配を強めるべきだ」と指摘する意見も多かった。この考え方に沿って、相続税など資産への課税強化の検討も盛り込む方向だ。

 証券優遇税制については、これまでの議論ですでに廃止を提言する方針を固めている。また、「夫婦共働きが増えるといった暮らし方の変化に合わせ、配偶者控除を縮小するべきだ」「企業の国際競争力を強めるためには、法人税の実効税率を下げる必要がある」といった意見も強く、検討課題に挙げる方向だ。

 ただ、消費税など主な税の骨格にかかわる部分は、時期を明示しない中期的課題と位置づける見通し。自民党の税制調査会は今月下旬から具体的検討を本格化させるが、年末の08年度税制改正で、こうした内容が実現する可能性は低そうだ。
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URL:http://www.asahi.com/politics/update/1109/TKY200711090482.html

1105 消費増税「必要」43%、「不要」49% 本社世論調査 [朝日]

2007年11月05日23時52分

 朝日新聞社が3、4の両日実施した全国世論調査(電話)によると、消費税の引き上げが「必要だ」と答えた人は43%、「必要はない」は49%で意見が分かれた。一方、社会保障の財源を確保するために消費税の引き上げが必要だという考え方に「納得できる」人は36%で、「納得できない」が54%にのぼった。政府・与党は社会保障の財源確保のためだとして国民の理解を得ようとしているが、必ずしも賛同は広がっていないようだ。

 消費税引き上げの必要性について、男性は「必要」が50%で「必要はない」の44%を上回る。これに対し、女性は37%対54%と見方が逆転している。7月7、8日の調査では全体で「必要」40%、「必要はない」51%。男性は49%対45%、女性は32%対56%と今回と同じ傾向だが、女性で「必要」という意見がやや増えた。

 社会保障の財源確保のための消費税引き上げに「納得できない」と答えた人は30代で61%、50代で55%、70歳以上で42%と、20代を除けば若い年代ほど多い。現在の社会保障の受益者である高齢層に比べ、将来の受益者である若年層で反発が大きいという結果だった。

 地方税制を見直し、大都市の税収の一部を地方に分配する新たな仕組みづくりについては「賛成」63%、「反対」22%となった。見直しをした場合、税収が減ると見込まれる東京都では賛成が48%と少ないが、それでも反対(39%)を上回り、大都市と地方の税収格差の是正に一定の理解があることがうかがえる。

   ◇

 〈調査方法〉3、4の両日、全国の有権者を対象にコンピューターで無作為に電話番号を作る「朝日RDD」方式で調査した。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は2088人、回答率は59%。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1105/TKY200711050322.html

1018 消費増税に政権本腰 経済諮問会議「11~17%必要」 [朝日]

2007年10月18日03時04分

 消費税率引き上げが、福田政権最大の政策課題に浮上した。内閣府は17日の経済財政諮問会議で、現在の医療・介護給付の水準を維持するためには2025年度に約14兆~31兆円分の増税が必要となり、消費税でまかなうなら11~17%まで税率を引き上げる必要がある、との試算を公表した。町村官房長官や与謝野馨・自民党税制調査会小委員長も消費税率見直しに意欲を示しており、政権として、社会保障の維持とセットの形で、この問題に取り組む姿勢が鮮明になった。

 福田首相は17日、諮問会議に先立つ参院予算委員会で、「歳出改革を進めた上で対応しきれない時に、社会保障を削ればいいという話にならない。消費税を含めた税財源についても検討していくことは(安倍内閣時の)6月にも決めている」と述べ、増税論議を急ぐ必要性を強調した。町村官房長官も同日の記者会見で「長い目で見たときに消費税が5%のまま据え置いていられると思っている人はたぶん、だれもいない」と述べた。

 与謝野氏は同日の朝日新聞のインタビューで、「大きな税目として間接税を日本社会全体として議論せざるをえない」と話し、消費税率引き上げを念頭に税制改革を進める考えを示した。引き上げ幅や実施時期の見通しには触れなかったが、消費税という名称を「取引高税」などと見直すことも検討課題とした。

 福田政権が消費税率引き上げを政権の重要課題とする背景には、年末の税制改正論議を控え、将来の社会保障費の増額に対応できる税制を早期に整備しておきたい、という考えがある。

 09年度には基礎年金の国庫負担分を現在の3分の1から2分の1に引き上げることが決まっており、新たな財源の確保は喫緊の課題だ。11年度には国と地方の基礎的財政収支を黒字化させることが政府公約ともなっている。

 内閣府の試算は、こうした政府・与党幹部の姿勢を補強するものだ。

 試算では、政府が11年度までの歳出削減目標額としている14.3兆円と11.4兆円の2ケースを前提とした。さらに12~25年度の名目成長率が3.2%と2.1%の場合を想定するなど、計8パターンを試算した。

 歳出削減が14.3兆円となり、成長率が高くなるなど、最も楽観的なケースでも、医療・介護の給付や国債の利払い費などにあてるために、25年度には少なくとも14.4兆円の増税が必要で、消費税なら10.7%まで税率を引き上げる必要があるとした。一方、歳出削減が11.4兆円にとどまり成長率も低いなど、最も悲観的なケースでは、25年度に最大31兆円の増税が必要で、消費税率は17.4%が必要という。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1018/TKY200710170362.html

1017 政府税調、証券優遇税制廃止で一致…相続課税「拡大必要」 [読売]

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は16日、企画会合を開き、上場企業の株式の配当と売却益に対して10%(本来は20%)の優遇税率を適用する「証券優遇税制」について、2008年度内に迎える期限通りに廃止する方向で一致した。

 12月初めにまとめる予定の08年度税制改正の答申に盛り込む見通しだ。ただ、与党や金融庁などには延長を求める声が強く、今後議論となりそうだ。

 会合では、優遇税制を導入した03年に比べ株価が2倍以上に回復していることなどが示され、期限通り廃止する方針に異論は出なかった。今後、異なる金融商品で一体課税し、損失が出ても相殺できるようにする仕組みの導入などについて検討に入る。

 一方、相続税については社会保障財源を確保するため、課税対象を広げる必要があるという方向でほぼまとまった。今後、控除の縮小などの具体策を検討する。

 中小企業の経営者の子供が、企業を引き継ぐために株式を相続する場合に相続税を優遇する「事業承継税制」については、「後継者難解消のため優遇を拡充すべきだ」との意見と、「世襲にこだわる必要はない」との両論に分かれ、結論は出なかった。

(2007年10月17日1時42分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20071016i115.htm

0918 日本経団連が税制提言、消費税の社会保障目的税化求める [読売]

 日本経団連は18日、年末の税制改正に向けた提言を正式に発表した。

 少子高齢化に伴って増える社会保障費の財源を安定的に賄うため「徹底した歳出削減を前提として、消費税率を引き上げ、役割を拡大していく必要がある」として、事実上、消費税の社会保障目的税化を打ち出した。

 提言では「低所得者層へ配慮しつつ、各種控除の整理を進める必要がある」と、課税対象者を広げる必要性を指摘した。現行の児童手当制度と扶養控除を一本化して、所得税を減額する「子育て税額控除」に統合することも求め、民主党が主張している子育て支援策の拡充に近い内容も盛り込んだ。

 所得税の課税最低限(サラリーマンの夫と専業主婦の妻、子2人の4人家族のモデルケースで325万円)を下回る課税所得の世帯では、税控除の恩恵を受けられないため、控除分を給付金として別途、支払う制度も併せて検討すべきだとしている。ただ、控除の対象となる低所得者の水準や控除額、財源などについては明言を避けた。

(2007年9月18日23時31分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070918ib24.htm

■税制06 より続く

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